MS Operative Theory
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内部図解
MS③
——MSの「戦闘力」を増大させるサイコミュ系技術——
ミノフスキー物理学を中心とした数々の最先端技術が投入されたMSは、紛れもなく宇宙世紀における「最強の兵器」となった。更にビーム・ライフルをも防御するビーム・シールドの標準装備化や、大気圏内での機動性を著しく向上させるミノフスキー・フライトやビーム・ローターの実用化によって、航空機や戦闘車両では覆すことの出来ない戦闘力を獲得した。そして、この戦闘力を更に拡大させるデバイスが、サイコミュである。サイコミュは精神波の一種とされる感応波を用いてミノフスキー通信を安定化させる技術で、パイロット自身の思考をダイレクトにMSの挙動に反映できるインターフェイスである。しかもサイコミュは単なるインターフェイスではなく、他者の感応波を受信、増幅するセンサーとしての役割も持つ。また、ファンネルや有線ビーム砲などの制御装置ともなるなど、他に類を見ない多機能装備となっている。かつてのサイコミュは高度なニュータイプや強化人間にしか扱えないデバイスだったが、U.C.0080年代末期に実用化された準サイコミュや、サナリィおよびクロスボーン・バンガード系組織で研究されていたバイオ・コンピューターによって、一般のパイロットでも利用できるレベルに達している。
■サイコミュ関連技術
一年戦争期に実用化されたサイコミュは、機体の制御だけでなくセンサーとしての機能や、MS本体とは独立して動作する攻撃端末の制御にも用いられる複合機器となった。中には、サイコ・フレームのように構造材としての機能を持つタイプも存在しており、MSの総合性能を飛躍的に向上させた。
▼操縦/駆動系
パイロットの思考を、操縦桿やフットペダルなどを介さずに、機体に反映させる。サイコミュの性能によっては遣り取りできる情報が制限させるため、補助的に使用させる。
▼センサー系
サイコミュは他者の感応波も受信できるため、パイロットの認識力を拡大させる機能も持つ。また、ミノフスキー通信を利用するため妨害されにくく、通常のセンサーよりも有効範囲が広いと言う特徴も有る。
▼兵総系
サイコミュは機体の制御だけでなく、ファンネルや有線ビーム砲などの無線/有線制御式攻撃端末の操作にも用いられる。ミノフスキー通信を用いるため、ECM(電子対抗手段)もほぼ無効である。
補足事項
——MS各部に用いられた具体的技術——
前述のような基本的技術以外にも、MSには時代や系列によって様々な技術が投入されている。特に機体の耐久性や剛性/柔性だけでなく、駆動性やペイロードなどにも直結するフレーム関連技術は、一年戦争後に長足の進歩を遂げた。多くの技術はMS用の汎用技術として普及していったが、モノアイやカメラアイなど、外見的に開発系列が判別しやすい技術も存在している。
■構造
①モノコック/セミモノコック構造
モノコック構造とは、装甲外郭で機体を支持する構造で、ジオン公国軍系のMSで採用されていた。これに対し、地球連邦軍系のMSに採用されていたものがセミモノコック構造である。これは装甲外郭とフレームを共用するもので、U.C.0080年代中期までは一般的な技術だった。
②ムーバブル・フレーム
U.C.0080年代中期から普及した駆動式内骨格。駆動関節を組み込んだフレームを中心に、推進器や反応炉、装備類を搭載していく方式を採る構造であった。柔性に優れ、可変MSの基礎技術となった。
③ルナ・チタニウム/ガンダリウム合金
RX系MS以降、試作機を中心に採用された装甲/構造材。剛性や放射線遮断能力に優れるという特徴を持つが、加工が難しいと言う欠点もあった。この欠点を改善した合金がガンダリウムγで、生産性が高く量産機にも採用された。
④マイクロハニカム技術
ヤシマ重工が実用化した素材加工技術。ミノフスキー立方格子に沿って金属粒子を整列させることで、強度の大幅な向上が可能となった。この技術で生産された素材が、サナリィの「F計画」系MSで使用された。
