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機動戦士ガンダム0091宇宙の念

作者:むらたく
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宇宙編
レーモ7攻略編
  第12話 正義と悪

 
前書き
ドーベン・ウルフ AMX-014

アクシズで開発された重MS。サイコミュを搭載しているが、改良によりNTではなくてもインコムや、有線アームを遠隔操作できる。
腹部に拡散メガ粒子砲、バックパックにミサイルとビームキャノン、掌にビーム砲と固定武装に富んでいる上、高出力の大型ビームライフルを携帯する。
アクシズの中でもかなり強力なMSであり、ガンダムタイプのMSとも互角に渡り合える。
更に量産型MSというのが驚きだがそれほど数は多くなく、グラフィー軍に残っているのは一機のみ。

グレイブ・F・エーヴェンハルト

ドーベン・ウルフのパイロット。
アクシズの中でもかなりのエースで、名は知れている。アクシズ艦隊のエンドラを指揮する。アクシズではフーバー達の教官だった。 

 
フーバー達のレーモ攻略二日前…

「では、グラフィー襲撃の件についてだが…」
煙草の臭いが充満した会議室。
ここは地球連邦軍最高司令本部、チベットにあるラサ基地だ。
「襲撃とは…どう仕組んだのだね?」
白髪の将軍に、眼鏡の高官。様々な顔が並ぶ中、宇宙連邦軍司令、ディエゴ・バイス中将が言った。
「何、少々武器の供給の手引き程度ですよ。」
ニヤついた顔を見せる中将。
「しかし、危険ではないのかね?ジオン残党と取引など…」
臆病な高官は、額の汗を拭いつつ言う。
「それはご安心を、彼らにはあくまで必要な脅威を演じてもらうだけのことです。」
「というと?」
「一年戦争より十余年…すでにジオン残党の勢力はかなり衰退してきています。連邦議会では、我々連邦軍の存在に異を唱える者も増えているのが現状です。今、この地球はもう戦争という血の戦い抜きでは秩序を維持できないのですよ。」
「笑止!軍を維持するため、戦いを生むというのか?政府が許す訳が…」
「あなたは現在地球にどれ程の難民がいるとお考えか?軍が解体されれば、難民は更に膨れ上がるだろう。その始末は一体誰がするのです?」
「しかし…それでは…」
白髪の将軍は物言いたげだが、口を閉じた。
「今は維持することが正解です。たとえ後世に尾を引こうが、我々に何の害もない。先ほどの通り、彼らの戦力は既に形骸だ。この宇宙にまで広がった人類全てを支えるためには、”犠牲”が必要なのですよ。それも、ある種の正義であると、私は考えます。」
「くっ、ディエゴめ…」

10月24日、レーモ7宙域。

「大丈夫か?ザクIIIのパイロット!」
ドーベン・ウルフのパイロットからの通信。
「ああ、感謝する。グレイブ少佐。」
「?なんで名前を?」
「我が軍に一機のドーベン・ウルフだ。パイロットの名くらい知っている。」
「だったらこちらこそ、シャドウハウンド隊隊長、メイソン少佐!」
お互いにモニター越しに笑みを浮かべた。
「やつら、さっきのガブスレイは全機沈黙したようだ。今から更に進むが、ついてこれるか?」
「無論だ、貴公の判断に任せよう。」

同刻、後方の宙域。

「マルロ、メアリー!このまま進んで少佐の宙域まで行って合流を目指す!レーダーには常に気を配っておけよ!」
「了解です!」
「了解!」
モニターに目をやる。
「敵の展開が少ない?なぜだ?」
気を巡らせつつ機体を加速させる。

「なぁメアリー、隊長は怖くないのかな?」
「怖い?なぜ?」
「怖いじゃないか!こんな暗い中、いつ敵が来るかもわからないのに!」
「そうかしら。いつ来るかわからないなんて相手も同じよ。それに…」
「それに?」
「隊長が居れば、大丈夫。私ら三人ならやれる。」
「ふふっ。メアリーなりの励まし?ありがと!少し元気が湧いた!」
マルロの声に、ほんの少しの笑みを浮かべたメアリー。
「だけど、このザラついた嫌な感じは何かしら…嫌な予感がする…」
3つの光は交差しながら星の海へ消えた…

 
 

 
後書き
更新遅れて申し訳ありません!
レーモ7編、まだまだ続きます! 
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