ロックマンX~5つの希望~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
Another9 月と怪盗
前書き
シルバー・ホーンドを倒したエックス達。
マッシモとナナを仲間に加え、レジスタンスのリベリオンに対抗する戦力も整いつつあった。
セントラルタワーのレプリロイド達も、レジスタンスがリベリオン幹部を2体も撃破したことで活気付いていた。
アリア「最近、セントラルタワーのレプリロイド達が活気付いてるね~」
ゼロ「今まで敗戦続きだったレジスタンスがリベリオン幹部を2体も撃破すれば当然のことだと思うがな」
アリア「そりゃあね、よし。エックス君達のフォースメタルのエネルギー調整をしてみたよ。これでハイパーモードの使用時間がもう少し持続出来るはず」
エックス「ありがとうございます。それにしてもお前達まで特別製のフォースメタルを持っているんだな」
マッシモ「ああ、俺のフォースメタルはマッシモ師匠から貰った“ザ・マッシモ”と言ってな。俺の戦闘スペックを底上げしてくれるんだ」
スパイダー「俺のフォースメタルは“ブラフ”って言ってな。相手の電子頭脳に干渉して、相手の視覚とかを誤魔化すことが出来る。」
エックス「へえ…」
スパイダー「昔、ギガンティスでは、高性能な戦闘型レプリロイドには特別製のフォースメタルが渡されるんだ。俺も造られた時にこいつを渡されたんだ。こいつの師匠も多分そうだろ。多分実験的な意味合いが強かったんだろうが」
アリア「外宇宙から飛来したハイパーモードや様々な奇跡を生む神秘の鉱石…ね…」
ソニア[宇宙には色んななのがあるんだね]
アリア「そりゃあそうだよ。200年前には外宇宙のロボットが地球に来たこともあるし。もしかしたら、またロボットが飛来してくるかもよ~?」
ゼロ「勘弁して欲しいな。これ以上の厄介事は御免被る。」
ゼロの言葉にエックスも少し同感と言わんばかりに苦笑していた。
一方、里帰りからギガンティスに向かっていたアクセルとルナは妙な胸騒ぎを感じながらも、リベリオン幹部がいると思わしき施設を探していた。
ルナ「あ…」
アクセル「ルナ?」
突如、ライドチェイサーを停めたルナに疑問符を浮かべながら、アクセルもライドチェイサーを停めたが、ルナの視線の先を見遣ると、かなりの大規模の研究施設があった。
アクセル「どうしたの?」
ルナ「あそこ、多分。フォースメタルの研究者として有名なガウディル博士の研究所だよ!!」
顔を紅潮させながら言うルナにアクセルは…。
アクセル「もしかしてガウディル博士って人に会いたいの?」
ルナ「うん!!ギガンティス屈指の研究者だし!!色んなエネルギー理論のスペシャリスト!!一度会ってみたかったんだ!!ねえ、アクセル!!お願い、ガウディル博士に会わせて!!」
アクセル「仕方ないなあ、じゃあ僕はこの先にあるウルファトってとこで調査してるから。」
ルナ「うん!!行って来ます!!」
ライドチェイサーをガウディル研究所に向かわせるルナに苦笑しながらアクセルも目的の場所に向かう。
そしてセントラルタワーのモニタールームでは、一同全員が集まっていた。
アリア「えっと、今回君達に与える任務はガウディル研究所にいるガウディル君もとい、ガウディル博士に会って、協力をしてくれるように頼んで欲しいんだよ」
エックス「ガウディル博士…ですか?」
アリア「うん、これがそのガウディル君」
モニターにガウディル博士の姿が映る。
ゼロ「カモノハシ?」
アリア「型のレプリロイドね。ガウディル君はギガンティス屈指の研究者で、あらゆるエネルギー理論のスペシャリストだったんだよ」
スパイダー「だったって…現在は?」
