八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第七十話 軽食その六
けれどだ、モンセラさんはハンバーガーを食べながらこう言った。
「一応ハンバーガーになね」
「お野菜入ってるわね」
イタワッチさんがモンセラさんのその言葉に頷く。
「レタスにトマトに胡瓜」
「一応って位ね」
「ええ、それでも入ってるわ」
「じゃあ野菜もね」
「入ってるってことね」
「そう考えていいかしら」
「そうかもね」
二人でこうしたことを話していた、けれど実際に食べているものは炭水化物だ。そしてその炭水化物系のスナックを食べて。
僕はホットドッグを食べながら皆に尋ねた。
「まだ食べる?」
「ううん、結構食べたけれど」
テレサさんが僕に応えてきた。
「まだいけるかも」
「フランクフルト位入るかな」
「スイーツ位?」
イタワッチさんはクレープのお店を見つつ言った、お店の前にはカップルが立っていて何か楽しそうに話している。多分何を注文するか話しているのだ。
「それ位なら」
「あっ、それじゃあ」
「ええ、最後はね」
「甘いものだね」
「クレープ?」
イタワッチさんはまだクレープのお店を見ている。
「あれにしようかしら」
「かき氷にしないか」
留美さんが言うのはこちらだった。
「ここは」
「かき氷なの」
「夏だしだ」
この季節だからというのだ。
「いいと思うが」
「日本のスイーツよね」
テレサさんもかき氷と聞いて言う。
「確か」
「そうだが」
「確かいちご味とかある」
「他にも色々とあるがな」
「それがあるの」
「クレープもいいがだ」
留美さんもこちらのスイーツも否定しなかった。
「しかしだ」
「かき氷もなのね」
「いい」
返事は一言だった。
「特にこうした場所ではだ」
「美味しいのね」
「冷房がなく暑い」
実際に結構気温は高い、アーケード街の様に天幕で覆われていてそれで日光はガードされていてかろうじて汗はかかないけれどだ。
「こうした場所でこそだ」
「美味しいのね」
「かき氷はな、だからだ」
「ここはなの」
「それがいいと思うが」
「ううん、それじゃあ」
あらためてだ、テレサさんは。
頷いてだ、こう留美さんに言った。
「それにしようかしら」
「うむ、ではだ」
「私もそのかき氷食べるわね」
「ではな、では私はいちごにしよう」
いちご味だというのだ。
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