ロックマンX~5つの希望~
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Another10 集まる力
前書き
サイケ戦
マリノ達が必死にサイケから逃げている最中、警備用メカニロイドと警備システムを突破したエックス達は何とかガウディル博士の研究室に入った。
するとそこにはガウディル博士が拘束されていた。
エックス「ガウディル博士、これは一体?」
急いで駆け寄り、ガウディル博士の拘束を解きながら、エックスが尋ねるが、ガウディル博士は聞こえていないのかブツブツと呟いている。
ガウディル「シナモンが…サイケの奴め、やっぱり最初からシナモンが目当てじゃったのか~!!」
ゼロ「おい、落ち着け。分かるように説明しろ」
スパイダー「シナモンとかサイケとか何のことだ?リベリオンの奴らかい?」
ゼロとスパイダーの言葉に反応し、ようやくエックス達に気づけたのか、ガウディル博士は目を見開いた。
ガウディル「な、何じゃお前らは…」
エックス「俺はエックス…リベリオンに抵抗しているイレギュラーハンターです。アリア博士からの指示を受けて、あなたの協力を得るために来ました。」
ガウディル「Dr.アリアが…じゃが、知っておるじゃろ!!例えDr.アリアからの頼みでも、わしは盗人のイレギュラーハンターやリベリオンに協力する気はないクワッ!!」
ゼロ「盗人だと?」
盗人呼ばわりにゼロの眉間に皺が寄る。
マッシモ「盗人呼ばわりは言い過ぎじゃないですかね?そりゃあ、イレギュラーハンターが俺達みたいなのと一緒にいるのはおかしいかもしれないけど」
ガウディル「これを見るクワッ!!わしの研究所に無断で入った挙げ句滅茶苦茶にした犯人じゃ!!どこからどう見てもお前達の仲間じゃろうが!!」
ガウディル博士がモニターに監視カメラの映像を見せる。
エックスが疑問符を浮かべながらモニターを見ると、次の瞬間、目を見開いた。
エックス「ルナ!!?」
ゼロ「何だと!!?何故あいつがこの研究所にいる!!あいつは確かアクセルの里帰りに付き合っていたはずだ!!」
モニターの監視カメラの映像に映るルナは正面から入って無断で研究所内を動き回り、警備システムと警備用メカニロイドを迎撃しながら、無断で研究室に入ったりして資料を無断で読み、色々しながらガウディル博士の研究所を荒らして、シナモンの元に。
エックス「ルナ…」
ゼロ「何をしているんだあいつは…」
一部始終を見終えたエックスとゼロは絶え間ない頭痛に襲われ、深い溜め息をついた。
マッシモ「政府からの命令があったのか?」
エックス「いや、違う。恐らく好奇心を抑えきれずに研究所に入って、警備システムや警備用メカニロイドから攻撃を受けたから取り敢えず迎撃したんだろう。彼女も優秀な技術者だからな。こういう場所には目がないんだ。」
ゼロ「アクセルの里帰りに付き合っていたあいつがいるということは、アクセルもこの研究所にいるのか?」
エックス「それはない。アクセルがいたら確実に彼女を止めている。それ以前にアクセルはこういう研究所には興味はないし、研究所自体嫌いだからな…恐らく別行動をしているんだろう…良い意味でも悪い意味でも期待を裏切らないな…すみませんガウディル博士。彼女には後で厳しく言っておきます。」
深い溜め息を吐いた後、ガウディル博士に深々と頭を下げるエックスに深い溜め息を吐きながら、スパイダーがガウディル博士に尋ねる。
スパイダー「まあ、エックス達の仲間のハチャメチャな行動は置いといて。今、大変なことになってんじゃないの?」
ガウディル「クワッ!!そうだった…シナモンが…シナモンがサイケに…リベリオンの奴らに奪われてしまう…」
エックス「詳しく聞かせてもらえますか?博士」
マッシモ「力になれると思いますぜ!!」
スパイダー「別に恩着せようなんて考えちゃいないよ。俺達はリベリオンの奴らにチョロチョロされるのが我慢出来ないんだ」
