μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜
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第三章 一歩ずつ
第17話 Past Memory2
「はじめまして、ささくらだいちといいます。これからよろしくおねがいします」
俺の名前は笹倉大地。この春から小学5年生になった.....らしい。
らしいという曖昧な表現をする理由は
俺には1ヶ月前までの記憶がまったくと言っていいほどないからだ。
意識が戻った時には何故か病院にいて、目の前には親と思われる女性がいて、俺に泣きつきながら揺さぶるサイドテールの明るい髪の少女は幼馴染みで名前は.......だめだ、思い出せない。
とにかく、今知っているとこは自分の名前や母さんのこと、そして将来の受験の幅を広める為にわざわざ転勤してきたということ。
今日が転校して初めての学校登校日。
先にも述べた通り記憶がないため、変に緊張はしなかった。
俺の友達の顔や名前なんてもちろん知らない。俺はどこに住んでいてどんな学校で勉強してきたのかすらわからない。
ただわかることは
病院の医者から言われた俺の記憶喪失の原因は『心因性』によるもの。
つまりは過度のストレスで失ったということ。
何かがきっかけで思い出すとは言われたがそのきっかけが何なのかすら、わからない。
自己紹介を終えた後、質問の嵐に巻き込まれるも覚えてないので答えようにも答えられない。
だから質問されてもスルーしていた。
質問しても答えてくれないとわかるとぞろぞろと自分の席へ戻る
何もわからないのだから1人でいた方が気楽でいい
『-----を!はなして!』
何もかも忘れた....ということは勉強も最初から学ぶハメになった。
不幸中の幸いと言っていいのだろうか、俺の周りに人が集まることはなかったので学校が終わるとすぐ塾、そして記憶のある頃からやっているダンスに力を入れた。
勉強やダンスをやっていた方が何も考えなくて済むから
でも、どうして俺はダンスなんかやってるんだ??
『みてみて--くん!てれびにでてるこのひと、すごくかっこいいんだよ!--くんもだんすやってみようよ!』
学校、塾、ダンスレッスンの繰り返しの日々はあっという間に過ぎ去り、
気がつけば6年生になっていた。
この頃も相変わらず1人でいることが多かった。違うことといえば、
勉強ばかりやっていたため、塾の先生から「全国模試受けてみたら?」と言われた模試で全国トップ5に入ったことかな?
あと、俺の所属しているダンスクラブが初めて県で優勝したことかな?
ダンスクラブの仲間とは仲良くやっているからときどき遊んだり、誕生日会を開いたりと....まぁ楽しい日々だった。
あ。こんな俺にも初めてラブレターというものを貰ったんだよ
あの時は流石の俺もビックリしたなぁ.....
その後どうなったかって?そりゃあ好きでもない子と付き合うわけにもいかないので丁寧に断ったよ。
「もっといいひとをみつけてください」ってさ。
それに恋愛なんて興味なかったからね
中学1年の春。
記憶喪失に悩むことが少なくなった俺は少しだが友達ができた。
「なぁ大地、お前部活どうするか決めてんの?」
俺の前の席の飯村皓貴(いいむらひろたか)は終業チャイムが鳴るのと同時に上半身だけこちらに向け、話しかける
「この学校ってダンス部ってあるだろ?そこにするつもりだ。皓貴こそ、決めたのか?」
俺は荷物をスクールバッグにしまいながら皓貴の顔を見ずに聞いてみる
「俺?ん〜そうだな....未定、だな」
「じゃあさ、一緒にダンス部入らね?正直1人で入るのにも勇気がいるんだよね。それに今年入部しないと廃部になるんだとさ」
そう、ダンスは3年生しかいないので入らないと廃部になってしまうのだ。それだけは嫌だった
「いいけどさ...俺、ダンスなんてやったことないぜ?」
「部活動紹介で初心者も大歓迎って言ってたろ?大丈夫だって、いざとなったら俺が指導してやるからよ」
腕を組みながら暫し悩む様子を見せた皓貴だが、
「まぁ....いいか、楽しそうだし」
と、快く承諾してくれた
「さんきゅ、じゃあ他にもダンス部やりたい奴いたら聞いてみてくれ」
「あいよ!任せとけ」
「1年C組の笹倉大地です!小学校の頃からダンスをやってました!よろしくおねがいします」
結果、俺を含めた6人が入部することになった。
俺以外みんな初心者らしいけどダンスに興味があるということで誘いを受け入れてくれた
「いいか!お前たち!ダンスは自己満足で踊るもんじゃねぇ!見てくれる人を感動させる、そして楽しんでもらうために踊るんだ!これだけは忘れるなよ」
部集会で先輩が俺達に言ったこの一言がとても印象に残っていた
初めての部活。
1年生はまず基礎体力をつけるところから始まった。
外周(1週約0,9キロ)を10週それを1時間以内にこなしたり、階段ダッシュ、筋トレ、体幹トレーニングなどなど.....
