八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第四十六話 勝利祈願その八
「そうしたのが」
「いえ、わたくしは」
「見えないの」
「残念ですが」
「そうなのね、僕もそうだよ」
ニキータさんもだ、そうした存在はというのだ。
「見えないよ」
「そうですわね、見えたいと思いますが」
「そうしたのは仕方ないよ」
「見える方とそうでない人がいることは」
「こういうのはね、ブラジルにも見える人いるよ」
ニキータさんは陽気にこうした話をだ、円香さんにした。
「神父さんとかにもね」
「ゴーストバスターですね」
「うん、いるよ」
「それも公式に」
「そうなんだよね」
「えっ、ゴーストバスターが公式になんだ」
僕は二人のその話を聞いて目を瞬かせてだ、円香さんに尋ねた。
「認められているんだ」
「はい、ローマ=カトリック教会に」
「そうなんだね」
「驚かれましたね」
「ちょっと、いやそれ以上にね」
そうだとだ、僕は応えた。
「公式になんだ」
「そうです、そして悪霊や悪魔と戦っています」
「そうなんだ」
「よく存在が否定されますが」
「悪霊とか悪魔も」
「悪魔と言えばキリスト教の存在ですが」
しかしというのだ。
「邪な存在と思えばです」
「それでいいんだ」
「はい、悪霊も悪魔もです」
そのどちらもというのだ。
「この世に存在しています」
「うん、わかるよ」
「信じて頂けますか、わたくしの今の話を」
「だってこの学園そうした話が多いから」
所謂怪談話がだ。
「それこそ七不思議どころじゃないよ」
「そういえば多いですわね」
「うん、何十いや百位あるかな」
この学園全体でだ。
「幽霊も妖怪もね」
「そうした話が多くて」
「例えばね」
ここで僕はたまたま目に入ったガジュマルの木を指差した、沖縄から持ってきて植えている木だ。だから他の木とは明らかに違う。
「あのガジュマルの木にも話があるし」
「キジムナーですわね」
「あっ、知ってるんだ」
「沖縄の妖怪ですわね」
「うん、沖縄の妖怪で」
それでとだ、僕は円香さんに話した。
「ガジュマルの木に住んでいて魚の目を食べるんだよね」
「そう聞いてますわ」
「あの木にキジムナーが住んでるっていうね」
「あのガジュマルの木にも」
「そうね」
「へえ、そうなの」
ニキータさんはその木を見つつだった、両手を頭の後ろに組んで言った。
「あの木に妖怪いるの」
「見たって人も多いよ」
「いないよ」
ざっと見てだ、ニキータさんは僕に答えた。
「そういう感じのが」
「ああ、向こうも隠れてるから」
「そう簡単にはなの」
「見付からないから」
こうニキータさんに話した。
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