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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第七十一話 レトロゲームその十一

「武器を十字架にしないと駄目なんだ」
「そういえば敵が落とすアイテムであったわ」
「うん、十字架あったよね」
「斧とか松明もね」
「けれどどうしてもだよね」
「短剣の使い勝手がいいから」
 槍と同じく画面の端まで届いて槍以上に動きが速くて連射が効く、言うなら槍のパワーアップしたものだ。
「取らなかったの」
「だからなんだ」
「十字架じゃないと駄目なのね」
「それが手形みたいになっててね」
「最終面に行く」
「そうじゃないと大魔王に会えないんだ」
 ラスボスである彼にだ。
「残念だけれどね」
「そうだったのね」
「それで十字架をね」
「大魔王になの」
「その頭に十発当てたらなんだ」 
 それで、というのだ。
「倒せるんだ」
「十発ね」
「そう、十発で倒せるから」
 それでというのだ。
「今度プレイする時はね」
「わかったわ、十字架で行くわね」
「そうしたらいいよ、ただね」
「その十字架に何かあるのね」
「十字架は画面の端まで届かないんだ」
 槍や短剣と違ってだ。
「射程短いんだ、連射は出来るけれど」
「性能落ちるの」
「敵の弾は打ち消すことは出来るけれどね」
「そうなの」
「しかも運が悪いと出ないから」
 ステージ一から六までだ。
「相当に運が悪いとだけれどね」
「所謂運ゲーなの」
「そうした一面もあるんだよね」
 魔界村にはとだ、僕は話した。
「実際にね」
「それはちょっと酷くない?」
「運次第なのは」
「ええ、それじゃあね」
「本当に相当に運が悪いとね」
 僕も否定せずに言う。
「クリアー出来ないから」
「実力じゃなくて」
「運もね」
 本当に大抵十字架は一回は出る、ステージ一から六まで進んでいって敵を倒しているうちに。
「必要なんだ」
「それがね」
「イタワッチさんにしては」
「どうもよ」
「まあね、クリアー出来なかったからだね」
「そうよ、けれどなのね」
 イタワッチさんはあらためて言った。
「相当にだから」
「気にしなくていいよ」
 その運のことはとだ、僕はフォローも入れた。 
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