英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)
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第60話
~アーライナ領域~
「オラッ、オラァッ!!」
リウイとの戦闘を開始したマクバーンは目にも止まらぬ速さで炎の斬撃波を放つクラフト―――ダブルフレイムを放ち
「嵐の力よ、全てを吹き飛ばせ!!」
対するリウイは嵐の力を纏わせた魔法剣―――ウィンディングで襲い掛かる衝撃波を吹き飛ばし
「灼き斬ってやるっ!!」
「灼熱の炎、思い知れっ!!」
更に一瞬で詰め寄って放ったマクバーンのクラフト――――フレイムセイバーに対し、炎の力を纏わせた魔法剣―――フレインバルで相殺すると共にマクバーンと鍔迫り合いの状態になった!
「クク、いいねぇ……!」
リウイと鍔迫り合いの状態になったマクバーンは好戦的な笑みを浮かべて魔剣を引いてリウイから距離を取り
「シャアッ!!」
高く跳躍してリウイ目掛けて魔剣を叩きつけた!
「!!」
マクバーンの攻撃を見切っていたリウイが後ろに跳躍して回避するとマクバーンが魔剣を叩きつけた地面に炎の大爆発が起こり
「セアッ!!」
マクバーンのクラフト―――エクスプロードを回避したリウイは一瞬でマクバーンに詰め寄って急所を貫く強烈な突き―――フェヒテンケニヒを放った!
「!チッ!?」
リウイの突きを魔剣で受け止めたマクバーンだったが、攻撃を受け止めた瞬間に起こった地震と衝撃波によって吹き飛ばされ
「――――フェヒテンアルザ!!」
「上等――――!!」
吹き飛ばされた瞬間一瞬に詰め寄ってきたリウイの連続突き―――フェヒテンアルザに対し、クラフト―――フレイムラッシュで対抗し
「ハアッ!!」
「シャアッ!!」
リウイが最後の一撃を放った瞬間、自分も最後の一撃を放ち、二人の魔剣が打ち合った際、地震が起こると共に衝撃波が発生した!
「劫ッ!!」
そしてリウイから距離を取ったマクバーンは片手に溜め込んだ炎の球体を解き放ち、放たれた球体は巨大な炎の竜巻と化してリウイを襲ったが
「――――ブライトロア!!」
リウイが魔剣を地面に突きたて、自分を中心に光の奔流を発生させて自分に襲い掛かる炎の竜巻を相殺した!
「ひえええええっ……!」
「こ、これは本当に”人”同士による戦いなのですか……!?」
「い、幾ら何でも非常識すぎるぞ!?」
「まるで戦場……!」
「なんという颶風だ……!」
二人の戦いを肌で感じていたエリオットは悲鳴を上げ、セレーネとマキアスは信じられない表情で声を上げ、フィーとガイウスは真剣な表情で呟き
「っ……!あなた……!」
「心配するな、ルシア……!”大陸最強”と称えられているリウイ陛下ならば、大丈夫だ……!」
不安そうな表情をするルシア夫人を庇うような位置でルシア夫人の前にいるシュバルツァー男爵は不安になっている妻に声をかけて、安心させようとしていた。
「き、近代兵器どころじゃないんですけど……!」
「ア、アハハ……まさに”人外”同士の戦いだね~。”特別実習”の時にガレリア要塞でベルフェゴールとエヴリーヌが見せたあの圧倒的な戦いも霞むほどだよ……」
「もはや常人が立ち入るのは許されぬ戦いだ……!」
「オーロックス峡谷での時の戦いは完全に手を抜いていたのか……!」
一方アリサとミリアムは表情を引き攣らせ、ラウラとユーシスは厳しい表情をし
「ひ、酷い戦いに巻き込まれたものだわ……アタシたちだけこの空間から脱出する方法はないのかしら?」
