サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
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帰り道にて
サトシ:「それにしても、今日は
星空が綺麗だなっ」
ヒカリ:「えっ?、、ほんとだーっ、
すごくきれい!」
サトシとヒカリは他愛もない話をしながら
人通りの少ない道を歩く。
サトシ:「旅をしてた時は良く
星空を見上げて寝てたよなっ」
ヒカリ:「そうねーっ、野宿だったけど、
いま思えばあの頃が一番楽しかったなっ」
サトシ:「あの頃、、か、、。」
互いに話せば話すほど、過去の記憶が蘇る。
ジムをめぐり、コンテストをめぐり
励まし合い、助け合った青春の日々、、
ヒカリ:「気づいたらもう25歳だもんねっ」
サトシ:「確かにっ!、でもビックリしたよ
ヒカリに会った時は、、仕事は大丈夫なのか?」
ヒカリ:「えっ?」
サトシ:「ほらっ、さっきは他の話に
夢中なって全然聞けなかったからさっ」
ヒカリ:「あ〜、、私は大丈夫だよっ(笑顔)」
サトシ:「そうか!なら良かったっ!」
ヒカリ:「サトシは?」
サトシ:「ん〜、、俺はあんまりっ。
一応仕事はやってるけど、あまり
上手くいかないなっ、ははっ」
ヒカリ:「そっか、、
営業って大変そうだもんね、、」
サトシ:「、、、時々、今生きてるこの世界が
真っ暗に見える時があるんだっ。」
ヒカリ:「真っ暗に?」
サトシ:「あぁっ。、、子供の頃は、
誰にでも真っ直ぐな気持ちで接したり、
誰とでも正面から向き合ったりして、
そうやって生きてこれた時代なのに、、、
大人になって社会に出たらそれは通用しない。
ヒカリ:「サトシ、、」
サトシ:「言いたい事を
我慢しないとダメな時もあれば、
自分の想いを隠してまで
相手に合わせないとダメな事もある、、。
でも、世の中色んな人がいて、
1人ひとりの考えや生き方を尊重するために
確かにそれは大事な事だけど、
”自分の気持ちを隠してまでどうして
社会を作らないとダメなんだろう”って
時々思うんだっ、、、そう思えば思うほど、
自分の見えてるこの世界が
だんだん真っ暗に見えてきてさっ、、、」
ヒカリ:「、、、」
サトシ:「、、あっ、ごめん。
急に変な話をして、、、これ、
ただの俺の我が儘なんだけどなっ」
ヒカリ:「ううんっ、サトシの言ってる事は
全然我が儘なんかじゃないと思うよっ。
、、、だって、そんなに悩むくらい
今まで自分と向き合ったてきたんでしょ?
だったら、それは我が儘なんかじゃなくて
サトシが現実を受け止めて
今をちゃんと生きてるって証拠じゃないっ!」
サトシ:「ヒカリ、、」
ヒカリ:「やっぱり、大人になっても
サトシはサトシだねっ!」
サトシ:「、、、ありがとうっ。
やっぱ力になるよっ!ヒカリは」
ヒカリ:「どういたしましてっ!
あたしだって、こう見えて大人に
なったんだからっ!」
サトシ:「そうだなっ!ちゃんと化粧も
してるしなっ!」
ヒカリ:「そうそう!、、、って、
そっちじゃなーい!!内面よ!」
サトシ:「ははっ、わかってるよ!」
話をしている内に、
2人はコーポ・ポッポに到着した。
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