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モンスターハンター 龍の力と狩人たち

作者:気化
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第一章 目覚めるその力
  第二話 遺産の村

 
前書き
読んでくれている方がいるとは思えないし、そもそも一話だけ上げて何ヵ月も空けて今頃何してるのって話ですが、村に到着したそうです。 

 
 ここはある村の一角にある農場。
 夏の始まりで、作物と同時に雑草も成長しつつあり、虫も多くなっていく頃。勿論害虫も出てくるのでこれらの処理は不可欠だ。
 また、この時期に植え付ける作物もある。
 そういった農作業を沢山の労働力を以て行っているのだが、その殆どはアイルーという猫型の獣人族である。
 白い毛並みが特徴で、本来は人間とはまた別の文化を持っているのだが、彼らの様な一部の者は人間と共に生活している。その知性は、人の言葉を理解したり、道具を造ったりすることが可能な程。個体によっては並みの人間以上の知能を持つ者さえいる。
 そんな彼らがせっせと働いている中で、一人の小さな老人が彼らを見守っていた。
 身長は人間の胸部にも届かないだろう。耳は尖っており、身長に対して顔は大きい。杖を持ち、大きな頭に同じくらい大きな麦わら帽子を被せ、微笑んでいる。
 こちらは竜人族と呼ばれる人々の一人で、人間よりも多くの知識を持つため、こういった場所では指導者であることが多い。この老人も例外ではなく、この農場を仕切っているのはこの竜人族の翁である。寿命も長く、大体は4~500年は生きる。この老人の様に年老いると小柄になっていくのだが、若いときは容姿端麗で身長も高い。反面、その寿命の長さは生殖の必要性が少ないことを意味し、そのために人口は少ない。
 時刻は昼前。空に上る日は頂点を極めようとしている。日光は地上を明るく照らし、熱を与えていた。猫達は、そんな中で汗水を垂らして農作業を続けている。
「ふぃ~……今日も暑いニャ……んニャ?」
 不意に空が暗くなる。一人のアイルーは思わず空を見上げた。
 空を覆っていたのは、巨大な飛行船だった。どうやらこの村に着陸するらしい。ここ最近、村は飛行船が来るという噂で持ち切りだったが、その飛行船が遂に来たのだ。
「あわわ!? ニャんだあれ!?」
 そのアイルーのその声を皮切りに、のどかなはずの農場が騒がしくなっていった。
「すげえニャ! でかいニャ!」
 その声に農場のアイルー達は悉く反応した。その表情は驚愕、茫然、羨望、或いは興奮など様々だが、総じてその目はキラキラとしている。
「あれがひこーせんって奴かニャ!?」
「ニャ……あれが話題の……!」
「ホントに空飛んでるニャ! 時代は進んでるニャ!」
「ボクも乗って見たいニャー……」
 農場は興奮の渦に包まれている。しかし一方で、冷静さを保つことができたアイルーは一つ疑問を抱いた。
 落ち着いたアイルーは二匹いて、その内の一匹が呟いた。
「で、でも、何であんなでっかい穴が空いてるんだろうニャ……?」
 そう、リオレウスとの交戦時にポッカリと空いた例の風穴だ。一見いらないものがあれば、誰でも疑問に思うだろう。
 この穴に限って言えば、本当にただのいらない穴なのだが。
「もしかしたらあれはひこうせんじゃなくてひこうせんに似てるモンスターかもニャ」
「マジかニャ!? じゃあ大変じゃニャいかニャ!」
 片方が冗談を言うと、もう片方の冷静なアイルーがその一言でうろたえる。この子はちょっとアホの子だったようだ。
「いや、冗談ニャんだけど……」
「え、あ…………驚かすニャよ……」
「ひこうせんじゃあ驚かないのになんでただの冗談で驚いてるんだニャ……」
 驚きのツボも人それぞれ。アホの子アイルーもまた、ちょっとズレた感性だったそうだ。
 飛行船一つに盛り上がりまくるアイルー達を尻目に、老人もそれをジーッと見つめていた。
「それにしても、何故にあんな大きな風穴が空いてるのかの?」
 竜人族の農場長もまた、例の飛行船に空いた風穴の事は疑問に思ったようだ。
「ま……中にいるのが無事なら何と言うことも無いのじゃがの」
 そう言って、彼は未だ興奮冷めやらぬネコ達と、村の方向へ向かう飛行船を交互に見るのであった。



