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幸運E-のIS学園生活

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使えるものは使おうかな

「大小合わせて56の負傷、右腕、左足は複雑骨折。意識不明か………そんなになるまで、一夏と篠ノ之の為に戦ってくれたのか……心」

旅館の一室では人一人があっさりと納まるほどに巨大なカプセルが設置され、その中には銀の福音と激戦を繰り広げながらも撤退する一夏と箒の命を守り続けた衛宮 心が横たわっていた。人工呼吸器が装着させられ、束特製の生命維持装置によってなんとか命を繋ぎとめている状況だった。

「馬鹿者が………誰が其処までになるまで戦えと言ったんだ………私は言った筈だぞ、無事帰って来いと………」
「ちーちゃん」

立ち入り禁止になっているはずその部屋に心の(マスター)である束が入室してきた。その手には大きめのブレスレットがあり、それを治癒カプセルにセットした。

「それは?」
「こっくんの体内にあるナノマシンを活性化させるプログラムと新しいナノマシン。これでもう何度目だろう、ナノマシンの投与は………」
「ナノ、マシンだと?」

千冬は心の体内に超小型の機械群が入っていることを聞き、再び心を見つめた。活性化させるプログラムが入力され、新たなナノマシンが打ち込まれた事により彼の身体は異常ともいえる速度で傷が癒えていき、複雑骨折した骨も修復されていく。その光景を目の当たりにする千冬は言葉を失い、もう見慣れているような束は複雑そうな顔を作って見守っている。数分すると心は目を開き、カプセルを押し上げるように開けながら身体を起こす。

「ぁぁぁぁぁ………やっぱり何度やられても慣れねぇや、ナノマシンの急速活性後のこの気分の悪さ………」
「起きたこっくん?もう、心配させないでよ……」
「はははっすいません。それでまた新しく入ったんでしょ?これでどの位になります?」
「もう、腕一本分ぐらい」


「そう、ですかぁ~。もう俺人間じゃないと思うんですけど?」
「それ今更だね~」

ですよね~、まあ解ってた事だし気にすることは無いけどね。平穏とか色んな物を諦めた俺は強いのです!!

「あっでも束さんを心配させたんだから罰として茄子とこんにゃくをいっぱい食べてもらうよ?」
「ナ"ス"は"嫌"い"な"の"で"す"!!」
「拒否権はありません!」
「そんにゃ~!!!!」

ナ、ナスだけは勘弁を!!こんにゃくはなんとかなるんです!!あれはなんとかなるんですから。ナスだけはぁあああああああああ!!!!!!!

「待て待て待て待て!!何処から突っ込むか考えるから少し待て!!まず衛宮、お前は如何して直ぐに動けるんだ!?完全に重傷だっただろう!!?」
「あ~、束さんお手製のナノマシンのせいです終わり」
「なら納得せざるをえんな………次だ衛宮。つい先程だが銀の福音が大破に近い状態で発見された。操縦者は怪我を負ってはいるものの軽症で無事だ。そして、お前はあの福音が可笑しいという事に気づいていたのだな?」

あっ~やっぱりその質問来ますよね?まあそうだろうね、千冬さんに思いっきり

"良いから!!あれは俺じゃないと手に負えない!!"

って言っちゃったから俺があれの正体っというか本来の福音でないことに気付いているって解るよね?にしてもなんであんなもんがあるんだ?あれって如何見てもあれだよな、黒化英霊。そうすると自動的にこの世全ての悪(アンリマユ)に汚染されているかクラスカードの二択になるんだけど、俺が痛みわけになった最後の一撃の後、俺に手にはカードみたいな感触があった。っつう事は自動的にクラスカードになるな。面倒くせぇ事態になったぜ。

「ええ。知ってます、あれがどれだけ危険でこの世界に相応しくない事もね」
「………お前の知っている事を全て話せ」
「了解、んじゃその前にいっちー達を呼んでいただけます?あいつらにも聞いてもらう必要があります」


「「心大丈夫なの/なのか!?」」
「お兄様大丈夫なのですか!?」
「だいjry」

まあ皆からの心配の声は割愛で

「私の台詞が途中でカットされてません!?」

まあ、尺の都合だ。


「では話そう。まずは俺という存在の事から話さないといけないかな?」

まずは皆に俺の事を説明した。ゲイ・ボルグ、無限の剣製という特殊な力を持ってこの世に生まれた事。自分が人間以上の力を秘めていること。魔術を身に付けていることを全て話した。まあ転生自体は話してはいない、説明が面倒だし納得もしないだろう。

