デュラララ!! cross,world≠異世界の狂者達の宴
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
立場逆転
前書き
前回の続きです!
夜の静けさ、俺は好きだよ。
普段は人の騒めき、人の足音、人間の鼓動音等を人間好きの折原 臨也の耳は自然とかき集め、人間達の様な長所や短所を調べる。人間の生態系を読みあさり人間の行動、仕草を動作を記憶する事で優位な関係を築き上げる為の知識を覚える事を惜しまない彼は、昨日の出来事を調べる作業の真っ最中だ。
スマホの中身は殆ど死んでるねーシズちゃん…………死ね。
あぁ~俺って優しいね~myスマホ壊されても「死ね」って思っただけだ。心の綺麗な清らかな人間だね~ホント俺ってもっと人間から愛されても良いと思うんだけどなー。
原型を失ったスマホのデータは殆ど消失。
残ってるのは昨日撮った写真とメールのみ…………パソコンとスマホのデータ同期すれば良かったな。
結局、記憶の混乱は数日経っても治らなかった。
首元の切り傷と折られた鼻は、一体全体なんで何故、こうなったのか理由は原因は定かじゃない。
訳の解らない事ばかりだよー。俺は結局の所なんで大怪我してんの?
上条 当麻は唖然する。
目の前の光景を目の前の人間を目の前の出来事を。
「あぁー黒バイクか」
平和島 静雄は見慣れてるのか普段と変わらないテンションで言った。
「静雄さん…………結構普通のリアクションですね」
「? あぁー見慣れてるからな」
「見慣れてるって…………結構有名なんですか?この池袋だと?」
「都市伝説レベルのなーまぁ、どうでもいい」
そう言って平和島 静雄は歩み続ける。
青信号の交差点をゆらりゆらりと歩き、平和島 静雄を知っている人間はその存在を恐怖する様に小さく悲鳴を上げた。
「静雄さんはこれからどうするんですか?」
「今日は休みだしな~一旦帰って…………待てよ、そーいやお前の服ボロボロだな」
真っ白だったシャツは砂や壁の塗装で汚れ、所々破れかぶれで、ズボンは片方半ズボン常態…………周囲の視線はまぁ、上条 当麻の服装に向けられる。
平和島 静雄は一瞬考え悩むと。
「ちょっと付いてこい」
「え、あ、ハイ!」
ダイエットってのはさぁ、続けられるか持続できるのかを試される試練だと俺は思うね。
明日からダイエットを始めるぞ! とか言っても翌日、明日から始めるぞ! と言って結局続かない人間は普通の人間だ。
普通は続かないよ? 続ける努力は重要だ。でも、我慢する事を嫌った人間には重たいねぇ~。
まぁ、俺は男だし。太りにくい体質なんだけどさー太ってる奴は大抵、自分の事を普通だと思ってる奴が多いね。
自分がデブと自覚して自分をデブと言いはれる人間を、俺は知らない。
異常を普通と勘違いするってのは自分が特別なのか周囲の環境が異常なのかの二択だ。
俺はダイエットする事を望まないし。自分が特別な存在と思い込みたくない。
でも、まぁ…………思っちゃてる時も有るけどね。
俺は人間だ。普通の人間だ。特別な人間じゃない。
でも、人間は人は望むんだ。自分は特別な存在だと自分は他の人間より優れているとさぁ。
望むのは勝手さ。でも、自己満足を他人に押し付ける奴は嫌いでね。
エリートぶってる奴ほど案外心は脆いんだよ。俺の場合は勘違いや、気分の問題で変わるけど俺は、俺だし他人は他人だ。俺の価値観と《人間》の価値観は違うのさ。
人間の数だけ価値観は違うけど俺の価値観は案外チープなのかも知れない。
他人と自分を比べても価値観はそれぞれ、全部の共有は不可能だよ。でも、その不可能を可能だと主張する人間が居れば君は、どうする?
全ての価値観を矛盾点を書き換え、置き換え、人間の断りを破った人間が、池袋の街をさまよってたら…………君ならどうする?