「今は動かず、自分達の身を守る事を最優先にした方がよさそうね……」
セリーヌとエマは疲れた表情で呟いた。
「ハハ……参ったぜ……幾ら何でもあんな戦いに手出しなんてできねぇよ。」
「ええ……下手に手出ししたら、巻き込まれて死ぬのがオチね。」
「そうですね。それ以前に私達がリウイ陛下に加勢する必要性は感じられません。何故なら……」
「―――リウイ陛下が圧していますわ。」
疲れた表情で呟いたトヴァルの言葉にサラ教官は重々しい様子を纏って頷き、クレア大尉の推測に続くようにシャロンが呟いた瞬間、リウイがあるクラフトをマクバーンに叩きつけていた。
「オォォォォォ…………!」
「ハハハハハハッ!こりゃあいい!もっと俺を満たせっ!!」
目にも止まらぬ速さで斬撃や突きを放ってくるリウイに対し、マクバーンは笑いながら攻撃を防御し
「奥義――――神破斬!!」
連携攻撃を終えたリウイはマクバーンから距離を取った後”神”と”魔”、両方の”気”を宿した一軒家の高さを軽々と超える衝撃の刃を放ち
「クク、無駄だぜ……!」
マクバーンは”焔”の結界にて全ての攻撃を防ぐクラフト―――フレイムガードでリウイが放った刃を受け止めた。するとその瞬間、衝撃波の刃は焔の結界を易々と切り裂き、マクバーンを襲った!
「な――――グアアアアアアアアア――――――ッ!?」
結界が破られた事にマクバーンが驚いた後瞬時に側面に跳躍して回避行動に移ったが、攻撃を回避しきれず、利き手でない腕が衝撃波の刃によって斬りおとされた!
「グッ!?ハ、ハハ……こりゃあいい……まさかこれ程とはなぁ、”英雄王”!!」
「………………………」
片腕を失った部分から大量の血を流し、腕を斬り落とされた事によって強烈な痛みを感じているにも関わらず狂気の笑みを浮かべて自分を見つめるマクバーンに対し、リウイは冷静な様子でマクバーンの言葉に何も答えず武器を構えていた。
「ハハハハハハッ!アンタ、最高すぎるぜ、”英雄王”!もっとだ!もっと、俺を満たせ!オオオォォォォォォ――――――ッ!!」
そしてマクバーンは咆哮を上げると共に魔剣に膨大な黒き焔を纏わせると共に周囲の空気を震わせ、その場に地震を起こし
「―――止めだ。オォォォォォォ…………!!」
対するリウイもマクバーンのように空気を震わせながら地震を起こして、全身に膨大な闘気、魔力、神気を溜め込み、そして二人は同時に”力”を解き放った!
「焔よ、焼き尽くせ!インフィニティ―――ハザード―――――ッ!!」
マクバーンは魔剣を振るって黒き焔の津波で敵を散りも残さず灼き尽くすSクラフト―――インフィニティハザードを放ち
「我が深淵に秘められし真の力………全てを呑みこめっ!神魔の目覚め!!」
対するリウイは自身の核から光と闇の力を極限まで解放し、膨大な闘気と共に解き放つ究極の奥義――――神魔の目覚めによって発生した神と魔の力が籠った衝撃波の津波を放った!互いの奥義がぶつかり合った瞬間、リウイが放った衝撃波はマクバーンが放った焔の津波を一瞬で呑み込み、マクバーンを襲った!
「あ?」
自分の究極技が易々と呑み込まれた事が現実とは一瞬判断できなかったマクバーンが呆けた声を出した瞬間、衝撃波はマクバーンを呑み込み
「うおおおおおおおおおおおおおッ!?あ、ありえ……この、俺………が………死…………………」
衝撃波はマクバーンの断末魔や呻き声を呑み込み、マクバーンは塵も残さず”魔剣アングバール”と共に消滅し、マクバーンがいた場所にはマクバーンの血と思われる大量の血が飛び散っていた!
