転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
マブラヴ
1054話
近衛がシャドウミラーに入る為の就職説明会が終わり、取りあえず俺にとって今回の最大の目的は達成した。
後はあやかの貿易交渉が残っているが、こっちは俺が手を出すような事もないしな。
……いや、正確には俺が手を出せば妙な事になりかねないというのが正確か。
ともあれ、さすがにシャドウミラーの政治班と言うべきか、あやかの説明は関西呪術協会の幹部達を完全に納得……とまではいかないが、それでも十分検討に値するという話にはなった。
まぁ、元々向こうにしても俺達との伝手は欲しいと思っていたんだろうから、半ば予定通りだったのかもしれないが。
何しろ、現状では麻帆良とばかり取引しているもんな。ああ、後は雪広財閥と那波重工か。
何気にこの2つの会社には以前MSを提供してあるので、その研究では色々と頑張っているらしい。
もっとも、マブラヴ世界とは違って技術をものにするのには大分時間が掛かっているらしいが……この辺に関しては、世界の命運が掛かっているマブラヴ世界と、特に危険のないネギま世界の違いといったところか。
……何気にネギま世界にも魔法とか気とかの、裏の世界に関係する事で色々と危険はあるんだが。特に魔法界なんかは消滅の危機だった訳だし。
火星にある異界という意味で裏火星とか呼ばれたりもしているらしいが、その魔法界に関しては異界だからといって地球の表の世界が安全……かと言えば、決してそんな事はない。
もしもあのまま魔法界が崩壊していれば、確かに魔法界から出る事が出来ない亜人種やモンスターの類はそのまま消滅しただろう。
だが魔法界には地球から渡っていった人間もそれなりに多い。
M.M.なんかはその筆頭だろう。
そのM.M.が……権力に驕り、腐敗が蔓延しているM.M.が、自分達の住んでいる魔法界が滅びるとなればどうするか。
まず間違いなく現実世界にやってくるだろう。そうして大きな騒ぎになるのは間違いない。
そうなった時、何が起きるか……それは考えるまでもない。
「ま、そうならないように俺達が動く訳だが」
真夏の夜空を見ながら呟く。
夕食はさすがに関西呪術協会の者達は除いて、俺達だけで食べた。
この夕食も京料理であり、とても美味かった。
京都って食に関しては純粋に日本のいいとこ取りのような感じがする。
いや、関西呪術協会という立場にあるからこそ、そして今日に限っては詠春の一人娘でもある近衛が里帰りしているからこそ、奮発してしっかりとした本物の京料理を食べる事が出来ているんだろうが。
特に湯葉とか、何であんなに簡単な料理なのに、スーパーとかで売ってるようなものとあそこまで味が違うんだろうな。
汲み上げ湯葉とか、もう幾らでも食べられる。
実際、俺の身体だと幾らでも食べられるのは事実なんだが。
勿論それだけではなく、他にも煮物や簡単な鍋も出された。
……真夏に鍋ってどうよ? と思ったが、そこはさすがに関西呪術協会。腕利きの陰陽師が揃っていて、部屋の気温を低くして真夏の中に真冬並みの気温を再現してくれた。
もっとも、俺の場合は暑さとかあまり関係ないんだが……俺以外の、あやかや円、神楽坂、近衛、桜咲なんかは暑さに参っていたしな。
そういう意味では、陰陽術で部屋の中を思い切り寒くして鍋を食べたというのは色々と珍しい体験をしたと思う。
真冬にエアコンの暖房で部屋の中の気温を上げてアイスを食うような感じな訳だ。
そう思えば分かりやすいと思う。
まぁ、家電か陰陽術かで違うところも結構あったりするが。
「え? アクセル君、何か言った?」
俺の隣に来た円が、首を傾げて尋ねてくる。
「いや、何でもない。それより、近衛とかはどうしたんだ?」
部屋の中を見てみると、少し前までいた近衛と……桜咲の姿もない。
まさかこの場所で関西呪術協会の奴等に連れ去られたとかはないと思うが、一応念の為に尋ねる。
だが、戻ってきたのは小さく肩を竦める円の姿だけだった。
「あの2人ならお父さんと話してくるって、ちょっと前に出て行ったわよ。シャドウミラーに就職するにしても、今日やったみたいに全員の前で説明するんじゃなくて、きちんと親子で話したいみたい」
「……親子、ねぇ。護衛の桜咲も一緒に行ってるみたいだが?」
「あははは。まぁ、護衛なんだからしょうがないわよ。実際、ここでの危険はもうないって分かっていても、どうしても修学旅行の件が思い浮かぶんでしょうね」
「あー……確かにあの時は色んな意味で酷かったものね」
「確かにそうですわね。特に円さんなんかは、魔法に関わったのはあの時が初めてでしたし」
