信念貫きし少年の軌跡
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プロローグ
前書き
にじふぁんから移転しました!
これからここで精一杯頑張ろうと思いますのでよろしくです!
ここは生と死の狭間。
誰もがここに来る可能性を持ち、同時に来ないほうがいいとされている世界。
この世界に一人の人物が現れた。
「ここは・・・」
この少女のような外見を持ちながら男というある意味不思議の体現者である少年は森 龍斗。
いくつもの世界を巡り、同時に救った存在。
「またか・・・で?俺は次は何処に行けばいいんだ?」
「ふむ、スマンのう・・・毎回毎回」
少年の呟きに答えたのは見た目老人、しかしその老人は光を纏っており、只者ではないというのがよく分かる。
「はぁ・・・これで何回目だ?」
「むぅ・・・確か5億6702万9872回目じゃったか?」
「違う、5億6703万9982回目だ、何1万も数を間違えてやがる」
「いやはや、数が多いと忘れてしまうの~」
誰のせいだ誰の・・・という少年の呟きはスルーされる。
「まぁいい、で?次の世界は何処だ?この際だ・・・もう何処でも驚かん」
こういうのも理由があり、前回の世界は何でもありな人物が大量におり、龍斗自身も、
「ありえん(笑)」
としか言い様がなかったのである。
「ふむ、次はリリカルなのはという世界じゃ」
「なのはねぇ」
龍斗自身、その「なのは」の世界を完全に把握している訳ではない。
いくら星と同化できるとはいえ、万能ではないのだ。
「あぁ~で?今回の依頼は?」
「うむ、今回は、というよりもいつも通りというべきか、転生者狩りじゃよ」
龍斗はかれこれ何億という世界を移動した訳だが、その理由として、転生者狩りを任された、というものがある。
普通ならば転生者を殺したりはしなかったのだが、最近は神の暇つぶしによって転生者が大量に作り出されたのだ。
ただ作り出されただけならばここまでする必要はないのだが、問題はその転生者自身にある。
その転生者の殆どがハーレムを目指し、周りの原作キャラを簡単に殺してしまうのだ。
「原作キャラを殺してしまってはその世界は進まなくなってしまうのでな」
「それは耳にタコが出来るくらい聞いた、で?その人数は?」
「うむ、人数はこの紙に・・・いや、主のデバイスに送っておくので安心するとよい」
「了解した」
転生者の大半が敵になるため、龍斗自身、面倒になったと思うしかないのである。
「しかし・・・主も規格外になったのう」
「そうか?俺なんてまだまだだ」
「・・・ワシでさえ秒殺されるイメージしかないぞい?」
「・・・アンタは最高神なんだから大丈夫だろ」
「はぁ・・・分かっておらぬは本人のみか」
「は?」
龍斗自身の力だが、普段は半分以下に抑えられている。
何故なら、そのいく世界が龍斗の全力に耐える事が出来ないからである。
「さて、デバイスも受け取った、依頼も把握した・・・なら出発するだけだな」
「そうじゃな・・・本当はセラのやつも会いたがっておったがの」
「そうか、また会う機会なんていくらでもあるさ」
「そうじゃな・・・まぁ元気じゃったと伝えておこう」
「頼む」
その会話が終了した瞬間、2人の前に扉が現れた。
「へぇ、今回はちゃんと扉なんだな?」
「う、うむ・・・また落としたら主・・・怒るじゃろ?」
「ん?怒りはしないさ・・・ただ」
「ただ?」
「愉快なオブジェに変えるだけだ」
この神、実は龍斗が世界を移動するたびに落とすという行動を繰り返している。
その数は今まで行った世界の数=である。
信頼は底辺である。
「さ、さぁ!出発するがよい!」
「・・・覚えてろよ?」
そう言いながら龍斗は次の世界に向かった。
「ふむ、行ったか」
「ええ、で?次の世界はどうなの?」
「うぉ!?セラかのう!?急に出てくるでない!」
「いいじゃない別に・・・で、どうなの?お爺ちゃん」
「むぅ・・・あの世界の転生者は今までと少しだけ勝手が違う・・・ゆえに難しいじゃろうな」
この神が向かわせた「なのは」の世界。
それはすでにとある転生者(イレギュラー)によって歪められつつある世界。
「龍斗は強い・・・それこそ我ら神が束になっても敵わぬほどに」
「ええ、でも同時に」
「「弱くもある」」
その弱さの理由は前世にあるのだが・・・それは今語られるべく物語ではない。
語られるのを待つのみである。
「デバイスってどんなもの渡したのよ」
「様々な武装に変化でき、同時に補助にも優れておる・・・いわば万能型のデバイスじゃな」
「ふぅん・・・なら大丈夫ね」
「うむ、後はあやつを信じるしかあるまいて」
「・・・こういう時、私たちの無力さがよく分かっちゃうよね」
「言うな・・・それくらい、とっくの昔に理解しておる」
「・・・龍斗、頑張って」
龍斗の向かった先に何が起こるのか。
それは神でさえ分からぬ事である。
これは一人の少年が自身の信念を貫き通す、そんな物語。
見る者によっては滑稽に映るかもしれない、無様に見えるかもしれない。
しかし・・・少年は進むのをやめない。
たとえ自身の進む先が・・・地獄だと理解しても。
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