英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)
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第93話
~紅き月神殿・最奥~
「クク………開幕だの!!」
戦闘が開始されるとハイシェラは魔術――――連射魔弾を放った!
「…………」
(ハハハハハッ!ここまで我の魔力を模倣するとはの!よいぞ!)
剣の高笑いを聞きながら、セリカは自分に次々と襲い掛かる魔力弾を剣で全て打消し
「枢孔!紅燐剣!!」
遠距離攻撃を放つ飛燕剣を放った!セリカが放った飛燕剣は辺りを破壊しながらハイシェラを襲った!
「フン!枢孔!紅燐剣!!」
しかしハイシェラも同じ飛燕剣を放って、相殺した。2人の飛燕剣がぶつかった時、すざましい衝撃波が起こり、ぶつかった中心地はクレーターになっていた。
「ハハハハハッ!我の力を知るがよい!」
そしてハイシェラは両手に魔力を込め始めた。すると辺りの空気はハイシェラから放たれる膨大な魔力によって震え
「消し飛べぇっ!!」
ハイシェラが魔術―――ルン=アウエラを放つと神殿が地鳴りを上げた!
(力でねじ伏せろ、セリカ!)
「紅燐!舞華斬!!」
自分を襲う膨大な純粋エネルギーをセリカは剣に膨大な闘気や神力を込めて、剣を振るって真っ二つにした!すると真っ二つにされたエネルギーは神殿内に轟音と地震を起こしながら消滅した。
「雷光!地烈斬!!」
そしてセリカは反撃代わりに雷を宿した飛燕剣を放った。セリカが放った雷が籠った飛燕剣は地面を走りながら次々と床を破壊して行き、ハイシェラを襲った。
「よいぞ!」
対するハイシェラはクラフト――――紅燐舞華斬でセリカが放った魔法剣技を相殺したその時!
「ハァァァァァァッ!!」
セリカが続けてクラフト―――沙綾紅燐剣を放った!
「ハアッ!!」
それを見たハイシェラは魔術―――レイ=ルーンで対抗したがセリカが放った飛燕剣は効果範囲も広く、相殺できない部分もあり、相殺できなかった飛燕剣がハイシェラを襲った!
「ククク………!もっとだ!」
身体の一部から大量の血を吹きだし痛みがあるにも関わらず、ハイシェラはその痛みを楽しむかのように好戦的な笑みを浮かべてセリカに襲い掛かった!
「烈風脚!!」
「!!…………」
強襲して来たハイシェラのクラフトをセリカは詠唱をしながら回避し
「リーフ=ファセト!!」
風の最高位魔術―――リーフ=ファセトを放った!
「ハハハハッ!もっとだ!ベーセ=ファセト!!」
対するハイシェラも、地の最高位魔術―――ベーセ=ファセトを放ち、セリカの魔術を相殺した。しかし相殺した際に発生した余波をお互いが受け、それぞれ傷を負うと共に吹っ飛ばされ、さらに最高位魔術がぶつかった際の衝撃により神殿は大きな地震を起こし、天上に罅を入れた。
「殲鋼!双肢乱!!」
そしてセリカは再び飛燕剣を放ち
「もっとだ……もっと我を楽しませろ!」
ハイシェラもセリカと同じ剣技―――殲鋼双肢乱を放って相殺し
「ハアッ!!」
「フン!!」
セリカが飛燕剣―――枢孔身妖舞で強襲して来るとハイシェラも同じ飛燕剣―――枢孔身妖舞を放って相殺し
「紅燐!舞華斬!!」
「よいぞ!」
次の飛燕剣を繰り出したセリカの技に対し、ハイシェラも同じ飛燕剣を放ってセリカの飛燕剣を相殺すると共に鍔迫り合いの状態になった!2人の剣がぶつかった際、それぞれがさらけ出している膨大な神力、魔力、闘気がぶつかり合い、2人の周りから周囲の柱をなぎ倒すほどの衝撃波が発生した!
「ハハハハッ!それでこそ我が好敵手にして永遠の戦友!よいぞ!」
(ハハハハッ!まさか我が自身と剣を交える時が来るとはの!これほどの血がたぎる戦……初めてだの!)
