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英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク

作者:sorano
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外伝〜戦天使の誕生〜後篇

~グランアリーナ~



「おおおおおっ!!」

戦闘開始の号令がかかると同時にモルガン将軍は両手に持つ身の丈程ある斧槍(ハルバード)と共に空高くへと跳躍し

「二の型・改―――疾風追連!!」

同時にレンはモルガン将軍が跳躍する瞬間、電光石火の速さで詰め寄って攻撃したがモルガン将軍の跳躍が速く、レンがいた場所に斧槍が叩きつけられると共に衝撃波が発生し、地面が揺れた!

「うふふ、とてもお祖父さんとは思えない腕力ね。フゥゥゥ………」

モルガン将軍が放った技―――大切断の威力に感心したレンは戦闘を開始した事によって高ぶった気持ちを落ち着かせて体内にある”気”を練り

「ハッ!!」

練った気を解放し、全身に闘気を纏わせた!

「ほう……その年で既に”気功”も習得しているのか。なんと末恐ろしい娘よ。養女とは言え、さすがはカシウスの娘か。」

レンの気功技――――軽功を見たモルガン将軍は感心した。



「スパイラルバレット!!」

するとその時剣で攻撃すると思われたレンは突如銃へと武器を変えて二丁の銃から一つの回転する球体状のエネルギー弾をモルガン将軍に放った。

「ぬええええいっ!!」

襲い掛かって来る回転するエネルギー球に対し、モルガン将軍は斧槍に膨大な闘気を溜め込み、斧槍を豪快に振るって闘気のエネルギーを解放した!モルガン将軍の技の一つ―――轟刃波はエネルギー球を全て消滅させると共にレンを襲ったが

「!!」

レンは間一髪側面に跳躍して回避に成功した。



「魔神剣・双牙!!」

側面へと跳躍したレンは武器を剣に素早く戻すと両手の剣を振るってそれぞれから衝撃波をモルガン将軍に襲わせ

「二の型・改―――疾風追連!!」

衝撃波を放った後電光石火の速さでモルガン将軍に詰め寄った。

「ぬるいわあっ!!」

衝撃波とレンを同時に攻撃する為にモルガン将軍は斧槍を強烈な横薙ぎによって暴風を発生させ

「キャッ!?」

暴風を発生させるモルガン将軍の技の一つ―――暴旋風によってレンは傷つくと共に吹っ飛ばされた!吹っ飛ばされたレンは空中で受け身を取って地面に着地した。



「空破―――――」

回避に成功したレンは斧槍を地面に叩きつけて隙ができたモルガン将軍に詰め寄って突きを放ち

「!!」

モルガン将軍は咄嗟に斧槍で防御し

「絶掌撃!!」

「それはユリア少尉の時に見せて貰った!!」

更にモルガン将軍は一瞬で背後に回って突きを放ったレンの追撃も受け止めた。

「斬魔――――」

「何っ!?」

追撃を受け止められたレンはすぐに剣を退いて続けて斬撃を放ち

「飛影斬!!」

「ぬぐっ!?」

レンはモルガン将軍を囲むように電光石火の速さで跳躍しながら5連続の斬撃を放ってモルガン将軍にダメージを与えた。奥義によってモルガン将軍の頭上に跳躍したレンは空中で武器を銃に変え

「アクロバレット!!」

「くっ、ちょこざいな……!?」

怒涛の銃撃を放って追撃した。そして銃撃を終えたレンは銃をホルダーに素早く収めた後両手で”溜め”の構えをし

「ニャン戦吼!!」

「甘いっ!!」

猫の姿をした闘気を落下のスピードも利用して攻撃したが対するモルガン将軍は斧槍で防御し、攻撃を防御されたレンは即座に空中で回転してモルガン将軍が構えている斧槍を蹴ってモルガン将軍の頭を飛び越えてモルガン将軍から距離を取った状態で着地して素早く二振りの小太刀を構えた。



