μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜
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第20話 Wonder zone
「おはよっす!みんな〜」
「おっはよ〜」
俺が到着した時にはすでにみんな来ていた
遅刻したわけじゃないけど、早いな....
何時に起きてるんだ?
「あ、ことり。おはよう」
「.......」
「ん?ことり?聞こえてるか?」
「え??大地くん....おはよう」
どうしたんだ?珍しくぼ〜っとしてるじゃないか....
昨日の今日だし...まだ言うか悩んでいるのかな
心配なので俺はことりにかけより、話しかける
「ことり.....今日言うんだろ?大丈夫か?」
「え?あ、うん大丈夫だよ。ありがとう♪」
それぞれが準備運動をして練習に備えるなか、ことりは意を決して彼女たちのところに向かう。
それはその様子を端っこで見守ることにした
「あの.....みんなに聞いてほしいことがあるの」
「??ことりちゃんどうしたの?」
穂乃果がストレッチをやめてことりの様子を伺う
「実は....話しておきたいことがあるの」
ことりは昨日俺に伝えたことをそっくりそのまま穂乃果たちに伝えた
初めて伝えられた幼馴染みの思いに穂乃果や海未....μ‘sの仲間はどう思っただろうか
約数十分にわたることりの話がおわった
穂乃果は.....黙ってことりを見つめ、何か言いたそうな表情をしている。
「ごめんね?今までこのことを隠してて.....」
にこ先輩はことりが働いていることを知っていたわけだが、何故?というところは知らずやっぱり驚いていた
「そういうわけね....だからメイド喫茶に行ったときことりは働いていたんだ」
「うん....」
「今のセリフからするとにこっちは直接見たような言い方やね?知ってたん?」
あ......なんか嫌な予感がする
そういえばことりには俺とにこが食べあいっこしてるところ見られているわけだ....それの弁解は、一切していない
「あ、そういえば大地くん」
ことりは思い出したように俺に話題を持ちかける
俺はゆっくりゆっくりと逃げる体制を取る
「どうして....にこ先輩と一緒にいたのかな?」
「「「「「「「えええええええっ!!!!!!???」」」」」」」
ことりは黒い笑顔、にこ先輩は茹でだこ状態、俺は冷や汗をかきながら苦笑い....残りはジト目だったり黒くなってたり顔を真っ赤にしてたりそっぽを向いてたり....様々だった
だけどみんなの想いは1つだった
「大地くん♪せ▪い▪ざ♡」
朝から絶好調の音乃木坂学院スクールアイドル『μ‘s』
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「あう....手首痛い....」
「大地!あなたがいけないんですよ!」
登校してすぐに俺は机に突っ伏す。
手首が少し赤くなってるからあとで保健室から湿布をもらおう
「いやだからって手首縛って拘束しなくたっていいじゃねぇかよ。音乃木坂の生徒から《彼、そーゆープレイが好きなのね》ってこそこそ話していたじゃね〜かよ!うわ〜ん!おうちに帰りたいよー」
神社から学校に来るまで言った通り、海未が持っていた麻縄(なぜ持っているんだ?)で手首を縛られ、登校させられたのである。
無論、途中で女子生徒...最悪教師と遭遇するわけで
『あれが笹倉くんなの?Mなの?』
『うわぁ....ありえないわ..』
『笹倉...人の趣味に文句を言うつもりはないが、時と場所を考えろよ』
という具合である。
穴があったら入りたいとはまさにこのことである
「どんまい大くん!《虎穴にいらずんば孤児を得ず》だね!」
「違うわ!意味が全っ然違うわ!!」
でた、穂乃果のおバカ発言。こいつの頭は大丈夫なのか?
言葉を知ってることに関しては評価するが、意味を知らないで使う様では知らないのと一緒だぞ?
「穂乃果ちゃん、後で辞書で調べようね....」
「穂乃果は勉強しなさ過ぎです!大体あなたは---」
海未のいつものお説教が始まったので穂乃果はことりの後ろに隠れてあーだこーだと反論する
そんな3人をよそに、バッグから封筒を取り出す
第152回 全校高校進〇模試結果
音乃木坂学院 2年2組18番 笹倉大地 12位/26,713位中
はぁ.....かなり落ちたな.....
前回は一桁....というより今まで一桁だったのに初めて二桁取ってしまった
かなりショックである
やはり勉強時間が減ったりレベルの高い授業を受けなくなったのが原因かな.....
でもあっちで勉強やったってどうせ.......