うーん…………そうだね~俺なら………………。
細身の美少年は池袋の街を歩き、とある結論を出した。
――――この街は、歪んでいる。
歪み、人間の栄える大都市は慣れている。
だが、人間以外の生物を見たのは初めてだ。
漆黒のバイク…………首なしライダーの正体をルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは知っている。
強制参加の殲滅戦の作戦指揮官を務めるルルーシュは池袋の街を探索し、至る所に罠を張り巡らせ準備を着々と進ませている。
他のメンツは信用するより自分の能力で駒を進ませる方針でルルーシュは進ませるが、作戦は案外簡単なきっかけで失敗する。
―――折原 臨也…………奴は、私の手で殺す。
最大の屈辱だ、死ぬより屈辱的だ。
アイツは歪ませた。俺の揺るがない結果を歪ませた。
その罪は重いぞ。折原 臨也………………俺の戦術とお前の戦略の差を教えてやる。
何故、ルルーシュは折原 臨也を狙うのか?
その理由は極々至極、簡単で理不尽で曖昧な理由だ。
折原臨也とルルーシュはある意味、似ているからだ。
彼等は利用する、自分の為に。
あぁ、彼等を繋ぎ狂わせる運命の糸は結ばれる。
利用される側と利用する側、その決まりを破壊する不幸少年はその頃、人生初のバーテン服を着用していた。
慣れないネクタイと服は息苦しさを感じさせ普段と雰囲気と変わった雰囲気と印象を与えていた。
「へぇー案外似合ってるな」
「そ、そぉ……ですかね」
借物のバーテン服のサイズは着たらびっくりぴったりだった。
何でも一着だけサイズの合わないのバーテン服が余ってるからやるよって事なんだが、慣れるのは当分先だな。
「さぁ~て腹減ったし飯でも食うか?」
静雄は携帯で時間を確認し呟いたを
「ですです!俺、無茶苦茶腹減ってました!」
「なら、露西亜寿司だなー今日は色々とスキッリしたし奢るよ」
「えっ…………でも、」
「遠慮すんなよ、ガキは大人の好意には甘えるモンだぜ」
二人のバーテン服は池袋の街を歩き、不幸の能力と無能力《最強の肉体》は語り合った。
何故、上条 当麻は別の世界…………異世界の池袋にやってきたのか。
何故、上条 当麻は不幸なのか。
何故、別の世界の状況を把握しているのか。
「オー、シズオーイラッシャイネー」
黒人の店員は変だった。
そりゃぁ露西亜寿司って名前の寿司屋も変だけど店員は片言の日本語で接客するし店長らしきオッサンは怖そうだし。でも、中は案外普通かもと思った矢先。
「オットー、見ない、顔ネー」
黒人の店員は上条を見るとふむふむと呟き、笑った。
なんだろ…………なんか解ねぇけど見透かされてる様な。
心の底を見られてる様な錯覚を感じ、一歩後ろえ下がると…………奇妙な視線を感じた。
背後から見られてる? な訳ねぇよな~店の中はスッカラカンの状態で客は俺と静雄さんだけだし。
「あぁ、コイツは俺の…………うーん。
待てよ…………俺とお前の関係ってなんだ?」
「言われてみると、そうですね」
「まぁ、じゃあ、後輩だ。
そうだ後輩だ、それでOKだ」
適当な決定で静雄はカウンター席の中央に座った。
なら、俺もっと。上条は静雄の隣の席に座り、店内を見回した。
「珍しいか?」
今度は怖そうな白人店長から声を掛けられた。
「珍しいって訳じゃないですけど…………寿司なんて久々だなーって思いまして」
しかも回る寿司じゃなくて回らない寿司屋なんて人生で初めてだ。
まぁ、珍しいでも間違いじゃないが。初めての体験で緊張の様な感じた。
「そうか、ならたらふく食ってけ」
静かな笑顔で白人店長[怖そうなオッサン]は言った。
てか、日本語ペラペラだな。黒人の方の店員はまぁまぁって感じだけどオッサンはペラペラ過ぎて凄いぞ。
うちの腹ペコシスター様も日本語ペラペラだけど…………なんだろな~やっぱり英語とか覚えた方が良いのかな?