「やれやれ……カシウスの奴め、とんでもない娘を育てておるな。あの年でここまでできるのだから、成長すれば一体どれほどの強者(つわもの)になるのだ?」

自分を傷つけた幼き天才少女をモルガン将軍は苦笑いをしながら見つめ

「しかし遊撃士協会所属と言うのが気に入らんな………王国軍の誇り高さ、見せつけてくれるっ!ぬううぅん!!」

やがて目の前の幼き天才少女が自分が嫌う組織の所属である事を思い出して厳しい表情をした後全身に膨大な闘気を溜め込んだ。



「ぜいやあっ!!」

膨大な闘気を溜め込んだモルガン将軍は跳躍してレンの目の前に斧槍を叩きつけ

「ハッ!」

斧槍が叩きつけられた瞬間、レンは後ろに跳躍して回避した。

「ぬおおおおっ!!」

しかしモルガン将軍はレンに向かって猛牛の如く突撃して身の丈程ある巨大な斧槍を軽々と連続で振るい始め

「クッ………!」

「むん!むん!むんっ!」

レンはモルガン将軍の重く、速く、鋭い一撃を必死に両手に持つ小太刀を巧みに使って受け流していたがそれでもいくつかは受けてしまい、その度に斬られた場所の服が破れると共に血が出始めた。

「おあああああっ!!」

怒涛の連撃を放ち終えたモルガン将軍は空高くへと跳躍して斧槍に膨大な闘気を溜め込み

「!!」

膨大な闘気を溜め込まれた斧槍を見て、直感で”不味い”と感じたレンが大きく後ろに跳躍した瞬間、モルガン将軍は斧槍を地面に叩きつけ、その際に起こった爆発の余波を受けたレンは吹っ飛ばされた!まさに獣が暴れるかのように放たれたモルガン将軍の奥義――――檄獣乱舞による最後の一撃はドーム型の小規模な爆発を起こすと共にアリーナのタイルを粉々に破壊して小さなクレーターを作った。



「まさかあのような細腕でいくつか受け流された上、最後の一撃も直撃を避けるとは………なんと、末恐ろしい娘だ。」

最後の攻撃を回避された事に気付いたモルガン将軍は爆発によって発生した砂煙の先にいると思われる幼き天才少女を睨み

「うふふ、さすがに今のをまともに受けていたらレンも終わっていたでしょうね。―――でも、まともに当たらなければ意味はないわ。次はレンの番よ。」

猛将の猛攻を耐えきった幼き天才少女はいつものように小悪魔な笑みを浮かべた後全身に膨大な殺気と闘気を纏い、レンが解放した闘気と殺気に応えるかのようにレンの周囲には衝撃波が発生した!

「なっ!?(何だ、この殺気は!?)」

「覚悟はいいかしら!?」

砂煙が晴れた瞬間レンは跳躍して自分の闘気や殺気に驚いているモルガン将軍に詰め寄り

「レンの邪魔をするなんて、目触りなのよ!レンの前から………消えなさい!」

「ぬうううううっ!?」

二振りの小太刀で凄まじいスピードで怒涛の斬撃を息を尽かせる事もなく放ち続けて何度もモルガン将軍が持つ斧槍の柄の部分に集中攻撃して強い衝撃を与え続け

「奥義!」

怒涛の連続攻撃を終えた後、一端後ろに跳躍して突きの構えで溜め込み

「魔神煉獄刹!!」

前に一歩踏み込んだ瞬間、まさに”神速”の速さでモルガン将軍に詰め寄って凄まじい威力の突きを放った!



「グッ!?」

斧槍から伝わる衝撃にモルガン将軍が呻いたその時、レンの小太刀を防いでいるモルガン将軍の斧槍の柄の部分にピキピキと音をたてながら罅が入り、最後には真っ二つに割れた!

「なあっ!?」

武器が破壊された事にモルガン将軍が驚いた瞬間、レンは素早く小太刀を鞘に納めて両手に闘気を溜め込み

「チェックメイトよ。――――剛烈破掌!!」

闘気を溜め込んだ両手の拳をモルガン将軍の腹に叩き込んだ瞬間、溜め込んだ闘気を解放した!

「ガッ!?」

腹に零距離で受けた闘気の爆発によってモルガン将軍は吹っ飛ばされると共に地面に叩きつけられ、その隙を逃さないかのように再び鞘から小太刀を抜いたレンは二の型・改―――疾風追連で詰め寄り

「―――まだやるのかしら?」

モルガン将軍の顔に片方の小太刀を突きつけ

「―――見事。儂の負けだ。」

小太刀を突き付けられたモルガン将軍は静かな笑みを浮かべて降参の意を示すかのように両手を挙げた。

「しょ、勝負あり!紅の組、レン選手の勝ち!」

モルガン将軍の敗北を信じられない思いで見ていた審判は慌てた様子でレンの勝利を宣言した。するとその瞬間、幼き天才少女の勝利に歓声や驚きによって会場はドッと沸いて揺れた。



