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リリなのinボクらの太陽サーガ

作者:海底
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開戦

 
前書き
後半が少し難産でした。最近は就活で目が回ります。
なお、この回にはアンチ成分がありますので、ご注意下さい。

事態が動く回。 

 
~~Side of なのは~~

現在、地上本部で高官達が作戦会議中なの。

「魔法が効かなくとも我々にはアルカンシェルがある。時間のあるうちに出来る限りの次元航行艦に搭載させて、それで一斉発射すれば絶対存在であろうと倒せるのではないか?」

「残念ですが皆様、絶対存在にアルカンシェルは効かない……と言うより使わない方が良いと私共は考えます」

「ほう、それはなぜかねリンディ・ハラオウン提督? 我々にも納得のできる説明をしてもらおうか」

「はい。アルカンシェルは空間の位相を歪曲させ、発射地点に存在する全ての物質を対消滅させるというものであるのは、上層部の皆さんもご存知でしょう。しかしファーヴニルには魔力エネルギーを吸収し、自らの力とする能力を備えています。もしアルカンシェルのチャージ中にエネルギーを吸収されでもしたら、溜めたエネルギーのコントロールが乱れて暴発し、周囲ごと次元航行艦が消滅する危険性があります。そうなれば砲撃がこちらに向いて発射されるのと同じ、いやそれ以上の壊滅的な被害が発生してしまいます。更に言うならファーヴニルを余計に強化してしまう事にも繋がりますので、アルカンシェルの使用は避けた方がよろしいと思いました」

「なるほど……確かにアルカンシェルはロストロギアを破壊できる程の威力故、出力などに精密なコントロールが必要だ。現在ではその辺りのコントロールをオートメーション化しているため、今の状況でどうしても使うとなったら手動で操作出来なければ暴発の危険性があるのは我々も認めよう。しかしだなリンディ提督……それではあの化け物にどうやって立ち向かうというのだ? 魔法が使えなければ、強力な魔導師をいくら揃えても意味が無くなるぞ?」

「それに関しては一応、対策を用意しています。……質量兵器を使うのです」

「バカな! 質量兵器の使用は管理局法で禁止している! なのに我々が自らそれを破ると言うのか!? それでは管理局の信用が全て無くなってしまう!」

「その通りだ、いくら敵が強大であろうと管理局が質量兵器に頼る事だけは絶対にしてはならん。魔法が効かないからと質量兵器を用いて事態解決をしてしまえば、これまで管理局が行ってきた魔法だけによる治安維持を自ら否定する事になる。それでは事態の集束後に禍根を残してしまい、新たな騒動を引き起こす火種になる。それでは意味が無いのだ」

「しかし今の状況で面子や先の事を考えても仕方ないのではないか!? ファーヴニルを倒さねば、本局勤務のおまえ達が言う管理局法も何もあったものではない! それならばいっそ質量兵器の禁止を解除し、事態の解決に全力を注いだ方が良いはずだ! そうすれば今後、地上の戦力不足を補う手段にもなる!」

「レジアス中将、今はファーヴニルへの対策会議をしているのであって、犯罪者への対策会議をしているのではない」

「だが魔法が使えないのなら代用となる戦力が必要だ! 変に固執して敗北を招くよりはマシだろうが!」

「なんだと言わせておけば!!」

「やんのか貴様ァ!!」

「お二人とも、喧嘩している場合ではありません!! 私自身、質量兵器についてはあまり良い印象を抱いていないので、正直に申しますと……この策もあまり推奨はしたくありませんでした。そこで……もう一つの案を用意しています。そちらは質量兵器を使わないで、ファーヴニルと戦うための策です」

「なんだと!? ならなぜそちらを先に言わなかった?」

「……個人的な事情です。それよりこちらの策について説明すると……ファーヴニルは恐らく周囲の総エネルギー数が一定値を超えた時、自らの強化のために吸収を行うと見ました。となればその絶対値を越えないようにすれば、魔力を吸収されずに魔導師でも戦えるはずです」

「なるほど……つまり制限された人数であれば、魔導師でもファーヴニルと戦えるという事か。火力や人数不足などの不安が残るが、それが最も我々に都合がいい戦術だな……」

「では、ファーヴニルとの戦いではこの案を採用するという事で、異論は無いか?」

『異議なし』

「チッ……異議なし。本局の意地とやらを見せてもらうぞ」

「では地上も含めた満場一致で、可決とする!」








「ってな感じで、上層部との話がついたわ」

「なんか……管理局の人は質量兵器って聞いた瞬間、アレルギー反応みたいに嫌ってますね」

停留中のアースラに戻ってきたリンディさんに会議の内容を教えてもらい、私は率直な感想を漏らした。多分、何も知らないまま管理局のやり方に倣っていたら、私もいつの間にかそういった思想に染まっていたかもしれない。サバタさんの武器である大剣や麻酔銃、マキナちゃんのPSG1の事を考えると、質量兵器であろうと一概に否定は出来ないと思う様になってる。私にも少しは柔軟性が出たってことかな。

