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ソードアートオンライン 黒紅の騎士と紫紺の剣姫

作者:ルキウス
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現実から仮想への旅立ち

 「これは、ゲームであっても遊びではない。」
その一文は、今まで冷めていた俺の心に火を点けた。ソードアートオンライン―通称”SAO”と呼ばれるVRMMOのプラグラマー茅場昌彦の名言だ。

「・・・おーい。あー君起きてるー?」
自室で、SAOのゲーム記事を読んでいた俺は廊下から聞こえてた声に盛大な溜息をついて部屋を出て声の聞こえた方向ーリビングへと足を進めた。
「姉さん。そのあー君って呼ぶのやめてくれない?俺もう高校生だよ」
あーくんこと五十嵐秋人は、自分の姉である五十嵐冬花に向かってそう答えるが。
「えー、あー君って可愛いじゃん。ねーなっちゃん?」
彼女は、可愛く頬を膨らませてぶーって唸りながらも同室にいるもう一人の女性に尋ねた。
「うーん。可愛いけど、僕としては秋人くんの言う通りやめてあげたら?」
ソファーに座って、ハードカバーの本を読んでいた女性ー東雲夏希は本から目を離して苦笑いしながら冬花の質問に答えた。
「・・・姉さん。反対2賛成1だからあー君って呼ぶの禁止ね」
 夏希さんの言葉を反対の意見とした俺は、姉にあー君と呼ぶことを禁止させたのであった。

「あーそうだ。秋人くん、君って確かSAOの初回ロット買えなかったんだっけ?」
朝食のトーストを齧りながら夏希さんは俺にそう尋ねてきた。
「βテストに、当選するのにリアルラック使い切っちゃったのと前日姉さんに、姉さんの課題手伝わされて並べなかったんで・・・」
 俺は、つい先日姉のレポート作成の手伝いを強制的に手伝わされ初回ロットである10000本を購入できなかったのだ。そもそも、徹夜組もだいぶ前から並んでやっと買えたとニュースでも言っていたので前日からでも買えた可能性は低そうだ。
「ってか、なんでなっちゃんが、あーく・・・じゃなくて、秋人がSAOを欲しがってたこと知ってるの?」
「えっ!?冬花。秋人くん、よくここでSAOの情報が載ってたゲーム雑誌読んだり友人とβテストの話してたの気づいてなかったの?」
 冬花の反応に、彼女は吃驚していた。あんだけシスコンである冬花が弟の趣味に関してまったく気づいていないこととSAOを欲しがっていた弟の感情に気づいていなかったのである。

「・・・で、夏希さんは俺にそんなこと聞くんですか?」
「んっと、僕の友人に徹夜組で並んでたんで2本買えないか頼んでみたんだ。そしたら、運良く買えたらしくて昨日貰ってきたんだ」
 そう言って、彼女はソファーの後ろから某有名電気店の袋を俺に渡してきた。
「ありがとう。夏希さん、ほんっとーにありがとう。でも、いいの?」
俺は、夏希さんに頭を下げて感謝しながら本当に貰っていいのか少しだけ不安だった。
「あー、いいよいいよ。アイツは、根っからのゲーマーだから3本くらい普通に買うしね」
俺は、その言葉を聞いて
(あー、その人。使用用、観賞用、布教用にフィギュア買う人と同族の思考回路してるってか、なんで夏希さんがそんな人の友人であるのかが不思議だ)
 心の中で、その人に少し恐怖を覚えた俺だった。

そして、時が流れて2022年11月6日。今日の13:00からSAOの正式サービスが開始される。俺は、頭にナーヴギアを被りベットに寝転がっていた。
 デジタル時計が13:00と表示した瞬間に俺は、現実から仮想へと旅立つ呪文を静かに答えた。
「リンクスタート!!」 
 

 
後書き
 「さて、やっと始まりました。黒紅の嵐と紫紺の剣姫!!」
「嬉しそうだな。作者」
「当たり前だろ、秋人!!設定考えてから約半年。パソコン新調するまで閲覧しかできなかったんだからな!」
「さよか。で、まだSAOにすら入ってないんだがどういう了見だ?」
「いや、あまりにも下書きに書いた文章が短かったから日常とか入れてもいいかなって思ったんだ。それと、オリジナルキャラの募集もしたから何人か来たらそれも踏まえて続きの下書き書くから。」
「はぁーやれやれ。こんなテンポの悪い作者だが、応援してくれると助かる。」

「で、次回からSAOに行くからな。楽しみにしててくれ」
 
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