転生とらぶる
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マブラヴ
1055話
ネギま世界の京都にやって来た翌日、俺達は朝食を食べていた。
さすがに朝食も京風料理という訳ではなく、出汁巻き卵、銀鱈の西京漬け、千枚漬け、アサリの味噌汁といった、普通の和食だ。
……いやまぁ、西京漬けだったり、千枚漬けだったりと微妙に京風料理のエッセンスはあるんだが。
ああ、それと俺が気に入ったって事で特別に湯葉も出して貰っている。
出汁醤油で食べる湯葉は、朝だというのに既に30℃近い京都であっても十分に美味く食べられる。
寧ろ、この暑さだからこそ冷たい湯葉を美味く食べられるってのが正しいのか?
そんな風に朝食を食べている面子は、昨日の夕食の時と同じく俺、あやか、円、神楽坂、近衛、桜咲の6人だ。
尚、昨夜の夜はさすがにある意味では敵地――本物の敵ではなくて交渉相手的な意味で――の関西呪術協会であやかや円を抱く訳にもいかず、普通に男女分かれての部屋で睡眠をとった。
……あやかや円もその辺の事情はきちんと理解しているのか、残念そうな顔をしながらも、大人しく引き下がった。
組織としての力の差を理解している以上、関西呪術協会の方でも妙な考えを抱くとは思わないが、それはそれ、これはこれだ。
結界を張れるようなマジックアイテムでもあれば話は別だったかもしれないが、そんな物は用意していないし、空間倉庫の中にも入っていないしな。
関西呪術協会側にしても、今日これから行われるあやかとの交渉を少しでも有利に行えるよう、こちらの情報を集めるために覗き見をする奴がいない……とも限らない。
その為、あやかと円には昨夜は我慢して貰った訳だ。俺もだが。
ちなみに、近衛と桜咲は当然俺達とは違う場所で寝ていたのだが、朝食前にこっちと合流している。
本来は詠春も一緒に食べる予定になっていて近衛達と来たんだが、何だかトラブルがあったとかで急に出て行ってしまった。
修学旅行の時のように妙な騒動にならないといいんだけど。
微妙にフラグな気がしないでもないが、それでも祈らずにはいられない。
ただでさえ、俺の場合はトラブルに好かれている以上、どうしてもそんな風にしてしまうのはしょうがないだろう。
正直、俺程にトラブルの女神に愛されている奴はいない。そう断言出来る程に俺はトラブルに愛されている。
それに関しては、シャドウミラーのメンバーなら誰であったとしても異論はないだろう。
それだけの実績を積み上げてきたのは事実なのだから。最悪の実績としか言いようがないのが、微妙に……それはもう微妙に残念だが。
「この料理は美味しいですわね。とてもさっぱりとしていて……この西京漬けも出来ればお土産として買っていきたいところですわ」
「京都の料理は色々と美味いのが多いし、手間も掛かってるからな。確かに京都土産という意味でも、あるいは俺の空間倉庫にストックしておくって意味でも買い溜めしていくのはいいかも」
「はー……アクセル君の空間倉庫って便利やなぁ。そういう真似が出来るんなら、ウチもそういうの欲しいわ。せっちゃん、陰陽術でそういうのあらへん?」
俺とあやかの話を聞いていた近衛が桜咲に尋ねるが、それに戻ってきた返事は首を横に振るというものだ。
「陰陽術にそういう術はあるかもしれませんが、私の場合はあくまでも神鳴流の補助としてのもので、本格的なものではないですから。寧ろ、このちゃんの方がその魔力を使ってどうにか出来るんじゃないですか?」
「あははー。麻帆良に帰ったら、エヴァちゃん辺りに聞いてみよか」
「寧ろ、仮契約のアーティファクトでそういうのはあるんじゃないか? 確か長瀬のアーティファクトは家を別空間に持っているとか、そういうのじゃなかったか?」
明確な魔法とかで俺の空間倉庫のようなものを再現するのはかなり難しいが、色々な意味で弾けた性能を持つアーティファクトであれば、そういうのがあってもおかしくはない。
ただ、問題は……
「うーん、パクティオーなー……ウチがアーティファクトを使えるようになるには、ウチが従者にならんといかんし……そもそも、そうそう希望通りにアーティファクトが出てくるかどうかも微妙やしなー。せっちゃんはどう思う?」
小首を傾げて桜咲へと尋ねる近衛。
近衛にしてもかなりの美人……それも大和撫子的な和風美人ではあるんだが、その性格からか、どうしても幼く見えてしまう。天真爛漫というか。そういう意味では神楽坂と似ていると言えなくもない。
