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リリなのinボクらの太陽サーガ

作者:海底
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ファーストミッション

 
前書き
ゼノギアスがフィギュアヘッズとコラボするという驚愕の事実。アンフィスバエナとオピオモルプスの連戦で非常に苦労したのも良い思い出です。 

 
新暦67年9月16日、15時11分

第13紛争世界フェンサリル、ブレイダブリク街門前。

「ふぃ~、やっと到着~!」

「ここがウルズ首都? すっごく大きいや」

バイクを格納し、ジャンゴ達は興味津々に視界に広がる砂漠の都市を見上げる。砂漠の中にあるとはいえ、首都ブレイダブリクはミッドチルダ首都クラナガンなどにも負けない立派な外観をしており、精巧な金型などで飾り付けられた石造りの建物が立ち並ぶ商店街や、砂漠の急な気温変化にも耐えられる断熱性や通気性の高い居住区といった場所が多くあった。地面もしっかり舗装されているため、歩くだけで砂が大量に靴に入るんじゃないかと思っていたなのはは、意外に住みやすそうだと安心していた。

「さてと……それじゃあ早速、私の知り合いの所に行こっか」

「マキナちゃん、その知り合いの特徴ってどんななの?」

「内緒。どうせすぐに会えるんだから、楽しみにしてなって」

「いや、少しぐらいは僕達に教えてくれてもいいんじゃないかな?」

「そうだな。これから世話になる相手なのだから、早めに私達も挨拶しておきたい」

「だってさ、姉御。もったいぶらず少しだけならいいんじゃねぇの?」

「ん~じゃあ少しだけね。名前はビーティー、色々すごい女性だよ」

「色々すごい? どういう意味なの?」

「文字通り色々だよ。口で説明するのは難しいけど、会って話せばわかるさ」

「?」

いまいち要領を得ない言葉を受けて、ジャンゴ達はビーティーという女性が一体何者なのかわからず、何となく想像を膨らませる。例えば身体の母性の象徴たる部分がすごいのかもしれないし、聖母のような人格者なのかもしれない。逆にバーサーカーな超暴れん坊の可能性もあるし、実はとんでもない天才という可能性もある。

「(天才……あれ? 天災にメカウサ耳だったら急に親近感が湧くんだけど、どうしてだろう?)」

「(もしや先代ひまわり娘のようなタイプなのかな? 僕はまだ会った事無いけど……)」

そんな風に斜めの方向で思考する彼らをよそに、周囲を見渡したマキナはふと街中の異常に気付いた。

「……街の人が妙に疲れ切っている。それに……街の気温がビーティーに聞いてたのより高い」

「どういうことだ、マキナ?」

「普段のブレイダブリクは街の至る所に、地下水脈から汲み上げた冷たい水が行き渡っているんだ。飲み水にもなるそれのおかげで、砂漠の中だろうと街中は快適な気温を保っている……聞いた話ではそのはずだった」

「だけど街の気温はこの時期の平均より5°以上も高くなってるし、なぜか水の気配が感じられない。こりゃ地下水脈で何かトラブルでも起きたか?」

「なるほど。商店街だというのに人の気配があまり無いのは、地下にいるからかもしれないな」

それらの話を聞いて、ジャンゴとなのはは街の様子を調べることを提案し、もし問題が起きているのであれば事態の解決に協力したいと述べる。拒否する理由も無いため、マキナ達もその案を承諾する。

「人が集まってるならビーティーもそこに居るかもしれないし、いないならいないで彼女の行方を聞けそうだ」

「よし、じゃあ地下水脈に行ってみよう」

という訳でマキナとアギトが道案内を担当し、街の大人が集まっていると考えて人の気配が強い場所へと向かう。地下水脈への入り口は街の中央区にある水道施設にあり、ひっきりなしに大人が出入りしていることで扉は開きっ放しだった。おかげで何の問題もなく地下に入り込めたジャンゴ達は、長い螺旋階段を降りた先にある補強された洞窟の通路を進む。

「まさかクラーケンがいたりはしないか……」

「突然、何の話?」

「実はサン・ミゲルの地下水道で、そういうイモータル(青きドヴァリン)と戦った事があってね。今回も同じような敵がいるんじゃないかって、ちょっと懸念してるんだ」

「あ~なるほど。サバタ様の過去話にも似たような状況があったけど、そう考えたら世紀末世界では地下にイカがいるのがお約束なのかもしれないね」

「嫌だなぁ、そんなお約束……」

「心配せずとも、この街全体からはダークマターの気配は一切感じられない。アンデッドやイモータルが原因ではない事は確かだ」

「そうなんだ、とりあえず吸血変異が起きる心配はしなくて良いみたい」

「街のど真ん中でパンデミックが起きれば、それだけで大惨事だもんな……」

しみじみと呟いたアギトの言葉の内容を想像して、ジャンゴは一瞬身震いした。アンデッドを倒してきた数だけ見れば凄まじいし、その分襲われそうになった人を救ってきた。しかしアンデッドが元は人間である以上、言い換えればそれだけ人を倒したのと同義になる。ゆえにジャンゴは……自分の手が多くの血で真っ赤に染まっていると自覚している。少なくとも、母、父、兄、そして……元人間のイモータル達……その者達の血は心に永遠にこびりつく血痕となっていた。