ゼロ「イレギュラーハンターとしてイレギュラーを放置出来んからな」
こうしてエックス達は、シナモンの救出、保護をすることになった。
一方でサイケから逃げ続けているマリノ達は…。
マリノ「はあ…はあ…」
いくら軽量型とは言え、ルナとシナモンを抱えながら長距離を全力疾走して息切れしているマリノを見て、ルナが顔を潜めた。
ルナ「あんた無理し過ぎだよ。少し休んだ方が…」
どう見ても疲れているマリノを見て、休憩するように促すルナだが、目の前に警備用メカニロイドが立ち塞がる。
マリノ「おっと…ドジっちまったね…」
疲労で警備システムに引っ掛かってしまい、キラーマンティスとレイダーキラーがマリノとルナに迫る。
ルナ「うがああ…こんな時に…何なんだよ、この警備システムは!!まるで要塞じゃねえか!!こうなりゃ俺が…」
シナモン「あの…ルナさん。良かったらこれ、使ってください。“Lスナイパー”…エネルギー感知器と照準器の精度を高めるフォースメタルなんです」
シナモンが差し出すのは、紺色のフォースメタル。
ルナ「サンキュー!!」
シナモンからフォースメタルを受け取ると、即座に拡張スロットに差し込む。
ルナ「よし、これなら行ける!!トランス…いや、ハイパーモード・イグニス!!!!」
四天王の1人で、炎属性を持つイグニスに変身するルナ。
フォースメタルでコピー能力が強化されているのか、オリジナルと同等、それ以上に強化されていた。
シナモン「ルナさん?」
マリノ「あれは確か100年前に無くなったはずのコピー能力…?」
ルナ「エディットバスター!!」
二丁のナックルバスターから放たれる誘導エネルギー弾が連続で放たれ、レイダーキラーを爆砕する。
耐えきったキラーマンティスは射撃用のバリアを張る。
ルナ「甘いぜ。イグニスのパワーを見くびるなよ!!ダブルメガトンクラッシュ!!」
ナックルバスターを勢いよくキラーマンティスに叩き込む。
まともに喰らったキラーマンティスはバラバラになった。
警備用メカニロイドがいないことを確認してから、変身を解除した。
ルナ「フォースメタルって凄いな。俺の不完全なコピー能力を完全かそれ以上の物にまでパワーアップさせやがった…」
マリノ「あんた新世代型レプリロイドだったんだね。ていうか、まだ生き残ってたんだ」
ルナ「プロトタイプだけどな。プロトタイプだからコピー能力が不完全なんだ」
マリノ「不完全でも欲しいなコピー能力。仕事がしやすくなるしね」
ルナ「俺のコピーチップは駄目だぞ!!」
咄嗟に頭を押さえて、後退するルナに苦笑しながら後ろを見遣ると、サイケがこちらに追い付いてきた。
マリノ「チッ!!追い付いて来やがった。逃げるよ!!」
ルナ「おう!!」
加速器を吹かしながら逃げるルナとシナモンを抱き上げ、逃げるマリノ。
しばらく走り続けるが、とうとう行き止まりにぶつかる。
ルナ「くっ…行き止まりか…」
サイケ「ようやく追いついたぞ。手間取らせおって、さあ…その小娘を渡せ!!渡せば命だけは助けてやるぞ」
ルナ「冗談言うな。イレギュラーハンターとしてこういうのは見逃せないんだよ」
マリノ「私もあんたみたいなのは大嫌いでね。大人しく従う義理なんかない」
パレットとビームナイフを構えながら、戦闘体勢を取る2人を見て、サイケがプレオン達に指示を出そうとした瞬間。
ゼロ「ハイパーモード・アクティブフォーム!!零式波動斬!!!!」
エックス「ハイパーモード・ファーストアーマー!!スパイラルチャージショット!!!!」
ゼロとエックスが広範囲に有効な攻撃でプレオン達を殲滅すると、ルナ達の前に立つ。
ルナ「エックスにゼロ?何で此処にいるんだ?」
ゼロ「それはこちらの台詞なんだがな」
深い溜め息を吐くゼロに苦笑しながらエックスはルナを見遣る。
因みにスパイダーとマッシモはガウディル博士の護衛として残してきた。
エックス「ルナ、ガウディル博士の研究所に無断で入った挙げ句、滅茶苦茶にしたことで話がある」
