レインボークラウン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三百一話
第三百一話 錬金術も
亜美も自分の家で魔法の勉強をしていた。彼女は自分が最も得意とする錬金術のことを学んでいた。その時にだ。
彼女は色々と本を読みつつだ、自分の使い魔達であるアルテミスとセレニティに尋ねた。
「錬金術いうても色々やろ」
「はい、そうです」
「そのことはその通りです」
二匹もこう主に答えた。
「一口にそう言いましても」
「その裾野はかなり広いです」
「ですから何を学ばれるか」
「その都度決めるべきです」
「そやな、どうもうちは今までや」
自分の机に座って腕を組んで言った。
「とにかく教科書のあることをや」
「何でもですね」
「頭に入れられ」
「やってこられた」
「そうだというのですね」
「そうやったわ」
今までの自分を思い出しての言葉だ。
「それやとどうもな」
「教科書をどんどんされていくのもいいですが」
「実験に励まれるのも」
「それでもですね」
「思うところがおありなのですね」
「あるっていうか出て来たわ」
思うところがというのだ。
「それでや、これからどうしようかいな」
「そうですね、それは」
「私達もです」
机の上にそれぞれ座っているアルテミスとセレニティも言うのだった。
「どうもそこまで考えていませんでした」
「申し訳ありませんが」
「では、です」
「私達も考えさせてもらいます」
「それやったらな、けどや」
また言う亜美だった。
「どないしよっか、こっから」
「それが、ですね」
「問題ですね」
「方向性も何もわかってへんわ」
それこそというのだ。
「困ったわ、これ」
「ですね、どうするかすらわかっていない」
「この状況は」
「生まれてはじめてやけど」
難しい顔で言っていく。
「これが随分な」
「困りますね」
「この状況は」
使い魔達も同じ気持ちだった、ここで立ち止まることになった亜美達だった。
第三百一話 完
2015・12・28
ページ上へ戻る