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μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜

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第一章 それは始まりの物語
  第0話 それは突然の出来事

 
前書き
2017/5/26 リメイク済 

 





俺が見たのはたった1年で一瞬の世界

それは綺麗で、儚くて……時には脆い夢

誰も助けてくれなくて、教えてくれなくて

小さな頃に見た赤い景色のようで……


だけど彼女は……彼女たちは示してくれた。


伝えるということは

成長するということは

こうも簡単だったんだ、ということを……





———ありがとう



高校2年の春。
彼女達は『夢』を叶える為に……

俺は……その一員として共に歩き出す。







───第0話 それは突然の出来事───








 時は高校2年になる直前の春。
桜が舞う季節。
花見が楽しい季節。


 母の一言で俺の1年間は変わった。
母から差し出されたのは一通の茶封筒と言葉。



 それはごく普通の茶封筒...だけど、裏面を見てみるとそこには知る人と知る国立のそこそこ有名な高校の名前が記載されていた。
 俺はその高校名を見ながら母が言ったことを反芻する。


「……は?転入?」




ただいま春休み真っ最中の我が家で、俺の素っ頓狂な声が響く。



「そうよ、母さんが音ノ木坂学院(おとのきざかがくいん)出身なのは大地も知ってるよね?」
「あぁ...だけどそれと何が関係あるんだよ。そこって女子高だろ?」



 俺が今言った通り、茶封筒を差し出した高校は国立音ノ木坂学院という由緒正しい女子高(・・・)である。


……そう、女子高である。意味が分からない、どうして俺が女子高に転入しなきゃならないんだか。
 俺の記憶に間違いがなければ、音ノ木坂は国立校でありながらそこまで偏差値も高くなく、比較的優しい高校だ。それでも音楽系統に秀でていて、テレビとかよく出演しているとある歌手も、実は音ノ木坂出身だったりする。
 
 この春から全国でも有名な進学校の二年生になる俺が普通の高校に行くって...俺の今までの努力を踏みにじる気なのだろうか...俺の母は。




「音ノ木坂……もしかしたら廃校(・・)になるかもしれないのよ」
「……廃、校?廃校……廃校ねぇ~それって俺に関係あるのか?」
「大地には直接関係ないよ。だけど、貴方に助けて欲しいのよ。音ノ木坂の理事長、”南”っていうんだけどね、母さんの同級生なのよ」
「ふ~ん……同級生ねー」


 適当に相槌を打って茶封筒の封を切って、中から三枚の封筒を取り出す。一枚は『音ノ木坂学院転入の案内』で、しっかり南理事長とやらの印鑑がしっかり押されている。
 二枚目は入学許可証に三枚目は学生カードだ。すでに俺の証明写真の貼られた学生証を見るに、水面下で勝手に親どもが算段を付けていたに違いない。完全に俺の事を転入させる気満々である母親にちょっとばかり怒りが沸き起こる。


「その……さ。音ノ木坂の現状ってどんな感じなんだ?廃校廃校って言われても」
「んっとね……三年生三クラス、二年生二クラス、一年生一クラスと年々数が減って来てるのよ」
「あっそ。ご愁傷さまだな。俺には関係ないね」


 俺は茶封筒の中身ごとごみ箱に捨ててさっさと二階へあがろうとする。そう...俺には全く関係ないんだ。母さんの母校だろうが、そこが廃校になろうが...俺の人生になんにも影響がないんだ。


 それに……あの子(・・・)から離れるのは少々よろしくない。
僕を一年支えてくれた”彼女”の元を……



「お願い待って!」
「な、なんどよ!俺は行かねぇからな!!」


 母が俺の腕を掴んで真剣な眼差しを向ける。
しばらく静寂が訪れ、時計の秒針のコチ、コチ、コチという音のみが響く。
振りほどこうと腕を振り回すも母はかなり力を込めて掴んでいて一度は離れるもすぐにガッツリ鷲掴みをしてくる。
 母はこう言った。