 ここはラーガ村。周囲を山に囲まれた盆地に位置する、自然豊かな村。付近にはこの盆地の象徴とも言える、巨大な湖がある。遥か昔から渇れることなく生命を育み続けたこの湖には多くの謎が遺されている。
 解読不能な石碑や謎の彫像、何らかの道具と見られる正体不明の物体の欠片などといった、古代の人工物とされる物品が数多く発見されることや、この湖の固有種が周辺地域とは一線を画すことなどで、研究者の注目を集めている。

 リューガ達の目的もまた、この湖の調査に他ならない。
 尤も、この調査で主だって動くのはジーノの方で、リューガはただ随伴しているだけに過ぎないのだが。



 飛行船が村に到着した。乗っていた人々は各々が多様な表情を浮かべている。
 しかし大抵は、何処かに安堵の色が浮かんでいた。
 特に、襲撃時に腰を抜かして何も出来なかった例の若い商人連中はそういった表情を隠そうともしない。まるで地獄から帰ってきたと言わんばかりの満面の笑みであった。頭の中にあったはずの計画さえも今は忘れているであろう。

 そうして安堵の表情で言葉を交わしながら荷下ろしが行われた。

 リューガとジーノは、その流れで感謝されたりされなかったり、飛行船が少し壊れてしまったことを謝罪したりしなかったり。そうやって乗客たちと会話した後、自分達の荷物のところへ向かった。
 そうしてあくせくと荷下ろしに勤しんでいるのだが、ここで少し汗水を垂らし始めたリューガが口を開く。
「なんか、暑くね?」
 季節は温暖期だ。盆地に位置するこの場所はリューガの言う通り、暑い。標高はそれなりに高いのにも関わらず、である。更に言うと、湿度も高いので蒸し暑かったりもする。部分的とはいえ防具を身に付けているなら尚更だ。
「う~ん…………確かに暑いね。……一通り終わったら扇子か何かでも使おうかなー……」
 手で扇いで風を得ようとするジーノ。勿論得られる風は雀の涙の様なものだ。
 言うまでもないことだが、砂漠や火山といった灼熱には遠く及ばない。どれだけ過大評価しても精々密林程度だろう。住む分には申し分無い土地だ。しかし人は快適を求める生き物である。二人も例外ではなかった。
 因みに、先述の通りこの場所は盆地に位置するのだが、そのために四季は明確になっている。つまり、冬は寒い。きっとこの二人は、寒冷期にはまた愚痴を漏らすのだろう。ただし、愚痴で済むからこそ微笑ましくもあるのだ。今度は雪山よりはずっとマシと一蹴出来てしまうのだから。

