FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
グラビア撮影?
前書き
この話からケモケモのストーリーに入ると言ったな?あれはウソだ
いや、本当は入る予定だったんだ。だけど、小説を読んでみるとナツが10日ほどギルドに顔を出してなかったらしいし、何の脈絡もなく入るのはなんか悔しかったから、勝手にオリジナルストーリーを入れてみたんです。
ちなみにこれはアニメのある話を見て思い付いた話だから、わかる人はわかるかもしれません。たぶん・・・
「うぷ・・・」
俺たちは今、馬車に揺られながらあるところへと向かっている途中である。メンバーは珍しく俺とウェンディのみ。いや、正確にはシャルルとセシリーもいるから四人だな。
「シリル、大丈夫?」
心配そうに俯いている俺の顔を覗き込んでくる藍髪の少女。俺は例によって乗り物酔いが発動しており、かなり正直しゃべるのも厳しい状況にある。そのため、二、三回うなずくだけに留めておく。
「まぁ、さすがにウェンディのトロイアも、こんなに長旅じゃ持たないわよね」
「あと少しだから頑張れ~!!」
俺が座っている正面の座席から二匹の猫がそう言う。彼女たちはさっきまでは俺の脇とウェンディの脇に一匹ずついたのだが、俺が乗り物酔いになった途端距離を取るように離れていった。薄情な奴等め・・・
「あ!!見えてきたよシリル!!」
「う・・・」
口に手を当て戻さないようにしながらウェンディが指さす先を見る。そこには今回の目的地である『週間ソーサラー』の建物が見えてきていた。
「生き返ったぁ!!」
その建物の前で止まった馬車から飛び降りると、大きく腕を広げて深呼吸する。おかげでさっきまでの吐き気がウソのように吹き飛んでいく。
「でも意外よね、ナツやエルザじゃなくて、シリルとウェンディにソーサラーから取材の依頼が来るなんて」
「そ~?二人共頑張ったんだし、妥当だと思うけどな~」
走り去る馬車に一礼していると、ソーサラーの編集部の方を見ながらシャルルとセシリーがそんな会話をしていた。
実は今回、俺たちがここにやって来た理由はある依頼が来たからである。それは・・・
『COOL!!大魔闘演武で活躍したシリルちゃんとウェンディちゃんに是非とも取材させてほしいんだCOOL!!』
といういつも通りのテンションのジェイソンさんからギルドに依頼書が回ってきたからだ。はっきり言うと依頼書じゃなくて手紙で回してもよかった気もするのだが、その辺は真面目な人なのかもしれないな、記者だし。
「あれ!?ウェンディ!!シリルも!!」
俺たちが入り口の前に立っていると、後ろから聞き覚えのある少女の声がする。そこには、蛇姫の鱗のシェリアとレオン、そしてラウルがいた。
「シェリア!!」
大好きな友達に会えたウェンディは彼女の胸へと飛び込む。それに対しシェリア頬を緩ませながら彼女をギュッと抱き締める。
「レオン!!」
「よう」
相も変わらず食べ物を口に食わえているレオンは片手をヒョコッと上げるだけの簡単な挨拶で済ませてくる。もっと友達なんだからテンション上げてもらえないかな?
「シャルル、セシリー、久々~!!」
「あんた今日はネコなのね」
「こないだもそうだったじゃ~ん!!」
以前ウェンディがシェリアに水着を買った時に、彼らも同じ街にいたらしく、セシリーたちはその時に色々街を探索していたらしい。俺やウェンディ、シェリアとレオンは全然気付かなかったけど、セシリーたちはちょくちょくどこかに飛んでくし、相手を見つけるのが得意なのかもしれないな。
「ウェンディたちはなんでここに?」
「ジェイソンさんから取材の依頼が入って」
百合の花が見えるのではないかと思えるほどの熱いハグを終えたシェリアがウェンディに質問し、彼女もそれに対して答える。
「え!?あたしたちもだよ?」
「「え?」」
ウェンディの話を聞いたシェリアは驚いた顔をする。どうやら彼女たちもジェイソンさんから取材の依頼がしていたらしい。
「もしかしてレオンも?」
シェリアと一緒に来たレオンもそうなのかな?と思い聞いてみると、彼は一度口に入りすぎていた食べ物を飲み込んでからうなずいてみせる。
「俺は先週の予定だったけど、外せない依頼が来てたから今日にずらしてもらったんだ」
「そうなんだ」
なんで日程が俺たちとレオンで違うのかわからないけど、彼も呼ばれたから来たことには変わりないらしい。そういえばグレイさんも、ジェイソンさんに呼ばれて先週出掛けてたな。その帰りに赤ちゃん連れてきたんだっけ?