こうして小首を傾げた仕草をしている近衛からは、大人の色気や艶というものを感じることはないし。
そういう意味では、俺にとっては寧ろ幸運だったと言えるだろう。
さすがにそうそう恋人を増やすって訳にもいかないし、そのつもりもない。
ともあれ、そんな近衛の質問に桜咲は即座に反応する。
この反応の早さは桜咲っぽい。
「駄目です! このちゃんが、そんな誰とも知らない相手とキスをするなんて……」
「あははー。ありがとせっちゃん。じゃあ暫くアーティファクトはお預けかなぁ」
「お……陰陽術で、私が何とか……」
先程は補助でしかないと言っていた陰陽術で空間倉庫の真似事をすると告げる桜咲だが、普通ならまず無理そうな事でも、近衛の唇が掛かってるとなると普通にどうにかしそうだ。そんな風に思うのは俺だけだろうか。
いや、どうやらそう思ったのは俺だけじゃなかったらしい。
あやかが、どこか深刻そうな表情を浮かべて桜咲と近衛に向かって口を開く。
「その、桜咲さん、近衛さん。私が言うのもなんですが、女同士というのは酷く不毛な関係かと」
「……確かにそうだけど、毎晩アクセル君以外に女同士でもそういう事をしている私達が言えた義理じゃないわよね……」
ポツリと小さく呟いた円の声だったが、この場にいるのは俺以外にも五感の鋭い者がいる訳で……
実際、それを聞いた神楽坂は瞬間的に顔を真っ赤に染めながら何かを言い掛け、結局何を言うでもなくあうあうと口をパクパクさせてから、最終的には俯く。
桜咲にしてもそれは同様だったのだろう。烏族のハーフだったり神鳴流の剣士として鋭い五感を持っていれば、口の中だけで呟かれた円の言葉を聞き逃す筈もない。
こちらもまた、顔を真っ赤にしながら何かを言い掛け……
「うちはせっちゃんと一緒にいられれば、それでいいんやけど」
「このちゃん……」
ひっし、と手を取り合う2人。
こうして見ると、立派にそっち系のカップルのようにも見える。
そういう意味では、この場にいる中で完全にフリーなのは神楽坂だけか。
先程の円の言葉を聞き、未だに頬を真っ赤に染めている神楽坂を見ながら考える。
ただ、このまま神楽坂を苛めて……否、いぢめるのもちょっと可哀相だし、少し話題を変えるか。
「そう言えば、以前から思ってたんだけど何で仮契約ってネギま世界の住人じゃなければ出来ないんだろうな」
より正確には、仮契約の主従のどちらかがネギま世界の住人でなければ仮契約が出来ない。
あやか達従者組との同棲が始まってから、ふとその話題になったことがあった。
あやか達ばかりが俺と仮契約していて羨ましい、ズルいと。
もっともそういう考え以外にも、自分達にどんなアーティファクトが貰えるか、そのアーティファクトを研究したい、あるいは実戦で使いたいという思いもあったのだろう。
なら、という事で仮契約をする事になって――魔方陣に関しては千鶴が使えるようになっていた――仮契約を試したのだが、俺とレモン達では仮契約自体が成功しなかった。
それで色々と確認した結果、あやか、千鶴、円、美砂とならレモン達も仮契約出来る事が確認された。
もっとも何故かアーティファクトが出ないという事や、俺の恋人同士で仮契約を結ぶと後々面倒な事になるかもしれないということで、すぐさま破棄されたけど。
まぁ、アーティファクトが使えないとなると仮契約の魅力の半分以上がないしな。
パクティオーカードには他にも魔力による身体強化、通信、従者の召還といった能力もあるが、通信はぶっちゃけシャドウミラー製の通信機の方が異世界間でも通信出来るし、身体強化は基本的にそれがなくてもエヴァに鍛えられている為か、普通に生身でも強いし。召還は結構美味しいと思うが……
その辺の能力と恋人間でのトラブルを天秤に掛けた結果が、仮契約しないという事だった。
正直な話、パクティオーカードの効果を考えると出来れば仮契約して欲しかったんだが……その辺はしょうがない。
「うーん、やっぱり普通に考えれば仮契約自体がネギま世界での儀式だから、そこで生まれ育った人じゃないと駄目なんでしょうね」
「そうですわね。確かに円さんの言う通りだと思いますわ。寧ろ、他の世界でも普通に魔法を使えるというのが、色々と例外なのではないでしょうか?」
「魔法か。一応使えるけど、消費魔力が……ん?」
そこまで言って、ふと気が付いた。今の今まで全く意識になかったんだが、ネギま世界以外で魔法を使うと通常よりも魔力を多く消費する。それこそ、数倍、数十倍、下手をしたら数百倍もだ。
だが……気は?
