忌み子と呼ばれる転生者
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二人で…
村八分を受けていた私と母は、村のはずれで暮らしていた。
雨がしのげるだけの、所々に穴が開いている小屋。
その小屋の側に母が耕した小さな畑と森で採取する山菜、偶に罠にかかるウサギ等でほそぼそと食を繋いでいた。
村の中心部から態々こんな森の奥まで来て石を投げて来る子供とか、畑を荒らして食料を奪ってゴミを残していく村人とかがいたけど。
母と娘、それなりに暮らしていた。
でも、あの日……
ガラガラ……ガラッ!
「やっぱり、建付けが悪くなってる……。母さん?今日は罠にウサギがかかってたよ。」
騙し騙し使ってきたボロの小屋にそろそろ修理が必要かと考えつつ、母に声をかける。
「母さん……?」
いつもある筈の返事が無い……。
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