少し暗い気分になったジャンゴとマキナ達は、ブレイダブリクの人達が集まって何かをしている場所へ到着した。そこは地下にある巨大なダムとも表現すべき広大な貯水槽で、次元航行艦の十隻は簡単に入れるぐらいのスペースがあった。本来ならそれに匹敵した大量の水が保管されているはずなのだが、今はどういう訳か水が完全に無くなっていた。

「ふ~ん、そういうことか……。これはかなりの緊急事態ってわけだ」

水が無いと人間は生きられない。なのに貯水槽の水が枯渇してるということは、この国はまさに飢餓寸前の状態であることを意味する。国家存亡の危機に瀕している現状を知ったマキナは、もう少し状況を詳しく知るために巡回していたウルズ兵士に話を聞いた。最初は訝しげに思った兵士達だが、マキナがアウターヘブン社の社員証を見せると彼らを率いていた隊長は会社の評判を知っていたためすぐに態度を改め、友好的に対応してくれた。

「俺はジョナサン、ウルズの近衛隊長だ。話は俺が担当しよう」

「アウターヘブン社所属、マキナ・ソレノイド。それで状況は?」

「実は2週間前に敵魔導師工作員によって貯水槽の岩盤を破壊され、その瓦礫で水源の穴が塞がれてしまった。異変に気付いた時は既に工作員は国外へ逃亡してしまっていたため、今は水の問題を最優先で解決するべく、街の者や兵士総員で瓦礫の撤去を行っている」

ジョナサンの言う通り、水源に通じている貯水槽の中心部は完全に瓦礫で覆われており、多くの人達が瓦礫をどかそうと働いているが、あまり芳しい成果はあげられていなかった。

「様子を見る限り、まだ解決できてないみたいだね」

「残念ながらな。瓦礫を撤去しようにも爆発物はほとんど前線の方に送られていて、ここに残ってたものだけではわずかに吹き飛ばすのが関の山だった。しかもここは地下で入り口は狭い。だからショベルカーなどの重機を持ってくることは不可能で、どうしてもその後は人力で掘り進めていくしかなかった」

「なるほど、ところでビーティーはここにいないの? 彼女の力があれば、すぐにでも瓦礫をどかせると思うけど?」

「それは無理だ。呼び戻そうにも彼女を含む本隊が敵の奇襲で孤立してしまったせいで戻って来られないのだ。更に他の部隊も各地で交戦中のため、状況が落ち着くまでは戻れそうにない」

「戦況が切羽詰まっている所に工作員が貯水槽を破壊し、事態を解決できる能力を持つ者は包囲で足止めか……これは明らかに兵糧戦を仕掛けられているね。結構えげつないやり方だ……」

「それがわかっているからこそ我々も全力で事態の打破を目指しているのだが、なにぶん瓦礫の撤去すらままならないほど力不足で悔しく思っている。首都を守らなければならない義務もあるから、本隊の援護に向かう事も出来ない……まさに八方ふさがりだ」

「ん~端的に見れば、今は火力があれば何とかなりそう?」

「恐らくは。ここの貯水槽は修復が必要だが、緊急用の貯水槽が近くにあるから水源さえ確保できればそちらに水を保管しておける。だから瓦礫さえ破壊してくれれば、後は我々で何とかできる」

「事情はわかった。ちょっと仲間と相談してくる」

「了解した」

ジョナサンとの話を切ったマキナは、傍で聞いていたジャンゴ達の方に向き合う。工作員だった魔導師の正体や所属はなんとなく想像はついていたが、それは置いておいて、彼らもこの事態を解決したいという考えは同じだった。

「どうやら戦況の方もガチでヤバいらしい。こりゃあメインミッションもそうだが、SIDEOPSの数も有り余るぐらいあるんだろうな」

「とりあえず一つ一つ解決していくしかあるまい。だが今は目の前の問題……水源確保という派手さは無いが大切なミッションを行おう。それで、何か良い案は無いか?」

「あのさ……僕に良い考えがあるんだけど」

「お、リーダーの役目を早速発揮かな? まぁ言ってみて、ジャンゴさん」

「この状況って、なのはの出番じゃないかな?」

「え? 私?」

「ほら……なのはは砲撃魔法が強いから、瓦礫なんていっぺんに吹き飛ばせるんじゃないかって思ったんだ」

「確かに……砲撃で壁抜きはなのはの得意分野だし、考えられる中で最も有効な案かもしれない」

「ちょっと!? 壁抜きが得意だなんて、私一度も言ってないんだけど!?」

「言ってなくても行動で示してるじゃん。管理局に勤務していた頃、なのはって救助活動で脱出する時に最短距離がどうとかで外に砲撃してたし。他にも訓練中に全力出し過ぎてダミーターゲットの中にいた救助対象を巻き込んでたり、有り余る威力で本局やアースラの壁を破壊したり、任務中に敵魔導師を壁ごと撃ち抜いたり、あとは……」