ルナ「いいっ!!?」
嫌そうに顔を顰めるルナだが、サイケは苛ただしそうに叫ぶ。
サイケ「イレギュラーハンター共か…お前達には我らリベリオンがどれ程レプリロイドの技術を進歩させ得るか分からぬと言うのか!!」
エックス「争いのための技術など!!」
バスターを構えながら叫ぶエックスに対してサイケも構える。
サイケ「お前達と話していても時間の無駄だ!!この場で滅してくれる!!私自身の手でな!!イービル…」
ゼロ「させるか!!零式突破!!!!」
アクティブフォームで強化された機動力を活かしてサイケに肉薄し、強烈な突きを繰り出す。
サイケは咄嗟に身体を捻って、急所を外すが。
ルナ「逃がさねえぜ!!リフレクトレーザー!!」
リフレクトレーザーがサイケの左足を射抜き。
マリノ「次は私だよ。ていっ!!」
ビームナイフでサイケの胴体を斬りつけ。
エックス「スパイラルクラッシュバスター!!!!」
とどめとばかりに放たれたスパイラルクラッシュバスターが、サイケの頭部のみを残して粉砕した。
ルナ「何だ。戦ってみると弱いじゃん」
ゼロ「仕方ないだろう。いくらフォースメタルで強化されていても所詮は科学者だ」
シナモン「あ、皆さん。上を見てください!!」
全員【?】
シナモンに言われ、上を見上げると、サイケの頭部が、光学迷彩で隠されていた機動兵器と合体した。
サイケ「科学者を甘く見るなよ!!合体完了!!マッドノーチラス!!!!」
ルナ「が、合体しやがった!!?」
ゼロ「ふん、図体がデカくなっただけだ。斬り刻みがいがある。行くぞ!!」
加速器を吹かして、一気にマッドノーチラスに肉薄するゼロ。
エックスもバスターのエネルギーチャージを開始する。
ゼロ「零式昇竜斬!!」
ゼロの剣技の対空技がマッドノーチラスに炸裂するが、マッドノーチラスの装甲が僅かにヘコんだだけだ。
ゼロ「何だと!!?」
エックス「下がるんだゼロ!!スパイラルクラッシュバスター!!!!」
スパイラルクラッシュバスターをマッドノーチラスに放つが、結果は同じだ。
サイケ「その程度で進化した私に敵うと思うのか!!デスグラビティ!!!!」
重力弾を放ち、エックス達を吹き飛ばす。
エックス「ぐっ…」
ルナ「痛って~…くそ、何とか奴の弱点を…」
強化されたエネルギー感知器で、弱点を探す。
すると隔壁に覆われたコアを発見した。
ルナ「隔壁に覆われた場所にコアがある。何かそこが弱点ぽい!!」
マリノ「なら喰らいな!!マリノスタンプ!!!!」
隔壁に超スピードの飛び蹴りを叩き込むが、隔壁を僅かにヘコませただけだ。
サイケ「コア放熱開始!!」
コアを覆っていた隔壁が開くと、光線が放たれた。
ルナ「へっ!こんな単純な軌道で当たるかよ!!」
光線を回避すべく身を捻った瞬間光線が軌道を変えてルナに炸裂した。
ルナ「!!?誘導光線かよ…」
ゼロ「チッ!!コアに攻撃させないためか…」
エックス「くそ…」
エックスは考えた末にサードアーマーに換装する。
ヴァリアブルエアダッシュとディフェンスシールドで攻撃を凌ぎながら隔壁に攻撃を加え続けてコアを露出させるしかないと考えたのだ。
ルナ「ハイパーモード・ウェントス!!」
四天王随一の空中機動力を誇るウェントスに変身し、光線をかわしながら隔壁に三連撃と衝撃波を叩き込む。
しかし、貫通力が高いソニックブームを持ってしても隔壁を僅かに削っただけだ。
ルナ「ウェントスのソニックブームでも駄目なのかよ…」
エックス「トリプルチャージ!!!!」
ゼロ「零式乱舞(コマンドアーツ)!!!!」
エックスがクロスチャージショットとチャージブレードの連携、ゼロは零式烈斬、零式突破、零式昇竜斬、零式波動斬、零式兜割の乱舞技をマッドノーチラスに叩き込むが、やはりマッドノーチラスには大してダメージがない。
エックス「何とかコアに攻撃出来れば…しかし、隔壁が開いてから放熱までの時間が短すぎる…」