『なぁ大地.....威張るのもいい加減にしろよ』
『俺は....威張ってねぇ。やるべきことをやってるだけだ』
『うっせぇよ、どうせカンニングとかしてんだろ?』
『っ!?西井.....ふざけたこと言ってんじゃねぇよ』
『ふんっ...てめぇに何ができるってんだよ....その実力もカンニングによって手に入れたものなんだろ?それともなに?金でも教師に貢いで裏で頑張ってもらってんのか?』
『........』
「大地!!!」
「ふがっ!?な、なんだよ!いきなり叫ぶなよ....」
無意識にブタバナになってしまった
「さっきから呼んでるじゃありませんか。今グループトークで絵里先輩が昼休み部室に来るようにって言ってましたよ!聞いてました?」
は?っと思いスマホを開く
「あ、ほんとだ」
「大地くん、何か聞いてる?」
「ん〜....知らん」
「そうだよね〜」
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「アキバでライブよ!」
「アキバで?そりゃまたなんでだ」
部室に集められた俺たちは絵里先輩の言ったことに顔を見合わせる
「それって路面ライブ...ですか?」
「穂乃果違います、路上ライブです」
「あ、そっかそっか」
「アキバって言ったらA-RISEの膝下よ!大丈夫なの?」
「にこ先輩には無理でしょうね〜はは」
にこ先輩に睨まれるも知らんぷりして俺は絵里先輩を見て頷く
「それだけにおもしろそうやん!」
「でも、随分大胆ね〜」
「真姫も大胆にならないとな〜ははは」
「ゔぇえっ!?」
「アキバはアイドルファンの《聖地》だからこそ、あそこで認められるパフォーマンスをすれば大きなアピールになるわ」
ふむふむ...さすが絵里先輩。生徒会長やってるだけあって説得力があるな
「それいいと思います!」
「楽しそう〜」
「しかし...すごい人なのでは?」
「海未はあれをしたら?」
「あれ...とは?」
俺は立ち上がり海未の『あの』ポーズをする
「ラブアロ〜シュ〜ト〜♡」
ゴンッ!!
「大地....また縛られたいですか?」
「すいませんでした」
海未が黒いので大人しく絵里先輩の話を聞くことにした。
せっかくあの縛りプレイの仕返しをできるチャンスだと思ったのに...
「人がいなかったらやる意味ないでしょ?」
「にこ先輩...それはそうですが」
「凛は賛成にゃ〜!」
「じ、じゃあ私も!」
「よし、決まりね」
絵里先輩がまとめ、路上ライブをすることにした
「よーし!じゃあさっそく日程を---「その前に」
「え?」
穂乃果の言葉を遮って絵里先輩は
「今回の作詞はいつもと違ってアキバのことをよくわかっている人に書いてもらうべきだと思うの」
絵里先輩はことりを見て付け足しをする
「ことりさん、どう?」
「え?....私?」
「ええ、あの街でずっとアルバイトしてたんでしょ?きっとあそこで歌うのに相応しい歌詞を考えられると思うの。はい、これノートね」
「それいい!すごくいいよ!」
「穂乃果ちゃん.....」
「それいいですね、ことりならアキバに相応しい歌詞をかけると思いますよ」
「海未は心の中では《私の仕事取られてしまいました...しくしく》とか思ってるん---「ゴンッ!ベキッ!!」
「あああああっ!!!ぐおおおおおっ!!!」
「ことり!頑張ってくださいね!」
「凛もことり先輩の甘々な歌詞で歌いたいにゃ〜!」
「ちゃんと良い歌詞作りなさいよ」
「期待してるわ」
「頑張ってね!」
「う....うん」
何事もなかったように海未はことりを応援する
周りのみんなは声をかけるどころか無視している。
唯一花陽とことりはちらちらこっちを見て心配そうにしている
ああ....やっぱり2人は天使だ....嫁にしたいぜ
2人の天使を見ることができて、オラは幸せだ.....
バタリ........
「.........」
放課後の誰もいない教室に1人、ことりは机に向かって目を閉じている
それを廊下から眺めて様子を伺う俺、穂乃果、海未
ペンを走らせていないが、頭で整理しているようだ
「ことり...大丈夫でしょうか」
「大丈夫だよ、ことりちゃんだもん」
「そういえばことりの歌詞....ポエムとか見たことないの?」
ポエム....と言えばファーストライブ前に穂乃果の見た覚えがある。
海未のポエムは恐らく歌詞のような感じだから。
でもことりは?
「ことりちゃんは........」
「そう...ですね」
2人は言葉を詰まらせてしまう
「なに?そんなにすごいの?」
「すごいと言えば......すごいです」
「ある意味....ね」
穂乃果が苦笑いをしているってことはよっぽどなのか....
