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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第六十八話 出発前にその四

「負けたからって何で丸坊主にするんだ」
「ですよね、そもそも」
「その試合が不甲斐ない試合なら喝入れるとかありますけれど」
「その際も先生もですよね」
「言いだしっぺもしないと」
「そうだろ、俺はしないし御前等にも言わない」
 絶対にという言葉だった。
「人間として屑の行いだからな」
「ですよね、何か今日いいこと聞きました」
「絶対になってはいけないタイプの人間知りました」
「人間屑にはなるな」
「そういうことですね」
「そうだ、人間の屑ってのは色々なタイプがあるけれどな」
 先生は実際に真剣そのものの顔で僕達に話してくれた。人生において本当に大事なことを教えてくれている顔だった。
「こういう奴も屑だ」
「その屑にはなるな」
「反面教師にしろ」
「そういうことですね」
「学校の先生は反面教師も多いんだ」
 絶対になってはならないタイプの人達もというのだ。
「覚えておけよ」
「はい、わかりました」
「先生様って言ってもですね」
「屑がいるんですね」
「絶対に見習ってはいけないタイプが」
「それも多いからな」
 よりによってという口調での言葉だった。
「そして学校の先生の世界はな」
「そうした屑が残る」
「そうした世界なんですね」
「うちの学校は容赦しないけれどな」 
 そうした先生にはというのだ。
「ちゃんとクビにするからな」
「そうしてくれると何よりですよ」
「迷惑するのは俺達ですね」
「殴られたり正座して長話聞かされたり丸坊主にされてとか」
「しかも自分は全然しないんですから」
 下の者は下っ端なので何でもしないといけないが上の者は偉いから何をしなくてもいい、日本の体育会系の悪い考えだと思う。
「そうしてくれないと困ります」
「屑教師には会いたくないですよ」
「絶対に」
「そういうことだからな、だからな」
 先生はまた言った。
「今日はこのことも覚えておけよ」
「修学旅行のことも含めて」
「どっちもですね」
「覚えておけ」
「そういうことですね」
「ああ、いいな」
 くれぐれもという言葉だった。
「俺からのお願いだ」
「わかりました」
「どっちも覚えておきますんで」
「それじゃあですね」
「修学旅行もですね」
「しっかりと自分自身を保ちながらな」
 そしてと言うのだった。
「楽しめよ」
「わかりました」
「しっかりと楽しみます」
 僕達は先生に約束した、そして実際にだ。
 ミーティングの後でだ、僕は皆と話したが皆こう言った。
「流石に飲み過ぎたらな」
「気持ち悪くなるしな」
「あと次の日辛いしな」
「二日酔いになるからな」
 そうなるからと話すのだった。
「それがえらいからな」
「やっぱりしっかりとしないとな」
「後が大変なんだよな」
「女子軽音楽部みたいにやったら」
 その殆ど全員が溺れるみたいに飲む部活だ、この学園では女の子であっても相当に飲むから凄いことだ。 
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