「このメンバーってことは、もしかして大魔闘演武でのバトルのこととかかな?」
建物の中に入りながら何の取材なのか予想してみる。シェリアの言う通り、この四人はそれぞれ対戦した間柄だし、案外そんな感じかもしれないな。
「それだとなんで俺だけ先週呼ばれたんだよ」
「「「あ・・・」」」
それを聞いたレオンにあっさりそう返されてしまう。確かにそうだな・・・じゃあ別の何かなのかな?でも何なのか全然想像できない・・・
しばらく歩くと、事務所に着いたのでノックして中に入る。俺たちが入ると、それに気付いたジェイソンさんがこちらに飛んでくる。
「COOL!!キタキター!!待ってたよー!!」
「「「「こんにちは」」」」
頭の触手のような髪の毛をピコピコと振りながら興奮している様子のジェイソンさん。そんな彼はレオンの肩をガッチリと掴む。
「やっと来てくれたねレオン!!これであのランキングが完成できるよ!!」
「・・・ランキング?」
訝しげな表情を浮かべるレオン。ジェイソンさんが何を言っているのかわからないでいると、彼は「次のソーサラーのお楽しみ」と、含みのある言い方をする。
「COOL!!じゃあみんな!!こっちに来てくれ!!」
先頭を歩き始めるジェイソンさんに付いていく俺たち四人。しばらく歩くと、待合室という札がついている部屋の前にやって来る。
「シリルとウェンディ、それからシェリアはここで待っててくれ!!レオンはこっちだよ!!」
「了解。んじゃ、また後で」
「うん!!後でね」
「バイバイ!!」
「先帰ったらダメだからね!!」
「おっけぇ」
ジェイソンさんとレオンの背中を見送ってから部屋の中へと入る三人。たが、入った瞬間帰りたくなったのは俺だけじゃないはず。
「わぁ!!シリルちゃんとウェンディちゃんとシェリアだ!!」
中で待っていたのはなんとソフィア。そのすぐ隣ではカグラさんがお茶を啜っているのだが、勢いよく立ち上がったソフィアのせいでそれを落としそうになっている。
「ソフィア、落ち着け。こぼすとこだったじゃないか」
「大丈夫!!カグラさんなら落とさないって信じてるから!!」
「そんなとこを信じられても・・・」
無事に湯飲みをキャッチしたことでホッとした表情を見せた後、隣に立つソフィアを注意する。だか彼女は全く悪びれておらず、注意した姫様カットの女性はため息をついていた。
「ソフィアたちも取材?」
「うん!!そんな感じ!!」
こちらへと歩を進めながら答えるソフィア。それを見て質問したウェンディは俺の後ろへと隠れる。
「ウェンディちゃん、シリルちゃんの後ろに隠れるなんて照れ・・・」
そこまで言うと、なぜか俺の顔を見つめて立ち止まるソフィア。彼女は目を擦ると、再度俺の顔を見る。
「なんでシリルちゃんがいるの!?」
すぐ目の前で大声を出されたため、思わず耳を塞ぐ三人。
「うるさいぞ、ソフィア」
「いやいやいや!!さすがにこれはおかしいでしょ!?」
カグラさんの注意に納得できない銀髪の少女。だが、彼女は何かに気付いたのか、俺の肩に手をポンと置くと、数回うなずいてみせる。
「ドンマイ」
「えぇ!?何が!?」
あまりに唐突にそんなことを言われたので何のことだかわからない。一体何がドンマイなんだ!?
「いずれわかるから、それまで楽しみにしてなよ」
「そ・・・そうするよ」
なんだか嫌な予感しかしないけど、とりあえず気にしないでおくか。うん、そうしよう。
「カグラさんってソーサラーからの依頼受けるんですね、意外です」
「ソフィアが行くというから、仕方なくだ」
いつの間にかカグラさんのところに行っているウェンディがそう言うと、彼女は冷静な表情で答える。ただの取材だろうし、それくらいなら彼女でも受けるんじゃないだろうか?