 そうして二人で愚痴をこぼしながらも、片手間の内に全ての荷物が下ろされた。しかしすぐに飛行船が出発することはなかった。飛行船の修繕のため、暫くの間、村に停泊するからである。
 しかし、二人はその事に対する興味は持ち合わせていない。小耳に挟んだ程度で、二人にとっての話題になることもなかった。
 彼らにとって重要なことは、そんなただの物的損害よりも、寒暖差が大きいと言われるこの辺りの気候が面倒だということと、荷物を荷車に乗せ直し、これから住む住居に運び込まなければならないのが面倒だということだけだ。その次は村長やギルドへの挨拶、村の全体図の把握や、これから利用するであろう狩場の下見などなど──そして漸く狩猟、調査、研究に移ることが出来る。彼らにとってそれらの準備は、はっきり言うと煩わしい事この上ない。
 怠ってはいけないことなのは自覚している。そして二人は何度かこのような辺境の村に派遣されたことがある。そこでこの作業をこれまでも抜かりなくやってきて、そして今回もきっと、しっかりとこなすのだろう。それでも面倒なことに変わりはないのだ。
 だから二人は荷物の移動を会話の片手間にする。そうでもしないとつまらなくて仕方がないから。
「寒暖差がデカいらしいから寒冷期用の物も沢山持ってきたんだけどさ、ちょっと多すぎたかなぁ」
 リューガが先に口を開く。少々多めの荷物を運ぶのに少し嫌気が差してきたらしい。
「多い分には良いんじゃないか?」
「つっても嵩張るからなぁ。他にも沢山荷物があるのにこれだとちょっとな……よいしょっと」
 荷車に荷物を置き、言葉を返してきたジーノにそう言いながら、リューガはまた別の荷物を再び持ち上げて、荷車へと運んでいく。
「こういう荷物運びの時はめんどくせーっつーか……っと!」
 荷車に荷物が乱暴に下ろされる。ドンッという大きな音が鳴った。
「もう少し丁寧にやろうよ……」
 ジーノは余りにも乱暴な置き方に困惑したが、リューガはそんなことは露知らず。それからジーノに、
「お前はどれくらい持ってきたんだよ?」と聞いた。
「無視するなよ…………まあ服とか道具とかの他は特に無いかな」
 ジーノはそう不満げな表情で言った。それから言葉を続ける。打って変わってニマニマとした表情だ。きっと楽しみなのことなのだろう。
「なんか美味しいものがあれば娯楽は十分だしさ」
 聞いて、クツクツと笑うリューガ。
「また飯か」
「また飯だよ」
「楽しみなんだな」
「当たり前さ」
「お前、そんなに食べる癖に何でそんなに背が小せえんだ?」
 リューガがからかう。
「お天道様に聞いてくれ」
 ジーノは吐き捨てるように返した。少しムッとした様子である。
「空は一言も喋らねえぞ」
「声出してきたら逆に困るけどね」
 このように、どちらかが話題を出し、もう片方が返し、時折からかい合い、時折笑う。普通の、但し実のない会話をしながら、二人は荷車に荷物を積み終えた。

 まずは村長に挨拶をしなければならない。
 暇そうな村人に村長の特徴や居場所を教えてもらったりして、まもなく見つけた。彼は村の中央の広場にいた。

 好好爺然とした白髪に黒目の人間族。シワの数は確かに多いが、髪の数や目の色には若々しささえ感じられる。

「失礼します」
「失礼しまーす」
 リューガとジーノは村長に声をかける。二人のこの声で村長が彼らの方を向き、そして見知らぬ者と認識すると、彼は立ち上がる。
 まずジーノが口を開いた。
「あなたが村長でよろしいですか?」
「うむ、いかにも。あなた方は?」
「はい。先日通達を送らせて頂きました、ラーガ村周辺の環境を調査を行う者です」
「ほう。あなた方が王立古生物書士隊の……」
「はい。私はジーノ=バルバーリです。それと、こちらのは隊員ではありません。……リューガ、挨拶を」
 ジーノがやや唐突に話を振る。リューガは少し狼狽えた様子を見せた。
「え、あー……ハンターやってます、リューガ=マエンバーです。よろしく、お願いします」
 どこかぎこちない挨拶。
 ギルバートはその名前を聞いて眉をピクリと動かした。どうやらこの名前に心当たりがあるらしい。
「む。確か弱冠16歳でモノブロスを討伐したという……」
「え、知ってんの──って痛ッ!?」
 リューガの後頭部を叩くジーノ。タメ口は許さないようだ。
 ジーノが咳払いを挟む。
「無礼をお許しください」
「いやいや、このくらいで怒る気はありませんよ。──さて……私はギルバート=ルーカス。このラーガ村の村長です。あなた方の探査への協力に出来る限りの力を貸すつもりですので、どうぞ、よろしくお願いします」
「いえいえ、こちらこそ」
 叩かれてからの会話の間、リューガは二人をつまらなさそうに眺めていた。かしこまった会話に口を挟むことも出来ず、不満は溜まるばかりであったが、両者が初対面である以上は仕方のないことだ、というよりは当然と言うべきだろう。ハンター同士の会話と同様に出来るはずがない。
 そんな彼の状態を知ってか知らずか、ギルバートは一息置いてから再び言葉を紡いだ。
「しかし……荷物が多いようですね」
(やっと分かりやすい話題が来た……!)
「そうそう! ここまで運ぶにも疲れたっす!」
「リューガ」
「はい」
 目で制される。小柄ながら流石の威圧感である。
(これじゃ全く口開けらんねえ!)
 二人のやり取りも意に介さずに、ギルバートは続ける。勿論リューガの内心など知る由もない。
「その荷物では楽にも出来ないだろう。あちらにあなた方の為の宿舎を用意した。是非使ってください」
 そう言って、村長の男が手を向けた先には、大きな建物があった。
「おー、デカいな」
「ありがとうございます。わざわざ用意して頂けるとは」
「個々の部屋はあまり大きくありませんが、決して不足にはならないでしょう」
「いえ、ご用意されているのであればこちらとしては嬉しい限りです」
「ありがとうございます」
 お礼はしなければ、と思ったらしいリューガが便乗する。
 その彼を横目でチラリと見る。それも一瞬で、すぐに目線を前へ戻した。
「それでは早速中に入らせていただきます」
「ええ、どうぞ」
 二人はその言葉を聞いてから、礼をする。それから踵を返し、その大きな建物へと向かっていった。
 彼らを見送る村長のギルバート。ある程度遠くへ行ったところで、フウーッ、と息を吐いた。
「堅苦しい会話は息が詰まるわい。……あのちっこいの、ガキの割にはしっかりしとるのぉ」


