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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第六十四話 綿菓子その三

「インド人から見れば変わった和食になる」
「日本のお料理ネ」
「それあるか」
「そうだ、だから天津丼もだ」
 それもというのだ。
「中国にはないがだ」
「日本ではそうなっているあるな」
「その通りだ」
「よくわかったあるよ」
「だから天津甘栗もだ」
 井上さんはあらためてその料理の名前を出した。
「中国になくとも天津なのだ」
「凄い強引あるな」
「その強引さも日本なのだ」
 中華料理でなくとも中華料理になることはというのだ。
「他のお料理もそうだがな、しかしだ」
「しかしっていうト?」
「どうしたあるか」
「天津甘栗は美味い」
 それはだ、かなりだとだ。井上さんは話した。
「お祭りの後で楽しもう」
「そう、それじゃあネ」
「お祭りの後も楽しむあるよ」
 二人は天津甘栗のことも話した、そしてだった。
 僕達はその天津甘栗も楽しんだ、それからだった。
 僕達はクレープも買った、すると今度はジューンさんが難しい顔になってそのうえで僕達に対して言って来た。
「これアメリカのとは全然違うヨ」
「そうだな」
 井上さんは今回も冷静だった。
「また違うな」
「うん、クレープはクレープでもネ」
 それでもというのだ。
「中に入っている具も味もネ」
「アメリカのとはまた、だな」
「違うネ、可愛い感じデ」
 そして、というのだ。
「優しい甘さネ」
「アメリカの甘さはもっと、あるな」
「強い甘さなのヨ、何でもネ」
 クレープに限らずというのだ。
「こうした甘さじゃないヨ」
「そうあるか」
「これが日本の屋台のクレープだ」
 まさにこれがとだ、井上さんはジューンさん達に話した。
「そして私が食べているのは苺味だ、美味い」
「ユーが苺味っていうのモ」
「びっくりある」
 二人共それぞれバナナ味のクレープを食べながら言う。
「あまり甘くない感じと思っていたラ」
「違うあるな」
「私は酒も飲むがだ」
 しかしという返事だった。
「甘党でもあるのだ」
「だから苺味もなのネ」
「好きあるな」
「この通りな」
「まあ苺味は僕も好きで」
 そしてとだ、ここで僕は言った。
「今も食べていますけれど」
「美味しいな」
「はい」
 すぐにだ、僕は井上さんに答えた。
「クレープっていっても色々ですけれど」
「苺味もだ」
「いいですね」
「あと中にアイスを入れるとだ」
「余計に美味しいですね」
「うむ、屋台のクレープでは少し難しいがな」
 溶けるからだ、喫茶店のクレープでは結構ある。
「しかしだ」
「確かにクレープとアイスクリームも合いますね」
「クレープといっても様々だ」
「はい、屋台のクレープ屋さんは」
 円香さんもここで言う。
「よくありますね」
「君の実家のお祭りでもだな」
「定番です」
 屋台のお店の中でだ。
「よく出ています」
「そうだな」
「私も好きですわ」 
 チョコレートのクレープを食べながらだ、円香さんは僕達に答えた。 
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