「今日のおすすめは?」
予め置かれていた手拭きで手を拭きつつ静雄は言った。
「………………大トロだな」
「おし解った。
なら、一番安ぃコースを頼むぜ」
「あいよ」
即答だった。
間の空いた返答で察したな。
あぁ、でも、大トロは…………いやいや! 奢ってもらうんだ! 安かろうが高かろうが関係ネェ!!
でも、でも、でも…………ほんのちょっぴり残念な上条だった。
「オー、自己紹介をワスレテタネェー、ワタシ、サイモンネェー」
「ぁーはい…………上条 当麻…………です」
大トロを逃しテンションdownの上条さんの声は弱々しく儚げない。
でも、そんな小さい声を聞き。サイモンは。
「トウマ……トウマ、ウーン、イィナマエ!」
…………天然ボケなのか、態となのか。
中途半端な日本語をインデックスと似てる気がする。
でも、アイツは日本語ペラペラで完全記憶能力の持ち主だ。
似てるって言っても曖昧だ。まぁ、なんか雰囲気似てるな~程度の黒人はニコニコと笑顔で接客する。
あーインデックスも、あんな感じでニコニコ家の手伝いしてくれたらなー。
「………………・・・・・・・・・¨¨゚゚゚゜」
店の前かな、外からブツブツと声が聞こえる。
喧嘩してるのか会話は荒々しい。喧嘩の理由は知らないが、痴話喧嘩か通行中ぶつかったって所だろ。
店の前で喧嘩なんて店の売上下がるんじゃね? と思った瞬間。
「リッボ――――――――――――ン!ッ!!!!!!!!!!!!!!!」
露西亜寿司の扉は半壊した。
復活の言葉は池袋の街を揺るがし奴は吼えた。
「死ぬ気で!!平和島 静雄をぶっ倒すッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
第二の来訪者 家庭教師ヒットマンリボーン
ダメダメ中学生 沢田 綱吉。
彼は、少年は突き進む。失った物語を紡ぎ止める為、竜ヶ峰 帝人をぶっ倒す為。
そろそろ役者は揃ったかな?
・・・・・・頭数は足りないねぇ。でも、腑抜けた彼等を叩き起すなら十分かな?
まぁ、ゲームを楽しむなら頭数を揃えて完全な状態で完膚なきまでに、叩き潰すよwww
歪みは別の新たな歪みを生させ、誘惑は誘惑を誘惑するよ。
物語は集結する、常識を外れ、非常識は常識へ戻る。
非日常を日常と感じる彼等へのプレゼントだ。最高の非日常と最大の非日常を受け取ってくれ!
物語達は融合するよ、時間は一刻の猶予すら残らないよ。
始まるよ、終焉の宴の前菜《折原 臨也の袋叩き》がね。
死ぬ気中学生は死ぬ気だった。
命を源を輝かせ人間のリミッタを外した彼は民衆の前で―――――――
「俺は死ぬ気で平和島 静雄を!!!ダラーズをぶっ潰す!!!!!!!!!!!!!!!!」
露西亜寿司は半壊...…当分、営業は無理だな~って感じの破損は周囲の人間の注目を浴び、ある者は乱闘と、ある者は爆発と、ある者は満面の笑みで。
その状況を楽しみ、唖然する。
待ってたんだ……コレを。普通じゃぁ味わえないスリルを現実を超越する興奮を。
状況を読み込めない、理解できない人間達は彼らの考える事を理解する事は叶わない。
解るのは普通じゃないって事だけだ。
上条 当麻は理解する。慣れた出来事だ、目の前の光景を見ても驚かない。
魔術師や一方通行と比べれば目の前の出来事なんて些細な事だ。
そんな些細な事を目撃した上条は・・・・・・・・・。
「まぁ、なんだ―――――服、着ろよ」
折原 臨也は傲慢だ。怠慢だ、強欲だ。
彼を知る人間なら知っている。奴は糞野郎で、変態で、人間好きだ。
自分を特別な存在だと、自分は選ばれた人間だと彼は自負する。でも、自負すると同時に、それを否定する。
「俺は人間さ、人間好きの普通の人間なんだよ」
普通の神様…………平凡の神様――――アイツを殺す権利をくれ。
イライラすんだよ、アイツの言葉は。アイツの存在は。
薄々、俺は気付き始めた。
今回の事件…………奴の仕業だと。心の中で、奴のアホヅラを思い浮かべる。
―――――――ぶっ殺す。
―――――――――――殺す、殺す、殺す。
――――――――――――――――…………¨¨¨¨・・・・
死ぬ気で・・・・・・・・・静雄を倒す?