「でも本当はこの形にする気は無かったのよね。実際は両方の策を同時に決定する事で、あらゆる状況に対応できる戦力の充実化を図ったつもりだったんだけど……やっぱり一昔前の私達みたいに本局は質量兵器を受け入れられそうにないか」

「そう考えると、ラジエルはどうしてあんな簡単に質量兵器の使用を決められたのだろう? 彼らも管理局法を知った上で魔法を用いているはずなのだが……」

「あそこの人達って規則や偏見にとらわれず、自分達の眼で見て、自分達の頭で判断しているからね。ま、そうしないといけない状況を何度も潜り抜けてきたからこそ、あんなふうに気持ちの切り替えが上手なんだね。あの人達みたいな柔軟性を、本局の頭のカタい人達にも身に付けてもらいたいものだよ」

リンディさん、クロノ君、エイミィさんがそれぞれ本局とラジエルの違いについてぼやいている。そんな中、私は以前エレンさんが『本局にいる方が居心地が悪い』って嘆いていた事があるのを思い出した。そりゃあ一緒にいる時間が長くて信頼できるラジエルの仲間と、いつ自分の命を狙ってくるかもしれない本局の人達とでは、ラジエルの方が居心地が良いと思うのは当然だよ。

実際、本局の食堂を利用したら毒殺されかけた経験が何度もあるって言ってたし……。その話を聞いた時はほんと、鳥肌が立つぐらいゾッとしたよ……。

「……少し、ユーノ君の様子を見てきます。医務室に一人でいたら寂しいと思うので」

「そうだね。彼が目を覚ました時になのはちゃんの姿を見たら、きっと凄く安心すると思うよ」

「ああ、行ってやるといい。それに僕が行くより、すぐ事情も把握できそうだしな」

「あらクロノ、随分気が回るようになったじゃない? 一体どういう風の吹き回しかしら?」

「からかわないでくれ、母さん。僕はただ効率性を求めただけで……」

「まぁたまた~? とぼけちゃってもう、クロノってば照れ屋なんだから」

「別に……少しぐらいは空気を読める様になろうと、意識しているだけだ。……ちょっとだけ」

リンディさんとエイミィさんにからかわれて照れているクロノ君の姿は、ちょっと面白可愛いと思えた。あの3人の仲の良さは十分伝わってきたので、とりあえず私はさっき言った通りにユーノ君のいる病室へと向かう。
アースラは一応戦艦なので病室のレイアウトは必要最小限に収まっており、簡素なベッドにユーノ君は点滴を打たれて寝ていた。一度ラジエルで治療を受けた後に無理を推してこっちにやってきた彼は、身体の包帯が至る所に巻かれていて痛々しい姿を晒している。静かに目を閉じて呼吸している彼の手をそっと握った私は、ささやくように尋ねる。

「ユーノ君…………こんな姿になってまで、君は何を伝えたかったの……?」

そう訊いた所で、今のユーノ君に返事を返す事はできない。治癒魔法が使えない私には、せめて少しでも安心させる事ぐらいしか出来ないから。

「そう……了解した。アリア、ヤガミがしくじった、すぐ救出に向かうよ」

「聖王教会の連中、事を焦り過ぎたわね。私達も暇じゃないのに、尻拭いするこっちの事も考えてもらいたいわ……」

廊下から聞き覚えのある声がしたと思ったら、リーゼ姉妹が急ぎ足でどこかへ向かおうとしているのが見えた。彼女達の話からはやてちゃんに何かあったらしく、どうしても聞かなきゃと思った私は、咄嗟に彼女達に声をかける。

「リーゼロッテさん! リーゼアリアさん!」

「しかし初任務をあの子一人でやらせるなんて、よっぽど切羽詰まってたのかな?」

「どうだろ、隙を見て勢力を拡大しようとでも企んだんじゃない? 本人達の意思はともかく、聖王教会も一枚岩とは言い切れないしね。ともあれ管理局としては、聖王教会に恩を売る良い機会とも言えるけど……」

「お~い、リーゼさ~ん!?」

「はぁ~、こんな事態になっても損得勘定を考えなければならないなんて……。あっちもこっちも立場がそれなりに上だと、子供には出来ない嫌な事も引き受けなきゃいけないもんなぁ」

「こうなってくると、自由に生きられる彼の有り方が羨ましくなってくるわ。この件も含めて諸々が終わったら、お父様と隠居生活でも送ろうかしら……」

「……“ねとねと”さん! “ねばねば”さん!」

『そのあだ名で呼ばないでって言ってるでしょぉおおおおお!!』

あ、やっと話を聞いてくれた。でもやっぱり怒らせちゃったかなぁ……。

「何なの!? 君は私達を怒らせたいの!? こっちも忙しいんだからゆっくり話してる場合じゃないんだけど!」

「ごめんなさい。でもさっきの話では、はやてちゃんが危ない状況なんですよね! 教えてください、何があったんですか!?」

「チッ、さっきの話を聞いてたのね……。あ~あ、面倒くさい子に聞かれたわ」

「め、面倒くさい子、ですか……」

そうはっきり言われると、私でもちょっぴり傷つくなぁ。

「あのさぁ、なのはさん。ヤガミを心配に思う君の主張もわかるよ、でも事態は今も進行していてゆっくり話してる時間は無いの。どうしても知りたいなら移動しながらになるけど、それでもいい?」

