八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第六十四話 綿菓子その四
「お祭りの時はいつも食べていますわ」
「いいことだ、お祭りに来たならばな」
「クレープもですわね」
「食しなければならない」
井上さんはここでも強く言った。
「絶対にな」
「何か絶対がネ」
「日本のお祭りは多いあるな」
「それは井上さんだからだよ」
僕はジューンさんと水蓮さんにこう注釈を入れた。
「あくまでね」
「そう、この人だけなノ」
「特別あるな」
「井上さんはこだわりが強いから」
生真面目な性格故だと思う、突き止めていってだ。92
「そうなっているんだ」
「私もそう思う」
自分自身でもとだ、井上さんは言って来た。
「我が強いからな」
「だからですね」
「うむ、突き止めていってだ」
そして、というのだ。
「こだわるのだ」
「そういうことですね」
「私は何でもだ」
「こだわりますよね」
「しかしだ」
それでもという返事だった。
「別にお祭りは自由だ」
「本質的にはなノ」
「そうあるか」
「そうだ、私は絶対と言うがだ」
何に対してもでお祭りにもというのだ。
「しかし別に他の人はいい」
「いや、そう言われてもネ」
「引っ張られるあるよ」
「私達お祭り初心者だシ」
「そうなってしまうあるよ」
「ううむ、そうか」
井上さんは二人の言葉を聞いて考える顔になった。
そしてだ、あらためてこう言った。
「では今後絶対にとは言わない」
「そうしてくれル?」
「これからそうするあるか」
「うむ、どうも私は口調が強い」
ご自身のこともだ、井上さんは言った。
「そしてあれだこれだと言ってしまう」
「そう、沙耶香はネ」
「そうしたところが強いあるよ」
「悪意は全然ないけれド」
「どうしても強いからある」
その口調がだ。
「引っ張られテ」
「そうしないといけないと思うある」
「正直反発も受けたりする」
そうしたこともあるというのだ。
「どうもな」
「別にそこまでは」
同じ剣道部の円香さんが井上さんに話した。
「ないですよ」
「そうなのか」
「はい、剣道部のことですね」
「そう思ったが」
「確かに先輩口調は強いですけれど」
それでもというのだ。
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