サイケ「ひょ~ひょっひょっ!!コア放熱開始!!」
隔壁が開き、誘導光線が放たれた。
全員が防御するが、誘導光線はエックス達を無視するかのように進み、光線はシナモンに。
シナモン「きゃああああ!!?」
ルナ「やべえ、シナモン!!」
ゼロ「チッ!!」
アクティブフォームの機動力で何とかシナモンの前に立ち、その身で光線を全弾受けてしまう。
ゼロ「ぐっ…」
相当なダメージを受けたゼロは膝をついてしまう。
またこれを受けたら終わりだ。
シナモン「エンジェリックエイド!!」
シナモンの掌から金色の光が放たれる。
ゼロの身体に触れる。
ゼロ「何を…」
シナモン「動かないで下さい!!怪我の治りが遅くなります!!」
シナモンに言われて、ゼロは自身の身体を見遣ると、確かに身体の傷が癒されていた。
ゼロ「すまん…」
シナモン「いえ、怪我を治すのが私の役目ですから」
笑みを浮かべながら言うシナモンにゼロも微笑を浮かべて立ち上がる。
ゼロ「感謝する。これでまた戦える」
全快したゼロがセイバーを構えた直後であった。
ゼロのアーマーが淡い光を放ち始めたのは。
ルナ「ゼロ、これ…」
ゼロ「どうやら新しいハイパーモードが覚醒したようだな。ハイパーモード・エナジーフォーム!!」
ゼロのアーマーが橙色から黄色を基調にした物になる。
エックス「ゼロ!!?」
ゼロ「すまん、エックス。心配かけたな」
エックス「その姿は…」
ゼロ「シナモンのおかげで目覚めた新しい形態だ。」
サイケ「新たなハイパーモードか…ハイパーモードを進化させるとはお前も興味深い。研究材料にしてやる!!マッドブラスター!!」
ゼロに有線ビーム砲から放たれた光線が直撃する。
ルナ「ゼロ!!…あれ?」
ゼロの受けたダメージが見る見るうちに回復していく。
ゼロ「これがエナジーフォームの能力だ。時間経過で傷を癒やしてくれる。つまり無限に回復し続けるわけだ。これでもまだ余裕を保てるか?Dr.サイケ?」
サイケ「ぐぬぬぬぬ!!ならばバラバラにしてくれるわ!!DNAデータさえ無事ならそれでよい!!コア放熱開始!!」
隔壁が開き、コアが露出した瞬間であった。
マリノ「今だ!!ハイパーモード・クイックシルバー!!!!」
桃色のアーマーが漆黒の物に変わり、余計な装甲を捨てることで長所の機動力を更に高めた。
マリノ「行くよ!!そらそらそらそらああああ!!!!」
アクティブフォームすら優に超える機動力で誘導光線を放つ前に攻撃を加え続ける。
超高速の連続攻撃を受け、コアに罅が入り始めた。
サイケ「い、いかん!!は、早く隔壁を…」
ゼロ「させるか!!」
ルナ「喰らいやがれ!!」
閉じようとする隔壁にリコイルロッドのチャージアタックとイグニスに変身したルナがメガトンクラッシュを隔壁に叩き込み、閉じようとしていた隔壁を吹き飛ばした。
ゼロ「今だエックス!!」
エックス「これで決める!!サードアーマー全リミッター解除!!!!」
サードアーマーが純白から金色に変化し、全ての潜在能力が解放された。
ヘッドパーツの潜在能力で見る見るうちに傷が癒されていく。
サイケ「ハイパーモードの二段強化だとお!!?」
エックス「クロスチャージショット!!!!」
クロスチャージショットを繰り出し、コアに叩き込む。
1発だけではない。
アームパーツの潜在能力で今まで受けていたダメージをエネルギーに変換し、クロスチャージショットの連射を可能にしたのだ。
サイケ「わ、私の最高傑作があああああ~~~!!!!」
全リミッター解除したサードアーマーのクロスチャージショットの連射を喰らい、マッドノーチラスは爆散した。
後書き
ハイパーサードアーマー覚醒。
ハイパーサードアーマーはサードアーマーからのハイパーモードです。
ハイパーモードを重ねがけしてるようなもんだから持続時間が半減してしまう。
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