アリア「ん~、自分の研究成果の悪用を恐れて、今では政府との接触まで拒み続けてんの。だから…」
ゼロ「大量の侵入者排除のための仕掛けが施された研究所に俺達に行けということか?」
アリア「当たり~☆エックス君がいるんだから警備システム突破は楽でしょ?それにゼロ君は忍び部隊の隊長さんなんだからさ」
ゼロ「チッ…」
舌打ちすると、エックス達は転送システムに乗り込み、ガウディル研究所に向かうのだった。
一方でガウディル研究所に正面から入ってきたルナ。
ルナ「すんませーん。アポイント取ってませんけどガウディル博士いますかー?」
声を出すが、当然反応はない。
ルナ「誰もいない…仕方ない…勝手に見学すっか☆」
帰るという選択肢は彼女には存在しないらしく、ガウディル研究所を無断で見学することにした。
ルナ「やっぱりこの研究所には色んな物があるよなあ…噂で聞いたけど、フォースメタルを精製出来るって言うフォースメタルジェネレータは特に見てみたい!!絶対に見せてもらうぞ!!」
先に進むと警備システムが作動し、レイダーキラーとキラーマンティスが出て来た。
ルナ「ん?ああ、警備システムか。俺の知的好奇心の邪魔をするなら…撃ち落とすまでだ!!リフレクトレーザー!!」
リフレクトレーザーがキラーマンティスの頭部を撃ち抜き、貫通したレーザーは壁に反射して、レイダーキラーとキラーマンティスを瞬く間に殲滅していく。
ルナ「リフレクトレーザーはこういう場所で真価を発揮出来んだぜ♪さあてさあて。フォースメタルジェネレータはどこにあんのかなあ?」
警備システムのメカニロイドを返り討ちにしながら、ルナはフォースメタルジェネレータを求めて、先に突き進む。
それがリベリオンやレジスタンス等の勢力を結果的に助けることになるのだった。
エックス達もガウディル研究所に侵入したのだが、あまりの警備システムの手薄さに逆に違和感を感じていた。
エックス「妙だな、警備が手薄過ぎる」
スパイダー「思っていたより楽そうだ…と思えばいいのかねえ?」
ゼロ「いや、これを見ろ。」
ゼロが指差した先には、焼け焦げた跡のある壁。
マッシモ「かなりの高出力レーザーのようだな。しかも所々に焼け焦げた後がある。恐らく反射レーザーだな」
エックス「反射レーザー……もしかして、いや、まさかな……」
ギガンティス付近にあると言われている違法研究所へのアクセルの里帰りに付き合っているとは言え、彼女がここにいる訳がないと無理やり納得させた。
マッシモ「おい、あれを見ろ!!」
エックス「え?」
マッシモに叫ばれ、前方を見遣ると、ルナが仕留め損なったメカニロイド達がこちらに迫っていた。
ゼロ「どうやら俺達よりも先に侵入した奴が仕留め損なったようだな」
スパイダー「チッ、俺達は後片付けを押し付けられんのかよ!!」
エックス「言ってる場合じゃない!!早くメカニロイドを倒してガウディル博士に会わなければ!!」
ルナの仕留め損ねたメカニロイドの後始末をするような形ではあるが、エックス達は警備メカニロイドを迎撃し始めた。
一方、エックス達とルナとは別方向を進んでいるレプリロイドがいた。
「それにしても、私の他にも客がいるなんてね。」
桃色のアーマーを身に纏う女性型レプリロイド。
彼女は警備システムを簡単に切り抜け、凄まじいスピードで先に進んでいく。
「もしかしたら、私の同業者かもしれない……これは急がないとね。先にお宝を奪われたらたまらないし」
女性型レプリロイドは走る速度を速める。
更に一方で、ルナはテネブラエとグラキエスの変身を駆使しながら、ガウディル博士の仕掛けた警備システムを回避しつつ、フォースメタルジェネレータのある場所を探していた。
