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信念貫きし少年の軌跡

作者:ryuga09
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第1話

ここは地球。
地球とは言ってもそれぞれ別の地球があるため、ここの正式名称は、

[第98管理外世界”地球”]

である。
そこに先ほど転移させられた少年、森 龍斗が現れる。

「はぁ・・・で?俺はまた落ちるのか」

そう、龍斗が現れたのは地ではなく空。
ゆえに何もしなければ地上に向かってロープなしのバンジージャンプ、ただし行き先はあの世である。

「さて、あの神は後でしばくとして、おい」
『何でしょう?』
「名前の設定は?」
『デフォルトでブラッディクロスとなっています』
「・・・あの神も実に愉快な事をしてくれる、まぁいい、その名前の後にツヴァイと付けろ」
『了解、正式名称ブラッディクロス・ツヴァイに変更、愛称はクロスで大丈夫でしょうか?』
「ああ」

のんびり会話しているように見えるが、実際、落ちながらのため、余裕がなくなってゆく。

「はぁ・・・面倒だが、同時に楽しみでもあるか、体は元々デカイ方じゃねぇし、このままでいいだろう」

今の龍斗の身長は140cm。
普通ならば小さいくらいである。

「クロス、今から起動させるが・・・万能型であってるか?」
『はい』
「なら・・・ウィングロード起動、同時にプロテクション」
『了解』

何故空を飛ぶ魔法ではなく、走る魔法を発動させ、防御魔法を発動させたのか、その理由は、

「ここにいる転生者はよほど慎重なのか?」
『どうでしょうね?』

そう、周りには魔法によってサーチャーが撒かれており、飛行魔法を使えばばれてしまうという可能性があるため、飛行魔法の使用を控えた。
そして龍斗のプロテクションは少し特殊。理由は防御だけでなく、妨害も可能なためだ。
ゆえに同時に発動させているのである。

「さて、今がどのくらいの時期なんだろうな?」
『おそらくですが・・・A\'sではないでしょうか』
「まぁ・・・冬だしな」

送るなら無印にしろよ・・・という呟きをこぼさずにはいられなかった龍斗。

「そういえば転生者の人数は?」
『およそ3億です』
「・・・よくもまぁ許容量を埋め尽くさなかったな」

普通の世界には許容量というものがあり、例として、許容量が100としよう。
すると通常の人間は1にも満たず、まったく影響はないのだが、転生者は神から力をもらっている者が多いため、1以上になるのだ。
そのため、普通ならば3億という数の転生者が入れば、その世界は壊れるか、世界がその許容量以外の人物をはじき出すという感じになっている。
ゆえにこの状態は異常であると判断できる。

「はぁ・・・どうせどこかの神が弄ってるんだろうが」
『でしょうね』
「さて・・・サーチャーへの対処は認識をずらせば大丈夫だろうが」
『ええ、認識はすでにずらしてます、ばれる事はないでしょう』
「早い行動だな」
『いえ』

こんな会話をしている中でも相手の情報を引き出そうとしているため、理解できるものが見たら、異常なのがよく分かる状態で確認をしている一人と一機。

「さて、まずは住む場所だな・・・あぁ、あそこのマンションが開いてるらしい」
『星から情報を引き出したんですか?』
「あぁ、金も引き出した」
『・・・犯罪では?』
「知ってるか?世の中犯罪何てそれこそ呆れるくらいしてるやつはいるぞ?」

悪いとは思うがな。
の一言は追加されたが、確かにその通りなのである。
しかし龍斗もだからといってやっていいとは思っていない。

「はぁ・・・えっと、ここか」

マンションにてすでに部屋は用意されており、同時にあの神か、と龍斗は考えている。
しかし、龍斗はのちに気づく、このマンションはA\'sの時期にフェイト達が過ごす場所であり、原作にかかわる事はとてつもなく容易になっているという事を。

「・・・はぁ、どうするか」
『どうしたのですか?』

溜息と同時に吐き出される愚痴にクロスは反応する。

「いや、転生者の数が一応分かったが、多いゆえにやる気がそがれてくんだよ」
『それでもそれが使命なら行動あるのみでは?』
「クク、やっぱりお前はクロスだよ」
『?ありがとうございます』
「さて、まずは準備か・・・家具は大抵あるし、材料もある、しばらくは大丈夫か・・・こいつらがいなければな」
「こいつらって・・・酷くないですか?」
「一応2人なんだが?」
「お前らは静かにしててくれ・・・ハルにキョウ」

目の前にいるのは一見双子に見えるほどに似ている存在。
兄妹と言われたら間違いなく信じてしまうほど似ているのだが、この2人の正体は、

「まさか別の世界の俺のイレギュラー体とは思わんだろう」
「そうですね~性別そのものが違ったりしますし」
「俺は無駄に皮肉を言ったりするって言われるが?」

この2人は龍斗自身の別の可能性として存在し、今は共に進む存在・・・のはずが、

「まさか自身とはいえなくなるとはな」
「便利なんですよ?血が繋がってないって」

この言葉から気づく人はいるかもしれないが、ハルは龍斗の事が好きである。

「で?どうする?転生者は数が多いみたいだが?」
「そうだな・・・まぁ、とりあえずは軽く接触だな」
「そうですね、ボクも面倒は嫌ですから」

この3人、揃って面倒臭がりである。

「さて、今日は寝よう」
「あっ、一緒に寝ていいですか?」
「構わないが・・・キョウはどうする?」
「・・・馬に蹴られて死ぬのは勘弁な」

早くも上下関係が出来た瞬間である。 
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