「お願い大地!大地にしか頼めないの!私は昔南理事長に助けてもらってる事があって、まだ借りを返してないのよ!だから『音ノ木坂学院共学化試験生』という今回の彼女の相談に私はのったの!南理事長の”一人の親友”として力になりたいし、それに”大地の今後の為”でもあるの!」
「......は?女子高に男一人が混じって高校生活おくることが今後の俺の人生の為になるとか、母さんは本気でそう思ってるのかよ!下手すると俺の下心全開で振りまくぞ。いいのか」
「大丈夫よ。大地はそんな見境なく女の子を襲えるほど肝が据わってるとは思わないし、仮にそんなことがあったとしても、そんな何十人、何百人も襲って孕ませて養えるほど甲斐性がある息子の息子(・・)だとは思ってないわ」
「……お、おう」






 母さんの言う通り、そんな大勢の女性を籠絡するほどの精神やいろんなものを携えているわけでは無い。しかし、母さんにああまで言われた上にさり気無く下ネタぶちかまされて出す言葉を失ってしまった。
まぁ、確かに親友である南理事長の相談にのって、彼女の為に一緒に解決の策を練った。その気持ちはよくわかる。俺も”彼女”によく相談してたからな。

 だからと言って、自分の息子をわざわざ利用してまで助けるべきなのか。そういうことは甚だ疑問である。親友と息子。どちらを選ぶか...非常に難しい選択だった。だからこそ、母は南理事長のことを考えて、俺のことを考えて。
 

「大地の事を思ってるからこそ、私はこの相談を引き受けたのよ。貴方が音ノ木坂で青春を送ることができれば、”彼女達”と接し合うことができれば、貴方は変われる。間違いないわ」
「……何を考えてるんだ?母さんは」
「貴方の将来の事を考えてるわ。だって私の大切な息子だもの」
「…ちっ」


 母は満面の笑みでそう付け足す。ここまで言われた俺は流石に反論する気も失せ、「はぁっ」っとため息をつきながら頭を抱える。

 正直、母の言ってることの半分は理解できていない。いや、できているのだろうが気持ちがそれを良しとしていないのだろう。
理事長の頼みだから、これは間違いないだろう。
 俺の将来の為になる。母には悪いがここがどうしても理解できない。高校のレベルを下げ、廃校寸前の高校で俺以外女子というまるっきりの異分子に囲まれながら残りの高校生活を過ごす。

女の子が嫌いとまではいかないが、なんとも言葉に表しにくい感情に言葉が詰まる。


しかし……。



「……期間は」
「一年間よ」



母さんに聞こえない程度に軽く舌打ちをして、代わりにわかりやすく気だるげなため息を吐く。



「……一応、続きを聞こう。俺にどうして欲しいんだ?」
「大地に、音ノ木坂学院に通って欲しいわ」





深々と、今までにないくらい頭を下げた母さんを見て、俺はもう一度ため息をこぼした。













~☆~









「……でっか」


 そんなこんなでその時がやって来た4月の頭。
俺は音ノ木坂学院の正門前でそびえ立つ校舎に圧倒されていた。片手には先日新しく送られてきた今日の案内の紙を握りしめていて、緊張と共に噴き出てきた手汗に少しふやけている。


 俺は入学式はこうも緊張する特別な日だったか?と、ふと考える。
いや、正確には入学式じゃなくて始業式だが、指定された時間は始業式開始の20分前で、俺の場所はステージ裏で見守るとのこと。全校生徒みんなの前に立たされるという羞恥プレイは回避したものの、女だらけの学校で、果たして居場所を作れるのかどうかが、なによりも不安な要因だ。