さらにダンスには柔軟性も必要なのでストレッチを加えた上記のトレーニングを約1ヶ月~2ヶ月続いた。
「はぁっ.......はぁっ......ちくしょ、いつになったら.....俺達...できるんだよ...」
外周を終えた後、俺の側で息を切らしながら皓貴は愚痴る。
「し...仕方ねぇ...だろ。やらなきゃ....体力続かないし、怪我だってする」
「わかってるけどよぉ....」
「おら!1年!なにしてんだよ、終わったらさっさと中に入って残りのメニュー消化しろ!」
「「「「「「ウィ〜ス.....」」」」」」
小学の頃から体力が無かった俺は演技中によくバテることがあった。
最悪の時は倒れて熱中症になることも.....
だからここで体力をつけるのはいいかもしれないと心の中で思った。
先輩方のダンスはめちゃくちゃかっこよかった。
どう説明したらいいのかな.....先輩方のダンスは人を惹き付けるものがあった。みんな好きでやってるんだと先輩方の笑顔が教えてくれた
正直一人一人は上手いとは言えない。
でも集団でする時の先輩の表情は真剣そのもので、3年間の努力がそこにはあった。
最後の大会は残念なことに、地区予選突破はできなかった。
先輩方の意志を継ぎたいと....俺は部長になって頑張ることを決意した。
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「はい、じゃあ今日はこの曲をまず聴いて欲しい」
先輩が引退して2週間。
言われたとおり6月終わりまで基礎体力をつけ、7月1日...今日からダンスの練習に入った
俺は部室に集め、あらかじめ先生から借りたいラジカセにCDを挿入し、曲を流す
その曲は俺が5年生になって初めて踊った曲で、難易度的にはそんなに難しい曲ではない。これくらいならいけるだろうと思って選曲した。
サビの部分でヒートアップして、ノリノリになるやつだ。
「ふぅ〜ん....なるほど。で、それは大地が指導するのか?」
「いやまさか。経験者とはいえ、俺が指導するなんて無理だろ...先輩方はみんなで教え合いながらやってたけど...」
皓貴は頭をポリポリと掻きながら考え込む。
「だったら、コーチを雇う...とか?」
「あー」
確かにその手もあるな。しかしダンスしてるコーチなんて心当たりないぞ
「とりあえず、その件に関しては先生に聞いてからということで保留。ひとまず.....俺が指導するよ」
渋々承諾して、初めてのダンスを始める
ザザザジザジジジザザ........
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「だいくんがんばって!!ほのかがおうえんしてるよ!」
「ありがとう!ほのちゃんにおうえんされたらげんきがわいてきたよ!いってくるね!」
これは.......小学生の......ダンスの大会だろうか
小さな男の子と女の子が会話をしている。
手を繋いでニコニコして、男の子がはなれると女の子が少し寂しそうな表情をしていた。
男の子の方はクラブメンバーと思われる男子の集団と合流し、下の階へ降りていった
「おかあさん、だいくんのだんすかっこいいよね」
「そうね....」
手を繋いでくる女の子を見て、微笑むのは女の子のお母さんと思われる
「だいくんのだんすみるとね、わくわくなきぶんになるんだぁ〜お母さんもそうだよね?」
「そうねぇ.....あ、ほらだいくんよ。」
お母さんが指差す先には先程の男の子が緊張した顔つきでダンスの準備をしていた。彼を囲むようにしてクラブメンバーが構える。
どうやら彼のクラブのセンターはあの子のようだ
「だいくんがんばれ〜!!!!」
女の子は手すりから身を乗り出して大きな声で声援を送る
その声に気づいた男の子はちらっと女の子の方を見て笑顔を見せたあとすぐ真剣な表情に戻る
〜〜♪〜〜〜〜♪
曲に合わせて男の子達は踊り始めた
ザザザジザジジジザザ.......