「…………ごめんなさい。私、壁抜きしてました。すごく得意分野でした……」

「正直でよろしい。まぁ砲撃自体は私も一応できるんだけどさ、威力を考えるとなのはがやった方が確実だし、何より……」

「何より?」

「これは英雄度を大量に稼ぐチャンスでもある。今後の活動におけるアドバンテージを一気に手に入れられるんだ。やって損は無いと思うよ。そもそも“エターナルエース”の名を捨てた以上、なのはは周囲に示せる称号は何も無い。あるとしたら……偽りの名声を脱ぎ捨てたまっさらな魔導師……さしずめ“ネイキッドエース”といった所かな?」

「ネイキッド……? 英語みたいだけど、勉強してなかったから意味がわからないの……」

申し訳なさそうに俯くなのはの隣で、ジャンゴが苦笑しながら意味を説明する。

ネイキッド(NAKED)は“裸”ってこと。“飾らない”、“ありのまま”という意味もあるよ」

「にゃっ!? は、裸ぁ!? うぅ……裸のエースってそんな、フェイトちゃんじゃあるまいし……」

「そこでフェイトの名前が出てくる辺り、彼女をどう見てるかが一発でわかるね。というかなのは、まさかイヤらしい意味で考えたのぉ~?」

「ち、ちがっ!? か、考えてない! 私、イヤらしくないよ!」

「本当にぃ~?」

「本当だよ……。なのは、えっちな子じゃないもん……」

赤面しながら目端にうっすら涙を浮かべて縮こまるなのは。そんな彼女に多少罪悪感が湧いたマキナは、謝罪の意を込めて先に真意を伝える。

「ごめんごめん、別にイヤらしい意味で言ったんじゃない。私としてはネイキッドの意味を全部ひっくるめて言ったつもりなんだ」

「意味を……全部?」

「なのはは本来あったはずの左腕、立場、安全、居場所、味方、名声、武器、魔法、後ろ盾などを文字通り全部失った。まさに丸裸とも言い表せる状況から、友を守るという飾り気の無い純粋な想いを胸にそれらを取り戻していく。だからネイキッドエースという名前は、今のなのはに適任だと思ったんだけど……さっきはからかってごめんね」

「マキナちゃん……」

「まぁ……本気で嫌なら受け入れなくてもいいよ。この称号がちょっと変なのは理解してるし……」

「ううん、意味を知った今なら結構良いと思ってるよ。……ネイキッドエース、確かに今の私にぴったりだ。ありがたく拝借させてもらうね、マキナちゃん」

余計な飾り付けが無い“称号(ネイキッドエース)”に、なのはは欺瞞に満ちた“称号(エターナルエース)”よりもはるかに聞き心地の良さを感じていた。別に裸になりたい訳じゃないけどね、と内心で補足しているが。

「じゃあ話を戻すけど、私もジャンゴさんのアイデアは賛成。私の力が誰かの助けになるなら、ぜひ協力するよ!」

「ありがとう。引き受けてくれるんなら、やる事は決まったね」

ちょっとしたやり取りはあったものの、純粋な人助けとなるこの“依頼”をなのはは承諾。吹き出る水に巻き込まれないように、マキナやジャンゴ達は兵士や街の人達に瓦礫から離れるように伝える。そして瓦礫の周囲から退避し終わった所で、ジャンゴとマキナが貯水槽の上に飛行魔法で浮かぶなのはに声をかける。

「退避完了、いつでもいいよ!」

「フェンサリルで、そして復活したなのはの記念すべきファーストミッションだ。思いっ切りやっちゃって! あ、でも貯水槽まで壊さないように加減はしてよ?」

「言われなくてもわかってるよ、もう! ……さて……一点集中! ディバインバスター!!」

直後、義手からピンク色の砲撃が放たれ、瓦礫の中心に直撃。ドリルで掘削していくかの如く、水源を塞いでいる瓦礫を木端微塵に砕いていく。周囲の者達が固唾を飲んで見守る中、砲撃はついに貯水槽の底までたどり着く。なおも砲撃の威力は衰えないまま、光の柱は水源の中心へと突き進んでいき、次の瞬間……、

爆発じみた音を立てて、水源から凄まじい水柱が上がる。刹那、ウルズの人達から一斉に歓声が上がった。自分達の命綱とも言える水がこうして2週間ぶりに復活したのだから、その喜びようは凄まじかった。