———俺には小学四年生までの記憶が一切ない。


 気が付けばもう小学五年生で、始業式の日に全校児童の前で自己紹介したのは覚えている。
確かどこかから転校してきた、と言った覚えがある。

だけど、そのどこかが分からなくて、そもそも”俺が誰なのか”全然わからないままなのに、周囲に気を配るなんてできっこない。

自分という存在が明確でないまますぐに小学校を卒業し、中学生になった。





「はぁ……なにやってるんだろうな、俺は」

 本日何度目かのため息をこぼす。
ここに来るまでの桜並木の道の綺麗さに感動し、階段の長さはとてもいい運動になった。

 勉強の方は独学でなんとかするしかないにしろ、問題は高校生活の方にある。
一生に一度の高校生活を有意義なものにしたいと、中学卒業時は考えていた。まさか前の学校であんなこと(・・・・・)になるとは思わなかった。

 しかし、不幸中の幸いとでもいうべきだろうか。
今回の音ノ木坂転入という事案が流れ込み、高校生活をリセットできるのではないかと考えていたものだ。女だらけという不安5割新生活に期待5割といったところだ。


「まぁ、その期待5割の為に色々捨てちゃったけど……何とかなりますように~」


 その色々捨てたというのは勉強環境だとか友人関係だとかそんなところ。
勉強環境はよかったが、友人関係は良くもなく悪くもなく。



「何時頃理事長さんがやってくるんだっけ?」


 誰に言うでもなく独り言ちながら案内書を確認する。
8時40分ごろに迎えるに来るとのことなので、俺は特に何するでもなく大きく欠伸をしていた。



「遅刻~!!!!!!遅刻だーーーー!!」




 声がしたのは背後。振り向いた先には目玉焼きを乗っけた食パンをくわえた女子高生。
オレンジ色の髪をちょんと片方で結った、いわゆるサイドテールという髪形をした女子高生がスマホで時間を確認しながら真っ直ぐ俺の方に突っ走ってくる。

 当然俺の方を見ていない。
俺も俺で、あまりにも急な出来事だったので体がまったく反応してくれなかった。



「おいぃっ!?前を向け前を!!」
「えっ?きゃああっ!!」



———彼女の瞳は水色だ

そう認識したときには彼女の顔を眼前に広がっていて……。








「ごめんね!怪我とかなかった??」
「あぁ、いや。お気になさらずとも。そちらこそ、大丈夫ですか?お怪我は……?」
「いやぁこれくらいなんともです!穂乃果(・・・)はこう見えて丈夫ですから!!」





———穂乃果


 そう名乗る彼女の額は僅かに赤く腫れあがっていて、さすりながら舌をぺろりと出してそう言う。
俺も同様に額をぶつけてしまい、びっくりしたけどソレとは違う何か(・・)が全身を掠めた。

「そうですか……申し訳ないです」
「いやいいんだよ!穂乃果がちゃんと前向いていなかったからこうなっちゃったわけで……って、あれ?」

 ふと、彼女が俺の顔をじっと見据えて眉をひそめた。
まるで俺の骨の奥底まで見透かされているような、そんな眼力にたじろいでしまう。しかし、そのまま見据えていたかと思うと今度はゆっくり顔を近づけてくる。

 彼女の瞳の奥底には、驚いている俺の顔が写っていて。
それ以外何も映っていないことが少しだけ、怖かった。

「……っ!?キミ……もしかして———」


 直後鳴り響く、どこの学校にでもあるようなチャイムの音に何かを言いかけていた彼女の声が止まる。一体なにを言いかけたのか尋ねようとしたが、

「あっ!いけない遅刻だ!!やっばいよ海未ちゃん(・・・・・)にまた怒られちゃうよぉ~!」

置いてけぼりの俺に見向きもせずに穂乃果と名乗る彼女はスマホの画面を確認しながら立ち上がる。ついでにスカートについた埃を払って一言添える。


「ごめんね大地くん(・・・・)!!話はまた後で!!!」
「え?や、あの君———」




 俺の言葉に見向きもせずに彼女は一目散に校舎内に全力疾走していった。
付け加えると、校舎の前で立ちはだかる教師に声をかけられて、頭をペコペコしていた。



「……相変わらずだな(・・・・・・・)



