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Blue Rose

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第十五話 変わる為にその二

「その時も」
「ああ、そのつもりだけれどな」
「悪いね」
「悪くないさ」
 微笑んでだ、龍馬は優花に返した。
「俺達ずっと一緒だっただろ」
「だからなんだね」
「だったらこれ位はな」
「普通だっていうんだね」
「そうさ」
 それ故にというのだ。
「これ位はな」
「してくれるんだね」
「御前もそうするだろ」
「龍馬がそうなった時は」
「ああ、そうだろ」
「言われてみればね」
 優花は龍馬のその言葉を受けて応えた。
「僕もそうするかな」
「俺もその時は御前には言うしな」
 龍馬は優花に起こっていることを自分に当てはめて考えて言った。
「俺自身のことを」
「僕がしたみたいね」
「御前にならな」
 優花のその人柄を知ってのことだ。
「そうしていたな」
「そうなんだね」
「信じているからな」
「僕が龍馬を信じているみたいに」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「俺もそうしていたさ」
「お互いにだね」
「そして御前も俺が転校してもな」
 優花と同じ事情でだ。
「会いに来てくれるだろ」
「やっぱりそうしていたね」
「そうだな、だからな」
「それでなんだね」
「ああ、時々でもな」
 常に行くことは出来ない、だがそれでもというのだ。
「会いに行くな」
「待ってるね」
「そうしてくれよ、しかし高校にいる間はか」
「神戸にはいないよ」
 そして八条学園にもだ。
「暫くね」
「そうなんだな」
「多分長崎かな」
「そこか」
「そこに施設があって」
「そこに入ってか」
「暫く、女の子になるまでは」
 その時まではというのだ。
「僕そこにいるよ」
「その間は休学だな」
「それで女の子になってね」
「高校を卒業するまではそっちにいるんだな」
「長崎の方にね」
「そうか、長崎か」
 その場所を聞いてだ、龍馬は空を見上げた。空は今も澄んでいる。
 その澄んだ青空を見上げつつだ、龍馬は優花に言った。
「遠いな」
「神戸からはね」
「けれど行こうと思ったら行けるか」
「旅行になるね」
「ははは、旅行だな」
「そうだね、じゃあ旅行がてらにだね」
「会いに行くな」
 こう言うのだった。 
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