「水だぁー! 俺達、助かったんだぁー!!」

「おぉ……! この恵みをもう一度味わえるとは……!!」

「ありがとう……! これでおふくろや家族の喉の渇きを癒せる! 本当にありがとう!!」

中には涙を流して喜ぶ者もおり、どれだけ水不足が逼迫していたのかがよく伝わってきていた。ジャンゴ達の下へ飛んで戻ってきたなのはも、彼らの様子を見ていてどことなく嬉しい気持ちになる。

「なのは復活デビュー大成功♪ やったね!」

「うん! 何だか純粋な人助けのために魔法を使ったの、ずいぶん久しぶりな気がするよ」

「あれ? 管理局で働いていた頃、なのははこういう事をしなかったの?」

「フェイトちゃん達はどうかわからないけど、少なくとも私はそういう任務に就かなかった記憶がある。今思えば私がこれまで就いた任務内容はほとんどロストロギア回収か、もしくはテロリストや犯罪者の捕縛ばっかりだったような……」

「所属が武装隊だったから、救助活動じゃなくて今言ったような荒事ばかりやる羽目になったんじゃないか?」

「アギトの言う通りかも。……う~ん、これは少し真剣に考える必要があるね。どちらかと言えば私は誰かを捕まえるよりも、誰かを助けたい気持ちの方が強いもの……」

悩ましげに呟いたなのはの真意を聞いたマキナは思った。管理局が自分達の威厳を示すための材料として、なのはの凄まじい才能をあからさまに利用してたな、と。

「やれやれ……レスキューのつもりがミリタリーを選んじゃった感じで進路をちょっと間違えたんだね、なのはは。まぁ気付けたんなら、これからしたいようにすればいいさ」

「? う、うん……そうするよ」

「……(救助隊(レスキュー)軍隊(ミリタリー)じゃ、ちょっとどころか全然違うんじゃないかなぁ……?)」

素朴な疑問を浮かべたジャンゴだが、言及はしなかった。おてんこもまた管理局の歪さに何となく気付いたが、太陽の使者たる自分ではそれを是正できないことを残念に思った。

「良かった、まだいてくれたか!」

「あれ、ジョナサン?」

「あなた達のおかげで飢餓の危機は去った。兵士としてだけでなく、ウルズに住む一人の国民として礼を言いたい」

「ふぇ!? あ、あの……私、当然のことをしただけですよ?」

「そう謙遜せずに、感謝の言葉ぐらいは受け取ってもらえないだろうか?」

「え、えっと……はい」

「ありがたい。裏切り者の管理局どもと違って、やはりアウターヘブン社は信頼できる。ぜひ、名前を聞かせてくれないか?」

「た、高町なのは……です……。あの……隊長さん? 私は、アウ―――」

アウターヘブン社の人間じゃない、と修正しようとしたなのはの口を、慌ててアギトが塞ぐ。

「んむっ!?」

「悪ぃ、ちょっとだけ黙っててくれ」

いまいち理由がわからず首を傾けるなのはの隣で、徐にマキナがジョナサンに話しかける。

「ジョナサン、あなたは信頼できると見込んで少し質問があるんだけど、もしラジエル以外の管理局の人間が目の前にいたらどうするつもり?」

「もちろん、即座にひっ捕らえて牢獄にぶち込むが……それが何か?」

「素朴な質問だよ、忘れて。それより私達はこれからフェンサリルでも活動するから、拠点となる家屋かどこかのマンションの部屋をあてがってくれるとありがたい」

「そうか、アウターヘブン社に協力を要請できるとなれば、もはや管理局なぞ恐れるに足らん。早急に手配をするゆえ、少しばかり時間をいただきたい」

「じゃあ私の端末へ通じるアドレスを渡すから、今後は依頼も含めてそっちに送ってほしい。依頼の受託や返事もそっちから送るんでよろしく」

「了解した。では失礼する!」

敬礼してジョナサンが走り去るのを見届けた後、アギトがなのはの口を解放する。そして今の会話で、なのははなぜアギトが慌てて自分の口を押さえたのか理解できた。

「この国はラジエルの人間でもない限り、管理局員は牢屋入りなんだね……」

「ウルズにとって今の管理局は実質敵国だから当然さ。むしろ殺さないだけマシな方だよ、あの近衛隊長さんは。とにかくここだと“管理局に所属している=プリズン送り”を意味するから、ゴタゴタが片付くまで本来の所属を絶対に明かしてはならないよ。自分から鉄格子の中に入りたいなら別に止めないけど、せめて最低限私達に迷惑がかからないようにしてね」

「いやいや、私だって牢屋なんかに入りたくないよ! ……でも、黙ってなきゃいけないってことはよくわかったよ」

「ん? じゃあ暫定的に僕達はアウターヘブン社所属って扱いになるのか……」

「あくまで一時的な措置だし、ジャンゴも余計な心配しなくても全然問題ねぇよ。むしろマザーベースからの物資支援に社員割引が働くし、財布の中身的にも好都合だぞ」

「財布……」

ジャンゴとおてんこが気まずそうに視線をそらし、何か察したアギトがジト目で彼らを見つめる。マキナもアギトから念話でジャンゴがお金の管理が下手だということを聞き、やれやれと言いたげにため息をつく。