ルナ「お?あそこだな♪」
特別なエネルギー反応を発見したルナはフォースメタルジェネレータかもしれないと思い、満面の笑みを浮かべる。
ウェントスに変身して、一気にその部屋に向かうのだった。
ガウディル「クワックワッ!!わ、わしの警備システムがこうも簡単に…シナモンが…フォースメタルジェネレータがああ…」
「ガウディル」
ガウディル「渡さん。シナモンはフォースメタルジェネレータは渡さんクワッ!!」
「ガウディル!!」
ガウディル「ん?サイケか!!何の用だクワッ!!今、それどころではないんじゃ!!あのままではシナモンが…」
ガウディルが背後を見遣ると、リベリオン幹部の1人である高速演算処理人型レプリロイドのDr.サイケがいた。
サイケ「ん?ああ、成る程。こそ泥にでも入られたか。通りで何時もより警備が手薄だったわけだな…ん、シナモンとは確か、フォースメタルジェネレータを搭載したレプリロイドだったな?」
ガウディル「クワッ!!?」
サイケ「やはりそうか…ということは私としてもまずい!!何としてもそのこそ泥より、フォースメタルジェネレータを確保しなければ!!ええい、どこだ!!どこの部屋にいる!!?ここか?この部屋か!!?」
サイケが勝手に端末を操作し、フォースメタルジェネレータを搭載したレプリロイドのいる部屋を探す途中。
ルナの他にも入っていた女性型レプリロイドも映る。
ガウディル「ま、また…侵入者が…」
ルナ「ここだな?グラキエスのエネルギーサーチで反応のあった場所は。失礼しまーす」
部屋に入ると、1体の看護型レプリロイドが不思議そうにルナを見つめていた。
ルナ「あり?」
「えっと…誰ですか?」
見た感じ設定年齢はルナとアクセルと大して変わらないだろう。
看護型レプリロイドは疑問符を浮かべながら、尋ねるが…。
ルナ「人に名前を尋ねる時は自分からってのがマナーだぜって言いたいとこだけど、今回勝手に入ってきたの俺だからなあ。俺の名前はルナってんだ。よろしくな♪」
「はい。私はシナモンです」
シナモンと名乗る少女が満面の笑みでルナに歩み寄る。
ルナ「へえ~シナモンね。可愛い名前じゃんか。あんた、助手か何か?」
シナモン「はい、私博士のお手伝いをしてるんですよ」
ルナ「ほう!!若いのに大したもんだ。あんたさ、フォースメタルジェネレータってどこにあるのか知ってるかい?俺、ガウディル博士やフォースメタルジェネレータとか見たくて研究所に入ったんだよ。警備システムでエライ目に遭ったけどさ」
シナモン「博士なら博士の研究室にいますよ。それからフォースメタルジェネレータならここにありますよ?」
ルナ「マジ!!?どこどこ!!?」
瞳を輝かせながら近寄るルナに、笑みを浮かべながら自身に搭載されたフォースメタルジェネレータを見せてくれた。
シナモン「これがフォースメタルジェネレータです」
ルナ「これがフォースメタルジェネレータ…あんたの身体の中に仕込んでたのか…いくら何でもやりすぎな気がすんだけど……」
シナモン「博士は、自分の研究成果の悪用を嫌ってましたから……」
ルナ「そっか……ホタルニクス爺さんを思い出すな~…ところで後ろにいる奴出て来な」
シナモン「え?」
「あらら、バレちゃったか」
ルナとシナモンが背後を見遣ると、そこには桃色のアーマーの女性型レプリロイドがいた。
シナモン「お友達ですか?」
ルナ「いや、初対面」
シナモンの問いにあっさりと返すルナであった。
シナモン「あ、私シナモンです。初めまして」
「あ、初めまして、マリノです」
ルナ「挨拶返すとは律儀な不法侵入者だな」
マリノ「あんたが言えたことかい。あんたも私とやってること変わらないだろ。まさかS級ハンターが不法侵入とはね」