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「1,2,3,4,5,6,7,8.......」
俺の手拍子に合わせて仲間は踊り出す。正直全然様になっていなかった。それらしく踊ってはいるもののズレたり向きが逆だったりととにかく酷かった。でもみんな初めてのだから...と言い訳にして俺は厳しく何も言わなかった。
「よし!おーけー!いい感じじゃないかな?所々小さいミスはあるけど初めてにしてはみんな上出来だったよ」
「うぃ〜.....あ〜結構疲れるんだな〜ダンスって」
皓貴がどしんと床に座って汗を服で拭う。
「まぁ.....疲れるっちゃ疲れるよ。でもやっぱり楽しいかな〜踊るのって」
「へへっ、それ言えてるわ。あ、大地〜そこの水筒取ってくれ」
「ほらよ」と皓貴に水筒を投げて渡す。
「さんきゅ〜。ゴクゴクゴク....ぷはぁ〜!で、あのさ」
豪快に水筒を飲むと急に話を切り出してくる
「来週からテストじゃん?部活とかどうすんの?」
そうえばテストあったな.....
運動部は基本休まないらしいけど....皓貴の表情からして休んで勉強したいと訴えているように見えた
「しゃ〜ねぇ。明日から部活は自主練ってことにしとくよ。ただし、自主練だからといって基礎練だけは各自やっておくこと。一日二日動かさなくなると体硬くなるからな」
「「「「「ウィ〜ス」」」」」
「んじゃあ次のパートいってみようか。次は一番の山場だから丁寧にやっていくんで集中して練習に取り組むこと〜」
「なぁ大地〜」
「んぁ?ひょっひょまっへへいまめひくっへる(ちょっと待ってて今飯食ってる)」
俺は牛乳でメロンパンを強引に流し込み、そしてむせる
「ゲホッゲホッ....ゲホッ」
「あ〜あ〜なにやってんだよ、ほれ、お茶だ」
いや牛乳が気管に入ってむせてるのにそこにお茶って...どんな拷問だよ
「だ、大丈夫...大丈夫。で?なに?」
咳が治まったので再度牛乳を飲んですっきりさせる。
「テスト....明日からじゃん?」
「ああ....そうだな.....」
「勉強とか...やってるか?」
当たり前のことをしれっと聞いてくる皓貴。
まさか.....と思い、聞いてみる
「一応聞いておく.....皓貴は?」
「俺?ノープロブレム!カンペの作成はすでに完了している」
と、問題発言をドヤ顔で言いやがっぞこいつ......
「ちなみにバレると吉田の座禅説教だぞ?」
「なんだって!!それだけは回避したい!!」
とか言いつつ、呑気にPSPを取り出しモン〇ン3rdを始めた。
おい、不要物で没収されるぞ
てか、モン〇ン3rdとか古いのチョイスしたな.....
ま、没収されても俺は困らないからスルーしておいた
俺はそんな友達を横目に菓子パンをかじりながらテスト範囲の英単語帳をパラパラとめくった。
正直5校時連続テストはしんどかった。
後半になるにつれ集中力切れてくるんですよね....
勉強はしっかりやったから大丈夫だと思う。友達と違って俺は真面目ですからね....
で、その友達はというと
「はは.....死んだ婆さんが向こうで俺を呼んでるぜ.....」
恐らく全然わからなかったのだろう。
今まさに三途の川を渡ろうとしていた
「秘密兵器のカンペはどうしたんだよ」
直後、ガシッと俺の肩を掴んで涙目になって訴える
「それがよぉ!昨日母ちゃんにカンペ見つかってビリビリ破ってバラバラにされたんだよぉっ!!!」
あぁ....非常に残念な奴だ.....
ザザザジザジジジザザ........