「はい。友達が危ない目に遭っていたら、私は絶対助けたいですから」

しばらく見守るつもりだったユーノ君には悪いと思うけど、危機的状況にある友達を助ける方が優先度は高いから、彼も許してくれるだろう。まだ目を覚ましてないから、この事は知りようが無いけど。

「そう……今はミッド全体が猫の手も借りたい状況だから、あなたの気持ちは一応ありがたいわ。だけどその前に、少しだけでもいいから冷静に考えて? あなたは次元世界でも数少ないエナジーが使える魔導師、しかしそれはあなたが体内に宿している暗黒物質によるもの。その事を余計な奴……例えばサバタを指名手配するように仕向けた輩に知られたら、あなた自身も危うくなる。それに何らかの拍子であなたの暗黒物質が暴走したりしてしまったら……」

「大丈夫です、リーゼアリアさん。私は暗黒物質に……自分の狂気に負けたりはしません!だから行かせてください!」

「……はぁ~……やっぱ言っても聞かないか。もうしょうがない、頑固者の相手は疲れるだけだし、それなら私達がコントロールできる範囲の内で好きにさせた方が良いわね」

「こういうのを見ると、一昔前のクロスケを思い出すね。そう考えるとなのはさんみたいな子の扱いは、教導時の経験で何とかなりそうだ」

「……な~んか癇に障る言い方ですが……とりあえずお礼を言っておきます」

れっきとした大人であるリーゼ姉妹にとって、私はどこまでも子供扱いされてる気がする。確かに年齢的にはしょうがないけど……むしろ、これでも融通を利かせてくれてるのかな?

「なのはさんも行くのなら早くしよう。ヤガミのいるタンカー、ちょっとヤバいらしいし」

リーゼロッテさんが急かした事で、一旦話を切り上げた私は彼女達と共にアースラから出発、ミッドチルダ北東部の海上を漂流するタンカーへと飛翔する。目的地に着くまでの間、私ははやてちゃんがどうして単独任務を行ったのか、リーゼ姉妹からその理由を短く教えてもらった。ちなみにリーゼ姉妹が事情を知っているのは、聖王教会からの救助要請を受けた時に色々訊き出したからだって。

「騎士の階級……それを手に入れるために、はやてちゃんは一人で……」

「変な事を考えない内に私から言っておくけど、これはヤガミ自身が選んだ事だ。あなたが責任を感じるのは筋違いよ」

「で、でも……私も一緒に行ってたら、こうならなくて済んだんじゃ……!」

「あんたがそうしたら、ヤガミが単独任務をした意味が無くなる。そしてあの子が守ろうとしたものは失われてしまう」

「そんなことは!」

「無い、と言いきれるの? なのはさん、何のためにヤガミが戦ったのか、あなたはちゃんと理解している? ラジエルが長年戦い続けてきた“裏”の手強さを知ってる? ヤガミはあなたとは違う。公的にも清潔な立場で本局でも期待されてるあなたと違って、ヤガミは闇の書の主として次元世界から未だに恨まれる罪人扱い。片や管理外世界で起きた事故をきっかけに魔法に触れ、眠っていた才能を目覚めさせて管理局と共に事件を解決した少女。片や次元世界で無数の災厄を招いたロストロギアを管理外世界で抱え込んでいた少女。全ての真相を知らない世間にとって、あなたとヤガミに対する認識は今言ったような違いがあるのよ」

「…………」

「テスタロッサ家もSEEDの件で判明した事実から、情状酌量の余地があるという事でいくつか罪が緩和されたりしたけど、境遇的には似たようなところがある。友達だ何だと言っても、その関係が決して平等であるとは限らない。つまり……高町なのは、あんたはフェイト・テスタロッサ、八神はやての2人と比べると、格段に恵まれているわけ」

「私が……恵まれている……?」

リーゼ姉妹に言及された時、私は一瞬理解ができなかった。いや、理解しようとしなかったのかも……。飛行中でも身体がマヒしたように固まる中、私は何も言えないままリーゼ姉妹の言葉を聞き続けた。

「テスタロッサ姉妹はかつて事故で人としての命を失ったり、人造魔導師として生み出されたのに母親からの愛情を受けずに育てられた。今では親子関係が改善しているけど、父親がいないあの家庭で重度に病が進行しているプレシアまでいなくなれば、あの二人は今度こそ自分達の力で生きて行かなくてはならなくなる。そしてヤガミも幼い頃に両親を失い、私らのせいもあって愛情を受けることもなく、足のマヒも相まって心細く孤独に生きてきた。今では足も動くようになり、守護騎士達が新しい家族になってはいるけど、その代わり彼が……」

