共存と対立
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会議
伍章「会議」
その部屋の中の空気は澱んでいたが、
『例』の話を持ちかけるとさらに
空気が澱んだ。
「私達貴方たち雑種には
手を挙げない。寶、殺し合いなんて
もう辞めて一緒に仲良く、
くらさないか。私達なら電気代も
賄ってやるくらい…いや…貴方達が
これから永遠に裕福でいれる家庭を
作ってやれる。寶、一緒に協力して
生きよう」
「断る。貴様らはあの方々の事を
『雑種』と言った。それに、
この世界は金では変えないものが
沢山ある。我らが求めるのはお前達が
消していった我らの『家族』だ。
どうせそんなことが言えるのは、
貴様らは自分の大切な人を
失った事が無いからだろう」
図星だった。
「ああ、私は誰一人大切な人を失った
事がない」
「やはりな。だったら我らの気持ちをお前にも感じさせてやる、感謝しろ」
というと彼は刃渡り30cmのナイフを
持ち基地から出ていこうとした。
「まて」と言おうと彼に近づくが
周りの人間に取り押さえられて
しまった。抵抗する手もあったが
私達は約束した。
「貴方たち雑種には手を挙げない」
と。寶、私は虚しくも彼の背中を見守った。
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