⑤MCA構造
装甲や構造材に、センサーなどの電子機器の機能を融合した構造。サイコ・フレームに近い技術だと考えられる。サナリィが開発した第五世代MS、F91で採用された。
■操縦/駆動系
①液体パルス・システム/フィールド・モニター
液体パルス・システムはジオン公国軍系、フィールド・モーターは地球連邦軍系の関節駆動システムとして知られている。フィールド・モーターはマグネット・コーティング処理により、駆動性の向上が可能であった。
②全店周囲モニター/リニア・シート
U.C.0080年代中期から普及したコックピット・システム。全天周囲モニターはコックピット内壁全てをディスプレイとしたもの、リニア・シートは耐Gシートである。第二世代MS以降の標準的なコックピットとして使用された。
■センサー系
①モノアイ
ジオン公国軍系MSのメインセンサー。電子工学カメラを中心に、レーザー系/赤外線系センサーを配置した複合センサーである。所謂「ひとつ目」で、ジオン公国軍系MSの特徴となった。
②デュアルセンサー
地球連邦軍系のセンサーで「ツインアイ」とも呼ばれる(RGM-79(ジム)もゴーグルの下にデュアルセンサーを持つ)。頭頂部メイン・カメラを含めると3点から観測するため、立体視能力に優れていた。
③ハイブリッド・デュアルセンサー/マルチセンサー
クロスボーン・バンガード系のゴーグル型センサーがハイブリッド・デュアルセンサー、ベスパ系のシャッター付きセンサーがマルチセンサーと呼ばれる。いずれも立体解析能力に優れる。
——MSのオプション機器——
MSには、主に五本指マニピュレーターで運用する兵装やオプションが用意されている。初期はMS用機関砲やロケット・ランチャー、MS用トーチなどが多かったが、一年戦争中期以降になるとビーム・ライフルやビーム・サーベルも普及しはじめ、U.C.0080年代中期にはサブ・フライト・システムも一般的なオプションとなった。
■MS携行用実体弾式火器/ヒート系格闘兵装
最初期のMS用兵装。ザク・マシンガンやジャイアント・バズ、ヒート・サーベルなどがこれにあたる。ビーム兵器と比べて技術的に容易であったため、ジオン公国軍MSを中心に広く使用された。大型化しやすいことが欠点である。
■MS携行用ビーム兵器
RX系MSおよび、それ以降に採用された、ビーム・ライフルやビーム・サーベルなどのミノフスキー物理学系ビーム兵器。コンパクトかつ火力に秀で、U.C.0080年代以降になって、製造技術が安定したこともあり、MSの標準装備となっていた。
■サブ・フライト・システム(SFS)
MSが搭乗する航空機/航宙機。MSに飛行性能を付与するほか、航続距離や行動半径を大幅に拡大させる。接触するだけでMS側から操作が可能となるほか、MSとSFSのカメラやセンサーもリンクできるため、MSの視界を塞ぐことはない。
——MSのカテゴライズ——
ここまで解説してきたMSは、基本的に一般的な使用の汎用MSであるが、「世代」と呼ばれる分類などがされるケースもある。世代による分類は機体構造や投入された技術、使用分類局地戦用機など対応地形/任務によってカテゴライズされる。
■世代による分類
一年戦争期の第一世代MSから、U.C.0100年代に出現した第五世代MS(第2期MS)まで、5つの世代に分類される。第二世代はムーバブル・フレームやガンダリウムγなどの採用、第三世代は可変MS、第四世代はジェネレーター直結式メガ粒子砲やサイコミュを搭載した機体を指す。
■仕様による分類
水陸両用MSや砂漠戦用MSに代用される局地戦用MS、大口径火砲を固定装備する支援MSなど、仕様によって様々に分類される。宇宙用やコロニー用、格闘型MS、サイコミュ搭載MSのほか、汎用MSもカテゴリーとして成立している。
後書き
次回 ノーマルスーツ
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