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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第五十五話 吸血鬼の話その二

「確か鬼も血を飲むよね」
「酒呑童子だな」
「鬼の名前は知らないけれど」
「それはおそらく酒呑童子だ」
 井上さんはモンセラさんに答えた。
「あの鬼は確かに血を飲んでいた」
「お酒みたいにね」
「それを考えるとな」
「鬼もよね」
「吸血鬼となるな」
「血を吸うのが吸血鬼だからね」
「確かにな。少なくとも酒呑童子は血を好んだ」
 人、それも生娘の血を飲むことをだ。僕もその話は聞いている。お伽草子とかでそうした描写を読んだkともある。
「そうなるな」
「ええ、私的には鬼も吸血鬼よ」
「日本の鬼もか」
「そうなるわ」
「そうだな、それとだ」
「それと?」
「実は酒呑童子は白人説もある」
 ここで井上さんはモンセラさんにこうしたことを話した。
「所謂ヨーロッパ人だな」
「その頃の日本に白人?」
「西からはるばる流れてきたな」
「そんなことがあったの」
「そうも言われている、稀だろうがな」
 それでもというのだ。
「そうではないかとも言われている」
「白人ね」
「アイヌ系の人が白人に似ているという説もあるしな」
「そんな説もあるの」
「らしいな」
「アイヌね」
「水橋君は違うがな」
「あれっ、けれど美沙北海道生まれよね」
 モンセラさんはアイヌの人達は北海道にいることを知っていた、それで井上さんにもこのことを尋ねたのだ。
「それでもなの」
「北海道生まれでも移住した人が多い」
「うちと同じね」
 そう聞いてだ、モンセラさんは今度はこう言った。
「メキシコ、それにアメリカやブラジルと」
「移民だな」
「そう、私も血が入ってるけれど」
「移住したスペイン人のだな」
「あと現地のインディオの人のね」
「メスティーソだな」
 中南米のスペイン人とインディオの人のハーフだ。中南米は混血が進んでいて他にも黒人の人との混血の人も多い。ニキータさんにしてもそうだ。
「君は」
「そうよ、そういうことね」
「うむ、本土の人が北海道に移住したケースも多くてだ」
「美沙はそっちなのね」
「そうなる、そして酒呑童子というか鬼もだ」
「その鬼もなのね」
「アイヌ人が実態ではないかと言われている」
 井上さんはモンセラさんにこの説を話した。
「その外見からな」
「そうなのね」
「そうなのだ、あと血もだ」
 今度は血の話だった。
「実はワインだったのではないかと言われている」
「ワインね」
「この場合は赤ワインだがな」
「あえて葡萄からお酒を造って飲んでたの」
「そうも言われている」
「血じゃなくて」
「民俗学ではそうも言われているらしい」
「血は生命の源っていうけれど」
 吸血鬼が何故血を吸うのか、モンセラさんはこうした考えから吸血鬼は血を吸っているという話から井上さんに話した。 
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