「お、おい。レンの奴、軍のトップにも勝っちまったぞ?」

「まさか”武神”をも破るとは………フフ、これはもう何が何でも本部に”特例”を認めるようにかけあわないといけませんね。」

レンの勝利にルークは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、エルナンは目を丸くした後静かな笑みを浮かべてレンを見つめていた。



「な、なななななっ!?モ、モルガン将軍にまで勝っちまいやがった!?」

「う~ん、凄く輝いていていいね~。」

二人の試合を見ていた男性は混乱し、眼鏡の女性は何度もレンの写真を撮っていた。



「まさかモルガン将軍をも破るとは……フフ、私ももっと精進しなければな。」

同じように別の席で試合を見ていたユリア少尉は目を丸くした後苦笑いをし

「ええっ!?モ、モルガン将軍まであんな小さな女の子に!?」

「フフ、成長すればカシウス殿をも軽く超える存在になりそうですね。」

貴賓席で観戦していたクローディア姫は幼き天才少女の勝利に驚き、アリシア女王は優しげな微笑みを浮かべた。



「フウ。さすがに軍のトップさんだけあって、とんでもなく強かったわ。」

「フフ、その儂を破ったお前が言う事か?――小娘、軍に来る気はないか?お主ほどの力を遊撃士協会のような民間組織の中に眠らせておくのは余りにも勿体なさすぎる。お主の実力ならその年でもかなり上の地位に着く事もできるだろうし、その調子で急成長し続けるのならば歴代初の王国軍を率いる女性になれるかもしれんぞ?」

疲れた表情で溜息を吐いて武器を収めるレンを苦笑いをしながら見つめていたモルガン将軍はレンを勧誘した。

「結構よ。レンは軍みたいな凄い厳しい規則に縛られたくないし、パパやお兄様のように遊撃士になるつもりなんだから。遊撃士も規則はあるけど、軍と違って自由な部分が多いし、そっちの方が気楽だわ。」

勧誘されたレンはつまらなさそうな様子で答えた後モルガン将軍に背を向けて立ち去り

「…………………ええいっ!遊撃士協会めっ!民間組織の分際で一体どれだけ優秀な人材を抱え込み、その者達が持つ才能の無駄使いをするつもりだっ!!忌々しい!」

レンが立ち去るとモルガン将軍は呆けていた後やがて悔しそうな表情でレンが去った方向を睨んで怒鳴った。その後閉会式が開かれた。



「それではこれより、優勝選手に女王陛下の祝福の言葉が贈られます。レン・ブライト選手!どうぞ、前にお進みください。」

「はーい。」

司会の言葉を聞き、レンはアリシア女王に一礼してアリシア女王の前に出た。

「フフ、まさか私の代で闘技大会での最年少優勝者の年齢が大幅に更新されるなんて、予想できませんでした。―――良いご家族をお持ちになられましたね?」

「うふふ、レンにとって自慢の家族よ♪」

アリシア女王の祝福の言葉にレンは微笑みながら答えた。

「貴女のこれからの活躍を期待していますね。―――それでは賞金10万ミラと優勝カップを贈りましょう。」

「ありがとう、女王様♪」

そしてレンがアリシア女王から優勝賞金と闘技大会優勝カップを受け取るとカメラのフラッシュがたかれ、レンはカメラのフラッシュに応えるかのように可愛らしい微笑みを浮かべた。



「やるじゃねえか、レン!正直ここまでやるとは思わなかったぜ!」

レンが控室に戻ってくるとルークが笑顔でレンを迎えた、

「うふふ、レンもまさか優勝できるとは思わなかったわ。―――それでエルナンさん、これでレンもお兄様達みたいに一人で依頼を請けてもいいわよね?」

「ええ。私の出した条件をクリアするどころか、私の予想以上の結果を出したのですから、文句どころか、こちらから頼みたいぐらいです。私も本気で本部に貴女の事を”特例”で認めるように掛け合いましょう。」

