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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1078話

「……さて、どう思う?」

 恭順派の本拠地急襲作戦が終わってから数時間。ホワイトスターに戻ってきた俺は、至急幹部達を集めて、今回の作戦の件を説明した。
 尚、当初はPTSDすらも危ぶまれた夏美だったが、起きてからは多少不安定にはなったものの最終的には何とか落ち着いた。
 どうやら恭順派の本拠地で死んだのが結局はテロリスト……それも、恐らく自分達が死ぬのを承知の上での自爆であり、更には爆発で死んだとしても自分の見えない場所で死んだというのが大きかったのだろう。
 まぁ、TVで戦争をしている光景を見ても現実感がないって話はよく聞くが、それと同じようなものか。……色々と違うところはあるが。
 そのおかげでもあって、千鶴に叱られはしたが多少で済んだ。
 てっきりもっと厳しく叱られるかと思っていたんだが、夏美も既に大学生という事から、自分で考えての行動であれば多少のリスクは負ってもしょうがないという考えらしい。
 完全に保護者の視線な気がする。
 ともあれ、夏美に関してはこれから小太郎に気をつけて貰う必要があるだろうが、多分大丈夫だろうというのが俺の予想だ。
 それと、今回の作戦では色々な意味で散々な目に遭ったアメリカ軍。
 こちらもあの爆発で身動き出来なくなっていた者達を助け出すのには成功し、一応簡単な治療も済ませた。
 一応シャドウミラー側が用意した薬である以上、マブラヴ世界のものよりも効き目はいいと思う。……延々とBETAと戦っているマブラヴ世界は医療的にもかなり発達しているから、正直レモンが作っているような薬はともかく、一般的に使っている薬だと効能は殆ど変わらないと思うけど。
 とにかくアメリカ軍の戦術機を集めてやり、簡単な治療を済ませた後はまっすぐにオーストラリアへと向かって帰還してきた。
 ちなみに捕虜とするつもりで手足と頭部だけを破壊した恭順派のF-15Eは、中を確認してみたら全員が全て事切れていた。
 量産型Wに軽く調べさせたところ、あの爆発の衝撃で死んだのではなく毒物を摂取して死んだらしい。……情報をこっちに渡さない為に自ら毒物を飲む、か。
 いや、本当に自ら飲んだのか? 前もって毒を飲ませておいて、戦いに勝利したら解毒薬を渡すというどこの暗殺者だって感じの可能性もあるか。
 死体に関しては持ってきても意味がないので、アメリカ軍に渡してきた。
 向こうとしては色々と話を聞きたかったんだろうが、その辺は後の交渉でという風になっている。
 こっちとしても向こうの話を聞きたくない訳じゃなかったが、今回の戦いには色々と不自然な点が多い。
 この辺の事をシャドウミラー内で話し合うのが先だと判断した為だ。
 だからこそ、コーネリアに向こうとの話を早めに切り上げて貰って、こうしてホワイトスターまで戻ってきた訳だ。

「まず確実なのは、アメリカ軍の……それも相当上まで恭順派の手の者が繋がっているのは確実という事かしらね」

 レモンの口から出た言葉に、皆が頷く。
 確かにそれは確実だろう。でなければ、こちらが来るのを待ち受けるように本拠地に爆発を――それも、調べたところS-11の――起こさせるような真似はしないし、出来ない。
 恭順派がたまに何の意味もなく本拠地を爆発させたくなるような習性でもあれば話は別だが、まさか本気でそんな事をする筈も……
 そう思って、ふと思う。自分の命をBETAに差し出そうとするような者達だ。もしかしてそのくらいの事はやるんじゃないか、と。
 だがすぐにそれを否定する。
 BETAに自分達の命を差し出すだけでいいのであれば、とっくに自分達だけでBETAに突っ込んで行っているだろう。それをしないのは、差し出す命は自分達のものだけでは足らず、マブラヴ世界の人類全体でなければいけないと考えているからだ。
 更にはここ最近はその中に俺達シャドウミラーの命も入っているっぽいし。

「まぁ、アメリカ軍に恭順派の手の者がいるというのは、半ば予想範囲内だろう。そもそも、マブラヴ世界の中で国連軍を抜かすと最大規模の軍隊なんだ。当然それだけ人数も多いし、恭順派のような奴等だって入りやすい。難民も多くが入隊してるらしいしな」

 寧ろいて当然とばかりに告げるムウに、他の者達も同意するように頷く。
 確かにムウの言葉は正しい。あれだけ大きな軍隊であり、同時にアメリカ軍の他にも国連軍という形でも行動しているのだ。純粋な数で考えれば、マブラヴ世界屈指……いや、最大だろう。
 俺達との関係で急激に国力を伸ばしているオーストラリアにしても、軍の数という意味ではとてもではないがアメリカに及ばない。
 アメリカ、オーストラリアの後を追っている日本は、元々国土が小さいしな。

