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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第五十七話 流し素麺その十三

「赤も食べるわ」
「そっちもだね」
「ええ、楽しませてもらうわ」
「そういえば西瓜自体が好きだったって言ってたね」
「そう、だからね」
「赤い方も食べて」
「両方楽しむわ」
 黄色い西瓜も赤い西瓜もというのだ。
「どっちもあるから」
「それじゃあ」
「どんどん食べるわ」
 こう言って実際にだった、モンセラさんは西瓜も楽しんだ。それは他の人もだった。そしてその中でだった。
 ダオさんが赤い西瓜を食べながらだ、僕に言ってきた。
「ねえ、この西瓜ってね」
「どうしたの?」
「日本の西瓜よね」
「うん、熊本のね」
 さっき西瓜のマークを見たらあのゆるキャラが笑顔でいた、それが何よりの証拠だ。奈良のそれと違って熊本のは人気がある。
「あそこのだよ」
「奈良の西瓜じゃないの、円香のお国の」
「どうしてそこで奈良なの?」
「実はこの前部活で先生の差し入れがあったの」
 そしてその差し入れが、というのだ。
「奈良の西瓜で凄く美味しかったの」
「だから奈良の西瓜なんだ」
「それでかしらって思ったけれど」
「そういえば奈良って」
 僕もダオさんに言われて気付いた、奈良の西瓜もだ。
「結構西瓜が有名だね」
「そう聞いたし、先生から」
「それじゃないかって思ったんだ」
「けれど違うのね」
「うん、この西瓜は熊本の西瓜だよ」
「熊本っていうとくまもんね」
 ダオさんはゆるキャラの名前を出した。
「それよね」
「それのシールが西瓜に貼ってあったよ」
「だからわかったのね」
「そうなんだ、とにかくね」
「この西瓜は熊本ね」
「熊本の西瓜も美味しいよね」
「確かにね」
 このことはモンセラさんも頷いた、その通りだと。
「甘くてね」
「そうだよね」
「いや、夏は西瓜ね」
「ベトナムでもだね」
「ベトナムは暑いから」
 それで、いうのだ。
「よく西瓜食べるけれど」
「けれど?」
「日本は夏だけなの?」
「最近違うよ」 
 僕は西瓜についてだ、ダオさんにすぐに返した。
「昔はそうだったけれど」
「今は一年中食べられるのね」
「そうなんだ、冬でも売ってるよ」
「日本の冬って寒いんじゃ」
「寒いから暖かいお部屋の中で食べるんだ」
「ああ、そうするのね」
 ダオさんは僕のその話に 納得して頷いた。
「暖かいお部屋の中で外の寒さを思いつつ」
「そう、とにかくね」
「今は日本でも一年中食べるのね」
「西瓜もアイスもね」
「そうそう、アイスもだよ」
「日本のアイスも好きよ」
 そっちもというのだ。
「ダオはね」
「美味しいから」
「そうよ、本当に日本のアイスってね」
 そのアイスのことをだ、ダオさんはかなり積極的に話をはじめた。 
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