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インフィニット・ストラトス~黒衣の創造神~

作者:黒鐡
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第5巻
  夏休み最終日と二学期最初の実戦訓練×それぞれの国別菓子話

夏休みが明ける前日、俺ら軍属組は最後の事務職と訓練をしていた。シャルとセシリアもだが、最近になって軍属入りとなった簪と一緒になって訓練や慣れない事務職をやっていた。俺的には奏から受け取った聖剣エクスカリバーを擬態させたアクセサリーにしているので、これが剣だとは誰も気付かない様子のようだ。今はIS訓練中だったが、生身で剣のみで訓練しているのは俺のみである。

「物は試しだ、桜花。俺と模擬戦を頼む、こちらは奏から受け取った剣の能力確認をしたい」

「了解しました。ではこちらは近接特化であるインジャスにしますね」

桜花はエヴォルトシステム起動させてから、外観が紅い機体となって関節部分が銀色になる。そんで試合開始したらビームサーベル対聖剣なので、早速七つの能力を使ってみたのだった。まずは天閃だが、桜花よりも素早く動ける事が分かりISでも察知不能として桜花は俺を探していた。

「一夏さん、一体どこに行きましたの?」

「さあね~僕にも分からないけど・・・・あっ桜花さんの後方にいたよ」

「あれが例の聖剣ですね、流石の私でも索敵不能のようです」

「簪が言うならアレはISのセンサーでも察知されないようだね」

そろそろ天閃を止めてから、動く的を起動してもらいISで一番硬いと言われている装甲を模して破壊のみで一刀両断してみた。すると綺麗に真っ二つとなった事で、これ相手だと簡単に殺してしまう勢いだから使わない方が良さそうだ。続いて夢幻を使ってみるとまるで分身したかのように見えて本物と偽物の区別不能とされていて、透明を使うと俺らが使うステルスモードぐらいロストしてしまうな。

「破壊では一番硬いと言われているISの装甲を一刀両断する何て、あれは破格ですわね」

「確か聖剣エクスカリバーだよね?別外史で使っているらしいけど、ここにいる一夏よりも戦闘狂だそうだよ」

「幻影と瓜二つのようだけど、マルチロックオンシステムを使うといいかもね。透明だとステルスモード並みだね」

「まあそうだけど、そのシステムを持っているのはウチだけだから敵だとしても大丈夫でしょ」

残りの祝福と支配については、IS相手では使わないようにしてるが対ドウター戦のみ使える能力だ。祝福で弱らせてからISで倒すと言う風になっているが、支配は普通の人間でも可能なので実戦だと五つだろう。破壊+擬態により、ビームサーベルでも火花が出る程なので全く折れないし金属音が鳴っていた。

「さて、能力確認は終わった。実際相手してみてどうだった?桜花」

「そうですねー、天閃を使われると全く視認出来ませんし破壊を使われたら装甲ごと斬り落とされる勢いと見ました。簪から見てどうですか?」

『感想は同じだけど、敵じゃなくてよかったと思ってるよ。とりあえず剣の能力をセーブしておけば、敵ISやテロリスト相手でも充分使えると思う』

「簪が言ってるのなら、これは生身でIS相手に使える武器だと確認した。俺らは上がるとしようか、九月に入れば俺らの長期休暇の続きが始まる」

九月に入ればIS学園二学期が始まる訳だが、その前に色々と書類に目を通したりブラック・シャーク隊としての仕事を熟していくセシリア達。簪と付いて来た楯無だったが、最近になって我らブラック・シャークの仲間となった事は俺からロシア側に進言したお陰で今ここにいる。なので今は一服している俺らを見ては学園について話をしていたけどね。

「そう言えば九月になるとイベントがあるそうだな、楯無」

「ええそうよ、二学期になると色々とあるけどまずは実戦訓練かしらね」

「更識家では自由国籍権を持ってロシアになったらしいが、今では国連軍所属となっているし楯無のISも完成したから安心ではある」

「ホント驚いたわよ?最初は簪ちゃんだけかと思いきや、一夏がロシア側に進言してくれたお陰で私はここにいるのだから」

ホントは織斑少将と呼ばなければいけないが、ここはブラック・シャーク隊の休憩フロアとして使われているので別に名前やら呼び捨てでも構わんと言ってある。

ミステリアス・レイディからエヴォルトシステム搭載機にして、主に使ってる機体はクィーンアメリアスの青金バーションとしてな。前使ってた機体はナノマシンで構成された水のヴェールが展開されており、ドレスやマントのように装着者を包むようにして防御してたらしい。

「にしても良かったのか、クィーンアメリアスで?」

「確かに前より装甲も分厚くなったけど、ガーディーダンサーをパージさせていれば平気よ」

「ま、こちらはGN粒子により武装や装甲を強化出来るし水を操るのは俺だけで勘弁だ。さてと皆の仕事も終わらせたし、IS学園の寮に戻る者がほとんどだが俺は織斑家にいるハウスキーパーに今後の打ち合わせをしてくる」