「まぁ、その辺は予想通りとして、だ。結局恭順派の後ろにいたのは、アメリカとソ連のどっちだと思う?」

 色々とグダグダとしているのにうんざりとした溜息を吐きながら、その場にいる者達へと尋ねる。
 状況証拠から考えれば、ソ連が後ろ盾になっているという可能性は非常に高い。
 事実、シャドウミラーとしてもそれを前提に行動してきた。
 だが、今回の作戦で戦った相手が全員F-15Eに乗っていたというのに色々と疑問が残る。
 それは内部に潜入した長瀬達の話を聞いている時から疑問に思っていた事だ。
 確かにアメリカ軍のせいにしたいというのは分かる。そんな風に話の流れを持っていけば、恭順派にとってメリットも大きいのだから。
 だが……それだけでF-15Eをあそこまで用意出来るかという問題があった。
 いや、用意する事は出来るだろう。国土の多くをBETAに奪われたとしても、ソ連が依然列強国であるのは変わりないんだから。
 だが、あんな真似をしても労力と結果が見合わない。
 あそこまでF-15Eを用意出来るのなら、ソ連軍が自分達の戦力として使った方が圧倒的に有用だろう。
 つまり、ソ連の仕業に見せ掛けたアメリカの自作自演。そういう可能性も十分に有り得るという事だ。
 狙いとしては、最良なのはこの件で怒った俺達シャドウミラーの協力を得て、アメリカがソ連を占領する事か。
 元々シャドウミラーとソ連の関係は良くないという事もあり、そんな未来があってもそれ程おかしな話ではない。
 そこまでいかなくても、シャドウミラーとソ連の関係を悪くすれば十分。そんな考えを抱いてもおかしくはないが……

「けど、そこまでのリスクを覚悟でやるにしては、ちょっとリターンが少なくない?」

 マリューの言葉に、多くの者が納得したように頷く。
 確かにこの件が明確な証拠と共に俺達に知られた場合、アメリカが受けるダメージは計り知れないものになるだろう。
 幾ら既にBETAに対して人類が有利になって、戦後の事を考えた動きを見せているアメリカではあっても、そこまでの覚悟を承知の上で行動を起こすだろうか。
 ぶっちゃけ、現在マブラヴ世界で人類がBETAに対して有利に戦況を進めているのは、俺達シャドウミラーの力によるものが大きい。
 だというのに、下手をすれば俺達を排除する。そんな真似をするかと言われれば……

「ちょっと考えにくいな」

 スレイがマリューの言葉に同意するように言葉を返す。

「なら、ソ連が私達とアメリカの仲を裂こうとして……というのはどうでしょう? 元々はそれを行うと予想していたのが正解だったという事になりますが」
「オウカの言いたい事は分かるけど、それだと結局深読みしすぎって事にならない? 裏を読む、裏の裏を読む、裏の裏の裏の裏を読む、裏の裏の裏の裏の裏の裏を読む。そんな感じで」

 シェリルとオウカのやり取りに、全員が確かに……と頷く。
 裏の裏の裏の……とやっていけば、いつまで経っても切りがないのは事実だ。

「実はソ連とアメリカの両方を嵌めようとしている……ってのは考えられないのか?」

 イザークの口から出た言葉に、多くの者が意表を突かれたかのような表情を浮かべる。

「なるほど。確かにその可能性がないとは言えないわね。そもそもアメリカは国力がトップの国で、ソ連はアラスカを借りているからアメリカ繋がりで狙われるのは分かる。そうなるとどこが仕掛けたかという事になるんだけど……」
「あれだけの大掛かりな作戦だ。余程余裕がなけば出来ないだろう」
「確かにコーネリア隊長の言う通りかと。実際、マブラヴ世界での戦術機の値段がどれ程のものなのかを考えれば、それを行えるだけの国は自然と絞られます」

 レイがコーネリアの意見に同意するように言葉を発するが、この辺は実際に作戦に参加して恭順派のF-15Eをかなりの数撃墜したからこそだろう。
 だが、そうなるとやっぱり仕掛けた国がどこかという話になるんだよな。
 ただ……

「どこの国が仕掛けたにしろ、その国は間違いなく恭順派と協力していた。いや、その国こそが恭順派の後ろ盾となっていた可能性が高い。そう考えると……やっぱり怪しいのはアメリカなんだよな」