「………………」
マクバーンの撃破を確認したリウイは全身に纏っていた様々な”気”を収めて既に戦いを終え、全員敵を殺し終えているか戦闘不能にさせて武器を突きつけている仲間達を見回した。
「行きますわよ……!ハアッ!!」
レーヴェとの戦闘を開始したデュバリィは先制攻撃代わりに残像を残しながら敵に突撃するクラフト――――残影剣でレーヴェに攻撃し
「!疾風突!!」
攻撃に気づいたレーヴェは回避した後、反撃をした!
「甘いですわ!」
しかしデュバリィはレーヴェの神速の突撃を回避した後、数体の分け身をレーヴェの周囲に現させ
「斬!!」
分身と共に斬りかかるクラフト―――幻影剣を放った!
「せいっ!!」
しかしレーヴェは剣を振るって強烈な斬撃を放って襲い掛かって来た分け身を消滅させると共にデュバリィの剣を弾き
「空を絶つ!!」
「クッ!?」」
クラフト―――空破斬を放って、デュバリィにダメージを与え
「そこだっ!!」
続けてクラフト――――零ストームを放った!レーヴェが放った衝撃波の竜巻がデュバリィを襲ったその時!
「舐めるなですわっ!!」
しかしデュバリィは大剣を一閃させて襲い掛かる竜巻を切り裂き
「獅子………衝撃波!!」
「……ッ!!キャアッ!?」
獅子の闘気を纏って突撃するレーヴェの攻撃を盾で受け止めたが、盾で攻撃を受け止めた瞬間に起こった凄まじい衝撃波によって吹っ飛ばされた!
「……………」
吹っ飛ばされた際にできた隙を逃さないかのようにレーヴェは常人とは思えない速さでデュバリィに詰め寄り
「我が剣は流れる剣………!!」
クラフト―――夢幻を放って、流れるように連続攻撃を放った!
「ハァァァァァ………!!」
レーヴェの連続攻撃に対し、デュバリィは凄まじい速さで剣を振るって攻撃を全て相殺し
「ムンッ!!」
「どぅりゃああああっ!!」
連携攻撃の後に放たれた強烈な一撃に対し、雷を纏った一撃―――豪雷剣で相殺し、互いの剣が鍔迫り合いの状態になった瞬間二人を中心に衝撃波が発生した!
「―――なるほど。”影の国”の時と比べれば動きが随分とマシになっているな。」
「キ――――ッ!偽物の私に勝ったからと言って、いい気になりやがるなですわっ!」
レーヴェの言葉を聞いたデュバリィは声を上げてレーヴェを睨み
「やれやれ。」
デュバリィの様子に呆れたレーヴェは剣を引いてデュバリィから距離を取った後再びデュバリィと凄まじい速さの斬り合いを始めた!
「す、凄っ!?」
「どっちも速すぎて何が起こっているのかわかんないわ……」
「あの騎士の方も凄いですが、それ以上にあの騎士の方と互角以上に戦うレーヴェさんは凄すぎですわね……」
「うむ、さすがは我らの副担任だな。」
二人の戦いを見ていたエリオットは驚き、アリサは疲れた表情をし、セレーネは呆け、ラウラは静かな笑みを浮かべた。
「――――さすがは”執行者”No.2にして”執行者”の中でもトップクラスの強さの持ち主と言った所かしら。相変わらずムカつく奴だけどこういう時に限っては味方である事が心強いわね。」
「うふふ、”剣帝”は未だ健在ですわね。」
真剣な表情で呟いたサラ教官の言葉にシャロンは微笑みながら答え
「俺は”剣帝”が直に戦っている所は初めて見たが……エステル達は”異変”の時に良く奴を退けたものだぜ。」
「しかも彼はリベールのクーデター時にも彼女達と剣を交えていますから、あの彼を相手に生き残り、そして退けたエステルさん達は相当の修羅場を潜ってきた証拠ですね。」
トヴァルの言葉に続くようにクレア大尉は静かな表情で呟いて二人の戦いを見守っていた。
「ハア……ハア……ありえませんわ……この私が”人”を捨て切れなかった半端者に後れを取るなんて……あの方より授かりし剣が……半端者に後れを取るなんて……」
「………………………」
デュバリィと距離を取っているレーヴェは顔を俯かせてブツブツ呟き出したデュバリィを警戒していた。
「……あり得ない……絶対に…………」
そしてブツブツ呟いたデュバリィは虚ろな目でレーヴェを見つめ
「絶対にあり得ませんわっ!!!ハアアアァァァァ―――――ッ!」
凄まじい闘気を解放した後まさに”神速”と言ってもおかしくない速さで分け身と共にレーヴェに襲い掛かった!