「あれ?今日はネコネコたちいないの?」
「ね・・・ネコネコ?」
ソフィアの妙な言い方に、一瞬何を言っているのかわからなくなったけど、すぐにセシリーたちのことだと気付く。言われてみると、彼女たちの姿が見えない。
「シャルルたちなら、ラウルと一緒に街の方に出掛けてたよ?」
「「えぇ!?」」
後ろにいるシェリアにそう言われ、驚愕している俺とウェンディ。あいつら、せめて俺らに断ってから出掛けろよ。
「シャルルがいないなら、ウェンディちゃんに何しても―――」
「やらせないからね」
シャルルがいないことでウェンディのガードが甘くなっていると考えたソフィアの腕を掴む。油断も隙もあったもんじゃないな、こいつは。
「それならシリルちゃんがソフィアの相手してくれるってことでいいんだよね?」
「いや・・・そうとは言ってな―――」
だが、ソフィアはそれで諦める奴じゃなかった。彼女の腕を掴んでしまったがために離れられなくなった俺のお尻にすぐさま飛び付いてくる。
「ちょっ!!やめ・・・」
「やっぱシリルちゃんいいお尻~!!」
引き剥がそうとしてもガッチリとホールドされており、なかなか引き剥がせない。ウェンディやシェリアに助けを求める視線を送るが、彼女たちも触られたくないため止めるに止められないでいた。
コンコンッ
困っていると、ドアをノックする音が聞こえる。それは、救いの神が降臨した音だった。
「皆さん!!準備ができましたのでお願いします!!」
取材の準備ができたらしく、俺たちを呼びに来たジェイソンさんのアシスタントさん(たぶん・・・)彼が来たと同時にソフィアの手から一瞬力が抜けたため、その隙に脱出する。
「あぁ!!もう!!シリルちゃん!!」
逃げられたことで悔しそうに地団駄を踏むソフィア。ふ、ざまあみろ。
「ほら!!早く来てだって!!いこいこ!!」
少しでもソフィアから距離を取りたかった俺はドアに手をかけそう言う。そして部屋から出ると、いきなりおかしな光景が目に入ってきた。
「お前何やってんの!?」
思わず大声を張り上げる。だってそこには、なぜか上半身裸のレオンがいたんだもん。
「シリル、どうしたの大声出して」
「何かあった・・・」
続けて部屋から出てきたウェンディたち。彼女は最初は俺の方に視線を向けていたが、すぐに俺の目の前にいる金髪の少年に目を引かれる。
「「「きゃああああ!!/////」」」
それと同時に顔を赤らめ、目を覆いながら悲鳴を上げる三人の少女たち。ただ、三人とも指の隙間から少年の細く、極限まで絞られた裸体をチラチラと見ていることから、興味はあるようだ思われる。
「な・・・何やってるのレオン!!/////」
「やっぱりレオンも氷の魔導士だから/////」
「まさかレオンに脱ぎ癖があるなんて/////」
どこか嬉しそうなシェリアとグレイさんと重ね合わせている様子のウェンディ。そして意外や意外、レオンの裸に動揺しているソフィア。それを見ていたカグラさんがレオンに質問する。
「それで、なぜそんな格好なのだ?」
その質問を受けたレオンは、なぜか首を傾げながら答える。
「写真撮ってたから?」
「「「「何の写真なの!?」」」」
手に持っていた上着を羽織りながら俺たちの質問に答えようとしたレオン。だけど、彼はなぜか俺を見た途端、口を閉ざしてしまう。
「知らない方がいいかも」
「えぇ!?」
なんで苦虫を噛み潰したような表情でそんなこと言うの!?さっきのソフィアといい、俺に何があるの!?