「ま、魔術って………言われてもなぁ………魔法とどう違うんだ?」
「そうだな、魔術とは常識的な現象を非常識な手段で引き起こす、魔法とは非常識な現象を非常識な手段で引き起こす事だ。大体はこれに当てはめる事が出来る」
「え、え~っと?つまり如何いう事だ?」
「わ、私に聞かれましても……」
「例えるのはかなり難しいが、そうだな………魔術がライターの火を増幅して、通常では考えられないような大火事を起こす物なら、魔法は手を叩いただけで街を2,3個を焼き払えるほどの事が出来るって所か」

例えとしては不適切かもしれないけど、魔法が魔術よりも遥か上の存在であるという認識を持ってくれればそれで十分だ。

「と、取りあえずとんでもないって認識をしておくぜ………」
「ああ、それでいい」
「それで魔術というものはどのような物があるのですか?」
「そうだな、同調開始(トレースオン)

干将を投影っと。

「っ!?な、何!?何が起きたの!?いきなり剣が心の手の中に!!?」
「こ、これが魔術なの衛宮君!?」
「そうだ、こいつは投影魔術。俺が一番使う魔術の一つだ」
「投影、魔術」
「オリジナルの偽物を、魔力で物質化させる魔術さ。前に俺が織斑先生が使ってた初代雪片を使ったろ?」
「あ、ああ私とお兄様が戦った………もしかしてあれも!?」
「そっ。俺が作り出した贋作だったってわけ」

そりゃ驚きますよね、雪片かと思ったら結局贋作だったんだから。

「じゃ、じゃあ心の投影は本物は作れないって事なのか………?」
「そういうこった、だが確かに俺が作り出せる剣は偽者だ。だけど偽物が本物に勝てねぇって通りねぇんだぜ?」
「な、成程………」
「衛宮、お前の力の正体は理解出来た。福音に起きた原因は解っているのだろう?」
「ええ、まあ憶測なので確実とはいえませんが間違いは無いと思います。束さん、俺カードみたいな奴持ってませんでした?」
「あっうん持ってた持ってた!これでしょ?」

そうそうこれこれ、やっぱり騎乗兵(ライダー)のクラスカードだ。にしてもこれってプラズマイリヤの奴だよな?これがメデューサだから他の英霊も面倒くさい事極まりねぇな。第五次の英霊ってとんでもない奴らばっかりだからなぁ。

「こいつが福音を狂わせた原因です」
「カード……?何か描かれてるけど」
「Riedr、騎乗兵と書かれていますわね」
「こいつはクラスカード、英霊と呼ばれる者の力が宿った危険なカードだ」
「英霊………確か、心の宝具って奴の話に出てきた英雄の死後の魂の行き着く場所の一つだっけ?」
「そうだ、このカードには特定の英霊の力が宿ってる。こいつ、ライダーのクラスカードに宿っているのはギリシャ神話に名高いゴルゴン三姉妹の末妹、メデューサだ」
「『『『『メ、メデューサ!!?』』』』』

良い反応だねぇ。

「ちょ、ちょっと待って心!」
「ん、どったのリーリー?」
「英霊って英雄の死後の姿みたいなものなんでしょ!?なんで怪物が英霊になってるの!?」
「英霊っていうのも人括りに出来ねぇものもあるのさ。忌み嫌われ、恐れられるあまり崇拝の対象となったもの。自らの悪行によって、結果的に世に善をなした者がなるのが反英雄と呼ばれる存在だ。面倒くさいがな」

英雄と反英雄。俺が敬愛するランサー兄貴ことクー・フーリンが英雄であるように、そんな英雄によって倒れた事で結果的に善をなしたのが反英雄。魔王みたいな奴らが反英雄って事になるな。

「何か質問は?」
「え、えっとじゃあ」
「簪嬢」
「今のカードにはライダーって書かれたけど、他にも種類があるの?それと何でISに融合してたの?」
「まずは最初の質問だな、カードは恐らく7種類。残っているのは剣士(セイバー)弓兵(アーチャー)槍兵(ランサー)魔術師(キャスター)暗殺者(アサシン)狂戦士(バーサーカー)だ」
「ま、まだそんなに………」
「特にセイバーとバーサーカーが鬼門だな。俺で勝てるかどうか………それと二つめの質問は解らない。たぶん動く為の身体としてISを選んだろうけど………ライダーはいっちーの生命力を自らの魔力に変換してたから、自分が現界出来るだけのエネルギーを確保する為に融合したんじゃないかな?」


そうだとするなら状況はやばいな、この世界において魔力の持っているのは俺だ。恐らく、これからもクラスカードは俺を狙って行動してくる。手を打つ必要があるな………

「シャーリー!」
「はっはい!?」
「天の杯の連絡先を教えてくれ」 
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