「それに比べて……あんたは家族の愛情を受けながら育ち、仲の良い友達もできて、魔導師として破格の才能を持ち、更に行方不明だった父親も帰ってきた。家族を誰も失っていない、それどころか取り戻している。これだけの要素があるのに、恵まれていると言わなくて何という?」

「……………わ、わた、しは……」

「私達は何も、恵まれている事が悪いと言っている訳じゃない。そういう環境で育ったからこそ、なのはさんは友達想いの性格になったのだと思うわ。だけど何も考えず善意を向けても、相手にとってそれは時に押し付けだったり、不快なものに見える時がある。そういう考え方の違い、価値観の違いをしっかり認識しておかないと、せっかく仲良くなったあなた達の関係までもが壊れてしまう事だってある。それを覚えておいてもらいたいの」

「よーするに、親しき中にも礼儀ありって事。もしなのはさんの家族が事故やテロで、なのはさん以外全滅していたとしたら、その時の感覚は今と明らかに違うものだと想像できるでしょ? 後ろ盾が無い事の不安や危機感を、あなたは知らないでしょ?」

「……は、はい……」

「そういう事だから、ヤガミは自分と家族を守るために、成功すれば真っ当な立場を得られる単独任務をやろうと決めた。事前予測ではリスクが少なかったから、守護騎士も彼女の決断を後押しした。結果は失敗に終わってしまったけど、一人でもやれる事を証明しようとしたあの子の強い決意を、ただの善意で汚さないであげて欲しい」

「友達って基本的に助け合うものなんだろうけど、その人の事をちゃんと想ってあげられてこそ、本当の友達だと言える気がするよ。なのはさん、君は口だけ友達と言って他人の事を何も考えられない人間じゃないはずでしょ?」

「ちゃんと……想う……」

こうして言い聞かされてから、私はこれまでの自分を省みてみた。私は……やっと見つけた私の居場所を形作る人達を失いたくない。それを“私は良い子でなければならない”フィルターを通し、友達を心配に思って行動しようとする子、自分が正しいと思う事をひたすら行う子、そういう良い子の役割(ロール)を演じてきた。ただ……役割ではあるが、同時に本音でもある私の気持ちは、もしかしたら相手にとっていらないもの、邪魔なものだったかもしれない。

「っ!? ッ!!」

そう考えた瞬間、急にどこかへ落ちていくみたいに鳥肌が立つほどの恐怖を感じた。飛行中だから元から足が地面に着いていないけど、そういう事じゃない。精神世界で私が立ってる場所から、誰かに足を引っ張られて真っ暗な奈落に落ちていく。手を伸ばしているのに、誰も掴んでくれない。周りには親しいと思っていた人達がたくさんいるのに、落ちていく私を見向きもしない。
そして……落ちていく私の足を引っ張り、奈落へ落とそうとする手を伸ばしているのは……過去の私だった。私は私自身の手で、自分を闇に落としていたのだ。視線を戻せば、さっきまで私が立っていたはずの場所に、いつの間にか新しい私が立っていて……。そこは私の居場所だ、あなたの物じゃない、そういう暗くて妬ましい感情に支配された私は、新しい私を引きずり落とそうと手を伸ばし、足を掴んだ。新しい私もまた、私の時と同じように落ちていき……これまでの事が何度も何度も無限に繰り返される。そんな怖いイメージが脳裏に浮かんだ。
だけどここで、ふと変化が生じた。どうしてこうなってしまったのか……原因はいったいどこから来ているのか。それを見ようとした時、私は全ての私の始まりを見つけた。

……そっか……私、やっと気付いた。私が居場所を失いたくないと思った気持ち、それすらもまだ私の芯では無かった。あと一歩足りなかった本当の私の心、その根底にあったもの。それは……、

『ひとりぼっちはいやだ』

昔、公園のブランコを一人で漕いでいた時に呟いた言葉。それは私の心が吐き出した想いそのものだったんだ。それを認識した瞬間、仮面を取り外せるようになった私は、まるで生まれ変わったかのような清々しい気持ちを抱いた。そして……決める。
昔の私みたいにならないように、二度と皆を一人にはしない。そのために私は戦い、救うんだって。そう決めた! だから……行こう!