「桜咲、近衛とイチャついているところ悪いがちょっといいか?」
「だ、だだだだだだ、誰がイチャついてるんですか! そんな、女同士で、そんな、そんな……いかがわしい!」
「えー、せっちゃんウチの事いかがわしいと思ってるん?」
「いえ全く思っていません! このちゃんは話が別です」
何だか桜咲の言葉が色々と支離滅裂なんだが……その辺は細かく突っ込んだら駄目なんだろうな。出来れば思い切り突っ込みたい。
ただ、そうすると話が全く進まないのも事実。
そう判断し、改めて口を開く。
「で、だ。桜咲。お前は近衛と一緒にホワイトスターに来たり、他の世界に行ったりしてるよな? ついこの前もギアス世界の海に行ったんだし」
「え? ええ、まぁ。ホワイトスターの魔法球もこのちゃんと一緒によく使わせて貰ってますし」
……そうなんだよな。本来であれば魔法球はシャドウミラーの最重要機密の1つなんだが、ネギま世界の住人には普通に知られている。
いや、ネギま世界の住人は魔法球という存在は知っていても、そこに時の指輪を組み込んだとかは知らないからいいんだが……それも元3-A組を除けば、だ。
こっちの一部の人員は普通に時の指輪を組み込んだ魔法球を使ってたりするからな。
まぁ、戦闘訓練とかをするという意味では魔法球というのは必須である以上しょうがないんだけど。
特に気を使った戦闘をするメンバーはシャドウミラーでも稀少……というか、基本的にムラタだけである関係上、桜咲や古菲とかに頼むしかない。
他にも気を使った戦闘が出来るメンバーはいるが、長瀬の場合は既に実家に就職して麻帆良で働いている以上無理は言えないし、麻帆良武道四天王最後の1人でも龍宮は金を取られそうだし。
その点桜咲や古菲の2人は……特に桜咲の場合は近衛が回復魔法の修行という事で魔法球を使ったり、エキドナやセシルに怪我をさせられた技術班の面々――自業自得だが――の治療の為だったりで、実はよく利用していたりする。
ちなみに、気を使うという意味では最近ムウが何故か咸卦法の練習をしているという話を聞いている。
……ナタルとの間で妙な戦いとかが起きてたりしないだろうな?
さすがに夫婦喧嘩に咸卦法とかを使われたりすれば、殺人事件でスプラッター状態になりかねない。
ああ、いや。それともナタルからの攻撃を完全に防御する為の咸卦法なのか?
それならまだいいんだが……
それはともかく。
「ネギま世界以外で神鳴流の技とか、気を使った行動をした場合消費はどうなっている? 魔力は消耗がかなり大きいんだが」
「……ああ、そう言えば。確かにかなり消費が激しいような気がしますね」
なるほど、やっぱりそうか。
魔力に関しても、気に関しても、同様に消耗が激しいらしい。
だが、それもよく考えてみればおかしな話ではある。魔力というのは、精霊を含めて周囲の力だ。それの消耗が激しいというのは、周囲にそれだけ精霊の数が少ないということだろう。
それが顕著なのが、ホワイトスターだ。
一応自然の類はあるが、あくまでも人工的な自然でしかない。
その関係で魔力が少ないというのは理解出来るが、気というのは生命エネルギー。誤解を承知でいえば、使用者本人の体力と表現してもいい。
なのに、気の消耗が激しい? その辺が一体どうなっているのか……かなり疑問だ。
この辺、後できちんと検証した方がいいのかもしれない。
「そうか。もしかしたら、後でちょっと協力して貰うかもしれないが、構わないか?」
「ええ、まぁ。構いませんが」
桜咲がそう頷き、話が決まったその時……
「失礼します! アクセル殿、おられますか!」
顔を強張らせ、真っ青に染めた関西呪術協会の陰陽師が朝食を食べている俺達の部屋へと入ってきた。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1179
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