 状況証拠的に怪しいのは、やっぱりアメリカとソ連。最初はソ連の方が怪しいと思っていたが、F-15Eの件でアメリカの怪しさが一気に上がった。
 ただ、アメリカが仕掛けたにしては俺達と一緒に行動していた部隊の被害が大きすぎるような気がする。
 アメリカにしても、一部隊……それも精鋭部隊を半ば壊滅に近くなるまでのダメージを与えたりするか? 例えそれが、俺達シャドウミラーに対する見せかけのカモフラージュだとしてもだ。
 少なくても、俺達と一緒に行動していたあの部隊の者達はその辺の事情は知らず、普通に恭順派の本拠地に対して攻撃していた。
 でもなければ、実際にあの部隊の者達があそこまで死んだりはしていないだろう。

「……アクセル君の言葉も分かるけど、結局どっちにも決定的な証拠はないのよね。レモン、マリュー、証拠の方はどうなの?」

 美砂が言っているのは、長瀬達が恭順派の本拠地で入手した物……具体的には、コンピュータの方だろう。
 HDDやメモリといった物は結局破損していたが、技術班の方で修復できないか渡していたんだが……

「駄目ね」

 レモンは一言でそう呟き、同じ技術班のマリューもまた同意するように頷く。
 うん? レモンにしてみれば諦めるのが早いな。
 そう思ったのは俺だけではなかったらしい。

「何だい。うちの技術班にしちゃ、随分と諦めるのが早いんじゃねーの?」

 ムウの言葉に皆が同意するように頷く。
 実際、その諦めの早さはいつも一緒にいる俺にしてもおかしく思えた。
 だが、そんな言葉に戻ってきたのは、2人の肩を竦める仕草。
 揃って肩を竦めると、2人共が標準よりかなり大きい胸をしている為か、ユサリとその豊乳が揺れる様子が分かる。
 ……ムウ、お前が2人の胸に目を奪われていた件は、後でしっかりとナタルの方に連絡しておくからな。

「だって、元々ないものを復元のしようがないでしょ?」
「……うん? 元々ない?」

 レモンの言葉に思わず問い返す。

「ええ。いえ、一応復元は出来たわよ? かなり驚くべきデータが入ってたけど……見る?」
「何だよ、復元できてたんじゃないか。全く、勿体ぶってさ」

 服されたように呟くアウルに対し、レモンは面白そうな笑みを、マリューは苦笑を浮かべたままブリーフィングルームの映像モニタへと向かって何らかの操作をする。
 そして数秒後……皆の意識が集中している中で映像モニタにとある映像が映し出された。

『あ、あん。いや、そこ……』
『ふふっ、ここかい? ここがいいのかい?』

 その映像に、アウルやスティングは目を見開いて熱中し、レイやムラタ、レオンといった者達は特に表情を変えないまま眺め、ムウは口笛を吹き、ギルフォードは薄らと頬を赤くしながら視線を逸らす。
 それに比べると、女の方達は寧ろ興味津々といった様子で映像を眺めている。
 ……そう。白人の男女の、いわゆる18禁的な映像に。
 画面の中では2人が盛りあがり、いよいよ……というところで唐突に映像が切れる。

『あっ……』

 数人から残念そうな声が上がったが、それが誰の声だったのかはプライバシー上の秘密だろう。

「はい、そこまで。ま、分かったでしょ。これが復元されたデータ。つまり、持ち帰ったパーツには最初から私達が欲した情報が入ってなかったのよ。今回の襲撃が計画通りなら、最初からコンピュータの中の部品を取り替えて置いたんでしょうね。……ああいう映像を残して行ったのは、これを考えた相手の底意地の悪さかしら」

 レモンの浮かべる悪戯っぽい笑みに、どことなくエクセレンっぽいものを感じたのは気のせいではないだろう。

「一応聞いておくけど、ウィルスとかそういうのは?」

 そんなムウの問い掛けに、レモンは笑みを浮かべて首を横に振る。

「特にないわ。本当に純粋にこの類のデータだけがたっぷりと入ってたのよ。……もし良かったらいる? ナタルに知られてもいいなら渡すけど」
「いらん!」

 即座に断る辺り、ムウの愛妻家……恐妻家? ぶりも堂に入っていた。
 その一方で、アウルやスティング辺りは微妙に欲しそうな表情を浮かべているが……男なんだし、その辺は触れないでおいてやるか。

「ああ、それと。全く関係ないけど、ミロンガ改のデータ……」

 レモンが俺の方へと視線を向けてそう言った、その時。

『アクセル代表。アメリカがソ連に対する非難声明を発表しました』

 つい先程までポルノが流された映像モニタに量産型Wが映し出され、そう告げたのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1183 
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