「急ごう、はやてちゃんが待ってる!」

私が“私”を理解した途端、頭の中がスッキリして、魔力の運用効率や飛行魔法の速度、とにかくあらゆる感覚が冴えわたる。その効果かわからないけど、私の中にあった狂気が不意に大人しくなり、制御下に置けた気がした。

「あれ? あの子、なんか覚醒した? フェイトのような高速型魔導師じゃないのに、私らが追い付けない程の速度を出してるんだけど……」

「……彼女が自分自身の根源を見出した事で、暗黒物質を経由しても精神の浸食を受けずにエナジーを引き出せるようになったようね」

「ん? つまり、どゆこと?」

「……簡単に言えば、彼女が暗黒物質を使っても狂気に呑まれる心配は無くなったってこと。速度が上がったのは、無意識にエナジーを使って飛行魔法を強化しているからだと思うわ」

「なぁんだ、それなら良かったじゃない。イモータルや絶対存在と戦ってる時、彼女自身が暴走する危険性は無くなったってことでしょ?」

「それはそうなんだけど……少し気がかりだわ」

「え、何が?」

「暗黒物質は本来、人を滅ぼす力よ。それは月光仔の血で耐性を持ってるサバタですら精神を蝕まれ、寿命を大幅に縮めるものだった。そんな代物を月光仔でもないなのはさんが精神の浸食を気にせず操れるようになったという事は……!」

「あ……そうか! 精神的に影響が無いと身体にかかる分のリスクに気づけなくて、いつしかとんでもない負担を抱えてしまっているってことか! これはますます自己管理を厳しくしてもらわないとヤバいな……」

「ええ。気付かず使い続けていれば撃墜……下手をすれば死亡なんて洒落にならない事態を招くわ。後でリンディ達に、彼女の健康状態をしっかり見ておくように伝えておかないと……」

後ろでリーゼ姉妹が何か話し合っているようだったが、今の私はタンカーにいる友達の所に駆け付ける事で頭がいっぱいだった。雨が私の身体を濡らす空を突き抜け、幸か不幸か、目印となっている炎と黒煙を上げて、海上で漂流しているタンカーを発見する。

「タンカー発見! ここから一見すると、ブリッジとエンジンが爆破されたようね。この状態では、けん引の船を数隻持ってこないと動かせそうにないわ」

「今の所船底に穴は開いてないみたいだけど、救助は出来るだけ早めに済ましておいた方が良いかな。生命反応は船倉の方にあるし、中に入って彼らと合流しよう」

状況分析を終えたリーゼ姉妹と共に私はタンカーに降り立ち、着地点の目の前にあったバルブ式水密ドアをリーゼロッテさんが開けようとする。

「うわっ、これ固ッ!? 中で錆びついてるんじゃないの? 船乗りはこんなのを日常的に動かしてるのかぁ」

「しっかりしなさい、ロッテ。あなたなら扉が錆びついてたぐらいで音を上げたりはしないはずよ」

リーゼアリアさんの発破を受けたリーゼロッテさんは、ありったけの力を全身から引き出し、物凄くゆっくりした速度だが、バルブが鉄をこすり合わせるような嫌な音を立てながら回っていった。私にはそういう力仕事が出来ないから、ちょっと羨ましい。トランス・ダークを使っている最中は別だけど、アレは絶体絶命時の切り札だから……。

「ふんぎぃぃぃぃ!! ちくしょ~手が痛いぃ~!!」

「このペースじゃあ、まだまだ時間がかかるわね……」

「……もう待てません! こうなったら!」

レイジングハートの先端を扉のやや下方向に向けて構え、砲撃体勢を整える。魔力チャージの光球を見たリーゼロッテさんが真っ青になって慌て出す。

「ちょっ!? 待て待て待て!? 私を巻き込むつもりぃ~!?」

「行きますよ! ディバインバスター(やや弱め)!!」

リーゼロッテさんが飛びのいた直後、私が放ったピンクの砲撃が扉ごと壁抜きし、一気に大穴が開いて船倉までの道が通じた。これでわざわざ船内を回り道しなくても良くなったはずだ。

「よし! 時間短縮!」

「こらぁ! 何が『よし!』だ!? 救助しに来たってのに、船を壊す気かぁーーー!!!ってか、私を殺す気かぁーーー!!?」

「あぁ……建造物の耐久度とか考えず我が道を行く辺り、なのはさんって実は救助活動に向いてないかもしれないわ……。ぶっちゃけひたすら戦闘している方が余計な被害が……いや、砲撃の威力も考えれば逆に増えそうね。となると敵陣への特攻や突撃が最も適してるのかしら……?」

「なんか散々な言われようですけど、通れるようになったんですから早く救助しませんか?」

「そうだけど、一つだけ言わせて。あんたが言うな!」

憤慨するリーゼロッテさんの言葉を右から左へ受け流し、計算通りに船底には穴を開けないようにした砲撃痕を通って船倉へと降りていく。途中、通路の至る所に残る戦闘痕を無視してさっさと船倉で何者かに捕らえられていた乗組員と、護衛の騎士達、そして……少し離れた場所で気を失っているはやてちゃんを見つける。

「はやてちゃん! はやてちゃん!!」

「待って、なのはさん。あんまり身体を揺らさない方が良い、運ぶなら丁寧に優しく、ね?」

「は、はい……!」

「第二船倉の方も、アリアが艦長を救出した。どこかに暗礁する前に船のアンカーを降ろしてから、脱出するよ」

その後、言われた通りに作業をこなしてから、チェーンバインドを上手く活用してはやてちゃんや乗組員の人達を甲板まで引っ張り出していく。怪我を負った騎士達はリーゼ姉妹が応急処置し、ひとまずタンカーにいた全員の無事を確認する。