「COOL!!みんな!!こっちの部屋に来てくれ!!」
すると、ジェイソンさんがある一室の扉を開けて手招きしてくる。なので俺たちはそれに従って歩を進める。
「じゃ、俺適当に外で待ってるから」
「待って!!」
手を上げて離れていこうとするレオンの手を握るシェリア。彼女は彼の手を握ったまま、じっと見つめる。
「い・・・一緒に来てほしいなぁ、なんて」
「あ~・・・わかった」
一瞬断ろうとしたようだったが、考え直したようでうなずくレオン。それを受けてシェリアはニッコリ笑顔になっていた。
「シェリアとレオン、本当にお似合いだよね」
「え?そう?」
俺の隣を歩くウェンディが二人のやり取りを見てそう言う。確かにカップリングとしてはいいんだけど、レオンが鈍感すぎてシェリアの気持ちに気付いてないからなんとも言えないんだよなぁ・・・レオン勘はいいのに、なんでそこだけ鈍感なのだろう。変なやつ。
「COOL!!みんな似合ってるよぉ!!」
しばらくすると、取材を終えた俺たちは、ジェイソンさんからのお願いである服へと着替えたのだが・・・
「シェリア、すごく可愛い!!」
「ウェンディも可愛いよ!!」
白の全身にフリルの付いたミニスカワンピースを着ているウェンディと同じものの黒を着ているシェリア。彼女たちは互いの服を見せ合いながら、相手の愛らしさに見とれている。
「ソフィアはどう?」
「うん!!すごくいい!!」
「なんだかお姫様みたい!!」
ピンクのそれを着たソフィアが彼女たちの会話に入る。三人とも大変可愛らしい。本当にお姫様たちのように見えなくもない。だが、俺ともう一人、隣にいるカグラさんはブルーだ。なぜなら・・・
「なんで俺まで着てるんですか!?」
「私が・・・こんなフリフリを着るとは・・・」
黄緑を主としたフリフリワンピースを着させられている俺と、水色のそれに着替えさせられたカグラさん。おかしい。これは絶対おかしい!!
「まぁ、俺はおおよそ予想はついてたぞ」
以前俺がプレゼントしたジャケットに袖を通しているレオンがそう言う。彼だけはこの辱しめから逃れられたのである。それにも理由があるらしいのだが、なぜか俺だけには教えてもらえなかった。
「よーし!!それじゃあまずは一人ずつ撮っていこうか!!まずはシリル!!」
「は・・・はい・・・」
スカートの裾を掴みながらカメラの前へと出てくる。何枚か撮影すると、次にウェンディが呼ばれたので交代する。
「何なのだ・・・この衣装は・・・」
普段とは明らかに雰囲気が変わっているカグラさん。年齢は俺たちより上のはずなのに、このロリータ系ファッションを着ているせいか、少し幼く感じる気もする。
「次カグラ!!よろしく頼むぜCOOL!!」
「くっ/////」
ウェンディ、シェリア、ソフィアの撮影が終わり、カグラさんが呼ばれる。彼女は恥ずかしそうに顔を赤らめながら、渋々カメラの前へと歩み出る。
「ねぇレオン。これって何順だと思う?」
「たぶん、ランキング順じゃないかな?」
コソコソと何かを話しているシェリアとレオン。だが俺は恥ずかしさと自尊心が破壊されたことで、そちらに注意を向けることができない。
「次はそうだな・・・シリルとウェンディ!!ペアで頼む!!」
「「へ!?」」
一人ずつの撮影も終了したので、やっと解放されると思ったのだが、今度はペアなどで写真を撮ると言い出した。勘弁してよ・・・
「ほらほら急いで!!COOLに行こうぜ!!」
今のは絶対COOLの使い方おかしかったと思うけど、今は突っ込んでる場合じゃないか。仕方ないのでウェンディと共にカメラの前に来ると、手を繋ぐように指示される。
「COOLなお友達な感じで頼むぜ!!」
恋人繋ぎではなく極々普通の友達同士での手繋ぎらしいので、その通りに従う。さらに何か会話している感じでと言われたため、それっぽくやってみるけど・・・これは一体何なんだ?
「次は抱き合って頬をCOOL!!に合わせてくれ!!カメラ目線で!!」
「「はい・・・え・・・えぇ!?」」
一度返事をしてからそのあまりの要求に隣の少女と顔を見合わせる。ま・・・マジで言ってるのかな?