鍔迫り合いの状態になった際、好戦的な笑みで大声で笑っているハイシェラの剣を受け止めた剣も同時に、好戦的な笑みで大声で笑い
「2人同時に笑うな………どっちの声が判断がつかん………」
2人の笑い声を聞いたセリカは眉を顰めて呟いた。そしてセリカとハイシェラは鍔迫り合いの状態をやめて、同時に後ろに跳躍し
「レイ=ルーン!!」
「黒ゼレフの電撃!!」
それぞれ高位魔術を放って、お互いの攻撃を相殺すると共に再びすざましい衝撃波を発生させ、神殿中に轟音を立てながら揺らすと共に周囲の床を破壊した!2人は何度も膨大な魔力、神力、闘気を込めた技や魔術を次々と放って相殺すると共に余波を受けてそれぞれの身体を傷つかせた。2人の戦いはあまりにもすざましく、何度も神殿に轟音を立てながら揺らし、周囲の建造物が次々と破壊された。
「ハアッ!!」
「フッ!………やるのぅ!さすがは我が見込んだお主じゃ!さあ………そろそろ神殿が持たぬようだし、決着をつけるだの!」
セリカが放った魔法剣技――――雷光滅鋼斬を後ろに跳躍して回避したハイシェラは好戦的な笑みを浮かべてセリカを見つめた後、天に向かって両手を上げ、周囲に地震を起こすほどの膨大な魔力と闘気を溜め始め
「いつでも来い………!ハッ!!ハァァァァァ………!」
(ハハハハハッ!さあ、セリカよ………お前の最高の一撃を我に放つだの!)
対するセリカは背中に一対の白い翼を宿らせた後、跳躍し、空中で剣に膨大な魔力、神力、闘気を溜め始めた!
「覚醒の目覚め!!」
そしてハイシェラは溜めこんだ魔力や闘気を解き放つ”地の魔神”ハイシェラの解放奥義―――覚醒の目覚めによって発生した超越したエネルギーをセリカに放ち
「閃光翼!!」
セリカは剣と翼から全てを無にするエネルギーを解き放つ究極奥義―――閃光翼を放った!2人の奥義がぶつかり合い、そして!
「ガアアアアアアアアッ!?」
セリカが放ったエネルギーがハイシェラが放ったエネルギーを呑みこむと共にハイシェラを襲い、エネルギーを受けたハイシェラは苦悶の声で叫んだ。するとその時、今までの戦いの余波によって揺れていた神殿はついに崩壊し、天井から無数の瓦礫が落下して来た!
「枢孔………紅燐剣!!」
自分達に落下して来る瓦礫に気づいたセリカは剣に膨大な魔力、神力、闘気を溜めた後最高位の飛燕剣を放って、落下して来た無数の瓦礫を粉々にした!そして崩壊が収まると何もない”無”の空間の中に2人の戦場となっている広間が浮かんでいた。
「ククク……まだだ………まだ終わっていないぞ、セリカよ……!」
その時、セリカの究極奥義をその身に受け地面に膝をついていたハイシェラは好戦的な笑みを浮かべて立ち上がった!
(さあ、セリカよ。模倣の我に止めを刺せ!)
「(ああ。)次で終わらせる、ハイシェラ………!」
対するセリカはハイシェラから距離をとった状態で剣を構え
「はぁぁぁぁぁ………!」
「おぉぉぉぉぉ………!」
それぞれお互いの武器に膨大な魔力や闘気、神力を高めながら溜めこみ
「「行くぞ、セリカ(ハイシェラ)―――――ッ!!」」
同時に真っすぐ走り出し、それぞれ同時に間合いに入ると同時に剣を振り上げ、そして剣を振り下ろした瞬間!
「ああぁぁぁぁあっ!!」
一人の叫び声が聞こえ、叫び声を上げた人物は地面に倒れた!
「ハア、ハア、ハア………」
(クク………これほど満足する戦い……お主の剣になった時以来だの………)
そして叫び声を上げていない人物――――セリカは息を切らせながら剣の念話を聞きながら、剣を鞘に収めた。
「ハア、ハア、ハア…………………強いの………さすがは我が見込み、そして好敵手と認めた者……ニアクールでお前と出会った素晴らしき日が懐かしいの………」
一方地面に倒れた人物――――ハイシェラもセリカと同じように息を切らせていた後、息が落ち着くと悠然とした姿で立ち上がってセリカを見つめた。
「……何?(………どういう事だ、ハイシェラ。お前と初めて出会った場所は”紅き月神殿”ではなかったのか………?)」
ハイシェラの言葉を聞いたセリカは眉を顰めた後剣に念話を送ったが
(……………)
剣は何も答えず、黙って自分達を見つめる自分自身を見つめていた。
「礼を言うぞ、セリカよ。模倣とはいえ我を心行くまで楽しませた事………これはその礼じゃ。」
一方セリカと対峙しているハイシェラは口元に笑みを浮かべた後、両手を天へと掲げた。するとハイシェラソードは辺りを照らすほどの強烈な光を放ち始めた!
