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アインクラッド篇
movement Ⅰ 白き夜のクリスマスソング
さて、どうする?
「ずばり聞くが、KoBは今度のフラグボス狙ってんのか?」
「ええ、あまり力は入れてないけど。どのみち攻略ギルドのほとんどがそっち行って、まともに攻略が進まないからね。」
「そうか。話はそんだけ、じゃ。」
「あ!ちょっと待ちなさい!」
立ち去ろうとしたら呼び止められた。
「んだよ?」
「昨日使ったあのスキル。一体何ですか?」
「ああ、《片手半剣》ね。別に、ただのエクストラスキル。今日にでも情報屋達が公開するはずだ。」
「効果は?」
「普通の武器スキルと変わらん。ただ、片手半剣自体が片手直剣と両手剣のどちらにも分類されるから、スキルさえ持っていればそれらのソードスキルも使える。」
そこで一度言葉を切る。相手が飲み込めたのを待って続ける。
「けど、あんまオススメはしない。」
「……?」
「俺も使ってみて気付いたけど、相当クセが強い。その上戦闘中に剣持ち替えるから、慣れてないとかなり使いづらいはずだ。」
「………なるほど、あなたみたいな謎構成のプレイヤー以外には難しいと?」
「ま、そういうこった。」
じゃあな、と今度こそ別れた。
「わり、さらに待たせた。」
「………まぁいつもの事だけど……ちょっと長すぎじゃないの?」
「……………。」
その通りなので俺には目を逸らす以外に出来ることはない。幸いなことにソラはそこで話を終わりにしてくれた。
「で、どうする?」
「いや、それがよ。」
俺はあの女から聞いたことを話した。
「だから迷宮区行ってもどこも攻略進めてないんだよ。」
「んー、そうねぇ?」
二人して考え込む。そこでソラがハッと気付く。
「そういえばあなたのその剣、性能的に厳しいのよね?」
その剣とは、言うまでもなくブラッドサージのことだ。
「ああ、多分強化してももう後2~3層で限界かな?」
「じゃ、作りに行かない?」
「いや、でも素材が………?」
「その剣と、アレ、があるじゃない。」
「ああ、アレか。」
「そ。だから………行かない?私のもそろそろ強化しないと厳しいし。」
「だな。じゃ、そうするか。で、鍛冶屋のあてあんのか?」
「ええ、リンダースの街に新しくオープンしたお店なんだけど、かなり評判いいのよ。」
「じゃ、そこ行ってみるか!」
後書き
次回、某ぼったくり鍛冶屋の登場です。ちなみに武器作りは一話で終わる予定です。
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