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μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜

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第1話 廃校

「「「ええっ!?廃校!?」」」

全校集会で理事長から告げられた廃校の話。
嘘だと思ってた、いや嘘だと信じていた。
だから掲示板にあった廃校のお知らせはものすごくショックだった

「どうして...」

ことりちゃんも海未ちゃんも驚いていた。

「穂乃果の...穂乃果の高校生活が!」

その途端目の前がぼやけ始め意識を失ったみたい...

だって穂乃果はこの学校が大好きなんだもん!
海未ちゃんもことりちゃんもそうだよね?

誰かが名前を読んでる気がするけど...そんなことより...そんな...こと..








〜☆〜


一方その頃

とある男子生徒は憂鬱な気分で担任の後ろを歩いていた。
だって女子高だぜ?女子しかいないんだぜ?そりゃ嬉しいけどさ
主にたゆんたゆんに揺れた山を眺めるのは絶景な景色であって。

とにかく!廃校を阻止すべく....なにしたらいいんだろう

立ち止まった教室は2-2
俺は2組の生徒になるらしい
「笹倉、君はそこで少し待機してて」

頷き返してそれを確認すると先生は教室に入っていった。
俺は今めちゃくちゃ緊張してる
例えるなら高校受験の合格発表並みに緊張してる
ここで失敗したら俺の残りの高校生活はお終いだ
変態と言う名のレッテルを貼られるに違いない!
断言する!


俺は変態ではない!!!

何やら教室が騒がしい...中の様子を見ると

「ということで共学化するための試験生として『超絶』イケメンの男子生徒を転入させることになりました〜!!女子のみんな!テンションあげていこー!」


「「「「きゃーーーーーーーっ!!///」」」」

「イケメンだって!渡〇謙似かな?」

「違うわ!きっと櫻〇翔似よ!」

「そんなわけないでしょ!現実見なさい!そんなイケメンわたし達の前に現れると思う?」














................あのクソアマ教師を本気で殴りたいと思った。

ハードル勝手に上げるなよ、期待するだけ損するぞ。

より入りづらくなった教室を見て今日数え切れないほどのため息をつく。

「はいはい!みんな静かに〜!!それでは、転入生の登場です」


ドアが開け放たれる。そして静寂。

.....俺は諦めた。



俺を救ってくれるアニメやゲームのような美少女は存在しない、と。







〜☆〜

昼休み


俺は一人寂しく中庭のベンチで座って弁当を開けていた。

「どうして俺はこんな目に合わなきゃならんのだよ」


そこまでイケメンではない。
クラスの女子の評価はそれだった
先生を睨みつけると終始微笑むだけだった。

『私、いい仕事したでしょ!』とでも言いたげな表情。

イライラは止まらないがここは抑えて、深呼吸をする。



『.....この学校をあなたに救って欲しいです』

始業式兼入学式前に告げられた理事長のお願い。
俺に、救って欲しいとか。

「俺に何ができるってんだよ...」

まずクラスに一人も話ができる女子すらいないんだぞ?

「あ、あなた!」

とにかく、なんとかクラスに馴染んでいくしかないよな。

「ねぇ!そこのあなた!」

「はぁ.....最悪だ...」

ため息まじりに唐揚げをちょいとつまんで口へ運ぼうとする。

「あの!聞こえてますか!!」

「うわぁっ!!」

突如眼前に広がるのは見たことのあるような少女の顔。

この柔らかい匂いも嗅いだことある。

「あ!俺の唐揚げっ!」

箸から唐揚げが無かった...土の上に落ちてすでに蟻の餌となっていた。
俺の好物がーーーーーーー!

「あ〜ごめんね」

あちゃ〜とした顔をして謝る少女、確かこの子は...

「高坂.....さん?」

「やっほ!さっきぶりだね!」

「ど、どうも...」

そして持ち前の太陽のように眩しい笑顔で微笑む。

これは....さっきは変な感覚が過ぎってなんとも思わなかったけど

可愛い!!!可愛すぎるぞこの子!!!

明るいポジティブのような性格にこの笑顔!

普通男子はほっとかないんじゃないか?まぁ...だからといって
恋愛感情に発展しないだろうけど。

「笹倉君、2組なんだよね?私も同じクラスなんだ!よろしくね!」

「え?」

だってさっき教室にいなかったじゃないか。サボってたのか?