「……家計簿のノートも後で買っておこう……」

本人は面倒に思っているが、実は世紀末世界でもシャロンがホームの家計簿をつけていたため、奇しくも彼女と同じことをマキナもやることになったのであった。

地上に戻る途中、水を復活させたことでなのは達はウルズの人達から称賛の声を浴びた。大勢の人から目の前で感謝の言葉を送られたなのはは照れてつい赤面する。

「いきなり大人気だね」

「あぅ~……こんなに褒められると恥ずかしいよぉ……」

「でも褒められる事をしたんなら褒められるべきだし、素直に受け取ろうよ」

「あ……」

「どうした? 急にハッとして……」

「ジャンゴさんの今の言葉、すごく懐かしくて……」

「懐かしい?」

「実は2年前、サバタさんにも同じ事を言われたんだ」

「サバタが?」

「『褒められる事をしたのだから褒められて当然だろう、素直に受け取っておけ』って。改めてサバタさんとジャンゴさんが兄弟だって、実感できたよ」

「……そっか」

意外な所で兄との繋がりを感じられ、ジャンゴはほんのりと嬉しい感情が湧きあがった。そのやり取りを後ろで見ていたマキナもまた、ジャンゴとサバタの血の繋がりを同様に感じていた。

「(でも………だからこそ重ねて見てしまう。“違う”って頭では理解してるのに、どうしても……)」

八神はやても一応は“見れる”のに、ジャンゴだけは唯一“見れていない”。そんな自分に嫌悪感を抱いたマキナは少し首を振る。

「(サバタ様を崇めているくせに、彼の弟をちゃんと見られないなんて……。いや、“弟”だと認識にフィルターをかけている時点でアレか……思った以上に最低だな、私)」

そうやってマキナは自嘲気味に笑うが、何の慰めにもならなかった。

その後、地上に出た一行はとりあえず近くの広場で適当に座り、ジョナサンからの連絡を待った。周囲は戦時中だが彼らの間では落ち着いた雰囲気の中、なのははふと疑問に思った事を口にする。

「あのさ、マキナちゃん。ちょっとだけ疑問があるんだ」

「疑問? さっきの依頼でなんか問題あった? フォローが必要なら言ってくれれば……」

「あ、いや、問題があった訳じゃないって。私自身、人の役に立てたのは嬉しいし、後悔もしてないよ。でもね、さっきの依頼だと管理外世界側の英雄度は稼げても、元々考えていた方の英雄度は稼げてないような気がするんだけど……」

「つまり管理局にとってある意味不利になることをした訳だから、管理世界側の英雄度がマイナスになってるかもしれない。そう考えた?」

「うん」

「ところが違うんだなぁ、これが」

「え、違うの?」

首を傾げるなのはに、マキナは自分の考えを説明し始める。

「私達がフェンサリルに来た目的は“秘密裏に運び込まれた核兵器の発見及び解体”。運び込んだのが実は管理局だという真相はともかく、これを成し遂げられたらなのはが大量破壊兵器によるカタストロフを阻止したと全次元世界が認知する。今は管理外世界側にしか通じなくても、メインをこなせば管理世界でも認知されるようになるんだ」

「半ば強引な解釈が入っているような気がするけど……そう上手く行くのかな?」

「自分達が所属する組織の印象が悪化するのは誰だって避ける。ましてや正義だ守護者だと自己主張の強い管理局となればなおさらね。英雄派は間違いなく噛んでくる……死んだはずのエース(なのは)が核戦争阻止という箔を付けて帰って来るんだから、これ幸いとなのはの活躍を利用し、暗殺派に全ての責任を押し付けて一掃するだろうさ」

「そんな人達に利用されないと友達を守れないって……やっぱりもどかしいなぁ……」

「じゃあ逆にこっちが英雄派を利用していると考えたら? 友達の事も奴らに守ってもらってるんじゃない、守らせてやってるんだという感じに」

「うわ、すっごい強気な発言だ!? 何もしてないのに“裏”から主導権を奪い返したような気がするよ!」

「英雄派にとっちゃ、なのはが管理局へ復帰するのは絶対条件だからね。終わったのに戻らないなんて事になったら本末転倒でしょ。結局の所、なのはがやる事は依頼こなして英雄度稼いで核解体して友人の下へ大手を振って凱旋。全部終わった頃には管理局もフェンサリル侵攻は間違いだと認めて手を引くだろうし、そうなればウルズも管理局員だからって敵視しないようにはなってるさ」