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「だいくんゆうしょうおめでとう!」
夕暮れの帰り道2人の幼馴染みは手を繋いでてくてくと帰路についていた。
「ありがとう!まさかゆうしょうできるとはおもわなかったよ〜」
てへへと男の子は舌を出しながら笑う
「そんなことないよ!ほのかはだいくんはぜったいゆうしょうするってしんじてたもん!」
屈託のない笑顔に男の子は顔を少し赤らめる。それは夕暮れの太陽のせいなのかは本人しかわからない
「ねぇほのちゃん」
彼は唐突にしかし真剣に尋ねた。
「なぁに?だいくん」
「ほのちゃんもだんすしないの?」
「え?ほのかは.....だんすとか...うんどうがにがてだから」
「そうかな?ほのちゃんならできるよ〜おれがおしえてあげるからさ」
男の子はにっこり微笑んで女の子の頭をなでる
「えへ...えへへへへ///」
「なんでそんなににやにやするんだよ、やってるこっちがはずかしいって」
「えへへ..だってだいくんになでられるのすごくきもちいいんだもん♪」
「.....///ほ、ほら!かえるよ!ほのちゃんままがさきにかえってごはんのじゅんびしてるってさ」
「うん!きょうははんばぐーだって!ほのかだいすきなんだーはんばぐー!はんばぐー!」
女の子はぎゅっと男の子の腕に絡みつききゃいきゃいと飛び跳ねる
その光景はプチカップルそのものだった
「.............あれが......ささくらだいち.....ね」
夕暮れの中にもう一つの影があった
ザザザジザジジジザザ.......
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”一科目でも赤点がある人は部活に行かないで補修を受けろ”
そんなことを先生から言われなかったら今頃部活やっていたのに....
まさか...俺以外全員赤点保有してるとか.....
皓貴に至っては全科目赤点だそうだ
「はぁ.......暇だ....なにしようか......」
「大地〜勉強教えてくれ〜!!助けてくれ〜!!」
何か聞こえるが無視しておこう.......
「あ、しまった....財布忘れた」
1度家に帰り荷物を軽くまとめてやってきた場所は秋葉原。
幸いなことにも電車で20分くらいで着く場所なのでちょうど欲しかったCDを買いに来ていた
しかし、ふとショルダーバックの中を確認すると財布がないことに気づいた。
「やっべぇ...これじゃあ買い物できないじゃねぇか」
途方に暮れた俺はやることを失い秋葉原をうろうろしていた。
やっぱり秋葉原はすごいな〜
アニメやらアイドルやら.....あ、あそこにメイドカフェがあるぞ?
とにかくあまりこっち方面に来ないから新鮮だな〜
ん?なんだろうあの張り紙は....
電柱に貼られていたまだ新品のポスターが気になる近寄ってみる
「ん〜......来年度より....私立UTX高校.....開校?」
そのチラシはマンションの様な高層の建物で設備の様子や教室の雰囲気をわかりやすくまとめていた
「やっぱ私立って、金かけているよな〜。こういった高校行ってみたいけど....女子高って書いてる.....」
そうなのだ。ポスターの隅に小さく『女子高』と書かれているのだ。
さすがにそれでは行けないや....
興味がなくなった俺は溜息をつきながら活気溢れる街中を目的なく歩く。
「見て見て海未ちゃん!これ可愛いよ〜」
「こらいけません穂乃果!迷子になりますよ!」
「待ってよ穂乃果ちゃん〜」
3人の少女達とすれ違った......
ただそれだけなのに......
微かに甘い香りがした.....
優しくて包み込むようなそんな香り....
あれ?........この匂い.....かいだことあるような.......
まぁ、気にすることでもないか
「あれ?」
「え?どうしたのです?穂乃果」
「いや......なんか....懐かしい香りがしたんだよね......」
「懐かしい?どんなの?」
「う〜ん.....なんて説明したらいいのかな.....ごめんね、穂乃果もよくわからないや」
ザザザジザジジジザザ..........
----------------------------
「だ〜い〜ち〜く〜ん♡」
「おわっ!ちょっとなにすんだよことりちゃん」
「えへへ....これあげる!わたしがつくったんだよ!」
ことりは俺に紙袋を渡してきた
「おれに?いいの!ありがとう!」
「えへへ....///ちょっとしっぱいしたかもだけど.....いらなかったら....すててもいいから」
「え!?なんでよ!おれはそんなことしないよ!だってことりちゃんがいっしょうけんめいつくったんだから!」
「....///えへへ、ありがと♪」
俺は紙袋の中をガサガサと開け、ことりが作った物を取り出す。
毛糸で作った......マフラーだった。
今は12月。この前初雪が降り始めたばかりだ。
「すごいねことりちゃん!ちょうどまふらーなくしてたからほしかったんだ〜!だいじにするね!ありがとう」
なでなで....