無理だろ? 勝てる訳ねぇじゃん。奴は人間を超越した化物だぜ? 例えるならスーパーマン・・・・・・それ以上だな。
人間じゃねぇよ、強ぇ以前の問題だ。殺されるか半殺しの二択だよ。
機嫌が良ければ半殺し、機嫌が悪けりゃ・・・・・・・・・殺されるな。まぁ、実際の所、静雄の奴が人を殺したなんて噂話は拡がってるが、所詮は噂だ。
アイツ、根はイイ奴なんだぜ? それは保証する。でもなぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・あっ、やべー結構長話しちまったな~ものの数分で終わると踏んで話ちまったが、こりゃ~参ったねー。
ともあれ平和島 静雄は善人なんだよ、基本的には。
でも、怒らせるな。逆鱗に触れるなよ。
触れたら最後、お前は死ぬぜ?
死ぬ気のアッパーは静雄の顎を掠めた。
死ぬ気の蹴りは静雄を吹き飛ばし荒れる。荒れる。荒れる。
「静雄さん!」
上条は叫んだ。
ハイレベルな喧嘩―――――違う、喧嘩なんかじゃない。
その光景は化物と化物の争いそのものだ。
「死ぬ気で倒す!!!」
奴らの拳圧で建物を揺るがしビルや店のガラスは割れた。
拳圧でだ、人間じゃぁ到底不可能な芸当を軽々くやってのける化物達は暴れる。暴れる。暴れる。
止めるなんて不可能だ。人間の力じゃぁ止められない。
上条は考える。
アレは異能の力なのか? 異能なら幻想殺しで…………でも、その痕跡は―――――あの額の炎はなんだ?
トランクス一丁の少年の額、炎が灯ってるぞ。
上条 当麻は知らない。
死ぬ気の人間の生命力を濃縮、圧縮した高出力エネルギーだ。
幻想殺しの効果は異能の力のみ。死ぬ気の炎は生命エネルギー、打ち消す事は不可能だ。
不便だが、便利な右手は本物の超電磁砲を掻き消す事はできない。
超能力で発射された超電磁砲なら可能でも、元々の根本的理論は違うのだ。
発射する仕組みは同じでも発射する過程の中で、超能力が使用されてるか機会任せの問題で上条の右手は左右される。
よって幻想殺しは死ぬ気の炎を打ち消す事は不可能なのだ。
「クッソ………………役立たずだな、俺って」
静雄は遮蔽物を利用し避ける避ける。でも、それだけだった。
反撃する隙は合った。攻撃する余裕は無かった訳じゃない。
なら、何故だ? 余裕なのか?
死ぬ気の炎を灯した少年と平和島 静雄は押し留まった。
力は互角――――なら、技量で左右される。
静雄は喧嘩慣れしてるのは一目瞭然だ。だが、トランクス一丁の少年は喧嘩慣れしてるよりは直感で動いてる様な動作だ。
獣の様な…………荒ぶる少年は額の炎を揺らし拳を振るった。
静雄は常人を超えた脚力で回避、距離を取った。建物を利用し逃げる避ける回避する。
肉体的スペックも互角だ。
距離を取っても死ぬ気の少年は常人を超えた脚力で静雄の一手先を進む。
ほぼ互角の肉体同士の衝突は爆弾そのものだ。
ガードレールを引っこ抜き投げる。自動販売機を持ち上げ投げる。店の看板やゴミ箱を投げる。投げる。投げる。
投げる。投げる。投げる。投げる。投げる。投げる。打撃戦から中距離~遠距離戦に変わった。
「オラァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
自動車をぶん投げた!?