「ところでどうやって全員を陸まで運ぶんですか? 一人ずつ抱えてせっせと運んでいくんですか?」

皆を運んでいる途中、ふと気になったのでリーゼ姉妹に尋ねてみると、彼女達は呆れたような目で見てきた。

「んなわけないでしょ、何のために私達が来てると思ってるの?」

「人手不足だからでしょうか?」

「ある意味そうだけど、そうじゃないわ。私達は転移魔法が使えるからよ、それでこの人達を一気に安全な場所に送るの」

「……あぁ~!」

「理解した? 転移魔法は人を運ぶ時に経路の危険も少なく、時間もかからないからトップクラスに便利な魔法だしね。地球でいうフルトン回収システムを次元世界流に変えたようなものだと言えばわかりやすいかな」

「フルトン……?」

なんか最近ではワームホールが出てきそうな名前だけど、私はフルトン回収システムの事を知らないから、適当に相づちを打つだけにしておいた。それにしても転移魔法か……ふと思った事がある。

「なんで来る時に使わなかったんですか?」

「そう訊くと思った。これだけの人数を運ぶとなると、消費する魔力もかなり多いから、出来るだけ余力を残しておく必要があったの。だから飛行魔法で極力消耗を避けたわけ」

「それにタンカーの座標も固定されていなかった以上、実際に来ないと確認出来ないわ。位置をしっかり計算できなければ俗に言う『石の中にいる!』みたいな状況になり兼ねないから、転移魔法は帰還や脱出、もしくは指定されたポイントを行き来する時によく使われるのよ」

「なるほど……私は転移魔法が使えないので、勉強になります」

「ん? 確かあのユーノっていう坊やも転移魔法が使えなかったっけ? 親しい仲に見えたから、少しは仕組みの事を聞いてるかと思ってたけど、案外何も話していないんだねぇ」

リーゼロッテさんが意外そうに言ってきた言葉に、私は過去の自分が何も話していなかったのを再び実感した。私が魔法に触れるきっかけを作ったユーノ君……一番近くに居たはずの彼と腹を割って話した事が、私には無い。

「……帰ったら、いっぱい話します」

「あの坊やの意識が目覚めてたらね。だけどこの状況でラジエルが彼を送ったって事は、余程重要な情報を握っているに違いない」

「そもそも、あっちは大丈夫なのかしら。いくら魔法に頼らない布陣を敷いていると言っても、相手は絶対存在とイモータル……。きっと苦しい戦いになると思うわ」

リーゼ姉妹が懸念している通り、あの辺りでは魔法が使えなくなった。そんな状況下でエレンさん達がどうやって立ち向かうのか、ここからでは見る事が出来ない。それが何となくもどかしかった……。

「話はもういいか。そろそろ転移魔法を発動させるから、範囲から離れるんじゃないよ?」

「座標ポイントを聖王教会医療センターに設定する。転移開始!」

リーゼ姉妹が発動した、タンカーの甲板全体を覆う程の光を発する広範囲の転移魔法によって、タンカーの乗組員、騎士達、はやてちゃんと私達は聖王教会の病院の前へと瞬時に移動した。

……パサッ。

「ん? 何か落ちたの?」

転移が終わって一息つこうとした時、艦長さんの服の中から一冊の本が出て来た。何の気なしに興味本位でその本を見た瞬間、私は真っ赤に爆発した。

『Playboy』

別名。

グラビア本。

「ふ、ふぇぇ~~~~!!!?」

「おぉ~、尋問されても手放さなかった辺り、コイツ漢だねぇ」

「聖王教会の重要な機密より、男の意地を守ったって言うの? というかこの艦長……実はバカでしょ、全く……」

とりあえずその本はリーゼロッテさんがニヤニヤしながら艦長さんの服の中に、そぉ~っと戻してあげた……。はやてちゃんがこの本を見たら狂喜乱舞しそうだけど、私達のような子供が見るにはまだ早すぎると思うの。見ても大丈夫なのはもっと大人になってからで……! いや、そういうのに興味を持ってからで……! も、もうこの話題はおしまい!