(ム………この感じは……!ククク……模倣の存在とはいえ、やはりお前自身もセリカ自身の力になってやりたいのじゃな………)
強烈な光を放ち始めた剣はある事に気づき、苦笑しながら自分自身を見つめた。するとハイシェラソードに膨大な魔力が宿り、膨大な魔力が籠った事によってハイシェラソードは全ての力を取り戻した真のハイシェラソード――――ラクスハイシェラになり、ハイシェラソードの結界―――ハイシェラブローも剣が強化された事によって結界もラクスハイシェラによる結界へと強化された!そして力を授けたハイシェラ自身は光を放ち始めた。
「…………」
ハイシェラの様子に気づいたセリカは黙って見つめ
「クク……満足した戦いだった。悔いはない。………さらばだ、我が永遠の好敵手よ………」
ハイシェラは満足げな笑みを浮かべて、光と共に消滅した!するとセリカは転位し、ケビン達の目の前に現れた!
~狭間の宮殿~
「セリカ!」
「ご主人様!」
「お帰りなさいです~!」
転位して来たセリカに気づいたレシェンテ、シュリ、サリアは嬉しそうな様子でセリカに駆け寄り
「無事のご帰還、何よりです。」
「お帰りなさい、ご主人様!」
エクリアは軽く会釈をし、マリーニャは笑顔をセリカに向け
「お帰りなさい、セリカ………!」
サティアは優しい微笑みを浮かべてセリカを見つめた。
「ああ。…………――――!!」
サティアや使徒達の言葉に頷いた瞬間、ハイシェラとの出会いや魔剣ハイシェラソードになった出来事が一瞬頭によぎったセリカは目を見開いた。
「その様子……また記憶が戻ったのか?」
「今までの事を考えると今度はハイシェラとの出来事ですか、主。」
セリカの様子に気づいたアムドシアスとリタは尋ね
(何!?それは本当か、セリカ!)
ハイシェラは驚いた様子でセリカに念話を送った。
(ああ。かつて俺が”人間”であった時……ニアクールで出会った事や……さまざまな場所であったお前との出来事、”紅き月神殿”での戦い、そして………何故お前が俺の剣となったかをな。)
(………!そう……か……クク……ようやく思い出したか……この大馬鹿者が……!)
セリカの答えを聞いたハイシェラは涙ぐんだ声で念話を送った。
(……泣いているのか?)
(な、泣いて等おらぬ!)
そしてセリカに尋ねられたハイシェラは強がり
(思い切り泣いていたよね、エクリアさん。)
(ええ………きっとセリカ様に思い出して頂けた事がとても嬉しいのでしょうね……)
ハイシェラの念話が聞こえるエステルはエクリアに耳打ちをし、耳打ちをされたエクリアは微笑みながらセリカと魔剣ラクスハイシェラを見つめていた。
「……………」
「ご主人様!?」
しかしその時、セリカは地面に崩れ落ちて跪き、セリカの様子に気づいたシュリは心配そうな表情で声を上げ、他の使徒や使い魔達もセリカを心配そうな表情で見つめていたその時
「………先ほどのハイシェラとの戦いで大幅に魔力を失っただけだ。心配するな………」
セリカは静かに呟いた。
「な~んだ、そういう事ですか。それならすぐに治療できますね!」
そしてセリカの答えを聞いたマリーニャは安堵の表情になった後、魅惑的な笑みを浮かべてセリカを見つめ
「え、えっと………」
「こういう時はサリア達の出番ですね~!」
「うむ!”影の国”に来てから全然していなかったからの。ちょうどいい機会じゃ!」
「フフ……”使徒”ではないけど、私も力になるわ。」
ある事を察したシュリは顔を赤らめてケビン達を見回し、サリアは嬉しそうな様子で声を上げ、レシェンテは口元に笑みを浮かべ、サティアは微笑みながらセリカを見つめ
(ん~?………確かセリカが仲間になり立ての時にもあったわよね?同じ事が。あの時は確か…………え”。ま、まさか………!)