俺と円が話していると、神楽坂とあやかがそんな風に話ながら近づいてくる。
そう言えば、確かにそうか。カモの奴が仮契約の魔方陣を宿に使って、朝倉と共に妙なゲームをやったのが原因で円と美砂を魔法の世界に引き込んだんだったな。
もしもあの時にあんな事がなければ……もしかしたら円と美砂は、今でも普通の女子大生をやっていたのかもしれない。
勿論3-Aの生徒であった以上は魔法に関して知る事にはなっただろうが、それでもここまでどっぷりと魔法には……
そんな風に思っていると、不意に感じる右腕の柔らかい感触。
そちらに視線を向けると、そこでは円が俺の右腕を思いきり抱きしめて双丘がぐにゅりと押し潰されていた。
「アクセル君の事だから何を考えているのかは大体分かるけど、私はこの世界に足を踏み入れた事を後悔はしていないわよ。何て言っても、もしも私がアクセル君と仮契約を結んでいなければ、私はこうしてアクセル君の恋人になる事も出来なかったんだし」
そう告げてくる円の表情は確かに満足そうな笑みを浮かべており、何の後悔もしているようには見えない。
「ふふっ、確かに円さんがいない今の生活というのは、私にも想像出来ませんわね。今ではあれだけの人数がいなければ落ち着きませんもの」
「ちょっ、ちょっとあやか。あんたいきなり何を言って!? アスナの前で夜の事を言う必要なんてないでしょ!?」
「はい? 私は食事の時に全員で……」
そこまで言ったあやかは、円が何を言っているのかが分かったのだろう。頬を赤く染めながら口を開く。
「円さん、貴方一体何を考えてるんですか!?」
「え? ちょっ、皆一緒って……もしかして酒池肉林のドロドロな熱い夜を過ごしてたりするの? うわっ、ちょっ、アクセルあんたこっちに来ないでよ。私はいたってノーマルで、複数プレイなんてごめんなんだから」
「アスナさん! ふ、ふ、ふ……複数プレイとか、そういういかがわしい事を言わないで下さる!?」
「何言ってるのよ! いいんちょや釘宮が実際にやってる事でしょ!? 何よ複数プレイって……てっきり1日1人を相手にしているのかと思ってたのに……あのいいんちょが……あら? でもいいんちょの事を考えると、そんなに不思議じゃないかしら? 何というか、色々な意味でハードな生活を送ってるわね」
「ちょっとアスナ。言っておくけどそこまでハードなんかじゃ……ハードなんかじゃ……ああ、ごめん。これ以上ない程に思い切りハードだわ。それこそ、ダイエットとかの必要もないくらい」
「円さん! 何だってそういう事を言いますの!」
「へ、へぇ……ダイエットの必要もないくらいに激しいんだ……さすがアクセルね。いいんちょも、すっかり爛れた生活に慣れちゃって。高校時代のあんた達のファンが見たら、血涙流して悔しがるでしょうね」
「た、爛れたって……愛に満ちた生活と言って下さるかしら! そもそも、アクセル君以外の有象無象にそんな風に思われていても、困るだけですわよ」
そんな風に言い争っている光景を眺めつつ、空間倉庫に入っていたアイスを口へと運ぶ。
色々と言いたい事はあったりするが、今あそこに口を出せば俺もあの混乱に巻き込まれるのは間違いない。
ここは一旦距離を取るのが正しい戦略だろう。
にしても、あやかや円が高校時代に人気があったってのは前々から話に聞いていたし、何度か麻帆良でデートした時にも向けられる視線から理解していたが……こうして神楽坂のようにその時を知っていた人物から直接聞けば、つくづく実感する。
嬉しいか嬉しくないかで言えば……正直微妙なところだ。
何しろ、俺の知らないあやかや円達を知っている奴が大勢いるって事だし。
「アスナも、そんなに私達の事が羨ましいんなら恋人作ればいいのに。高畑先生にはもうフラれたんだから、新しく好きな人を作ってもいいと思うんだけど。アスナくらい美人なら、それこそよりどりみどりでしょ?」
「……え? そ、そう? 本当にそう思う?」
「うんうん、いけるって。ねえ、アクセル君。アスナって十分美人だよね?」
円の視線が俺へと向けられるが……
「そこで俺に振るのか」
「え? だってやっぱりここは男の人の意見が重要でしょ? ほら、どう? アクセル君から見てアスナって美人だと思うわよね?」
「あー……そうだな」
チラリと神楽坂の方へと視線を向けると、そこには薄らと頬を赤く染めながらも、どこか期待している表情を浮かべている神楽坂の姿。
俺が神楽坂の趣味ではないとしても、それでもやっぱり男から褒められるのは嬉しいんだろう。
そうして向けられてるのは、そんな神楽坂だけの視線ではない。円からも答えを促すような視線が送られてくる。
これは、もしかして俺達の夜の生活から話を逸らすためにも協力しろって事か?
