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Blue Rose

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第十五話 変わる為にその四

「その頃は人種差別も酷かったっていうからな」
「苦労したかもね、その人」
「実際にそうした人いただろうしな」
「うん、苦労してね」 
 そしてというのだ。
「生きていただろうね」
「そうだろうな」
「そうしたことも考えると」
 どうしてもとだ、優花はこうも言った。
「蝶々夫人って深い作品だね」
「そうだな」
「僕ある晴れた日にって曲好きだけれどね」
「その蝶々さんの歌う歌か」
「あの歌凄く奇麗だから」
 それでというのだ。
「あの歌好きだよ」
「御前クラシックも聴くんだな」
「最近聴きはじめてるんだ」
「そうか、クラシックもいいか」
「だからね」
 それでというのだ。
「龍馬も聴いてみたら?」
「ある晴れた日か」
「最近は動画サイトでも聴けるし」
「それじゃあな」
「うん、じっくり聴いてみるね」
「今日にでもそうしてみるな」
「うん、携帯でも聴けるしね」 
 動画サイトに入ってだ。
「そうしたらいいよ」
「じゃあ今から聴くか」
 龍馬は自分の携帯を取り出した、優花の言葉を受けて。
「そうするか」
「時間あるから」
「昼休みだからな」
 今はというのだ。
「そうするか」
「大体四分もないから」
 そのある晴れた日の時間はというのだ。
「オペラって長い曲だと十分位あるけれどね」
「あの歌は短いんだな」
「そう、だからね」
「今も聴けるな」
「それだけの時間があるよ」
「それじゃあな」 
 龍馬は優花のその話を聞いてだ、実際にユーチューブで検索してだった。
 その曲を聴こうとした、だがここで。
 動画のそれぞれの紹介を見てだ、優花にこうも言った。
「一杯あるな」
「うん、有名な曲だからね」
 優花はすぐに龍馬に答えた。
「色々な歌手の人が歌ってるんだ」
「だからか」
「動画で検索しても一杯あるんだ」
「そうなんだな」
「うん、マリア=カラスも歌ってるし」
「マリア=カラスっていうと」
 その名前を聞いてだ、龍馬は優花に問い返した。
「あれだよな、かなり有名な歌手だよな」
「二十世紀最大のソプラノ歌手の一人って言われてるよ」
「その人も歌ってるんだな」
「ただカラスはその曲あまり歌っていなかったそうだよ」
「そうなのか」
「蝶々夫人を舞台で演じたことも少なかったそうだから」
 優花は龍馬にカラスと蝶々夫人の関係についても話した。
「カラスの個性に合っていなかったのかもね」
「それでか」
「カラスはベルリーニとかドニゼッティ、ヴェルディかな」
「それ全部作曲家の名前か」
「うん、オペラのね」
「俺クラシックは詳しくないからな」
 音楽の授業で習う程度でしかない、その知識も中学までのものでありそこから先は本当によく知らないのだ。 
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