「私もせっかく味方になった人達と敵対したくないし、そうなってたらいいなぁ」

「まあ当然ながら“裏”の思惑が暴かれたら管理局の権威は暴落するかもしれないけど、その辺は私達(アウターヘブン社)の知ったことじゃないね」

別になのはも友達さえ守れるなら管理局の権威自体に関心は無いため、苦笑するだけに留めていた。一応、管理局に戻った後に各世界で局員として活動しにくくなるかもしれないが、今みたく命を狙われ続けるのと比べたらそれぐらい些細な事であった。

そして日が沈みかけた頃、ようやくジョナサンから扉のオートロックを解除する番号と住所を示すメールが送られてきた。端末で確認すると今いる都市中心部から少し離れた場所のため、ジャンゴ達はゆっくり散歩を楽しみながら目的地へ移動する。

「ん~送られてきた住所はここだね。……なんだ、思ってたより良い住処じゃん」

そこは2階建てマンションで今の状況下でも清潔感が保たれている好物件だった。その内の一部屋がこの世界におけるマキナ達の住所であり、これだけ良い待遇を受けているのは先程の件もあるだろうが、印象を良くするためだろうとマキナは考えたものの、別に構わないかと気楽に受け取る事にした。

「いっそ新しい(ホーム)にしちゃう?」

「こちら側の家か……いいね、僕も気に入ったよ」

「じゃあここはある意味フェンサリルのマザーベースという事になるのか? 流石に発展はしなさそうだけど、なぜか住む人数は増えていきそう」

「ここにいる皆で共同生活かぁ……修学旅行みたいで楽しくなりそうだね!」

「前途は多難だがな……」

おてんこの締めの言葉はともかく、なのははこれからの生活に心躍っていた。核戦争の危機が迫っているというのに不謹慎かもしれないが、“肩の力を抜く”という事をしっかり行えるようになったのは、全てを失った自分を見捨てず傍に居てくれたジャンゴとマキナ達のおかげだった。彼らと共に過ごしている内に、自分の存在意義の喪失に対する過剰な恐れはいつの間にか消え去り、家族と過ごすのと同等の安らぎを感じられるようになっていた。

「(おてんこさまの言う通り、先行きはまだ不安だらけだけど……皆がいれば大丈夫。核解体まで……ううん、終わった後も一緒にいたいな……)」

しかしジャンゴとおてんこはヴァランシアを倒した後に世紀末世界に帰るつもりで、マキナとアギトはアウターヘブン社所属。なのはもいつか管理局に戻るため、この集まりが一時的だというのは理解している。だがそれでも、なのははそう願わずにはいられなかった……。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

新暦67年9月16日、21時30分

「遅れて申し訳ありませんでした!!」

開口一番にフェイトは頭を下げて謝罪し、時空管理局空士118部隊の隊長アーネストはそんな彼女を黙って見下ろす。しばしの沈黙の後、やれやれと被りを振ったアーネストは彼女に顔を上げるように言う。絶対遅刻の件で怒られると思い怯えるフェイトに、彼は……、

「まったく余計な心配させるなって」

一切怒気が含まれていない温情の言葉をかけた。ハッと顔を上げたフェイトは彼を見て、「本当にすみませんでした」と繰り返し反省の意を伝える。そんな時、アーネストの隣にいた副長カイが進言してきた。

「アーネスト隊長、遅刻しておいて何の罰も無いってのは、流石に他への面子が立たなくなる。せめて反省文ぐらいは書かせるべきではないか?」

「カイ副長の意見も尤もだな……では罰としてフェイト・テスタロッサ特務捜査官には、ノアトゥンの市政調査レポートを書いてもらおうか」

「え、市政調査レポートですか!?」

「隊長、何気に反省文より面倒なの出しやがった……。ま、ファーヴニル事変の英雄少女ならレポートの一つや二つ、片手間で済ませられるな?」

「あ、あの……カイ副長。私、レポートの類はまだ書いた経験が無いです……」

「だから何だ? 経験が無いなら無いでやるしかないだろう」

「それはそうですけど、書き方を教えてくれたりは……?」

「資料ならいくらでもあるんだから、自分で覚えろ。嘱託魔導師で居た頃の温い感覚はもう捨てるんだ」

「は、はい……わかりました……」

「カイは厳しく言ってるけど、今後も管理局で活動するなら必要な事だ。提出期限はこの部隊を去るまでにしとくから、少女も良い経験だと思って気長に頑張りな?」

「はい……」

温情を与えられたはずが、いつの間にか面倒な罰を与えられていたフェイトは密かにため息をついた。そもそも遅刻した自分が悪いため、不平不満を言うつもりは無いが、それでも辛いものは辛いのだ。