 何も考えずに、何故だかそんな言葉が出てきた。
そして言ってから、自分の発言に気づく。何故そう言ったのかわからない。考えられない考えたくない。
 でも、縄で頭を締め付けられるような感覚に襲われながら、一つの光景が浮かんでくる。
それは、幼い男女のやりとりの光景だ。


目が虚ろな男の子が母親に車に乗せられていて、それを見送る女の子は涙と鼻水と涎で顔をぐしゃぐしゃに汚しながら別れの言葉を告げていた。


『―――くん、こんどはいつあえるの?』
『……わかん、ない。でも、いつか……またあえる、よ?』
『ほんと!やくそくだよ!!』
『やく、そく?……うん、やく、そく』


 そう言って女の子が差し出す小指に男の子の小指を絡めて指切りしていた。
この二人が一体誰で、どんな関係なのかわからない。でも自然と、懐かしい気がしていたのは確かだ。




「……」



 頭痛が治まり、俺はゆっくりと立ち上がる。
この門をくぐれば新しい生活のスタートだ。



......ふと疑問に思った。


俺は自分の名前を名乗っただろうか......。





~☆~







「新学期早々たるみ過ぎです!!!」
「だからってそんなにぷりぷり怒らなくてもいいじゃん!!海未ちゃんの怒りんぼー!!」



 新学期早々遅刻するとは自分でも思わなかった。
昨日はご飯食べてすぐお風呂入ってベッドに転がったのは10時前。だけどそのまますぐ寝られると思ったら大間違いで全然寝付けず、スマホを弄っていたら気が付けば1時を越えていた。

以上、寝坊するまでの経緯である。

「おはよう穂乃果ちゃん。やっぱり穂乃果ちゃんは穂乃果ちゃんだね」
「おはようことりちゃん!なーに?ことりちゃんまで穂乃果にお説教するの?怒りんぼ魔人は海未ちゃんだけで充分だよ!!」
「誰が魔人ですか!!」


 いつもの朝、いつもの海未ちゃんにことりちゃん、いつもの光景。
でも、今朝は違った。ぷりぷり怒る海未ちゃんを背中にして穂乃果は自分の席に腰掛ける。ひんやりとした木材の椅子がちょっとだけ心地いい。


 ()と別れて6年。その6年間はただぐうたらに過ごしていただけじゃない。
穂乃果は……ずっと会いたい人がいた。いつか会えると信じて、その時はもう、(大好きな人)に迷惑をかけない良い女の子になるんだって。

海未ちゃんに怒られてばかりだから、まだまだ穂乃果が思う女の子にはなれていないかもしれない。


でも。

今日やっと。


()に合うことができた。

 茶色い瞳に茶色い髪の毛。昔から直毛だということでずっと前髪を上げるヘアスタイル―――バングルといったか。そのスタイルを崩さず、さっきこうして穂乃果の前に現れた。

穂乃果は知っている。




―――笹倉大地(大好きな人)が帰って来たんだという事を。




「穂乃果?顔赤いですけど、具合悪いのですか?」
「いひゃぁっ!な、なんでもないよなんでも!」











~☆~





「それではここが理事長室よ」
「はい、失礼します」


 あの後、すぐに理事長が出迎えてくれて無言のまま理事長室へ通された。SHRの時間帯だったらしいので女子生徒らに奇怪な目で見られることは無かったが、どうしても教室の前を通らなければならなかった為、恐らく何人かは俺の存在を視認してしまっただろう。


