八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第四十八話 音楽の神様その十二
「だから行こうね」
「それじゃあね」
「すぐに制服に着替えてくるわね」
「そうそう、うちの学校は登校の時は制服だよ」
このことは校則で決められている。
「それかジャージか部活のユニフォームだよ」
「そのことはしっかりしてるわよね」
「制服は色々あるけれどね」
「それでも制服は着ないと駄目よね」
「それかジャージだよ」
「あと作業服ね」
工業科や農業科では学校指定の作業服もある、こちらも色やデザインは色々とあってカラフルな状況になっている。
「あれでもいいのよね」
「そうだよ、けれどね」
「絶対によね」
「制服かそういう服じゃないと登校したらいけないから」
「だから着替えてくるね」
その制服にというのだ。
「そうしてくるね」
「うん、それじゃあ僕も着替えてくるから」
「アパートの玄関で待ち合わせしよう」
「それじゃあね」
待ち合わせ場所は美沙さんから指定してきた、そしてだった。
僕は美沙さんと二人で学校のコンサートホールまで行くことになった。それで自分の部屋に戻って制服に着替えてだ。
八条荘の玄関、正門のところに行くと。
もう美沙さんが待っていてだ、僕ににこりと笑って言って来た。
「じゃあ行こうね」
「あれっ、もうなんだ」
「そう、着替えたのよ」
「着替えるの早いんだ」
「あれっ、知らなかったの?」
「知らないよ」
僕は美沙さんにすぐに答えた。
「そうしたことまでは」
「そうだったの」
「うん、ちょっとね」
「そうなのね、けれど実際ね」
「美沙さんは着替えるの早いんだ」
「だって北海道生まれよ」
美沙さんはそこに理由を出した。
「だからね」
「北海道だから?」
「寒いじゃない、だから冬は服沢山着ないといけないけれど」
「それはわかるけれど」
「服を一杯着るけれど時間急ぐ時もあるじゃない」
美沙さんはそのケースを話に出してきた。
「朝とか」
「あっ、それでなんだ」
「そう、服を着る時間が短くないとね」
「いざって時遅れるから」
「それで服着るの早いんだ」
「私の場合はそうなのよ」
「成程ね」
僕は美沙さんのその話を聞いて納得した。
「そうした事情だったんだ」
「そうなのよ、だからなの」
「北海道って寒いからね」
「もう凄く寒いわよ」
「神戸よりもだよね」
「あっ、全然よ」
比較にならないという返事だった。
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