さっきまで応援していると言ってた割には不安みたいだ
「よし!」
ことりは気合を入れてペンを走らせる
「チョコレートパフェ...おいしい...」
.......お、おお...始まり方はダイナミックにきましたな...
続いては?
「生地がパリパリのクレープ...食べたい...ハチワレの猫...可愛い...五本指ソックス...気持ちいい...」
..................
穂乃果や海未が苦笑いする理由がわかった気がする
2人はやっぱり...と言いたげな感じで頭を抱える
「あぅ.....思いつかないよ〜!!!ん〜ん〜」
ことりも納得がいかず悶え苦しむ
「よし!次は....ふわふわしたものかわいいな、ハイッ!あとはマカロンたっくさん並べたら!カラフルでし▪あ▪わ▪セ〜ルンルンルンルンン.......ふぇぇぇぇぇぇんっ!!!」
ことりの頭の中はふわふわしていそうだな、と思った
「うわぁぁぁぁん!やっぱり無理だよ〜!!」
ことりはペンを置いて嘆く
「やはり苦戦しているようですね」
「うん....」
「俺も何かしてあげたいんだけどな...作詞はちょっと」
3人は肩を落として落胆する
「ふえっ....ひぐっ......大地くぅ〜ん......」
ピキッピキッ
なにかにヒビが入ったような音がした
「ん?どうしたの?2人とも」
落胆してたかと思えば全然そんなことは無く、いつもの黒いなにかを纏っていた。
また.....いつもの流れ?
俺なにかしました?
「まてお前ら....まさかことりの一言でそうなったのか?言っておくが俺は何も----「どうしてここで大地(大くん)の名前が出てくる(のかな〜?)んでしょうね〜?」
「待て落ち着け....話し合おう。力で語ったって何にも--「ブンッ!!」
「理不尽すぎるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!!」
音乃木坂学院に男性の叫び声が轟いた
「ことりちゃん!」
「ぴよっ?」
俺の後始末を終えた穂乃果はことりに声を掛ける
「こうなったら一緒に考えよう!」
「.....うんっ!!」
と、いうことで......
「お帰りなさいませ♡ご主人様♡」
「お帰りなさいませ♪ご主人様♪」
「お、お帰りなさいませ....///ご主人様.....///」
「ぐおおおおおっ!!!ただいま!ただいまただいま!!!」
プシュ〜〜ッ!
俺は鼻血を撒き散らし床に倒れ込む
ことりは慣れているのか様になっていてほんとのメイドみたいに可愛かった。どうしよ...なんでこんなに可愛い子がいるんだ!!
穂乃果は楽しそうに太陽のような笑顔で出迎える。ことりのもいいけど穂乃果のメイド服も.....可愛い.....なんて破壊力なんだ
海未はやはり恥ずかしがるも、その姿はやはり楚々られる。恥じらいながら主人の側にお使えするメイド、園田海未。
この3人は殺人兵器だ。人に害を与えず、『萌え死』させる殺人兵器だ!
母さん....俺はもうこの世に未練はないよ....
向こうでじっちゃんが呼んでるぜ
じっちゃんなんていないけど
「何ひとりでぶつぶつ言ってんの?キモチワルイッ」
ぐにぃっ!
「いてえ!誰だよ俺を踏んずけたやつ!」
俺は鼻血の海から復活し、踏んだやつを睨む
「.....真姫?それに....」
「にゃ〜!遊びに来たよ」
「わぁ〜!ことり先輩、穂乃果先輩、海未先輩可愛い〜!」
カランカランと鈴を鳴らして入ってきたのは凛と花陽だった
「あれ....どうして」
「それは私が呼んだの」
ことりが俺と一緒に鼻血を片付けながら言う
「そ、そうか。てか、3人ともにあってるぜ!」
「ほんとほんと!?ありがと〜♪」
どうしてこうなったのかというと、
アキバで歌う曲ならアキバで考えるってことでミナリンスキーこと南ことりのバイト先で3人は働くことになった
店長から許可をもらったらしいので問題ないとか
つまりは3人をこき使い放題ってこと
「へぇ〜アキバにこんないい店があったなんてね〜」
「えりちえりち!見て見て!」
「うわぁ〜!これ可愛い〜」
花陽の後に続いて、絵里先輩、希先輩、にこ先輩がやってきた
「みんな来てくれてありがとう!」
鼻血の始末を終えた後、ことりはみんなを席へ誘導する
希先輩はなぜかビデオカメラを手にしていた
「ではでは〜、さっそく取材を〜」
「ちょっと!希先輩やめてください!」
カランカラン
と、ベルがなる。どうやら他のお客が入ってきたようだ
それぞれ誘導された席につき、メニュー開く
「いらっしゃいませ♡ご主人様♡」
ことりはお客に接客を始める
海未はそそくさと厨房の中へ消えていった
「2名様でよろしいでしょうか?」
「は、はい」
「それでは御案内致します、こちらへどうぞ」
さすがカリスマメイド《ミナリンスキー》と呼ばれるだけあって、その気品あふれる所作と持ち前の可愛らしさは目を見張るモノがある
ツー
「大地先輩、鼻血垂れてるにゃ」
「おっと...やばいやばい。昨日熱い風呂に入りすぎたな」
「わかりやすい嘘にゃ」
だってしょうがないじゃないか
ことり可愛いんだもん!天使なんだもん!!