「穂乃果さっき気絶しちゃって保健室にいたんだよね〜ははは」

「気絶?もしかして廃校のことでですか?」

「そうなんだよね、穂乃果のお母さんも音乃木坂で私もお母さんもここが大好きだから。だからショックだったんだよ。」

さっきと違って笑っているがどこが寂しげな感じがする。
きっとそのくらいこの学校が好きなんだろう....
いいなぁ...そんな風に思い出があるのって。

「笹倉君は廃校のことどう思う?」

「え!?俺?....俺は...」

いきなり話を振られてまごまごしてしまう。

どうって俺は.....どうしたいんだろう。
きっと何かが俺の中に足りないんだ。それに気づけばやるべきことも自然と出てくる筈なのに


『--く〜ん!ほらみて!おおきなおつきさま〜!』

『えへへ...--くんといっしょにいるとたのしいな〜♪』

また、頭を締め付けられるようなキリキリした痛みが襲う。
なんなんだろうこの感じ...俺は何をしたっていうんだよ

『ひっく....ふぇっ....ごめんね?ごめんね--くん....』

聞いた事のないあどけなさのある幼い少女の心配する声が頭をぐるぐると回る。
息苦しい...

「あの、笹倉君?大丈夫?」

「え?」

「なんか...顔色悪いよ。保健室行く?」

どうやら顔に出てたみたいだ

「だ、大丈夫。気にしないでくれ」



「で、でも「こら穂乃果!!そこでなにしてるんです!」」



高坂さんの言葉を遮って凛とした声がした。
そちらを振り向くといかにも大和撫子といった雰囲気を漂わせた
少女がやってきた。髪長くて清楚な感じが第一印象だ。


「探したんだよぉ〜、宿題おわってないでしょ?穂乃果ちゃん」



大和撫子さんの隣の少女は苦笑いしながらやってくる。
と、いうかどっかでみたことあるような...
アッシュ色の特徴のある髪型の女の子!よしインプット完了
にしてもえらく甘い感じの声だな、とろけそうだ。
2人とも高坂さんに、劣らずめちゃくちゃ可愛いぞ!
俺の嫁にしたいくらいだ.....ゲフンゲフン



「ごめんごめん、今笹倉君とお話してたんだ〜」


「「笹倉君?」」


「え?えっと〜」


2人は俺のほうを見る
大和撫子さんは警戒するような目つき、
甘い声の少女は興味津々といった感じの目つきでじっと見つめる。


「笹倉大地さんですよね?さきほどクラスで派手に目立った」


「そ、そうですが...もしかして同じクラスです?」


「そうだよ〜はじめまして!南ことりです」


「そ、園田海未...です」


「ここちらこそ!笹倉大地.......です」


「私は高坂穂乃果!ってさっきもしたよね。よろしくね『大くん』!」

「大くん?」


「うん!大くんは大くんなんだよ!」


「こら穂乃果!いきなりあだ名なんて失礼ですよ!」


「まぁまぁ海未ちゃん、落ち着いて」


すごく仲いいな...羨ましい

「これからよろしくお願いします!高坂さん、園田さん、南さん」

俺は弁当を脇に置いて立ち上がりしっかりお辞儀をする

礼儀って大事だもんな

「穂乃果でいいよ!」

「え?」

出会って早々呼び捨て?いいのかな...

「じゃあ私も南じゃなくてことりって呼んでね!」

高坂さんを先頭に南さんも下の名前で呼ぶことを要求してくる


最近のJKってこんなにアグレッシブなのだろうか。
こんなに積極的だと危ない人に目つけられるんじゃないか少々心配だ


「わかりました、穂乃果さん、ことりさん」


そんな中園田さんだけ下の名前で呼んで〜みたいな感じはない
ずっと警戒している。人見知りなのかな?



「それよりもさ.....」


「なに?」

高坂さ...いや、穂乃果さんは首を傾げる

「時間...大丈夫なの?」



「「「あ...っ」」」

そうして次の授業に遅れた4人であった。



それにしても、


『よろしくね!大くん!』



なにか......引っかかる。






この時、彼『笹倉大地』の人生はいい方向に変えられていた。
彼女たちと出会いを果たす。ただそれだけのことで
彼は..救われたんだ。


それに気づくのはまた後の話...

 
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