八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第七十五話 英語でもその七
「そこに心があるから」
「僕もその友達に心があったんですね」
「友情が」
「それで心があって」
「悲しいと思った」
「そういうことですか」
「私は祖国の友達には手紙を送ってるから」
今もというのだ。
「特に悲しいと思わないけれど」
「それでもそれも」
「友情かと思ったり」
それもというのだ。
「考えたりしている」
「そうですか」
「友達はどんなものか」
エルザさんは考える顔になっていた、無表情な人だけれどその目にごく僅かだけれど出ていた。
「私はそこまで深く考えてないけれど」
「私とは」
「親友だと思う」
またジョーンさんに顔を向けて答えた。
「そうだと」
「私もよ、だからよね」
「乗馬部にも入った」
「これまで入っていた部活と掛け持ちして」
そのうえでというのだ。
「そうしている」
「そうよね、一緒に部活を楽しむ為に」
「そう、ただ」
ここでエルザさんが言うことはというと。
「乗馬はまだまだ苦手」
「初心者だからね」
「ここに来るまで乗馬はしたことがなかった」
一度もという返事だった。
「だから苦労している」
「馬に乗ることからね」
「はじめて」
「ゆっくりとそうしていけばいいから」
だからというのだ。
「徐々にね」
「乗馬の腕を磨いていく」
「そうしていけばいいから」
だからというのだ。
「ゆっくりとね」
「わかったわ、じゃそうしていくわ」
「無理はしたら駄目よ」
ジョーンさんはエルザさんにくれぐれもといった口調で話した。
「乗馬はね」
「徐々になのね」
「馬は生きもの、相手がいるし」
その馬がだ。
「それに落馬したら大変だから」
「大怪我ね」
「下手したら死ぬわ」
落馬したらその時はというのだ。
「だからゆっくりとよ」
「徐々に身を着けていくもの」
「乗馬は競技もあるけれど」
競馬等だ、乗馬での競技は僕も知っている。
「それでもよ」
「ジョーンが言うには」
「馬と一緒に楽しむものよ」
「だからなのね」
「焦らないでじっくりとよ」
「楽しむものだから」
それでというのだ。
「焦ったら駄目よ」
「ゆっくりと楽しむ」
「じっくりとね」
「確かに乗馬はね」
僕もここでこう言った。
「危ないからね」
「そう、だから」
エルザさんも僕に言う。
「私も気をつけてるつもり」
「実際によく気をつけてるわ」
ジョーンさんは年上の親友をフォローするみたいに言った。
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