真っ赤な顔が元に戻らないまま、その後に彼らを安静のために入院させて、手続きを全て終了させる。ひと段落してしばらく休憩していた時、アースラから二つの報告が届いた。最初の内容は……、

『ユーノ君が目覚めた』

これは吉報だから、素直に喜んだ。だけど次の報告を聞いた時、一気に緊張が高まった。その内容とは……、

『ファーヴニルが動き出した。目標は……第97管理外世界、地球』

・・・・・・・・・・・・・・・・

~~Side of ネロ~~

「ログス隊、アクヴィ隊、イグニス隊、アイリス隊、所定配置に到着。スタンバイ」

「第13世界の同志からの報告、シャゴホッド1から12、スタンバイ」

「UAV及びAI兵器群も配置が終了、全ての戦闘準備が完了しました」

「総員に通達。本艦はこれより秘匿機関“ユグドラシル”を作動、ファーヴニルをこの第95無人世界へと引き寄せる。また、ラタトスクの相手は俺とエレンが担当する。アンデッドにされないためにも、他の人間は絶対に近寄らせるな」

『了解!』

……この事態を前にしても、統率の取れた行動が出来るのは凄いな。まるで一つの大きな生命体のようだ。

ニダヴェリールでの逃走劇の最中に気絶してから、次に目を覚ました時、私はラジエルの医療室で横になっていた。それからエレンによって全ての事情と経緯を教えてもらい、更にたった今入った報告によってファーヴニルが地球に向かっていると知った。どうしても状況を知りたい、とエレンに頼んで渋々許可をもらった私は包帯を巻いた姿のまま、ラジエルのブリッジで様子を見守っている。
それにしてもサルタナの指揮にエレンの補佐が組み合わさって、皆が特殊部隊さながらの機敏な動きをしている。……元々特殊部隊だったな、ここは。

なお、“ユグドラシル”とはラジエルに元から搭載されていた、管理局に報告していない兵装である。艦全体に巧妙に隠されていた総数1000個以上に及ぶビットを射出し、ブリッジから遠隔操作。次元空間も単独で通れるビットの一つ一つがAAランク魔導師に匹敵する攻撃、防御、捕縛、補佐、保護、援護……とにかくあらゆる行動が可能だ。ただし分類上は質量兵器であるので、こんな凶悪性能の兵器は管理局としては受け入れられないだろうな。まぁ、だから報告しなかったのだろうが……。
とりあえず今回はファーヴニルを力づくでこちらに引き付けるために使われているが、もしこれが管理局ないし人に向けられたらと思うと、寒気が走るよ。

「ユグドラシル、目標に命中。対象の誘引に成功、10分後に会敵します」

「総員、今の内に最終チェックを行っておけ。いざという時に使えない、では話にならないからな」

サルタナの忠告に苦笑しながらも、ラジエルクルーは真面目に自分達の担当箇所の機材や、武器の点検を行う。そんな中、私は徐に手を掲げ、体内の魔力を練り出して魔力弾を作ろうとしたが、影も形も作れなかった。渇いた雑巾を絞っても水が一滴も出ないように、魔力光の一片すら今の私には生み出す事が出来なかった。

「やはり駄目か……まるで虚数空間のようだ」

「ファーヴニルが吸い尽くしてしまいましたからね。この辺りの魔力が以前の水準に戻るまで、何の妨害も無く自然回復したとしても100年はかかるでしょう」

「100年か……闇の書として眠っていた頃はあっという間だったのに、今では途方もない時間に感じられる」

「いいじゃないですか。それだけ今の時間が濃厚になっているんですよ、ちゃんと生きている証ですわ」

「ふっ……そうか、生きている証か。ならこんな所で終わるわけにはいかないな」

「……と申しましても、リインフォース・ネロさん」

「ネロでいい……兄様の旧友なら、むしろそっちの名で呼んでもらいたい」

「ではネロさん。この一帯で魔力が消失している現在、魔導師は魔法が使えません。エナジーが使えれば話は別だったのですが、無いものは仕方ありませんわ」

「……ああ、悔しいがその通りだ。しかしまたしても魔法が使えなくなるとは……天は私に魔法を捨てろと暗に言っているのだろうか? ところでエレン、私でも何か出来る事があるかな?」

「あ~……すみませんが、ラジエルではあなたに任せられる役割はありません。十分間に合っていますわ」

「むぅ……。では、別の場所で何かやれる事はないかな? 荷物持ちでも構わない、とにかく役に立ちたいんだ」

「気持ちはありがたいのですが……そもそも今のあなたは怪我人ですよ? 本来ならまだ医療室のベッドの上で横になっていなければならないのに、ブリッジで様子を見せているだけ融通を利かせているんですから、これ以上悩みの種を増やさないでもらいたいです」

「そ、それはすまない……だが! ニダヴェリールの全てを知っているからこそ、このまま何も出来ないのは嫌なんだ! だから戦わせてくれ、お願いだ!」

「はぁ…………いいですか? 私はサバタと閣下のためなら何でもする所存です。例えあなた方が何を言おうと、それは揺るぎません。あなたが死んだらサバタが悲しみます……彼の覚悟が無になってしまいます。それを避けるため、私はあなたを生かそうとして申している事を、もう少し理解して下さい」

「う……し、しかし!」

「“でも”も“しかし”もありません。怪我人は無理せず、大人しく私達の戦いを見届けていて下さい。……大丈夫です。アヴァランチとも呼ばれた私達は、絶対存在やイモータルが相手でも決して負けやしませんよ」