 愚痴は二人にも聞こえていたようだ。流石のハンター、感覚が無駄にキレている。
「俺みたいなのが全く口開けないもんな。こんなんだから世の中めんどくせーんだよ」
 先にそうのたまったリューガに対し苦笑いを浮かべるジーノ。しかし、同時に「まあねぇ」と、肯定の言葉も口にした。それから続ける。
「誰が敬語とか考えたんだか」
「じゃあ何でそんな喋り方するんだよ」
「人間関係って知ってるかい?」
「それ言ったらおしまいだろうよ」
「おしまいだね。……まあ、世の中そういう風に出来てるんだ。君もその辺しっかりしてくれよ。頼むから」
「へいへい、分かりましたよ」
(無理だな、こりゃ。まるで──)

 そうしている内に宿舎の目の前まで来た。二人の表情が綻ぶ。
「やっと休めるぞー」
「おー」
 まだ、荷物運びという一苦労がある。というか、そっちの方がが割りとメインの疲労要因でもあったりする。ハンターといっても、人である限りはその辺はやはり変わらないのだ。

 宿舎に着いた。三階建てでこの世界としては確かに大きい建物だが、その代わりか簡素な造りだ。木材の見た目から村長の男の言う通り、建築されてからそれほど時間も経っていないように見える。
 一つの階に部屋は8つ。合計24部屋なり。家賃も必要ないので金欠病の方にもご利用いただけます。
 集合住宅ということで部屋の小ささが懸念されるものだが、こういうのは存外外見よりも広いものである。先に村長が狭いと言ってくれたのも要因か。

 既に荷物運びと設置は終了している。
 二人はこれからハンターズギルドの出張所が置かれている集会所に向かおうとしていた。
 飛行船から降りてから先程荷物を中へと入れるまでは軽装だったが、ここからはまた、体裁を持つためにそれぞれの装備を身に付けている。武器まで持っている。頭の装備は別に抱えているが。
 ただ、リューガは満更でもないらしい。「俺はこっちが似合ってるしさ」だそうだ。

