歌集「春雪花」
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久方の
小春日和の
秋の空
想いは遠く
時は翳りし
久しぶりに穏やかな晴れ間が続く良い天気。
そんな秋の空…陽も暮れて徐々に暗くなり始めると、何とも言えず寂しくなってくるもの…。
空が高くなるのと同じ様に、彼との距離もまた遠く…そんな想いさえ隠す様に、時は夜へと変わりゆくのだ…。
溜め息を
深く吐きてや
恋時雨
想いそぼ降る
秋の夕暮れ
彼を想い、深く溜め息を吐く…溜め息吐いては、彼を想ってしまう…。
そんなことを繰り返してしまうこの切ない夕暮れは、言い様のない淋しさに包まれる…。
夏には煩い程の蝉時雨が聞こえていたのに、今は代わりに…彼への想いがそぼ降る秋の夕暮れが包み込む…。
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