八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第四十五話 高校野球その七
「ラテン系の言葉には自信があるから」
「それで日本語も」
「身に着けてるから」
「ウィキペディアでもなんだ」
「出来るから」
「じゃあパソコン使うんだ」
「本棚調べてなかったらね」
そのJリーグの本をだ。
「そうさせてもらうね」
「わかったよ、じゃあね」
「そういうことでね。あとね」
「あと?」
「いや、日本のサッカーもね」
そのサッカーの話もだ、、にしてきた。
「面白いね」
「そう言ってくれるんだ」
「うん、観ていてね」
「弱いとかは」
「ブラジルと比べて」
「そう思わないんだ」
「そんなこと思ってるとね」
ニキータさんは僕に笑ってこう言ってくれた。
「サッカーは観られないよ」
「強弱を意識していたら」
「うん、楽しくね」
楽しんで観られないというのだ。
「ただサッカーを観たいから、僕は」
「それでなんだ」
「そうだよ、それでね」
「日本のサッカーも面白いんだ」
「日本のサッカーの味があってね」
「細かいとか?」
「テクニック重視だよね、試合運びも」
ニキータさんはこうしたことも話した。
「面白いよ」
「戦術かな」
「うん、本当に戦術もね」
日本のサッカーのそれもというのだ。
「観ていて楽しいよ」
「そうなのね、あとね」
「あと?」
「やっぱり野球もね」
ニキータさんはこちらのスポーツの話もした。
「楽しいよね」
「阪神好きなんだね、ニキータさんも」
「うん、ただね」
「ただ?」
「高校野球も面白いね」
ニキータさんは笑ってこうも言った。
「あちらの野球も」
「うん、高校野球も確かにね」
「プロ野球とはまた違った形でね」
それで、というのだ。
「面白いわね」
「高校野球はね、うちの高校も強いよ」
我が八条学園高等部の野球部は有名だ、この場合はスポーツ科の野球部がだ。
「それぞれの学科であるけれど」
「あっ、普通科とか商業科とか」
「うちの学校は大きくてそれぞれ学科があるからね」
普通科に特進科、スポーツ科、商業科、工業科、農業科、水産科、そして看護科だ。とにかく高校でもかなり学科がある。
「それぞれ野球部があるけれど」
「一番強いのはスポーツ科のよね」
「やっぱりね、スポーツ科はスポーツがメインだから」
「強いのね」
「そうなんだ、甲子園に春夏合わせて三十回以上出ていて」
僕はニキータさんのその野球部のことを話した。
「優勝経験もあるよ」
「春?夏?どっちで?」
「どっちでもあるよ」
「ふうん、本当に強いのね」
「去年は春に出たんだ」
丁渡僕が入学する直前のことだ。
「それで今年の夏はね」
「出られるの?」
「うん、今年は打線がいいから」
それでとだ、僕は答えた。
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