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歌集「春雪花」

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 淋しさも

  哀しみさえも

   秋に連れ

 深まればともに

     胸を痛めし



 夏は遠く翳り、本格的に秋がやって来た…。

 彼に会えない淋しさ…想いの返されることのない哀しみは、秋が深まりを見せれば見せるほどに…きっと強くなってゆくことだろう…。

 そう…秋が深まれば冬が近付くことを理解するように…。



 秋晴れの

  いかな日溜まり

   優しくも

 君ぞ居なくば

    ただ侘しける



 高い空を仰ぎ見る秋の昼下がり…。
 陽射しは夏の暑さを忘れ、柔らかな優しい光を注いでいる。

 しかし…そんな日溜まりの中にあっても、私一人でいるのなら侘しいだけだ…。
 今、彼はここにはいないのだ…。

 秋の日溜まりに落ちる影は… ただ一つ…。



 
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