「二学期初の実戦訓練は一組と二組の合同だから、恐らく一夏はエクスカリバーのみで倒しちゃうと思うな~相手は鈴だし」

時間的に夕方だし、それぞれの仕事も終了と言う事で俺以外の者らを桜花が運転する車で送ってもらった。俺は織斑家に戻り次第、IS学園の寮に戻るつもりだがハウスキーパーに今後の打ち合わせも必要。

俺の部屋にいたアン達を引き連れて家に戻ると、ちょうどハウスキーパーが仕事していたので今後の打ち合わせをしてから学園寮に戻った。今は夜だが、部屋にはアン達がいるけどエクスカリバーの擬態に関してはISの待機状態のように腕輪にしてた。

「マスター、そろそろ明日も早いから寝ようよ」

「そうだな。千冬もあちら側に戻ったそうだし、俺らも明日の朝には学生寮に戻らないとな」

「マスター、あたしらはいつも通りでいいんだよね?」

「私は主にマスターの部屋を掃除するです」

「皆それぞれ自由だが、最近ではアンとマイを乗せて教室に行くつもりでな」

「了解、私は主にマスターの警護だ」

で、俺らと武装神姫は寝たが明日の朝早いし学園が始まるんで早朝に起きて出発となった。教室に集まると皆の夏休みについてだったが、俺は主にイギリス・フランス・ドイツに行った土産を配っていた。無論箒達にもな、そんで二学期最初の実戦訓練はシャルの言う通り鈴と対戦をしていた俺。黒の戦闘服で剣一本だけだが、ISを纏ってる相手以上に動いていたので鈴としては最強最悪の敵として見ていた。

「くっ!一夏、何でISを展開していなくてこの強さなのよ!」

「それについては俺も知らんが、千冬もIS展開してなくとも俺ぐらいの強さを持っている。果たして俺の相手として相応しいか、ここで見せつけてやるよ」

エクスカリバーは破壊+擬態のみだが、IS用ブレード以上に使いやすく金属音を響きかせながら俺と鈴は刃を交えて対峙していた。九月三日、クラス代表者同士と言う事で始まったバトルとしては一方的に鈴が押されていた。本来なら白式第二形態が、更にポンコツ並みの燃費の悪さとなったからである。

「いくらシールドを使ったとしても、それを一刀両断する事も出来るわ」

「盾が真っ二つって、どんだけなのよ!その剣は」

「そちらは燃費と安定性を第一に設計された実戦モデルだとしても、俺相手では手を抜くのか?本気を見せないと試合にならんだろ」

「ならば衝撃砲で撃ち続けるだけよ!」

雪片弐型は零落白夜と言う単一仕様能力で、相手のエネルギー兵器による攻撃を無効化してSEを直接ダメージに繋がる。欠点としては自身のSEを使う事で、諸刃の剣でもあるがエヴォルトシステム搭載機ならSEが無限大だから問題無く使用続けられる。荷電粒子砲も放てる多機能武装腕『雪羅』も使う事も出来るが、現在俺はISを纏っていないので武装は剣一本のみである。

「相変わらず衝撃砲を使われると困らないが、生身で受けると不味いんで避けさしてもらう」

「連射性の高い砲撃を近距離で使う気更々ないけど、今の一夏なら使っても大丈夫でしょうがっ!」

近距離にて当たりそうになると夢幻にて、幻影となった俺を当て続けるが全て幻影である。そんで隙が生まれた事で、素早く剣で斬撃を受けてもらったが今の剣なら斬り捨てないようにしてる。

「ぐぅっ!今のは流石にマズイわね」

「ISハイパーセンサーの位置情報補足されても、俺の勝ちは変わらんよ!」

鈴の真上にてライダーキックの体勢での飛び蹴りを喰らった後、風刃の舞をお見舞いした事が直撃となり試合終了を告げるアラームが鳴り響く。言うまでもなく俺の勝ちであり、連勝記録更新されたのであった。

「これで俺の連勝記録が更新されたから、何か奢れや鈴よ」

「ぐぬぬ・・・・」

前半戦は簪相手をしていた鈴だが、後半戦は俺が新たに手に入れた剣一本での勝負結果はとっくに見えていた。簪は俺のお古であるフリーダムを使い、マルチロックオンシステムや正確な射撃と最後のレールガンで落とされた。結果は見えていた実戦訓練、後片付けを終えた俺達はいつもの面々で学食にやってきた。箒らも知っているが、俺ら軍属組のISと専用機を持った学生では傷一つない状態とされた。

「一夏、今日は何にする?」

「そうだな~俺は和食にでもするか」

簪に聞かれた俺、セシリアとシャルは既に決まっているのでメニューを選んでいるとサバ煮定食にしたが簪も同じにした。階級で言うなら俺は少将でセシリアとシャルと楯無と簪が中佐であるが、簪も同じような階級にした方がいいと思って昇進させた。姉と一緒であれば問題ないし、ちなみにだがラウラはドイツ軍少佐なので俺らより下だが今は生徒同士の会話をしている。