レンに視線を向けられたエルナンは笑顔で答えた。



「フフ、その年で親衛隊員を破っただけでも快挙だというのに、”武神”をも破れば本部もその娘を手放さない為にも認めるじゃろうな。」

その時一人の老剣士が控室に入って来た。

「あ、あなたはユン老師!」

「あら。じゃあお祖父さんがお兄様やパパに”八葉一刀流”を教えたんだ。」

「え………で、では貴方がかの”剣仙”!?一体どうしてこちらに………」

老剣士――――”剣仙”ユン・カーファイの登場にルークは驚き、レンは目を丸くし、エルナンは信じられない表情でユンを見つめていた。



「なに……剣を捨てたカシウスが以前闘技大会に優勝したという話を小耳にはさんでな。どれ程の腕前か見る為に今年の生誕祭に訪れたのじゃが……肝心の奴は参加していなかったからアリーナから去ろうとしていた所をお主の戦いが気になって観戦していたんじゃよ。」

「うふふ、それでどうだったかしら、かの”剣仙”にとってのレンの剣は。」

世界にその名を轟かせる老剣士に見つめられたレンは小悪魔な笑みを浮かべた。

「まさに才能の塊と言っても過言ではないな。その年でよくそれ程の実力を手に入れたな。―――じゃが、一つだけお主に忠告しておこう。」

「何かしら?」

「決勝戦の時に見せたお主の奥義。あの時のお主からはとてつもない”殺意”が込められていた。一体どのような経緯があってあれ程の殺意を出せるようになったかは知らぬが………決して殺意に呑みこまれるな。殺意に呑みこまれた時、お主は”鬼”に墜ちる事になるじゃろう。」

「ユン老師……」

「…………………」

老剣士の忠告を聞いたルークは驚き、エルナンは真剣な表情でレンを見つめ

「…………………うふふ、忠告、ありがたく受け取っておくわ。レンも鬼さんなんかになりたくないし。でも大丈夫よ。レンには大好きな家族がいるんだから♪」

レンは呆けていた後やがていつものような小悪魔な笑みを浮かべて答えた。



「フッ、そうか。………………ルーク、しばらくの間この娘を預かってもよいか?」

「あら。」

「ろ、老師!?突然何を……」

老剣士の突然の申出にレンは目を丸くし、ルークは驚いた後戸惑いの表情をした。

「なに……これ程の才能の塊を持つ者は滅多におらんのでな。これも縁じゃし、儂自らこの娘にお前のように鍛えようと思っているのじゃ。」

「それはレンにも俺の時のように”八葉一刀流”の剣技を教えるという事でしょうか?」

「うむ。一月あれば、この娘に教える事はなくなるじゃろう。どうじゃ?」

「えっと……俺はいいと思うんですけど……レンはどうなんだ?」

レンが自分にとって”もう一人の師匠”に当たる老剣士直々の修業を受ける事を聞いたルークは困った表情でレンに答えを訊ねた。



「ん~……ま、1ヵ月でレンがもっと強くなるんだったらいいわよ。――――そう言う訳だから、エルナンさん。レンがお兄様達みたいに一人で依頼を受けるのを少しだけ待っててもらえないかしら?」

「勿論構いませんよ。レンさんの成長を期待して待っていますので、”剣仙”殿の元で色々学んでください。」

こうしてレンは”剣仙”ユン・カーファイの元で修業し、その結果僅か1ヵ月という短い期間で”皆伝”を認められ、修業を終えたレンは特例で”仮準遊撃士”という扱いで一人で依頼を請け始めた。後に歴代最年少の”八葉一刀流”の皆伝者である事から”小剣聖”の異名で有名になるレンであったが、剣に加えて銃や格闘技、そしてアーツもそれぞれを専門とする正遊撃士と同等の使い手でもあった事、そしてレンの天使のような可憐な容姿も合わさり”戦天使の遊撃士(エンジェリック・ブレイサー)”の異名で呼ばれる事になり、準遊撃士の資格も持っていないにも関わらず戦闘能力、事件解決力共にA級正遊撃士レベルとして遊撃士協会を含めた様々な組織からみられる事になった。また相場や株に興味を持ったレンは興味半分で手を出した。レンの相場や株を見る目はまるで神がかっているかのようにレンが手を出した相場や株は後にすべて上場し、その結果レンは一国をも養える莫大な金額の金銭を手に入れ、その金銭を使って”Ms.L”という偽名で様々な大企業の大株主の一人となってそれぞれの大企業の会社経営に口が出せる立場へとなり、時折会社経営に口を出してその企業に莫大な利益をもたらした。その事から各国の有力者達の間でも”Ms.L”の名を轟かせる事になったという………… 
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