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ソードアートオンライン VIRUS

作者:暗黒少年
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システム外武器

 
前書き
ゲツガにも秘密の武器を持たせることにします。 

 
 ゲツガは、反りのある剣をみてあることを思いついた。しかし、同じ剣、又は同じような武器を二個持ってないといけないために、どうするか迷った。そこでこの前、アスナとユキ、キリトに聞いたお勧めの武具屋、《リズベット武具店》に行くことにした。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 場所は、四十八層の主街区《リンダース》にある、水車のついたどことなく落ち着いたような建物がその目的の武具屋だ。扉を開いて中に入る。

「いらっしゃいませ!ようこそ、リズベット武具店へ!」

 大きな声で迎えたのは、ピンク色の髪の童顔の女の子であった。確かこの人が武具屋の店主とアスナたちが言っていた。とりあえずは、オーダーメイドを頼むことにする。

「オーダーメイドを頼みたいんだけど、大丈夫か?」

「ええ、大丈夫です」

「なあ、敬語とか使うの無しにしないか?何か慣れないと言うか、なんと言うかなあ……とりあえず、敬語はなしの方向で」

 そう言うと、すぐに分かったと即答する。切り替え早いな、おい。

「で、どんな奴がお好み?パワー系、スピード系?」

「えっと……とりあえずパワー系で、重さは……これの半分くらい?」

 そう言って両手剣をリズベットに渡す。

「どれくらいって、重!!」

 両手剣を持った瞬間、大きな音を立てて床に落ちる。

「あんた、これを持って戦ってんの!?」

「そうだけど、俺は筋力一極だからなー。少し重いぐらいしか感じねえし……」

「あんた、おかしいでしょ……」

 心外だなと思いつつ、両手剣をリズベットが持てないため、拾い上げる。

「俺からの依頼は、これの半分くらいの重さの反り返った剣二本とショートスピアを数本だ」

「何で剣が二本?もしかして、あんた。キリトみたいに二刀流とか言わないわよね?」

「キリトと同じ二刀流?キリトって二刀流なのか?」

 そう言うとリズベットはしまった、と言う顔をしてさっき言ったキリトの話をする。

「へぇー、キリト知ってんだ」

「知ってるも何も、ここの情報をくれたのがユキにアスナにキリトだからな。で、さっきのキリトが二刀流って言うのは?」

 すると、話がそらせなかったのか、冷や汗をかいている。

「えっと、その、キリトが来たときに何かドロップ品の剣と同じ重さの剣がほしいって言ったから、二刀流でも使うのかなーって……」

「……まあいいや、人のスキルを他人に聞くのもマナー違反だしな」

 そう言うと、リズベットは安心したように息を吐いた。これは今度キリト自身からから聞くことに決めて、本題へと戻る。

「じゃあ、剣二本を作ってくれるか?」

「ごめんね、今インゴットの物価が高くて仕入れるのが厳しいの」

「それなら、これ使ってくれ」

 ストレージ欄からアイテムをオブジェクト化させる。するとリズベットの目が大きく見開かれた。

「これ、《メタルスケイル・インゴット》じゃない!!ドロップ率がかなり低いのに何で二つも持ってんの!?」

 《メタルスケイル・インゴット》とは、五十五層の真北にある《灼熱の洞窟》の中にいるモンスター、《メタルダストドラグニル》というモンスターの鱗で、そのモンスターの純度の高い鱗がインゴット化したものだ。エンカウントする可能性も低く、ドロップ率もかなり低いのでSレアインゴットと言われることもある。

「まあ、一時期そこに篭りっ放しでレベル上げしてたら、たまたま出て、たまたまドロップしただけって言うしかないな」

「あんた、どんな奴よ……」

 リズベットがあきれたふうに言い、それに苦笑して答える。

「モンスターハウスに平気で突っ込んで行く奴だな」

 そう言うとリズベットは笑った。そして分かったと言って、工房に行く。ゲツガもその後に着いて行った。工房に着いたら、インゴットを熱してから、叩く工程に入る。さすがにリズベットは集中したいから黙っててね、と言って集中して叩き始める。カンッ、カンッと小気味いい音が工房に響く。その音が止むとインゴットが形を変えて自分の想像した通りの反った剣が出来る。

「こういう感じ?」

「そういうの。もう一つも頼む」

 そしてもう一度同じ工程をして、形は少し違うが同じくらい反った剣が出来る。

「はい、こっちが《ディアウス》、でこれが《プリティヴィー》。どっちも見たトコ切れ味もなかなか、それに名鑑に載ってないから私も詳しいことは分からない、どうぞ試して」