「ラウラ、それ美味しい?」

「ああ。本国以外でここまで美味いシュニッツェルが食べられるとは思わなかった」

「それは蒼い翼関連の職員が作ったから当然だな」

「なるほど、だからなのですね。今まで食べた中でも一、二を争う程かと」

ラウラは相変わらずと言ってもいいのか、俺が大人だとしても学園内ならタメ口で構わんと言ってあるがラウラだけは軽い敬語混じりである。シャルと仲が良いラウラはドイツ料理のシュニッツェルと言って日本語で言うなら仔牛のカツレツで、料理が得意な俺のレシピでやっている料理人に感謝だ。職員と言っても一見だけだと学食にいるおばちゃんにしか見えん。

「食べるか?」

「いいの?ラウラ」

「うむ。一夏直伝の味なら問題なかろう」

「じゃあ、いただきます。ドイツでも食べたけど、一夏直伝の味を食べてみたかったんだー」

ラウラから分けてもらったシュニッツェルを頬張るとシャルは幸せそうな顔になるが、女のプライドが粉々になると言われた通称『女殺し』と言われているけど主な面々は耐性があるので問題無く食っている。

「ドイツのビールも美味かったが、ドイツの肉料理も美味いよな」

「うん!これも美味しいけど、他には何があるのラウラ?」

「そうだな、ジャガイモ料理とかもおススメかもな」

「ドイツビールは美味しいの?」

「大人になったら飲んでみるといいよ、簪」

自国の事を褒められているが、俺的にはラウラの顔が少し赤いのは気の所為か?様子見していた面々も話題に乗るが、女子にとって料理談義に花が咲かない方が可笑しいけどな。

「ドイツって何気に美味しいお菓子多いわよね。バウムクーヘンとかさ、中国にはあんまりそう言うのが無いから羨ましいって言えば羨ましいかも」

「そうか。では今度部隊の者に言ってフランクフルタークランツを送ってもらうとしよう」

「それなら後程レシピにて作ってみた方が早いと思うぞ鈴、俺は料理やお菓子も一流とも言われてる」

「そう言えばそうよねー、なら空いてる日にでも作ってもらおうかしら」

クルミを混ぜたカラメルで覆われたバターケーキであるが、材料なら問題ないし道具一式あるから問題なし。だが形は変わっていて、リング状の王冠をしているがドイツの菓子職人は真ん中に穴に拘りがあるかどうかまでは知らんよ。

「ドイツのお菓子で思い出しましたが、私は一夏さんが作ってくれたカロリー抑え気味のベルリーナー・プファンクーヘンですわね」

「確かジャム入りの揚げパンだけど、普通ならバニラの衣が乗っているからカロリーが高め何だよね。一夏」

「アレは確かにカロリーが高いし、女子にとって言えばそれを食べる時は何も口にしないらしいが。カロリー計算して試作品で作ってみたんだが、女子向きに作ったのは店に出す程だ」

「ほう、ジャム入り揚げパンは私も食べてみたいな。もちろん一夏が作ったと言う物でな」

武士道か断食修業の覚悟がいるけど、その辺も計算しているから問題なし。普通なら菓子くらい好きに食べようぜ、と言いたいが普通なら全てカロリーが高いし体重に関しても怒られる話題と言うかタブーな話題だ。箒も反応したが、確か小学生で食べた給食で一般的な女子なら残すであろう揚げパンを完食していたとな。

「中国で思い出したが、確かゴマ団子があったよな?」

「そうね、揚げパンが好きなセシリアには向いてるかもよ」

「それはどんなお菓子ですの?」

「餡子を餅で包んでゴマでコーティング。その後揚げるんだけど、一夏が作ればカロリー抑えられると思うわ」

「美味しそうですわね!カロリーに関して気になりますけど『その辺は俺に任せな、抑えめで今度作ってみるよ』ありがとうございます、一夏さん」

セシリアと鈴に対してもだが、仲が良いけど料理に関しても話題に乗れるんで自然と乗れる。ラウラは日本の菓子が好きであり、この前行った抹茶カフェで食べた水菓子が異様に気に入ったそうだな。その後も足を運んでるそうだが、この前一緒に行ったドイツの者らに振る舞ったけどな。振る舞ったと言うより、事前に持ってきた八つ橋を提供した事によりやはり女性隊員はスイーツ好きなのはどこの国も変わらない。

「春は砂糖菓子、夏は水菓子とくれば秋は饅頭だな」

「ほう。冬は?」

「煎餅だ」

箒は日本の心を持っているので、自然とお菓子の話題となっている。食べたくなってきたが、今度非番の時にでも作ってみようとスケジュール表にて空いてる日は無いか?とアンに質問すると量子変換された手帳を見ていた。 
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