「フッ、”それ”を待っていたぞ!」
対するレーヴェも不敵な笑みを浮かべながら分け身と共にデュバリィ達の攻撃を全て受け流すか相殺し、二人は互角の戦いを繰り広げていた!
「ほえええええ~っ!?さっきより速くなった~!?」
「なっ!?あ、あのレオンハルト教官と互角だなんて……!?さっきまではレオンハルト教官が圧していたように見えたのに……!」
「馬鹿な……オーロックス峡谷の時と明らかに動きが違うぞ!」
「”剣帝”を相手に互角の戦いを繰り広げるなんて、”神速”の名は伊達じゃないという事ね………!」
二人の戦いを見ていたミリアムとマキアスは驚き、ユーシスは信じられない表情をし、サラ教官は厳しい表情をし
「……何となくそんな気はしていたのよね。あの第七柱直属の部隊があの程度で膝をつくなんて、ちょっとおかしいと思っていたのよ。」
「セリーヌ……?もしかしてあの人の事について何か知っているの……?」
「レーヴェで互角か。わたし達だと勝率は限りなく低いね。」
複雑そうな表情で呟いたセリーヌの言葉を聞いたエマは不思議そうな表情をし、フィーは真剣な表情で呟いた。
「これで決めますわよ………!オォォォォォォオオ―――――――ッ!!」
レーヴェと距離を取ったデュバリィ分け身達と共に神速の速さで縦横無尽に駆けながらレーヴェに強襲し
「ハァァァァァァァ……ッ!」
対するレーヴェは防御や回避行動に移っていたが、全ては防げず、身体に切り傷を作った。
「プリズム――――キャリバー―――――ッ!!」
そして剣に闘気による光を纏わせ、光の剣と化させたデュバリィがレーヴェに強襲し
「”剣帝”の一撃、受けるがいい……!ハァァァァァァァ……!」
レーヴェは迎撃の構えで剣に膨大な闘気を溜め込み
「滅――――鬼炎斬!!」
デュバリィの剣が自分に襲い掛かる瞬間、炎の斬撃を放ち、デュバリィのSクラフトとぶつかり合った瞬間レーヴェの剣がデュバリィの剣を弾き飛ばすと共にデュバリィの身体に襲い掛かり、その瞬間デュバリィは一瞬で盾で防御行動に移ったが防御しきれずレーヴェの大技をその身に受けた!
「キャアアアアアアアッ!?」
レーヴェの大技を至近距離で受けたデュバリィはまるで導力トラックにはねられたかのように勢いよく何度も地面をバインドさせて地面に叩きつけられた!
「クッ…………―――――え。」
痛みに顔を歪めて運良く傍に落ちていた自分の剣を手に取った後立ち上がろうとしたが
「――――101戦目の手合せは俺の勝ちだ。」
「ググググググ…………ッ!申し訳ございません、マスター…………!」
レーヴェに剣を突きつけられ、悔しそうな表情で唇を噛みしめて地面に膝をつき、顔を俯かせて地面を殴った。
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