「ほらほら!!ハリーアーップ!!」
ハッスルしながら急かし立てるジェイソンさん。これも仕事だし、仕方ない。やるしかないよな。
「う・・・ウェンディ」
「し・・・シリル」
ウェンディを抱き締め引き寄せる。ウェンディもそれに合わせて俺の背中へと手を回す。そして、二人揃って深呼吸をしてから、相手の頬へと自分の頬を押し付ける。
「COOL!!いいねいいね!!すごくキュートだよ!!」
ハイテンションであらゆる角度から写真を撮影しているジェイソンさん。その間にも俺の鼓動は徐々に早くなってきている。
「OK!!次はシェリアとウェンディで行ってみよう!!」
ようやく終わりを告げたと思われる撮影会。本当にドキドキした。今も鼓動が周りに聞こえてるんじゃないかというほどバクバクいってるもん。
「大丈夫か?」
「色んな意味で大丈夫じゃない」
心配してくれてるのか、声をかけてくれるレオン。この服装といいウェンディとのあのポーズといい、恥ずかしすぎてヤバイ気がする。
「シリルちゃん!!愛しのウェンディちゃんをちゃんと見といた方がいいんじゃない?」
耳元で囁くソフィア。その声で身震いした後、撮影しているウェンディとシェリアに目を向ける。彼女たちは背中合わせに手を絡ませており、妙に色気のようなものを感じる。
それからしばらくそのような撮影が続いていく。ソフィアとカグラさんが組んだり、俺とシェリアが組んだり、様々なバリエーションで写真を撮っていくジェイソンさん。
「最後は全員でCOOL!!にいくぜ!!」
そして今度こそ本当に最後。五人で体を密着させて写真を数枚撮り、撮影会が終わった。
その際またしてもウェンディと密着していた俺は、速まる鼓動を押さえるのに必死だったのは、言うまでもない。
「今日は一日サンキュー!!次も頼むぜCOOL!!」
無事に取材を終えて元の服へと着替え俺たちは、ジェイソンさんに見送られてその場を離れていく。
「はぁ!!今日は楽しかったね~」
「そうね、すごく充実してたわ」
「また今度やろうよ!!」
先頭を歩くエクシードトリオ。取材が全て終了した頃を見計らっていた彼女たちは、つい先ほど俺たちと合流したばかりなのである。満足げに今日のことを話しているその姿が、すごく羨ましい。
「それじゃ、私たちはこれで」
「じゃあね!!みんな!!」
「お疲れ様でした!!」
「またいずれ何かの時に」
カグラさんとソフィアはあらかじめ帰りの手段を確保していたらしく、俺たちとは別の方向へと向かっていく。それに対して俺たちは手を振りながらお見送りしていた。
「でも今日のあれってなんだったのかな?」
「し・・・知らなくてもいいと思うよ?」
どこか慌てた様子のウェンディ。なんでみんな何も教えてくれないんだ?仲間はずれにされてるみたいで嫌なんだけど・・・
「次発売の週ソラ読めばわかるよ」
「あ、そうなの?」
平然とした表情のレオンがそう言う。すると、隣にいる赤紫髪の少女が彼の腕を引っ張る。
「ちょっとレオン。教えて大丈夫なの?」
「どうせわかるだろうし、問題ないでしょ」
コソコソ話をしている双神。シェリアの顔が不安そうなのが特に気になるのだが、聞いても理由を教えてくれないし、気にしないでおくか。
「ここからは別々だな」
すると、レオンたちも準備しておいた馬車が来ていたらしく、お別れの時間が来たみたいだ。
「じゃあな、シリル、ウェンディ」
「またね!!二人とも」
「シャルル!!セシリー!!バイバイ!!」
手を振りながら馬車の方へと向かう三人。それに対して俺たちも手を振り返す。
「じゃあね!!レオン、シェリア」
「また今度ね!!」
「今日は楽しかったわ、ラウル」
「また遊ぼうね~!!」
馬車に乗り込み走り去っていくレオンたち。俺たちもそろそろ定期馬車が来る時間なので、そちらへと向かって歩き出す。
「今日はラウルと何してたの?シャルル、セシリー」
「街で洋服見てたわ」
「二人に似合いそうなワンピース見つけたんだ~!!」
「二人って俺じゃないよな?違うよな?」
今日のことを話ながら帰路へと付く俺たち四人。すると、ウェンディが何かを思い付いたようで、手をポンと叩く。
「そうだ!!今度ラウルも連れてエクシードの村に行かない?」
シャルルとセシリーのお母さんがいるエクシードの村。確かマグノリアの近くに作ったって言ってたっけ。
「いいね!!それ!!」
「まぁ、いいんじゃない」
「全然行ってなかったもんね~」
シャルルたちも賛成してくれるみたいだ。ラウルのお母さんはもういないけど、同じエクシードたちがいるのを見たらきっとあいつも楽しいだろう。今度レオンたちと遊ぶときにでも、一緒に行ってみようかなぁ。
後書き
いかがだったでしょうか。
ちなみに作中何度も出ていたランキングは、何話か話を進めると回収しますので。
次からはケモケモのお話です。といっても、前半はほとんどオリジナルになると思いますが。
ページ上へ戻る