「ぶっ倒すッ!!!!!!」
蹴り返した!?
化物達の怒涛は繰り返され宴は終える。
表札やバイク等を使った近距離戦や殴り合い。互角の彼等の決着を付かず離れずの『喧嘩』は池袋の街を狂わす。
計算された喧嘩の先は精算的だった。
「最初の予定よりズレた結果だけど進む道は一本道だ。
なら、収束点を目指せば寄り道しても。いずれは目的地で逢えるんだよ」
元凶は笑った。
予想以上の結果に、予想以上の功績に。
まさか…………沢田 綱吉の死ぬ気モードと互角なんてね。
平和ボケした奴らだと思ってたけど案外やるね。見直したよダラーズ――――いや、日常を嫌った人間達。
上条 当麻は幻想殺しの効果を発揮できず自分の不甲斐なさに自分を責めてるね。
まぁ、首無しライダーや妖刀『罪歌』だと発揮するけど上条 当麻はアチラ側ダラーズ勢力の仲間入りするだろうし今の所はパスだ。
折原 臨也も現在はパス…………でも、要注意人物だからルルーシュ頼むよ。
他の奴等の仕事は順調かな? この調子だと仕事ベースが遅れちゃうよ。
限られた資材を有効活用するのは天才? 違うな~違うんだよ。限られた資材を有効活用するんじゃなくて限られた資材を大胆に! 凡人の想像と推測を超えた可能性を! 僕達は叶えるんだ!
彼等の夢を、彼等の願望を! 彼等の理想を!
資材を無駄使いするのも一興だ。使える物はなんでも使うよ。
例え――――骸の山を積み上げてもね。
折原 臨也は携帯の電源を入れた。
ぶつぶつと独り言を呟きつつ彼は愚痴った。
―――――あぁ、俺の知らない。
――――――俺の知らない…………可能性。
――――――――巫山戯るな、糞野郎ども。
人を支配する側の人間だった彼は抜かれた。抜かされたのだ。
優位な者は不利な状況を知らない。当然だ、優位な人間は不利な人間の心境を知らず生きている。知らないのも当然だ。でも、その状況はノミ蟲野郎の考え方を変える《きっかけ》となった。
ドンッ。
歩行者とぶつかった。
臨也の完全な不注意だ。
満面な笑みで謝ろうと振り返ると―――――――。
「やっと会えたな、折原 臨也」
聞き覚えのある声だった。
――――――知ってる様な声だな。でも、誰だ?
てかさぁ、この感じだとアチラさんは態とぶつかってきたって感じじゃん。
俺に恨みを持ってる奴か。俺の命を狙ってる奴か…………意味合い的に変わんないねぇー。
まぁ、カマをかけてみるか。
「あのー。ごめん、俺って君と会った事有るかな?」
「会った事有るかな? その調子だと貴様、忘れたな」
「忘れた? 何を?」
フードを深く被った少年は右手で右目を隠し告げた。
「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる」
知ってる、知ってるぞ。
「貴様は―――――――」
知ってる。知ってる。知ってる。知ってる。
「――――――――死」
思い出した。
「ノミ蟲ッ野郎!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
直後、折原 臨也は宙を舞った。
脳裏を過ぎった記憶の断片は痛みと引換に消え去り彼は地面に叩き付けられた。
「あぁ~~~~~~~~~」
青年は満面な笑顔で。
最高の笑顔で。
すっきり感を表した最高の満面な笑顔で。
「初めてだ―――なぁ、臨也くんよぉー」
隣で引きつった笑顔で上条 当麻はその現場を見届ける。
助けようと一瞬思ったよ。でも、助けられないよ。
善意の問題じゃない。人間の深層心理だ、不可解な心境だ、曖昧な俺の思考回路の問題だ!
「すっかりするぜー。あぁーすっかりした」
一度に大量のニコチンを摂取したニコチン中毒者の様に。
「初めてじゃねぇか? 俺がお前をぶん殴るなんてよー」
ページ上へ戻る