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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第七十話 軽食その八

「今は」
「ふむ、オーソドックスだな」
「二段にして下はそれで」
「上は何だ」
「チョコレートかな」
「いい組み合わせだ」
 留美さんはかき氷を食べながらだが真面目な顔で僕の返答に答えた。
「それでいい」
「じゃあね」
「うむ、ではな」
「それを食べてね」
「楽しむな」
「そうするよ」
「抹茶もあるが」
 留美さんはこちらのアイスの名前も出した。
「それはどうだ」
「抹茶だね」
「私もバニラは好きだが」
 それと共にというのだ。
「抹茶もいい」
「そう言われると」
「抹茶アイスは美味いな」
「あれもね」
「それでどうする」
「うん、三段にするよ」
 僕はこう考えをあらためた。
「一番上をバニラ、一番下はチョコレートで」
「真ん中はだな」
「抹茶にするよ」
 留美さんに話した。
「それでいくよ」
「わかった、ではな」
 留美さんも頷いた、そしてだった。
 僕はアイスを三段で頼んで席に戻って食べた、その僕にだ。
 テレサさんが笑ってだ、こう言って来た。
「その抹茶がね」
「日本独特だよね」
「そう、お抹茶自体もそうで」
「それをお菓子に使うこともね」
「独特よ」
 まさにというのだ。
「そんなのよく考えたわね」
「ううん、何かね」
「何かって?」
「日本人ってアレンジが得意っていうけれど」
「そうそう、それね」 
 僕の今の言葉にだ、テレサさんはその通りだと返した。
「日本人ってそうなのよ」
「アレンジ得意だよね」
「かなりね」
 こう言ってだ、僕の言葉に頷いてくれた。
「だからお抹茶をお菓子に入れたり」
「するんだよね」
「そうなのよね」
「そしてそれがね」
 イタワッチさんも言う。
「美味しいのよ」
「そうなのよね」
「私もね」 
 イタワッチさんはテレサさんに頷いて言った。
「あのお抹茶の味好きよ」
「イタワッチもなの」
「そうなの」
 その通りだというのだ。
「だから今少し後悔してるのよ」
「デザートのことで」
「そう、お抹茶にすべきだったかも」 
 実際に少し残念そうに言っていた。
「後悔もしてるわ」
「それなら」
 チェチーリアさんが言って来た。
「お抹茶のスイーツも食べたら」
「そうしたらていうのね」
「今は無理でも」
「明日にでも」
「帰っても」
 八条荘にもというのだ。 
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