「ま、お咎めもこれぐらいにして……と。皆、出かけるぞ」

『了解』

「はい? 出かけるって、どこへですか?」

自分だけわかっていない事で置いてけぼりな気分になったフェイトに、アーネストはニヤリと笑って告げる。

「皆で飯食べに行くのさ。ああ、代金は俺持ちだから気にしなくていいぞ」

「いやいや!? 私、遅れて皆さんに迷惑かけたのに、奢ってくれるだなんて……」

「いいからいいから、つべこべ言わずにさっさと行こうか!」

「えぇ~!!?」

そうやって驚きの表情のまま連れていかれるフェイトと満面の笑顔で走っていくアーネストの姿に、カイは手で頭を押さえる。

「はぁ……子供を酒場に連れていきたがるって、大人としてどうなんだ……? ……“子供同士で会わせてやりたい”気持ちは一応わからなくはないがな」






ノアトゥンA区画、酒場ツインバタフライ。

そこは大通り沿いに建てられたシンプルな様相の店で、来る時にちょっと柄が悪く陰険な人達がたむろっていたのだが、118部隊の面々を見るなり泡を喰った様に慌てて店を出て行った。フェイトを含めてもたった5人しかいない118部隊を見るだけで去ったのは、自分達が治安を守る管理局員だからだとフェイトは思った。

そして訪れたこの店を仕切るのはフェイトと同じくらいの年齢の少女と、そんな彼女を手伝うこれまた同年代の少年。店員はこの二人だけで、子供しかいない店をフェイトは訝しんだが、アーネスト達はあまり気にせずにカウンター席に座って料理などを注文していた。

「あの……アーネスト隊長。この店って、どうして子供二人しかいないんですか? 親や大人の人は一体……?」

「ん? あぁ……」

少女に注がれたカクテルを置いたアーネストは、一拍置いてから辛さを滲ませて静かに言う。

「俺達も詳しくは知らないが、テロリストのせいで死んだらしい」

「死んだ!? そんな……」

彼らの境遇を知ってつい俯いてしまうフェイトだが、同時にアーネストが何故ここに自分を連れてきたのかわかったような気がした。彼らの友達になって欲しい、という新しい部隊の隊長の優しさを……。
また、どうしてここをよく使うのか考えた所、先程のような連中に店が荒らされたり、酷い目にあわされたりするのをなるべく防ごうとしているのだろう。それらに気づいたフェイトは、いきなり迷惑かけた事に対する謝罪の気持ちがより大きくなるものの、その分この部隊でなら上手くやっていけそうだと感じる。ただ、今は目の前の子達がどうしても放っておけず、たどたどしくも話しかけてみた。

「ねぇ……あなたの名前は?」

「……すみません、今は仕事中なので……」

「ごめん、別に邪魔したい訳じゃないんだ。ただちょっと話がしたかっただけで……」

料理中の少女が困った表情を浮かべていると、後ろから手伝いの少年がフェイトに伝える。

「彼女と話がしたいなら、オーダーが全部済んでからにしてあげて。代わりに僕が話し相手になるから」

「わ……わかった……」

少年の言葉を聞いて、料理中に会話できる余裕が少女にはまだ無いと気づいたフェイトは、ちょっと事を急ぎ過ぎたと反省する。そのためできる限り少年の方から色々話を聞くことにした。

「それじゃあ、君の名前は?」

「ロック」

「ロックだね。なら彼女は?」

「リスべス」

「わかった。えっと……ロックとリスべスは二人だけでこの店を経営してるの?」

「そうだよ」

「……どうしてこの店をやろうと?」

「リスべスの両親がやってたから、店が潰れないように彼女が受け継いだ。僕は家族が実家ごと無くなってさまよってた所をリスべスに見つけてもらって、店の手伝いをする事で住まわせてもらっている」

「……」

ハードだった。フェイトも自分の生まれとかで色々葛藤や苦難があったが、使い魔(アルフ)やサバタのおかげで孤独感もなく家族と幸せな時間を過ごせた。しかしこの二人の人生は、サバタがいなくて母も姉も救われず孤独になった自分に匹敵するぐらい厳しいものだった。
自分は救われたが、この二人は救われていない。だからこそフェイトはこの二人の力になりたいと、そして仲良くなりたいと強く思った。

「お待ちどうさまでした。レバニラ炒めと回鍋肉、シューマイ定食二人前、から揚げ定食一人前、デラックスパフェです。ご注文は以上でよろしいでしょうか?」

「ああ、以上だ」

「では、ごゆっくりどうぞ」

118部隊が注文した料理が全て届けられたことで、少女……リスべスもフェイト達の下へやって来た。ちなみにフェイトが頼んだのはから揚げ定食である。何の気なしにから揚げを食すと、外はカリッとして中はジューシーで、子供が作ったとは思えない味にフェイトは目を丸くする。

「お、美味しい……! 私と同じくらいの年齢なのに、こんなに料理が上手いなんてすごいよ……!」

「ありがとうございます」

「リスべスが母親のレシピを必死に覚えて味を再現したものだ。美味しくない訳が無い」

「母親の……そっか。これはリスべスにとって母の味なんだね……」

親子の思い出が詰まったこの料理をフェイトはしっかり味わって食べ進め、綺麗に平らげる。向こうではフェイト達のやり取りを酒を片手に微笑ましく見守る大人達の姿があり、店内の雰囲気は表面上は明るいものとなっていた。そしてちょっとした歓迎会の夜は、静かに更けていくのだった……。


