ソードアート・オンライン 〜アサシンとなった少年〜
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その日、大包丁を握りし殺人鬼と復讐に燃えし紫黒の暗殺者は剣を交える
「ハァ.....ハァ.....」
アルズの前方で、3名のラフコフメンバーが走っている。
偶然このエリアのボスを叩き起こしてしまい、逃げているのだ。
彼等は殺人が殆どだ。
モンスターを戦うことは少ない。
故に逃げている。
スパッ
アルズがアサシネートナイフ【痺】を投擲すると、両方の2名が麻痺して動かなくなる。
「!?ど、どうs___」
言いかけた所で、アルズはサイレントブレードを発動させ、背中に飛び掛かり首を撥ねた。
「え....?」
「な.....なんでだよ.....」
倒れている二人は彼を殺したのがアルズだと解ると、身体が恐怖に支配される。
「なあ.....知ってるか?死にかけるとゲーム内であっても身体が寒くなるんだぜ?」
アルズは剣を振り上げる。
「や.....やめろ.....やめてくれ....」
アルズは無慈悲にその剣を振り下ろす。
瞬間、一人が呟いた。
「戦慄の暗殺者.....」
スパッ
二人の首が跳ぶ。
「戦慄の暗殺者......か......」
アルズはニヤリと笑う。
「あとは....6人か......」
いける.....このスキルは最高だ.....
これさえあれば、ユウの仇を取ることなんて容易い!
いける、いけるぞ!!
「ハハハ......ハハハハハ!!!」
アルズは無意識に笑っていた。
「随分楽しそうじゃねえか。」
「!?」
アルズは刀に手を掛け、声のした方を見る。
すると、そこには一人のラフコフメンバーがいた。
「イッツ・ショウタイム。」
そう言うと、男は武器を取り出す。
黒いポンチェの間から、巨大な包丁が見えた。
「バレたか......PoH....ザザとジョニーも一緒か?」
アルズは二つの剣を抜刀した。
「おいおいそんなに熱くなんなよ。彼奴らはいねえよ。」
「どうしてわかった?」
「そりゃあわかるだろ。あの情報を伝えたのはお前だ。そんな美味い話があるわけがねえ。だから、ちょっと様子見でもとな。」
「ほぅ......見事ハメられたか。」
「まあそんなかっかすんな。それより____」
アルズは刀を強く握る。
「戦慄の暗殺者ねぇ......もうどっちが快楽殺人者かわかんねえな?」
「快楽殺人者になった覚えはないが?」
「あの高笑いは誰が見ても狂人だぜ?兄弟。」
「お前の兄弟になったつもりはないが.....な!」
アルズは思いっきり踏み込み、刀を振るう。
PoHはそれを簡単に避けた。
「チッ、避けんなよ。」
「こわいねぇ、もうちょっと話そうや。な?兄弟。」
「だからてめえの兄弟になったつもりはねえよ!!」
アルズは思いっきり刀を振るうが、それはPoHの持つ魔剣クラスの武器【友切包丁】に容易く止められた。
「そんな熱くなんなよ?」
「チイッ!だから止めんなって。」
アルズは力を籠める。
すると___
「なっ!?」
PoHはいきなり力を抜き、アルズはバランスを崩して怯む。
そこにPoHはソードスキルを叩き込む。
「あぶねっ!」
アルズは間一髪の所でその剣を躱し、距離を取った。
「あちゃ〜、またあん時と同じことやっちまったぜ.....」
落ち着け。落ち着くんだ。
今のは危なかった。感情的になりすぎるんじゃない。
確かにこのチャンスは逃せない。
ここでPoHを殺れば、あとは簡単だ。
「流石だなァ....ん?」
「何やってんだ!」
声のした方を見ると、数十人かのプレイヤーがそこに立っていた。
「なっ!?あいつオレンジだぞ!」
「なるほど.....そういうことか!」
「おぉ.....どうやらお前が悪者扱いみたいだぜ?戦慄の暗殺者様よ。」
「チッ、面倒だな.....」
どうする?全員殺るか?
しかしあの人数は......PoHもいる。
それはかなり難しいだろう....
「じゃあな、また会おうぜ。」
そう言い、PoHは地面に煙幕を投げる。
アルズは距離を取って煙幕の中から抜け出す。
そして索敵スキルを全開にした。
いない.....どこにもいない。
「警戒しろ!彼奴がまだいるかもしれない!」
さっきのプレイヤー達の声が聞こえる。
「チッ......退くか......」
アルズはもう一発煙幕を投げ、インヴィジティブルを発動しながらその場を去った。
後書き
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