例えば.....
『お帰りなさいませ♡ご主人様♡』
『あぁ...ただいま。風呂湧いているか?』
『もちろんです。お風呂にお入りになりますか?』
『あぁ...入る。ことりも一緒にどうだ?』
『かしこまりましたご主人様♡ご主人様のお背中を流させていただきます♡』
プシュ〜〜ッ!!!!!!
「あ〜っ!大地先輩が鼻血出して倒れたにゃ!」
「また〜?ったく汚いわねー」
「キモチワルイッ!外に捨てちゃえば?」
「そ、そんなこと言わないで助けてあげないと....」
花陽だけは良心でいてくれ...こんな酷い連中みたいになっちゃダメだぞ?
「大地くん、そこにいるとお仕事の邪魔になるわよ」
「......はい」
とりあえず俺は席に座り、鼻にティッシュを詰め込む。
と、厨房の方から声が聞こえてきた。
これは....穂乃果とことりか?
「ことりちゃん、なんかいつもとちょっと違うね!別人みたいにキラキラしているよ」
「そ?そうかな」
「うん!いつも以上に生き生きしているよ!」
「なんかね、この服を着ていると《できる》っていうか、この街に来ると不思議と勇気がもらえるの。もし、思い切って自分を変えようとしてもこの街ならきっと受け入れてくれる気がする。そんな気持ちにさせてくれるんだ!だから好き!大好き!」
「あ!ことりちゃん!今のだよ!」
「今ことりちゃんが言ったことをそのまま歌にすればいいんだよ!この街を見て、友達を見て、いろんなものを見て。ことりちゃんが感じたこと、思ったこと。ただそれを歌にのせるだけでいいんだよ!!」
............さすが穂乃果だな
俺は海未が持ってきてくれたコーヒーに口をつけて1人頷く。
がんばれ、ことり
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「Wonder zone♪き〜み〜に〜♪呼ばれたよ〜走って〜き〜たよ〜♪き〜っと♪不思議な〜♪夢〜が始まる〜♪」
ことりが作詞した曲『Wonder zone』
彼女ならではの可愛さや元気を聴く人に与えるような歌詞。
海未の歌詞も好きだがことりの歌詞も独特でとても良かったと思う。
ことりも満足そうに歌っていた
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ことりside
夕暮れの神田明神の階段前で私達は並んで立っていた
とても楽しかったし、なにより私自身を成長させることができたと思う
充実した毎日だった
「ライブ、上手くいってよかったね〜」
「穂乃果ちゃん、海未ちゃん、大地くん、本当にありがとう!」
「いえいえ、俺もすごく見てて楽しかったよ。個人的にあのライブはかなり好きかな?みんなのメイド服可愛かったし。一人一人とツーショット撮っておけばよかったな〜」
大地くんの平常運転は今日も私達を笑顔にする
少しばかりえっちは方にはしるのは困りものだけどね♪
でもそんな大地くんは私達にとってただのマネージャーじゃないんだよ?
大地くんは....仲間なんだよ?知ってた?
「なんだか懐かしい気がします」
「どうして?」
「ファーストライブを思い出します」
「そうだね....あの時はまだ3人しかいなかったからね」
ファーストライブ
あの時は両手で数えられるくらいしか見てくれる人はいなかった
あもし大地くんが言ってくれなかったら、私達は挫けて今のμ'sは無かったのかもしれないね
『君達のダンスを見せてくれよ』
誰にも見向きもされず、私達がやってきたあの努力は無駄だったのかもしれないと.....