 集会所。先述の通り、ハンターズギルドの出張所が設けられている施設だ。様々な理由──例えば距離上の問題など──により、市街にあるギルド支部へ赴くことが出来ない村付きハンター達にも、遠方の依頼を受けさせるために、この出張所は設けられている。
 ちなみにハンターズギルドの本部はドンドルマという街にある。実はリューガ達はこのドンドルマから派遣されているのだが、このドンドルマからラーガ村までではかなりの距離がある。どれくらいかと言うと、あまり具体的には表せないが、この二つは海を隔てた別の大陸にそれぞれ存在している、ということを考慮すれば、少なくとも簡単に往復できる距離ではないことは察して頂けるだろう。
 そのドンドルマを筆頭に、世界中の街にギルド支部が点在し、その支部が周辺の出張所を管轄している、ということである。
 閑話休題。
 この集会所は、大きさ自体は宿舎に劣るが、そのデザインや設備などを加味すると、こちらの方が手間がかかっているのは明白だ。かといってきらびやか過ぎるという訳でもない。周囲の環境との調和は当然とれている。
 二人はこの建物へと向かっていた。先程までと違うのはリューガが前ということである。
「ウキウキしてるね」
 当然ジーノもそれを指摘した。
「悪かねえだろ?」
「……まあ、君らしいかな」
 勿論悪いことではない。笑顔はいいものである。
 にこやかな会話を交わしている間に、集会所の正面玄関に到着していた。そしてリューガがドアを引き開け、中に入ろうとしたその時。

 一人の少女もまた、外へと出ようとしていた。
「うおっ」
「わっ」
 狭いドアのところで鉢合わせたため、危うくぶつかりそうになるリューガと少女。
 その時、何故だか、リューガは彼女をじっと見つめた。
 リューガと同様の黒髪はショートボブにされていて、しかしリューガと違い綺麗に手入れされている。
 顔立ちはくっきりとしていて、体つきは華奢だが細過ぎる訳でもない。背はジーノより多少小さい程度か。どれにも幼さが残るが、同時に美しく、可愛らしく。
 そして、その目は痛いほどに美しい紅目だった。
 リューガは、この一介の狩人は、彼女に魅入ったのだろう。
「どうかしました?」
 固まっているリューガにそう言う彼女。ええ、かなりどうかしています。そしてソイツは全くどうかしている自覚がありません。
「……あ! …………えっと、どうぞ」
 声をかけられて漸く我に返ったこの男は、少女に通り道を譲った。
「ごめんなさい。こんな狭いところで立ち止まらせて」
 リューガのところを通り過ぎた彼女にジーノがそう言うと、少女もにこやかに返す。
「大丈夫です。気にしなくて良いですよ。あなたのことじゃないし」
 さりげない毒。ジーノは思わず苦笑いを浮かべた。
「それじゃあ」
 そう言って歩き出す少女。そのとき。
「待って! ……ください」
 リューガが振り向き、声をかける。
「俺はリューガ=マエンバー。アンタは?」
 あまりにも唐突に名前を聞かれ、一瞬怪訝そうな顔を浮かべる少女。しかしすぐに先程までの笑みを浮かべた。
「レイナ=ブライトンよ」
 それを聞くなり目を見開いて、リューガはレイナと名乗る彼女に大きな声を返す。
「覚えとくわ!」
「そう、ありがとね」
 それだけ言うと、レイナはまた踵を返して歩いていった。
 そこはかとない達成感が、見送るリューガの中にあった。



 数刻を置いて、ジーノ。
「良いねえ、甘酸っぱいねえ! ボーイミーツガールだねぇ! 爆発しやがれ!」
「爆発!?」
「全く、水を差そうと思えばさせたんだからさ、感謝してくれよ!」
 そう言って、結局先に集会所に入るのはジーノとなった。
「おい待てって! 何だよボーイ何とかって! あと爆発ってどういうことだよ!」
 後ろから騒がしいのが付いてくるのも気にせずに。 
 
 

 
後書き
ボーイミーツガールは描写が難しいですね。てか、前の黒歴史を含めてもこんな甘酸っぱく表現しようとしたのは始めてです。
リア充爆発しろ、なんて言葉はモンハン世界にはまだ無さそうです。なんでジーノくんは知ってるんですかねぇ(唐突)


次は集会所です。今度は一年くらいかかるんじゃないでしょうか(適当)

またいつか会いましょう。

12月19日
修正を加えました。 
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