ルナ「まあ、確かに…ん?マリノ…マリノって確か…」
一応自覚はあったらしい。
シナモン「えっと、マリノさんは何をしに来たんですか?」
マリノ「あんたのフォースメタルジェネレータってお宝を頂きに来たんだけどさ…」
ルナ「まさかフォースメタルジェネレータがシナモンの身体に仕込んでたとは思わなかったと…あんた、怪盗マリノだろ?」
シナモン「怪盗って何ですか?」
ルナ「まあ、簡単に言うなら泥棒だな…普通の泥棒じゃねえけどな。」
シナモン「????」
疑問符を浮かべまくるシナモンにルナは苦笑する。
ルナ「怪盗マリノってのは、今の技術では治せないコンピューターウィルスのワクチンプログラムや新しい技術を貧しい国に存在するレプリロイドに無償でやってる義賊。」
シナモン「じゃあ良い人なんですか?」
ルナ「んー、人格的には良い奴でやってることはアレだから良い悪党か?」
何故かルナはマリノを見遣りながら言う。
マリノ「いや、私に言われても困るよ。それにしても参ったねえ。まさかフォースメタルジェネレータがこんな子に搭載されてたなんて…」
フォースメタルジェネレータを頂きに来たマリノだが、まさか、お目当てのフォースメタルジェネレータがシナモンに搭載されていたとは思わなかったのだろう。
物凄く困り顔だ。
ルナ「流石に人攫いは見逃せねえぞ?」
マリノ「私だって人攫いなんかしたかないよ。こうなったらフォースメタルジェネレータの設計図を奪うしか…」
どうにかしてフォースメタルジェネレータを手に入れたいマリノは設計図を頂くことにしようかて考えを決めた時であった。
シナモン「危ない!!」
ルナ「っ!!うらあ!!」
背後からの攻撃をレーザーで相殺するルナ。
サイケ「こそ泥かと思ったら、あのS級のイレギュラーハンタールナとはな。」
ルナ「おい、誰だよあいつ?シナモン、あんたの知り合いか?」
シナモン「いいえ」
ハッキリと断言するシナモン。
代わりに答えたのはマリノであった。
マリノ「Dr.サイケ。今ギガンティスで暴れ回っているリベリオン幹部の1人さ…。こいつはエライ大物に出会しちゃったね」
ルナ「リベリオン…あの反乱組織の幹部…そいつがシナモンに何の用だ?」
サイケ「ガウディルの奴が何度説得しても聞き分けがないものでな、そこの小娘を人質にすれば、奴も少しは従順になると思ってなあ…」
嫌みな笑みを浮かべながら言うサイケに、ルナはこめかみに青筋を浮かべた。
ルナ「ふざけんなこのイレギュラー!!イレギュラーハンターとして見過ごせねえな!!」
サイケ「ほざくな小娘!!イービルブラスター!!」
ルナ「ダブルリフレクトレーザー!!」
サイケのイービルブラスターとルナのダブルリフレクトレーザーがぶつかり合う。
威力はダブルリフレクトレーザーが上だったらしく、サイケは勢いよく吹き飛んだ。
ルナ「い、痛え…やっぱ俺の力じゃダブルリフレクトレーザーは反動デカ過ぎか…」
シナモン「だ、大丈夫ですか…?」
ルナ「ああ、ていうか…あんた逃げろよ…狙いあんたなんだから…」
マリノ「というか、あいつどんどん手下を出してきたね。こりゃ逃げないとヤバそうだ」
ルナとシナモンを抱えて走り出すマリノ。
ルナ「す、凄え…俺とシナモン抱えて…」
マリノ「これでも戦闘型…しかも格闘特化型だからね。あんたら軽量型を2人担ぐくらい訳ないさ。と言うわけで今回は見逃してくれよ?」
ルナ「はいはい、俺は何も見てませーん。偶然通りすがったマリノに助けられましたと。命救われて仇で返したくねえもん」
マリノ「そうこなきゃ♪」
ルナとシナモンを抱えたマリノは出口を目指して駆けるのであった。
後書き
殆どオリジナルです。
ページ上へ戻る