なら、最初からああいう話をしなければいいものを……
そう思いつつ、確かにあの状況は何だかんだと俺にとっても嬉しくない状況ではあったので、そっちに乗らせてもらう。
「そうだな、神楽坂がいい女かどうかって点で言えば間違いなくいい女だろ。それに関しては、超包子にバイトの神楽坂目当ての客が来ているのでも明らかだ」
実際、俺もチャイナドレス姿の神楽坂は、色々と目を奪われる事は多い。
太股の付け根まで入っているスリットからチラリと覗く白く健康的な太股は、男なら間違いなく目を奪われる。
まぁ、その辺を口に出せばどこ見てるのよ、と言わんばかりに怒り出すのは間違いないから言わないが。
神楽坂も俺の言葉に一瞬嬉しそうな表情を浮かべるも、次の瞬間には不本意だと唇を尖らせる。
「ただ……」
そう続ける俺の言葉に、再び神楽坂の視線が俺の方へと向けられた。
あやかと円も、若干不機嫌になりつつも俺に視線を向けている。
……おい、何でお前達が不機嫌になる。
あやかはともかく、円の場合はお前が神楽坂に対して魅力的かどうかを言えって言ったんだろうが。
ともあれ、言うべき事は全て言うべきだろう。
「その、何だ。神楽坂が魅力的なのは事実だが、本人が女としての仕草に若干難があるというか……」
「え? ちょっと、それどういう事? もしかして私が女として何か問題があるっていうの?」
その一言は、神楽坂にしても聞き逃せない言葉だった為か、俺の方へと鋭い視線を向けてそう告げる。
「いや、そこまでは言わないが……そうだな、例えば自分の格好とかに無頓着な部分があると言えば分かりやすいか?」
「ええ。まぁ、確かに」
「あー……なるほど」
神楽坂よりも前にあやかと円の方が俺の言いたい事に気が付いたのだろう。納得した表情を浮かべて頷く。
「ちょっと、2人共……何よ、何を言いたいの?」
そんな2人の様子に、神楽坂は思わずといった様子で言葉を紡ぐ。
それに返ってきたのは、哀れみに近い視線。
お互いに押しつけあっていたあやかと円だったが、やがて親友という線で押し切られたのだろう。あやかが渋々と口を開く。
「簡単に言えば……アスナさんの場合、身体は大人でも中身……精神的にまだ子供なんですわ」
「……なっ!?」
ああ、なるほど。確かにそう言われてみればそんな気がするな。
神楽坂は確かに見た目は美人でいい女だ。それは断言してもいい。
だがその内側。精神的な部分がまだ大人になりきれていないんだろう。
いやまぁ、何だかんだでまだ19歳なのを考えれば、それ程おかしな事ではないんだろうが。
ただ、元3-A組の場合は精神的な成長が早い人物が揃っていたからこそ、違和感があるんだろう。
「ま、まぁ、ほら。それは精神的に若いって事でもあるんだし……アスナもあまり気にしなくてもいいって」
「精神的に若いのと、精神的に子供なのは全然違うわよ!」
「……けど、別にアスナに誰か意中の相手がいる訳でもないんでしょ? なら、もしかしたら次にアスナが好きになる相手が、そういう人かもしれないじゃない」
そんな円の言葉を聞いて、少し考える神楽坂。
「それならそれでいいの? でも精神的に子供な相手を好むって事は、ロリコンって事じゃないの?」
「さて、その辺はどうだろうな。肉体的には神楽坂の場合十分に大人だろ」
「確かにそうね。下着とかもそれなりに……って、ちょっと、アクセル! サラッと女同士の話題に入ってこないでよ!」
俺の言葉に目と眉を吊り上げて叫ぶ神楽坂。
「いや、そもそも俺は最初からここにいたんだけど」
「それでも、デリカシーってものがあれば分かるでしょ!」
ギャーギャーと喚く神楽坂。
……そういうところが子供っぽいって言われる由縁なんだと思うが……
ともかく、何だかんだと騒がしい夜を過ごすのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1179
ページ上へ戻る