「えへ...///えへへへ.....///」
「だいく〜ん!とうっ!」
背後からいきなり乗っかってきた穂乃果
「ぐえっ!いたいよほのちゃん.....どうしたの?」
「いや〜なんかことりちゃんとなかよさそうにはなしてるからなにしてるんだろーとおもって....あれ?そのまふらーどうしたの?」
「あ、これはことりちゃんがおれにつくってきてくれたんだよ!あったかいよ〜」
俺はそう言って穂乃果に見せびらかす。
この時の俺はまだガキだから純粋に自慢したかった...って思いしかなかった。
「.........」
「あれ?ほのちゃん?」
「ほのかちゃんどうしたの?」
いきなり黙り込んでしまったからなにかあったのかな?と思ってしまった
「ほのかだってつくれるもん......」
「え?」
「ほのかだってつくれるもん!!!!!」
耳を劈くような大声を出して穂乃果はどこかに行ってしまった
部屋に残された俺とことりは首を傾げることしかできなかった。
ザザザジザジジジザザ......
----------------------------
何もすることが出来なかった
何もしようとも思わなかった
ただこの日常が続いて欲しいと願っていた
願うことしかできなかった
彼女の隣にずっといたかった
そうすることで自分が自分でいられるかもしれなかったから
それはただの自己満足だった
自己満足をすることで、前にも進まず、かといって後ろに退くこともなかったから
助けたかった
彼女を失いたくないと思って必死だった
必死だったからこそ俺は決断した
どんな手を使ってでも彼女を.....穂乃果を守ってみせる、と
だから俺はあいつらに------た
一瞬だった
それだけで十分だった
でもこの決断は甘かった
もっと違う方法があったんじゃないかと思った
でも俺はまだ小学生
そんな余裕なんてなかった
あれがあの時の最善の方法だった
はは.....ははははははははは
「だい.......くん?」
穂乃果は泣いていた
どうしてないてるんだい?
怖かったのかい?
大丈夫だよ......
ははははははははは......
俺が.....俺のそばにいてくれた君を....守るから....
ザザザジザジジジザザ........
----------------------------
「見たか?大地」
投稿早々、皓貴は俺のそばに来る
「目的語を言え!何を見たかって?」
「いいから来いよ!」
「ちょまっ!!まだ荷物置いてな--「いいからいいかは!ビッグニュースだよこら」
バッグを持ったまま皓貴に引っ張られ職員室前に連れてこられる
「で?なに?」
「見ろよほら!」
バンバンと叩いた壁の張り紙は...校内成績順だった
「これは....この前の期末考査の?」
「んだ!それでトップの名前を読みあげろ」
俺は下から上を視線を動かしトップの名前を確認する
「ん〜と.....は?」
思考が停止した。この世に同姓同名はいるのは知ってるが身近にいるとは思わなかった。
「へぇ.....すげぇな....同姓同名だぜ?笹倉大地だってさ」
ビシッ
「ってぇ〜なこのやろ〜。チョップすんなよ」
「お前それネタで言ってるんなら学年381人中378位の俺からプレゼントがあるよ?グーパンチをどこで受けたい?腹?顔?それとも股間?」
バキバキと指を鳴らして威嚇する
「え?まさか.....俺?」
「てめぇ....まぁいい、てなわけで学年首位おめでとさん」
まさか.....俺が学年首位になるとは...
びっくりし過ぎて言葉が出てこない。
「そ...そうか、ありがとう」
同時刻
コンコン
「失礼します」
「どうぞ.....」
職員室の中に1人の女子生徒が入室する。
髪は長めのロングヘアで、色は紫髪でなによりすごいのは胸
少しおとなしい感じの女子生徒の隣には母親と思われる女性が共にやってきた
「君が.....これからこの学校に転校してくる生徒さんだね?」
「はい....私の名前は----」
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