マリーニャ達の様子から何かを察し、考え込んだエステルは顔を真っ赤にして、サティア達を見回し
「?治療できるんやったら、”守護者”との戦いに向けてすぐに治療した方がええやろ。」
「………ああ。」
マリーニャ達やエステルの様子に訳がわからず首を傾げたケビンは提案するとセリカは頷いた後、無言でサティア、エクリア、マリーニャ、シュリ、サリア、レシェンテを見回し
「………そうですね。………私達はセリカ様を今から”治療”しますのでエステルさん達は―――」
「わかっているわよ!あたし達はさっきの広間で待っているから終わったら来るんでしょ!?行くわよ、ケビンさん!」
「へ?ちょ、ちょっとエステルちゃん!?おわあああああ~――――ッ!?」
サティア達を代表し、答えたエクリアが何かを言いかけ、言い切る前に顔を真っ赤にしたエステルがケビンを引きづりながら走って一つ手前の広間に向かい
(ハア………)
「全く……少しは場所を考えろ!」
パズモとアムドシアスは呆れながらエステル達を追い
「ア、アハハ………」
「フフ。皆と一緒でするのも楽しそうだけど、エクリアちゃん達を相手にして、私達も一緒に相手にしたら主も大変ですから今回は遠慮しておきますね。」
「今度………私と………する時………リタ………絶対…………一緒………」
ペルルは苦笑し、リタとナベリウスはセリカ達に微笑んだ後、エステル達の後を追って行った。
「え、えっと……今更なのですがサティア様はよろしかったのですか?私達と一緒にご主人様に抱かれるなんて………」
エステル達が去った後、シュリは顔を赤らめながらサティアを見つめ
「ええ。セリカの”使徒”の想いを無下にしたくないわ………皆セリカの傍にずっといたいから、”使徒”になったのでしょう?」
見つめられたサティアは微笑んでエクリア達を見回し
「「「「「…………」」」」」
サティアに視線を向けられたエクリア達はそれぞれ微笑んで頷いた。
「………みんな、準備はできた?」
そして着ている服全てを脱いだエクリアはマリーニャ達を見回し
「ええ。」
「は、はい。」
「はいです~。」
「うむ。」
見回されたマリーニャ達は次々と一糸纏わぬ姿になって頷き
「フフ……………一人残らず、ちゃんと愛してね………」
エクリア達のように一糸纏わぬ姿になったサティアは優しい微笑みを浮かべてセリカを見つめ
「ああ………」
見つめられたセリカは頷いた後、サティア達全員を抱いて失った魔力を全て回復すると共に、膨大な魔力を得た。その後性魔術の儀式を終えたセリカ達は広間で待っているエステル達の元に向かった。
「………待たせたな。」
「お、帰って来ましたか。それにしても一体何をやってたんですか?ここにいる全員に聞いても、教えてくれへんし………」
戻って来たセリカ達にケビンは頷いた後、不思議そうな表情でセリカ達に尋ねようとしたその時
「フフ………神父のケビンさんは知らないほうがいいと思いますよ?」
「そ、そ、そ、そうよ!ケビンさんは知るべきではないことなの!」
リタは可愛らしい微笑みを浮かべながら呟き、顔を真っ赤にしているエステルはリタの言葉に慌てながら何度も頷いた。
「けど、短時間で大量の魔力を回復する方法やったら、知っていても損は―――」
そしてエステルの様子に首を傾げながらケビンが呟いたその時
「いっ”!?エ、エステルちゃん!?」
エステルは鞘から神剣を抜いてケビンの首筋ギリギリで止め
「お・と・こは知らなくていいのよ!………わかった?ケビンさん………」
エステルは笑顔でありながらもすざましい怒気を纏ってケビンを見つめ
「あ、ああ………(こ、怖っ!?一瞬ルフィナ姉さんが本気で怒った時の顔が見えたで………ヨシュア君………くれぐれもエステルちゃんを本気で怒らせたらアカンで………)」
見つめられたケビンは大量の冷や汗をかきながら頷いた。
その後探索を再開したセリカ達はついに”狭間の宮殿”の最奥に到着し、最奥に到着するとセリカ達の予想通りの”守護者”達が待ち構えていた…………!
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