八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第七十三話 一杯のお茶漬けその六
「じゃあ親父百十五歳超えてるよ」
「天理教が百十五歳だったな」
「うん、それもね」
それこそとだ、僕は親父に言った。
「超えてるよ」
「そこまで生きられるか」
「殆ど無理だよ」
僕ははっきりと言った。
「百歳どころか」
「百歳でもだからな」
「滅多にいないし」
そこまで長生き出来る人はだ。
「それで百十五歳超えるとか」
「それまでずっとな」
「遊びたいんだ」
「お酒にお姉ちゃんにな」
「つまり酒池肉林だね」
「それで遊んでだよ」
それこそというのだ。
「暮らしたいんだがな」
「そんな酒池肉林な生活をしてね」
僕は焼酎を飲みながら親父に返した。
「百十五歳を越えてとか」
「ないか」
「そこまで生きられないよ」
そんな生活をしてはとだ、僕は返した。
「まずね」
「ははは、不摂生だからな」
「親父いつもお酒かなり飲んで」
「女の子館とも遊んでな」
「そんな生活だと」
「あと八十年は無理か」
「身体壊すから」
そうなるとだ、僕は親父にこうも言った。お酒に女の人が過ぎると身体に悪いことはもう言うまでもないからだ。
「絶対にね」
「そのうちにか」
「全く、親父は」
それこそもとだ、僕は親父にさらに言った。
「ちょっと欲張り過ぎだよ」
「あと八十年生きるにしてもか」
「そうだよ、本当にね」
「人間欲も必要だよ」
「欲を適えたいと思うからね」
「発展もしてきたんだよ」
「無欲もいいけれど」
僕はこの教えも言った。
「それと同じだけだよ」
「欲があってもいいんだよ」
「親父僕にそうも言ってるね」
「ああ、無欲があってもいいがな」
「欲もだね」
「あっていいんだよ」
そちらもというのだ。
「その欲を適えようと努力して適えるならな」
「いいんだね」
「そうだ、無欲なままだとな」
それこそというのだ、親父は焼酎で焼き鳥を楽しみつつ僕に話した。今度はハツを焼いたのを食べている。
「人間進歩しないだろ」
「欲があってそれを適えたい」
「そう思ってな」
「人間は進歩する」
「人間には欲望も必要なんだよ」
親父ははっきりと言い切った。
「それで進歩していくからな」
「そういうことだね」
「ああ、ただその欲もな」
「いい欲であるべきだね」
「そして努力してこそなんだよ」
その欲を適える為にというのだ。
「いいんだよ」
「悪い欲だと」
「腐った欲はな」
それはというと。
「持つべきじゃないんだよ」
「過ぎたものとか言うけれど」
「その時に過ぎたものでもな」
それでもというのだ。
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