堂々と言ったエレンの姿は、過去の過ちで引け目を抱いている私には少し羨ましかった。過去に対する罪悪感で私と彼女は似ているが、私はまだ引きずっているのに対し、彼女はそれを乗り越えて未来の糧としている。流石、兄様の仲間なだけあるな……。

これ以上駄々をこねると流石のエレンでも本気で怒りそうだったので、大人しく医療室に戻った。そんな私に、彼女はモニターで外の様子を見れるようにしてくれた。そういう訳なので私は戦えないが、彼女達の戦いの様子を中継する事ぐらいは出来る。

外は寂れた荒野の真っ只中で、何も無いからこそファーヴニルとの戦いで余計な被害が出る可能性を極力なくせる場所だった。渇いた風が吹き付ける中、遥か彼方の空で空間の歪みが発生していく。私達が魔法で行ってきた次元転移とは異なり、あれは力づくで世界の壁をこじ開けている影響……世界に異物が入り込む兆し。緊張の面持ちで息を呑んだ直後、ガラスが割れるような激しい音と同時に、歪みに亀裂が生じる。

Hyuuuuuuuuuuuuuu…………!!!

次元の亀裂の向こうから聞こえた、静かな雄叫び。それを発した元となる存在……静寂の獣ファーヴニルが、亀裂を乗り越え、とうとうその巨体を私達の前に晒した。そしてもう一つ、忘れてはならない存在……この事態を起こした全ての元凶たるイモータル。兄様の運命を歪め、次元世界を混乱に陥れたラタトスクが、ファーヴニルと共に現れたのだ。

『チッ、まさかこんな妨害があるとは思いませんでしたよ。しかし……たかが人間ごとき、いくら大勢集まった所でファーヴニルに勝つ事は出来な――――ぐばぁっ!?』

「……え?」

モニターが写した映像を見て、思わず気の抜けた声が出てしまった。だけど色んな意味でそれもしょうがない気がする。
外の様子を教える前に言っておく。私は今、エレンの凄さをほんのちょっぴりだが目撃した。い、いや……目撃したというよりは、咄嗟過ぎて理解が追い付かなかったのだが……。あ、ありのまま今起こった事を話すよ。ラタトスクが人間を見下ろす発言をしていたら、次の瞬間衝撃でぶっ飛ばされていた。何を言っているのかわからないと思うが、私も最初は何が起きたのかわからなかった……。頭がどうにかなりそうだった……魔法だとかレアスキルだとか、そんなチャチなものでは断じてない。もっと恐ろしいものの片鱗を、目にしてしまったよ……!

『うふふ……ミ・ツ・ケ・タ♪』

極限まで溜め込んだゼロ気圧衝撃砲を放ったエレンが、獲物を見つけた猛獣のような笑みを浮かべている。モニター越しだけど、その笑顔は鳥肌が立つぐらい怖いよ……。というか今更だけど気づいた。ラタトスクに対して、エレンは本気でキレている。世紀末世界でも次元世界でも兄様を陥れようとした事が、彼女にとっては許せない出来事なのだろう。

『戦闘開始。全部隊、一斉攻撃!』

サルタナの一声が聞こえた直後、無数のミサイルや機銃が全てファーヴニルに注がれ、無慈悲な鉄の雨が降り注ぐ。そして、この防衛陣での戦いの火蓋が切って落とされた。

 
 

 
後書き
ログス・アクヴィ・イグニス・アイリス:ゼノギアスにおける地水火風、及び地域名。イグニスとアクヴィは分かりやすいと思いますが、ログスとアイリスは属性付与のアイテムから取りました。
ユグドラシル:ゼノギアスでは主人公達の乗り物となる潜水艦ですが、この話ではエアッドのようなビット兵器という設定にしています。なお、この状況でラジエルが動いているのは、動力源が魔力ではないからです。

この回の没ネタ。
その一。
タンカーに4番が仕掛けたセムテックス。なのは達が到着後、扉を開けると罠発動でドカン。かばってリーゼ姉妹退場。これでははやてを救出出来ないため、ボツ。
その二。
なのはのディバインバスターがタンカーを真っ二つ。それが原因で船倉に水が入ってタンカー沈没。いくら何でも考えなし過ぎる。加減ぐらいは知っているはずなので、ボツ。
その三。
護衛の騎士の体内に爆弾。病院に搬送後、爆発して聖王教会が責任を負わされ、今後うかつに身動きできなくなる。流石に前回の3番と5番がやるような内容ではないため、ボツ。
その四。
なのは「フルトン……?」
ロッテ「トの所に〇を入れてみて(笑)」
アリア「……ボツ」
その五。
グラビア本を見て艦長とはやてが覚醒。本能のままに読み漁る。一方スカ陣営ははやてに仕込んだナノマシンからはやての視界をモニターに映し出し、画面いっぱいにグラビア本が表示。阿鼻叫喚となる。前回の流れをぶち壊し過ぎているため、ボツ。
その六。
ネロ「戦わせてくれ!」
エレン「ではこれを」
ネロ「不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を停止してください」
サルタナ「……ボツ」
 
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