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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第四十三話 朝のランニングその十四

 その中のサラダを食べつつだ、井上さんは僕に言ってくれた。
「やはり朝はいい」
「身体を動かした後の朝は」
「最高だ、一日の計は朝にあり」
 井上さんはこうも言った。
「充実した朝を送ればだ」
「一日もですか」
「よくなるのだ、では今日もだ」
「はい、充実した一日をですね」
「過ごそう」
 こう言ってだ、井上さんは牛乳も飲んだ。僕も牛乳を飲んだけれど普段の朝の牛乳よりもずっと美味しく感じた。二人に感謝した朝だった。
 その朝御飯の後でだ、僕は井上さんに言われた。
「よかったらだが」
「よかったら?」
「今日も部活だな」
「はい」
 そうだとだ、僕は井上さんに答えた。
「そうですけれど」
「なら頼みがある」
「頼み?」
「お昼でいい」
 お互いの休憩時間にというのだ。
「剣道部の道場に来てくれるか」
「そちらのですか
「そうだ、来てくれるか」
「わかりました、お昼暇ですから」
 だからだとだ、僕も答えた。
「行かせてもらいます」
「それではな、見てもらう」
「見て、ですか」
「後はお昼だ」
 その時にと話してだ、何かお昼もだった。僕は誰かと一緒にいることになった。朝とよく考えれば最近いつもそうだとも思った。


第四十三話   完


                             2015・5・13 
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