 台に置かれた二つの剣を手に取る。形は反った剣。どちらも先端近くに丸い穴が何個か開いていて、メタルを使ったものなのに柔軟性もある。

「……ちょうどいいくらいだな。よし、ありがとう。大切に使わせてもらう」

 そう言ってストレージ欄に入れる。するとリズベットが怒鳴ってくる。

「ちょ、ちょっとあんた!!武器を試しに振ったりしないで何しまってんの!!もしかしてさっきのは社交辞令みたいなので実際は要らないって奴なの!?」

「違う違う。それにまだ依頼は完了してないだろ。ショートスピア作ってくれたら教えてやるから」

 そう言ってリズベットに何個かインゴットを渡してから工房を離れた。しばらく店のほうにいると、リズベットが荷物を引きずって店のほうに来た。

「何であんたはパワー系のしか持ってないのよ……ここまで来るのになんでこんなに労力使わないといけないわけ……」

 近くにあった椅子にストッと腰を降ろし、大きく息を吐く。そしてゲツガは出来た槍を確認する。その時にリズベットが聞いてきた。

「あんた、何でこんなのばっかり集めてるの?武器収集が趣味?」

「いや、武器なんてこいつで十分」

 そう言って後ろの両手剣に視線を向ける。

「それ、ドロップ品?」

「ああ、銘が《フェーロ・プラス・グラヴィターティ》、六十三層のボスドロップ」

 そう言うとリズベットの目が燃え出してなんか、ドロップ品よりもいい武器を作ってやると職人魂を燃やしていた。それを無視して武器を一つずつしまっていく。

「じゃあ、そろそろあの武器の使い道、教えてもらおうじゃない」

 そう言って、椅子から立ち上がって目の前に来る。

「わかったよ、でもその前に付加できるか確認したいんだが」

 そう言ってある物をオブジェクト化させる。

「何これ、結晶?って、蘇生アイテム!?」

 リズベットに渡したものは《還魂の聖晶石》だ。

「それをこの武器に付加させたいんだが出来るか?」

「何でそんなことさせるの!?超レアの蘇生アイテムじゃない!!」

「これから先は結晶無効化空間が多くなる。だから、結晶体よりも武器に付加できるならさせておきたいんだ」

 そう言うとリズベットは、しぶしぶ了解した。

「分かったわよ。出来たらしてあげる。でもその前に名前を教えなさい。ユキやアスナと友達なら私とも友達でしょ」

「なんだよそれ……。まあ確かに、俺はリズベットの名前知ってて、教えてないのもおかしいからな。俺はゲツガ。よろしくな」

「よろしく。あと、リズでいいわ」

 そうやって遅い自己紹介を終わらせる。そのあと槍を一つリズに渡す。

「じゃあ、作業するから待っといて」

 リズはそう言ってまた工房に消えていった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 数分したらすぐに来た。持っていた槍は形が変わり先ほどよりも淡い輝きを放っている。

「出来たわよ。銘は《アライブ》。生きるって意味ね。どうやら付加も出来たし、成功したわ」

 そう言って槍を貰い、ストレージに入れる。

「よし、じゃあ行くか」

「そうね、あんたの隠してるものを見させてもらうわ」

 そう言ってゲツガたちは近くの森に向かった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「それじゃあ、あんたの隠してるもの見せてもらおうじゃない」

 森の奥に来た瞬間、リズは開口一番にそう言った。

「分かったよ。作らないといけないから待っとけ」

 地面に座り、武器を取り出す。取り出したのは、先ほど作ってもらった《ディアウス》と《プリティヴィー》だ。それの柄に部分にたまに店で見かける両方に穴が開いている丸い武器をかけるために使用する物をつける。そして、剣の穴に伸縮性のある《モス・ロープ》を巻きつける。これは、三十二層のボスのドロップ品で数十個持っている。そして、出来たのは弓。この世界には飛び道具は投剣の類しかない。しかし、考える範囲を広げればゲツガのようなことも考え付く。

「それって弓?それ使えるの?」

「まあ見てなって」

 先ほど作ってもらった槍を一つつがえる。巻きつけた糸の間の隙間に槍の底を引っ掛ける。そして弓を引き絞る。初めて引くがこの世界だと様になった引き方ができた。そして、数十メートル離れた木に狙いを定め、解き放つ。槍は物凄い速さで飛んでいき、狙った場所とは少しずれたがその木に当たる。

「すごいもんね……」

「だろ?少し頭を捻ったらシステム外の武器だって作れるんだからな」

 そう言って、弓をその状態のまま直す。

「さて、結構作ってもらったんだ。代金はいくらでも払うぞ」

「んー、それじゃあねー……」

 そう言ってリズは顎に指を当て考えている。しばらくすると決めたと言った。

「じゃあ、友達だから安くしといてあげる。五十K。だけどその代わり、武器はうちで手入れをさせなさい。異論は認めないわよ」

「なんだよそれ……分かったよ」

 そう言うと、五十Kの入った袋を渡した。その後、最前線に向かうため街のほうに歩いていく。その時、リズが頑張んなさいよと言ったので、おうと返してから最前線に戻った。 
 

 
後書き
弓は存在しませんが、ゲツガがいじって作成
誤字指摘、お願いします。 
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