 俺は理事長に促されて、理事長室の真ん中の長ソファに腰掛ける。
理事長は俺が座ったのを見計らって、俺と対面する形で反対のソファに座る。


「お菓子、いかがですか?この学校に私の娘がいるんだけど、これは娘が友達と温泉旅行に行った時のお土産だそうだわ」
「いえ……お気持ちだけ受け取っておきます」

 残念そうに眉を寄せて、すぐさま表情は変わる。
その娘の母親という顔から音ノ木坂学院の理事長、という顔に。


「初めまして。私は国立音ノ木坂学院高校の理事長の南というものです。今回は”音ノ木坂学院共学化適性検査”の”試験生”として、本校に転入していただき、誠にありがとうございます」


 深々と、完璧な一礼に俺も思わず「いえいえ」と頭を下げる。
流石理事長というだけあってその完璧な一礼から容姿まで圧倒されてしまう。



「恐らく、貴方のお母様からお聞きしたかもしれませんが、改めてもう一度今回の案件について説明いたします。現在我が学院は、少子化と数年前に開校した都会の高校の影響によって生徒の減少という状況が数年続いております」
「そうなんですか」
「ええ。音ノ木坂の運営も非常に厳しく、このままでは廃校という選択肢も逃れることができません。そこで数年前に提案したところ、”共学化”という案が生まれたわけです」
「その第一回生が俺、ということですね」


はい、と南理事長は深く頷く。数年前からそのような予兆があり、今年ようやく準備ができた。そして俺が選ばれた。


「その、俺を選んだというのは?」
「貴方のお母さんとは古い頃からの付き合いでして、詳細を話すことはできませんでしたが相談にも乗っていただいておりました」

 母さんからそんな話を一度も聞いたことなかったが……。
つまりは俺がここに来るかもしれないというのは昔から決まってたとでもいうのか?

「あんのクソ母さんめ……息子の人生なんだと思ってるんだ」
「ふふ、貴方のお母さんは昔からそうでしたからね」


 なんとも楽しそうにそんなことを言うもんだから、これ以上は何も言えなかった。
コホンと咳払いして話を戻す。

「まぁ……前の高校でも色々ありましたから。これはこれでいい機会だったのかもしれません」
「そうですか。それはこちらとしては非常にありがたいお言葉です」
「ですが、俺がその試験生としてすごして……何も変わらなかったときはどうするんですか?こんなどこにでもいるような男子高校生一人に音ノ木坂の未来を救えるだなんて思ってませんよね?」
「ううん、他のお偉い方へは適当に言ってしまいましたが、私の本心はそこにはありません」



なんだいって?と、訝しげに理事長を見つめる。すっと立ち上がった理事長はそのまま窓の先の空を眺めて、まるで独り言のように語りだす。


「私は、女子高という括りを外すべきだと思っていました。世の中には女性もいれば当然男性もいます。勿論女子だけでしか学べないことはあるます。男性だけでしか学べないこともあります。ですが、私はそれだけでは無いと思うから、”共学化”という案を思い切って提案したのです」
「それだけじゃない、ですか」
「ええ……それはあなた自身が、その答えを見つけて欲しいのです。一年間。もしかするとそれよりも早く結果が出るかもしれません」


……一年間。そう、与えられたのは一年間だけ。もしかするとそれよりも早い段階で戻されるかもしれない。だけど、俺はその短い時間の中、新しい場所で友人を見つけ、、学んで、青春を送る事。


 それが俺に与えられた役目。
風となって、音ノ木坂に新しい道を導くこと。




「大変でしょうけど……これから、よろしくお願いしますね?笹倉くん」



 カッコいい理事長だなと思った。
期待10割となった今、男が俺一人だけでも楽しい高校生活を送れるようにいくしかない。



―――そう心に決めた





「あ、でも不純異性交遊して孕ませるとか、そんなことしないでくださいね?」
「最低だこの理事長!!!!!せっかくめちゃめちゃ尊敬のまなざしでアンタを見てたのに最後の一言で台無しだよ!!!!!!!!!








―――やっぱり、この先不安でしかないんだが!?







 
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