それが私達の糧となって今のμ'sがあるんだよね
「私達って、いつまでこうしていられるのかな?」
「ことり...?」
私はまたネガティブに考えてしまった。それを穂乃果ちゃんたちに尋ねてしまった
「決まってるよ!ず〜〜っと!一緒だよ!!」
穂乃果ちゃんは迷わず答え、ギュッと私に抱きついてきた
「穂乃果ちゃん!?」
「だって穂乃果はこの先もずっとずっとことりちゃんと海未ちゃんと一緒にいたいって思ってるよ!もちろん、そこには大くんもいるよ!」
「俺のことは別に気にしなくてよかったのに....」
完全に蚊帳の外にいた大地くんは照れちゃっている頭をポリポリしながらちょっと顔を赤くして答える
恥ずかしがり屋さんだね〜大地くんも
「大好きだもん!!!」
”大好き”
その一言は単純だけど私はとっても嬉しくなっちゃった
涙が零れてきちゃうな〜もう///
「うん!私も大好き!穂乃果ちゃんも!海未ちゃんも!大地くんも!」
「.....///うるさいよ.....」
「ことり...私も大好きですよ!」
「ずっと一緒にいようね!!」
感極まってやっぱり零れてきちゃった....
これからも4人でず〜っといたいな!
ごめんね.....みんな.....
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コンコン
俺は今、理事長室前にいる
夏休み中なのに学校にいるのにはわけがあって.....
今日の朝、俺宛てに学校から連絡があったらしく
準備でき次第理事長室に来て欲しい.....と母さんから言われた
「失礼します」
疑問には思ったが夏休み中に呼び出す...しかも相手は理事長ときた。
なにかあるな、と思ってしまいサボることができなかった
「待ってましたよ笹倉くん」
入ってすぐに俺は理事長から1つの封筒が渡された
「これを.....俺に?」
「笹倉くんには先に言っておきます。まだ100%決まったわけではないのですが、音乃木坂学院を存続することになりました」
「.....なん...だって」
存続....聞き間違えじゃないだろうな
「ほ、ほんとですか?」
「ええ、オープンキャンパスのアンケートの結果、中学生の入学希望者がとても多かったのです」
「それは.....ありがとうございます」
「いえいえ、あなた達のおかげよ。本当にありがとう」
音乃木坂を存続できた.....
嬉しくて今にも叫びたい気分だ
「ただし」
「ただし?」
「まだ他の生徒には言わないように慎んでほしいのです」
情報漏洩の阻止...ってことか
「わかりました。ですが、そのことをなぜ俺に?」
「あなたは音乃木坂の生徒ではありますが、男性という特殊な生徒でもあるのです」
「はぁ.....」
理事長は何が言いたいのかわからない
「音乃木坂学院存続になる。つまり、共学化にする意味がなくなる......ということになります」
本当に何を言っているのかわからなかった
共学化にする意味がなくなる.....
俺はあくまで共学化目的の試験生徒だ。ということは....
「ここから出ていけ....と、あなたはそう言いたいんですか?」
言い過ぎではあるが遠まわしに言っても意味が無いので単刀直入に聞く
「そこまで言ってないわ。ただ、もしかすると音乃木坂から違う学校へ転校になる可能性がある、ってだけよ。先ほど渡した封筒にはその件について両親へ渡してください。」
「存続の確定はいつになりますか?」
「予定では文化祭の後.......10月15日です」
「そうですか.....わかりました。失礼します」
俺はしっかり礼をして理事長室を出る。
「くそっ!!」
俺がここに来た目的は確かに学校存続させるためだ。
その目的は達成されようとしている
実際俺もそうなって欲しいと思っていた
だけど、達成されたあとのことなんてこれっぽっちも考えていなかった
封筒にぐしゃぐしゃに握り潰し、苛立つ
もし...俺が音乃木坂を離れることになったら
あいつらに会えなくなるんだな.......
最初はここまで関わるつもりはなかったのに気がつけばあいつらが隣にいることが当たり前になっていた
あいつらと一緒に練習して喋って笑いあって喜んで...
俺が出来なかったことをあいつらはやってくれたんだ
もしかするとこれからも一緒にいられる
そんな思いまであったかもしれない
急に寂しい気持ちになった
「会えない......か」
『心配しないで、もう会えなくなるわけじゃない。きっといつか.......また会えるよ』
え?
ふと頭に浮かんだ一言
あぁ......これは確か俺が中学1年の時に転校してきた先輩に言った言葉だったな
名前は..........なんだったかな。思い出せそうで思い出せない
そんなもどかしい気分になる
「あいつ......元気にしてるかな〜。会いたいな.....」
俺はさっきのいらいらは無くなり、微笑ましい気分になった
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