新暦67年9月17日、8時20分

隊舎でフェイト達が朝食を食べている時、アーネストに通達が届く。それを読んだ彼はすぐに指示を部下に伝える。

「皆、出撃任務だ。これから俺達は敵の主力部隊を叩く。同時に別働隊が敵の本陣に襲撃を仕掛けるから、この作戦が成功すればテロリストの鎮圧は完了する。来たばかりの少女には、あまり戦う機会が無くてちょっと悪いね」

「いえ、この世界が早く平和になるんなら構いません」

「そうだな。……出撃は9時、敵の戦力は風前の灯火とはいえ、決して油断してはならない。ちゃんと全員生きて帰るぞ」

『了解!』

そうして朝食を急いで腹の中に入れた後、フェイトを加えた空戦魔導師隊はフェンサリルの南を目指して出陣した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

新暦67年9月17日、9時00分

「ジョナサンからフェンサリルの状況をある程度聞いてきた。説明するよ」

現在ウルズ首都ブレイダブリクの北部20キロの位置に、首都と本隊を奇襲で分断させた管理局の前線部隊が展開している。件の工作員も恐らくその部隊の者で人数はそう多くないものの、首都まで目前の位置にいる以上、本格的に攻めてくるのは時間の問題だった。そしてウルズの本隊を新たに送られてきたらしい管理局主力部隊に任せれば、背後を突かれる心配は無くなる。いわば今のウルズは張り子の虎も同然だった。

「という訳で今回依頼されたミッションは二つある。一つは出撃準備中の前線部隊の奇襲作戦、もう一つは本隊と合流できるルートを確保する作戦。この二つは時期的に考えて同時に行わなければならないから、私達をどっちに派遣させるか決めてほしい」

「え、僕が決めるの!?」

「リーダーはジャンゴさんだって来る時に言ったでしょ。だから指示してくれれば、私はそれに従う。万が一作戦が失敗しても、私なら大丈夫。隠れるのは得意分野だから時間はかかるかもだけど、ちゃんと戻って来るよ」

「でも……」

「まぁ、マジな話……どこかの魔法少女さんが契約金を滞納してるせいで、私の懐がすごい勢いで寒くなってるんだよ。他にも服代とか飯代とか全部私が肩代わりしてるし……」

「う! ご、ごめんなさい……」

「だからそろそろ収入を得ないと、私の財布の中身が本当に枯渇する。そうなったらこれからの食事は当分サバイバル飯になる」

「サバイバル飯?」

「ヘビとかカエルとか野鳥とか魚とかキノコとか、とにかくその日の食べ物は全部キャプチャーで何とかしなくちゃならなくなる。確かに保存食は結構持ってきたけど、4人もいるんだから消費も早いし、すぐに無くなるから食費ぐらいは稼いでおきたくてね」

「カエル!? 私、カエル飯だけはどうしても勘弁してほしいよ……」

「気持ちはわかるぜ、なのは。ヘビは何とかいけたアタシでも、カエルは生理的に無理だったんだ……。姉御は何でも食っちまうからサバイバル飯も平気だけど、アタシとしては人里の中にいる時はせめて普通の飯が食いてぇ……」

「そういう事情があるんならもっと早く教えてほしかった……けど、わかった。じゃあマキナとアギトはルートを確保する作戦に行ってきて。僕となのはは前線部隊の襲撃作戦に向かう。魔導師じゃないってことは非殺傷設定というよくわからない能力も使えない……つまり管理局側にも犠牲が出てしまうことになる。それを避けるためには出来るだけここの人達が戦わないようにして、敵味方関係なく怪我を負わないようにしていくべきだと思う」

「まぁ、近衛部隊は首都防衛から離れられないし、本隊や各地の部隊も疲弊してるだろうから自然と私達だけで当分戦うことにはなるけど……とりあえずジャンゴさんの考えはわかった。それじゃあ……ミッションを開始しよう」

 
 

 
後書き
ビーティー:ボクタイDS版より、太陽銃ウィッチの使い手。名前だけ引用して設定などは全く違いますが、かなり大事な設定が加わっています。B・T。
アーネスト、カイ:ボクタイDS版より、太陽銃ドラグナーとニンジャの使い手。
リスべス:ボクタイDS版より、道具屋の娘。ここでは酒場になっていますが、店の名前は同じです。
ロック:ボクタイ関係で何か良い名前が無いかと考えたら、クロスオーバーの相手が浮かんできました。なお、電脳世界にプラグインはしません。


ネイキッドエースという称号は今後かなり重要になってきます。なお、マキナは完璧な大人ではなく、あくまで不完全な成長を遂げた少女であるので、当然未熟な部分もあります。
 
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