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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第七十五話 英語でもその十四

「あれいいよね」
「だよな、ただお好み焼きかっていうと」
「また違うよな」
「そうだよな、お好み焼きかっていうと」
「お好み焼きは大阪だろ」
「大阪のだろ」
 皆で言う、ここにいる面々は関西人ばかりなのでこう言うのだ。
「この話大阪と広島で分かれるけれどな」
「どっちがお好み焼きかってな」
「それでどっちがより美味いかってな」
「そうした話になるよな」
「両方いたらな」
 関西人と山陽人がだ、山陰や四国の愛媛辺りの人も広島につくだろうか。
「もう一歩も譲らないよな」
「山本先輩とか衣笠先輩とかな」
「あの人達広島生まれだからな」
「もう絶対にお好み焼きはあっちって言うんだよな」
「こっちのはあくまで大阪焼きだって」
 実際にそうだった、その先輩達は広島生まれで広島育ちだったのでお好み焼きのことは一歩も譲らなかった。
「俺達にも言ってたな」
「お好み焼きは広島だってな」
「今もだしな」
「そこ引かなくてな」
「いい人達なんだけれどな」
 それでもだ、その先輩達は。
「お好み焼きのことはな」
「一歩も引かなくてな」
「俺達も引かなくて」
「何度言い合ったか」 
 先輩後輩の間柄でもだ。
「その広島焼きも食うんだな」
「本場のな」
「何か江田島のあれは広島本土のと違うらしいが」
「また食おうな」
「あっちもな」
「それで食べながらね」 
 僕もここでまた言った。
「飲むんだね」
「焼酎飲もうぜ、焼酎」
「俺ビールだよ」
「日本酒だろ、広島焼きには」
「チューハイに決まってるだろ」
 皆何を飲むかはそれぞれ言い合った、だが。
 とにかく飲むことは決まっていた、そして食べることも。そうした話をしながら合宿を楽しみにしていた。その合宿の時は間も無くだった。
 それでだ、僕は八条荘に帰ると畑中さんに言った。
「もう合宿の用意はじめます」
「左様ですか」
「はい、今日から」
「もう持っていくものはチェックされてますね」
「はい」
 僕は畑中さんにすぐに答えた、その通りだからだ。
「それはもう」
「では後はですね」
「それを全部鞄に入れます」
「ではです」
「用意をします」
「それが終わりましたら」
 畑中さんは僕にあらためて言って来た。
「もう一度足りないものがあるかとチェックされて下さい」
「ものごとは万全にですね」
「それでお願います」
「わかりました、それでは」
 僕は畑中さんのその言葉にも頷いた、そしてだった。
 実際にこの日からその用意をはじめた、合宿はこの時からはじまったことを僕は用意をしながら感じ取った。


第七十五話   完


                       2016・1・8 
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